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ハートキャッチ第42話『とまどいのゆりさん!ラブレター見ちゃいました・・・』 [ハートキャッチプリキュア]

生身でスナッキーやダーク様とも渡り合い成績は常に学年トップ
さらに前回、児童心理学にも長けている事も判明し、まさに完全無欠、完璧超人のゆりも、
対象が自分自身になると鈍いことが明らかになりました。
年上の異性に対する憧れが招く切なさは、奇しくも再見したばかりの
「純情乙女の恋物語」に通ずるものがあります。
トランシーバーやパントマイムを交えてのやりとりも楽しめる一編ですが、
コブラージャさんにとって「心」が何を意味するのか、終盤に向けて気になる点もありました。
 
満月を背に佇むクモジャキーとコブラージャさん。
クモジャキーにとってこの戦いの行方はさほど重要ではなく、
己を高める求道にしか興味がありません。
それはコブラージャさんもしかり、今まで同様美を追い求める事が目的で、
相容れない2人の大幹部は互いに背を向けました。
『勝手にさせてもらうよ・・・』
そして眠りから目覚めたダーク様は、普段閉じている右目から先に開き、
次いで開かれる左目は右目と同様、金色に輝いていました。

ところで今回からオープニングが微妙に変わっていました。
スナッキーたちを相手に立ち回るサンシャインとムーンライトの格好良さが光るものの、
歯をむき出して雄叫びを上げるコッペ様が一番驚きました。
その風貌とも相俟ってトロロを思わせますが、
(だから薫子さん役がメイの坂本千夏さんになった、と言うのは考えすぎですね・・・)
これまで沈黙を守ってきたコッペ様が、これから本気を出すのかと想像が膨らみます。
そして、ついにオープニングにも進出したスーパーシルエットから現れる巨大女性も強烈です。

植物園で花に水をあげ、さりげなく髪をかき上げるゆりの仕草は
つぼみ、えりか、いつきの3人が思わずため息を漏らす程気品に満ちています。
ゆり自身は普通にしているだけなので、3人が憧れる事がいまいちピンと来ません。
そして薫子さんが持ち寄ったケーキで一息入れる一同は、
植物園の外で様子を伺う怪しい影に気がつきました。
様子を見に行くと既に逃げられた後ですが、そこにはラブレターの落し物がありました。
はしゃぐ3人の中学2年生と裏腹に、高校2年のゆりは興味無さそうに立去ります。

差出人も宛名も書かれていないラブレターに興味津々の花の中ニトリオに、
ゆりは開けるのはマナー違反だと釘を刺しました。
しかしラブレターから目を放した隙にポプリがラブレターを手にとり、開封して音読しはじめます。
慌てて阿波踊りのような仕草でポプリを止めようとする3人ですが、
いざ読み進められると好奇心は抑えられないようで、耳を塞ぎながらそっと聞き耳を立てます。
"昔からずっとあなたの事が好きです"
凄くストレートな文面は、誰に向けられたものなのでしょうか。
つぼみは春に引っ越してきたばかりなので「昔から」には当てはまらず、
いつきも「同性から」モテモテなので違うようです。
『これ、とうとう来ちゃったかな・・・?私の時代が・・・』
と自賛するえりかをスルーして、つぼみはゆり宛ではないかと推察しますが、
ゆりは興味無さそうに夕飯の支度をすると言い残して帰ってしまいました。

つぼみ達が帰ろうとした際、何やら探し物をしている少年が目に留まります。
案の定ラブレターの落とし主はその少年で、
中の手紙を読んでしまった事を謝るつぼみといつきですが、
えりかは少年が誰に宛てて書いたのか興味津々です。
『もしかして、私?』
『はぁ?お前らみたいなお子ちゃまには興味は無い』
年下にお子ちゃま呼ばわりされて、えりかだけでなくつぼみまでもが
珍しく目を吊り上げて怒鳴り、もしかして僕?と口にしたいつきに蒼白になる少年。
この時のいつきはいつもの男装なので、改めていつきを「お姉さん」だと知り一安心します。
どうやらいつきがゆりの彼氏ではないかと邪推していたらしく、
「ゆり姉ちゃん」と口を滑らせた事でラブレターがゆりに宛てられた物だと知られてしまいました。

改めてラブレターを読んでしまった事を謝り、
ゆりには黙っていると約束するつぼみ、いつきと裏腹に
えりかはその少年、ハヤト君がゆりのどこに惚れているのかと興味津々です。
聞けばゆりとハヤト君は同じ団地に住んでいるため、かつては良く遊んでもらっていました。
それ故に父の消息が不明になってからの元気が無いゆりを心配しており、
何もしてあげられなかった自分を責めています。
『俺が、子供だったから・・・』
今度こそゆりの笑顔を守りたいと言うハヤト君に、すっかり感心した3人は
読んでしまったお詫びも兼ねてハヤト君のフォローを申し出ました。
当のハヤト君は顔を引きつらせていますが・・・

