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プリキュア5 第18話『突撃!かれんの私生活』 [Yes!プリキュア5]

本日は久々の平日休みとなりました。そして本日視聴するのは、偶然にもかれんの休日です。
その名の通り可憐な佇まい、生徒会長としての毅然とした振舞い、お嬢様ゆえの上品な物腰・・・
高嶺の花だったかれんのキャラクターが見事に崩れ去る今回は、
かれんさんじゅうごさいがイジられキャラとして脱皮する重要な転機です(笑)。
ちょっかいを出す4人とのやりとりが実に楽しい一編なのですが、
ふとした隙に寂しさを見せるかれんの複雑な心境も伺え、かれんを案じ見守る坂本さん、
そして後の第33話で明らかになる、増子さんが抱える問題が垣間見える一編です。
  
テラスで寛ぐかれんに、生徒達の陳情書を叩きつける増子さん。
生徒会長の日常が知りたいと言うリクエストが文字通り山ほど来ているため、
増子さんは次回のサンクルミエール通信の特集でかれんの密着取材を企画して、
次の日曜にかれんの家での取材許可を求めます。
学校の取材だけで十分ではないかと断るかれんですが、
周りの生徒達の増子さんを応援する空気に押され、仕方なく承諾する事になりました。
そして取材するにあたり、増子さんは一つ条件を出しました。
『一つ、お願いしたい点があるんですけど・・・』

『一つ、お願いしたい点があるんですけど・・・』
増子さんの台詞と全く同じ言葉をアラクネアさんにかけるブンビーさん。
そこから続くのは、いつになれば結果が出るのか、
努力しているのに結果が出ないのはなぜなのかと、
いつものように遠まわしにいたぶる言葉の数々です。
アラクネアさんは嫌味に耐え、今日こそプリキュアを倒すと決意を固めて出撃して行きました。

さて取材当日。はじめて見る水無月家の門構えや自動で開く門、
広大な庭園に圧倒される増子さんを、かれんも坂本さんも快く迎えます。
増子さんが出した条件は、他の人に邪魔されずにじっくりと取材したいという事。
かれんはその約束を守り、誰にも邪魔されない取材環境を作った筈なのですが・・・

壁に掛けられた絵、飾られている鎧、応接間の豪華な調度品・・・
邸内に入ってからも、演奏旅行で世界中を飛び回っている両親が送って来るという
豪華な品々にただただ驚く増子さん。しかし取材するのは一人なのかという
坂本さんの問いかけに、少し寂しそうに答えました。
『私一人しかいないんです、サンクルミエール通信は。まあ、いろいろありまして』
続けてかれんは増子さんをテラスに誘い、そこで取材を受ける事になりました。

早速増子さんが何か聞こうとすると、怪しげな執事がお茶を運んできます。
どことなくりんちゃんに見える怪しい執事を呆気に取られて見るかれんですが、
増子さんは取材に集中しているため、その怪しい執事を気に留めていません。
その後もうららに似た執事が砂糖とミルクを運び、
次いで羊羹を持って来る執事は、この作品で「羊羹」と言えばあの人しかいません。
次々とやってくる怪しい執事たちに都度顔をひきつらせるかれん。
「くつろぐ時」という質問を「靴は六足以上はある」などと
心乱されて質問の意図を履き違えているかれんが続けて目にするのは、
悪戯っぽい笑みを浮かべて執事服に身を包んだのぞみです。
増子さんに断って、かれんはしばし中座しました。

『あなた達、ここでいったい何してるの!?』
心配して、わざわざ演劇部で衣装を用意してまで見に来たという4人の発言は、
どう見ても面白がっているようで全く説得力がありません。
これも生徒会長の仕事の一つなので、邪魔しないよう釘を刺した後、
様子を見に来た増子さんに歯切れ悪く誤魔化し、増子さんを庭の散策へと連れ出しました。
そんなかれんを悪魔の微笑を浮かべるみんなが見送ります。