そして翌日。つぼみ達に対砂漠の使途のための作戦会議を提案され、
放課後指定場所の河川敷に向かったゆりを待っているのはハヤト君です。
離れた場所で伺うつぼみ達は、作り物の雲の裏に隠れた妖精達が
都度、トランシーバーで状況を報告。
緊張のため会話が弾まないハヤト君に、つぼみ達は怪しげなパントマイムで
ハートを伝えろ?と訴え、ハヤト君もようやく決心がつきました。
しかし最近何してるの?と切り出すハヤト君に、ゆりは本当の事を言える筈がありません。
答えをはぐらかすものの、この場所はゆりも覚えていました。昔よくここで遊んだ事。
かくれんぼの最中に眠ってしまい、ゆりはハヤト君を膝枕した事を思い出しますが、
記憶の中だけでなく、今も子ども扱いされているようで
ハヤト君にしてみれば昔の事だと言いたくなります。

そして何気なく続くゆりの言葉は、ハヤト君にとって辛いものでした。
『私、兄弟がいないでしょ?ハヤト君のおかげで弟が出来たみたいで・・・』
その言葉にハッとなって、後ろ手に持ったラブレターを握り締めるハヤト君。
つぼみ達や妖精達がゆりの言葉にヤバい空気を察したとおり、
ハヤト君はショックを受けて走り去ります。
『俺・・・俺・・・!ゆり姉ちゃんの弟じゃない!』
その後姿を見送るゆりには、ハヤト君の気持ちが解りません。

一人公園でラブレターに目を落とすハヤト君は、案の定格好の心の花提供要員です。
お美しいポーズを決めて登場したコブラージャさんに目をつけられ、
その心の花はラブレターと合わせてデザトリアンと化しました。
ハヤト君の後を追って来たゆりは、デザトリアンが暴れているのに気付いて単身変身します。

『ドウシテ俺ハモット早ク生マレテ来ナカッタンダ?大人ノ男ニナリタイ!』
手紙の束を矢文のように飛ばして襲い掛かるデザトリアンの攻撃、
続けて巨大な紙がムーンライトを襲いますが、それを食い止めるサンフラワーイージス。
前回とは逆に、後から現れる3人が加勢します。
巨大な紙の上に巧みに飛び乗り、2つに切り裂いて応酬するも、
無数の手紙の束攻撃はなかなか強烈で、サンシャインの影で防ぐのが精一杯です。
『俺ハゆり姉チャンノ弟ナンテ嫌ナンダ!』
デザトリアンの心の叫びを言葉通りに受け止めたムーンライトは、
ひょっとして嫌われているのかと考えてしまうほど鈍感です。
見かねたマリンが思わずハヤト君はゆりの事が好きだと
言ってしまいそうになるのを止めるブロッサムとサンシャイン。
ハヤト君の気持ちはハヤト君自身が伝えないと意味がありません。
ようやくムーンライトもハヤト君の気持ちに気付きかけたようですが・・・

『そんな時は来ないさ。永遠にね』
ダークブレスレットの力でデザトリアンに潜り込むコブラージャさん。
爆発するブロマイド投げに長けていただけに、
爆発する手紙を投げつけて4人を吹き飛ばし、そのまま心の花を枯らせてご満悦です。
『コブラージャ!あなたはどうして戦うんですか!?』
訴えるようなブロッサムの問いかけに、ただ美しいものが好きなだけだと答えるコブラージャさん。
簡単に弱り、嫉妬や憎しみに染まる人の心は美しさの欠片も無く、心などいらない、
という持論を展開し、理解できないプリキュア達を嘲笑いながらデザトリアンの拳を叩きつけます。
しかし美しいものを美しいと感じるのはコブラージャさんが要らないと言った心です。
その矛盾を突きつけられて戸惑い、不愉快だと激しく取り乱すコブラージャさん。
デザトリアンに隙が生まれたところを一気に
ミラージュ→スーパーシルエット→牛久大仏の拳の流れで浄化しました。

コブラージャさんは危うく浄化寸前で我に返り、危機一髪脱出しましたが
ポワワワワン♥の影響を受けて立ち上がる力が残っていません。
その隙にムーンライトを先頭に殺る気満々で駆けつける4人。
まさかこんなところでコブラージャさん最終回かと思いきや、突如ダーク様が救援に現れました。
その輝く両目は今までの片目の力と段違いで、
スーパーシルエットとなった4人を持ってしてもあえなく吹き飛ばされます。
しかし今回のダーク様は追い打ちをかけるでもなく、
立てないコブラージャさんを連れて引き上げていきました。

復活したダーク様の強力な力は新たな懸念材料となりますが、
ひとまずハヤト君を元に戻します。
ゆりに膝枕されている事に気がついて、慌てて飛び起きるハヤト君。
この期に及んでハヤト君に嫌がられていると誤解したままのゆりに、
ハヤト君は深呼吸した後、自分でラブレターを差し出しました。
ようやくハヤト君の気持ちを理解したものの、返答に困るゆりですが、
自分の気持ちをしっかりと伝えられたハヤト君はスッキリしたようです。
沢山食べて沢山寝て、ゆり姉ちゃんを守れるような一人前の男になると宣言するハヤト君。
その心の花、サクランボの花言葉は「小さな恋人」
小さな恋人の気持ちにゆりがどんな答えを出すのかはまだ解りませんが、
共に見た夕陽、ゆりの手に渡されたラブレターはいつか答えを出す事でしょう。


年上の異性に恋心を抱き、相手から「弟」ないし「妹」のように思っていると
言われてしまう展開はいろいろな物語で見受けられます。
真剣に恋している側からすれば、これは非常に堪える辛い言葉だと思います。
「弟」や「妹」のように思うとは親しい存在でもそこにある愛情は家族愛のようなもので、
異性間の愛情で無いと、はっきりと言われるようなものです。
今まで年上に恋心を抱いたなぎさや咲も、藤Pや牛乳に「妹」のように思っている、
などと言われたら、おそらく今回のハヤト君以上に、
立ち直れない程のダメージを負ったと思います。
それ故に今までプリキュアではこの「ありがち」な展開が描かれなかったのではないでしょうか。
りんちゃんと眼鏡の青年は「妹」と思われる関係にも進んでおらず、単なる客と店員との関係で、
「妹」と認識されてしまうよりはりんちゃんのダメージは小さかったと思います。
言う側に立つというのも、例えばほのかが亮太をそのように扱う展開も考えられますが
中学生のヒロインが年下の男の子を傷つけてしまうというのを避けたのかもしれません。
その点今回はゆりの「高校生」という設定が活かされてていると思います。

ハヤト君は小学校5・6年といったところでしょうか。
この年頃の男子はとかく子ども扱いされるのを嫌い、背伸びしたがるものです。
しかし背伸びをして、大人の真似事をするだけで大人になれるわけではありません。
私自身もまだまだ子供っぽいと思う事がありますし、
存外生きているうちに大人になれる事は無いかもしれないとも思います。
要は焦らず、自分を知る事で自分を高める努力をする事、なのかもしれません。

さて、自分を高めるといえば冒頭のクモジャキー、
そしてコブラージャさんのやりとりが気になります。
クモジャキーだけでなく3幹部(と書くと妙に寂しさがこみ上げて来ます)は
ああ見えてサバークやデューン、砂漠の国への忠誠心が高いと思っていましたが、
この期に及んで戦いの行方よりも己の求道を優先するとは、何か裏があるのでしょうか。
コブラージャさんが美を追求し、心を醜いものとする理屈が語られ、
その一方で、己の心について触れられた際に激しく取り乱したのが気になります。
何らかの事情で激しく絶望し、心を美しいと信じられなくなって
サソリーナのように眠り続ける本体がどこかにあるのかもしれません。

もう終盤にも関わらず、更なるパワーアップを遂げたダーク様。
これ以上プリキュア側にはパワーアップの余地は無いと思いますので、
どのようにこの壁を越えるのか、残り少ない中での展開が楽しみになりました。
それにしても両目を開くと強烈な力が振るわれる、という描写に
某乙女座の黄金聖闘士を連想した同世代の方も多いのではないでしょうか。

少々固い切り口になってしまいましたが、楽しめる要素もふんだんに盛り込まれていました。
ラブレター、と聞いてつぼみやえりかが目の色を変えるのは目新しくありませんが、
いつきまでもが追随している事で、やっぱりいつきも年頃の女の子なのだと思います。
そしてトランシーバーでのお約束、
『あんた達妖精でしょ?なんかミラクルでスーパーなパワーとか使ってさドーゾ』
『無茶言わないでデス!ドーゾ!』
言い合っていても語尾に「ドーゾ」をつけるだけで妙に笑えます。

また今回は作画の美しさが特筆されます。
『これ、とうとう来ちゃったかな・・・?私の時代が・・・』
のえりかの美しさには見事にハートキャッチされました。
今回メインのゆりだけでなく、当然つぼみやいつき、そしてダーク様、
更に女性陣だけでなくハヤト君、果てはコブラージャさんまでもが美しく描かれていました。
(コブラージャさんは常にお美しいですね。言葉のアヤです)

ところで本編開始後のジョウロから出る水がシャワーのようで、
美希以来となるシャワーシーン到来か?と期待を抱いてしまった私は
汚れた大人になってしまったようです・・・
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