かれんは庭の温室へ増子さんを案内しました。
敷地内の温泉を利用した温室に見惚れる増子さんは、
温室内の熱気で眼鏡が曇り、眼鏡を外すと殆ど見えないようです。
あさっての方向にICレコーダーを向けている増子さんに温室の植物について語るかれん。
『私が世話をしないと、この子たちは生きて行けないから・・・』
インタビューに答える、というよりも本音を漏らしたようなかれんは、
世話好きなんですねという増子さんの質問に、少し寂しそうに胸の内を露にしました。
『本当は世話なんか焼きたくない。でも、何かしてないと・・・』
その言葉の真意を探ろうとした増子さんですが、かれんは増子さんの死角に
王冠を被ったりんちゃんが隠れている事に気付き、とりあえずその場を取り繕いました。
ところが怒ったように早足になるかれんの行く手には
加トちゃんの扮装をしたうらら、アフロヅラを被ったこまちが隠れており、
再びペースを乱されます。『もうここ出ましょう』と言いながら早足で行くかれんの行く手には、
案の定ピエロのような扮装をしたのぞみが隠れており、
かれんは顔を引きつらせ、苛立って足早に温室を後にしました。
『意外と落ち着き無いのね、会長ったら』
増子さんに気の毒な誤解をされているかれん。
しかしかれんの後を追う増子さんを見送るもう一人の影、アラクネアさんがそっと忍び寄り・・・

ガゼボ(東屋)に駆け込み、ようやく落ち着けると一息つくかれんに、増子さんは改めて
一番ほっとする時について訊ねます。ところがかれんが答えようとした矢先、
植え込みの後ろから思い思いのカンペを持って立ち上がる4人。
「ファイト!」「おちついて!」「すてき~!」
りんちゃん、こまち、うららは面白がっていても一応的を得ていますが、
のぞみはといえば「おなかすいた~」
『ほっとする時は・・・ひとりっきりになれる時かしら』
再び顔を引きつらせて答えるかれんと、その態度に不思議そうな感想を抱く増子さん。
そこに坂本さんが限定品の珍しいセレブ堂のシュークリームを持って来ますが、
坂本さんには全てお見通しです。隠れている4人にも声をかけると、
4人はあっという間にガゼボの中でシュークリームに手を伸ばしました。
呆気に取られる増子さんを他所に、かれんの心もここらが我慢の限界のようです。
堪忍袋の緒を切ってなりふり構わずわめき散らすかれんの姿に驚きながらも、
増子さんはカメラを向ける事を忘れずに、4人に怒り散らすかれんを、次々と写真に撮ります。
『だってかれんさん、面白いんだもん』
『私のどこが面白いのよ!』
『怒ってるかれんさん、かーわいいー♥』
ムキになればなる程、どんどん泥沼にはまっていくかれんのイメージは
増子さんをはじめとする生徒達が抱いていた姿と異なるものでした。

かれんは4人がちゃんと帰るまで安心できず、きっちりと門を出るまで見送りに行きます。
その間、増子さんは坂本さんにお茶を淹れてもらいました。
会長のイメージが違っていると率直に驚きを口にする増子さんに、
坂本さんはあの4人と一緒になってからかれんは変わったと語ります。
そして増子さんは、その話をもう少し詳しく訊ねました。

『そうだったんだ・・・水無月会長、ずっと一人で寂しい想いをして・・・』
坂本さんに聞いた話を思い出し、自分と重ねあわせるように窓の外を見上げる増子さん。
4人と出会ってからかれんは変わった事。かれんには仲間がいる、でも自分は・・・
かれんを羨ましいと思う増子さんは、不意に窓の外を怪しいものが横切りるのを目にしました。
まるで増子さんを誘うように蠢く怪しい布切れのようなものは、温室へと入っていきます。

かれんに強制的に送り返される途中、庭でピンキーを見つけてキャッチしていた5人に
温室の方から響く増子さんの悲鳴が聞こえました。
温室へ向かうと、そこはゴテゴテした悪趣味な植物で埋め尽くされています。
高笑いするアラクネアさんの傍ら、巨大なウツボカズラに囚われている増子さん。
増子さんを放すよう要求するのぞみ達の声に当然聞く耳持たず、
アラクネアさんは温室内の壷に仮面を被せてコワイナー化します。
見た目によらず非常に素早いコワイナーに回り込まれ、
増子さんに見られてしまう状況ですがこの際止むを得ず、変身を決意する5人。
ちなみにこの際、コワイナーが飛び掛った際の衝撃で
増子さんの眼鏡が飛ばされており、結局見られていませんが・・・

今回のコワイナーはとにかく素早く、攻撃を当てる事も、牽制する事すら難しいです。
レモネードフラッシュもあえなく避けられますが、
しかしその狙いは増子さんを拘束しているウツボカズラを打ち払う事でした。
『心配しないで。あなたは私達が守るから』
ウツボカズラから転げ落ち、アクアに救出された増子さんは裸眼のため、
優しく声をかけるアクアの顔がぼんやりとしか見えません。
しかしその間にもコワイナーによって皆はアラクネアさんが作り出した底無し沼に放り込まれ、
もがけばもがくほど深みに嵌る底無し沼にどんどんと沈んでいきます。
今まさに首まで沈みそうな4人。そしてアクアの前にはコワイナーが立ちはだかります。

『逃げて!向こうへ走るの!全力で!』
増子さんを一喝し、単身アラクネアさんに挑みかかるアクア。
アックスボンバー(笑)をぶちかました後、アクアストリームを底無し沼に放ち、
泥を普通の水に変えて皆を救い出します。
『いい加減にしなさい!私の大切な仲間に、何て事をするの!』
アラクネアさんにアクアの怒りが爆発。逃げる途中で思い直し、
夢中でシャッターを切っていた増子さんは、続くアクアの言葉を聞いて、ふと手を止めました。
『人の邪魔はするし、遠慮はしないし、迷惑な時もあるけど・・・
 かけがえの無い私の大事な仲間なの!絶対傷つけさせはしない!』


アクアに鼓舞されたように、底無し沼を飛び出した4人の反撃が始まります。
しかし素早いコワイナーには思うように攻撃が当たりません。
アラクネアさんとサシで戦うアクアは延髄斬り(笑)を叩き込み、
追い打ちをかけるべく正面から突っ込むアクア目掛けてアラクネアさんの糸が放たれますが
これこそがアクアの狙いで、避けたその先のコワイナーに糸が絡み付いて動きを封じます。
身動きが取れなくなったコワイナーはドリームが仕留め、
『次はあなたの番よ』
睨みつけるアクアに分が悪いと察したのか、アラクネアさんも引き上げて行きました。
そして同時に悪趣味なジャングルは元の温室に戻ります。
アクアが差し出す眼鏡を増子さんはお礼を言って受け取り、
眼鏡をかけて改めてその姿を見ようとした時、そこにはもう、誰もいません。

戦闘時の毅然とした態度と裏腹に、今度こそ記事にされてしまうと心配するかれん。
こまち、りんちゃんが危惧するものの、のぞみとうららは脳天気そのものです。
『なんとかなるなる!』
毎度おなじみ、のぞみの根拠の無い自信に、からんは深いため息をつきました。

学園に戻った増子さんは、居合わせたおタカさんに大スクープをせしめたと報告します。
そして謎のスーパーヒロインがしっかりと写った写真を見せますが、
『この人たちの取材許可は取ってるよね?』
おタカさんの指摘に口ごもり、肩を落とす増子さん。
勝手に載せられる相手の気持ちを考えたら・・・というおタカさんの言い分はもっともです。

そして気になるサンクルミエール通信のトップ記事は・・・
「カメラは見た!生徒会長の衝撃の素顔?」
4人にからかわれて怒るかれんのあられもない姿など、
普段生徒達が見た事も無いかれんの写真が満載です。
顔を伏せられている「関係者」の証言(どう見ても坂本さん)が掲載される紙面の
編集後記のような隅っこに、申し分程度に書かれたプリキュアの記事。
取材を申し込む予定と書かれている事で浮き足立つのぞみとうららに突っ込むりんちゃん。
かれんは苦笑しながらも、騒々しく楽しい「仲間達」のやりとりを見守りました。


既に第33話を知っている前提で再見すると、
この時すでに増子さんが1人だという事が強調されている事が目を惹きました。
ちょっかいを出されて怒りまわるも、かれんを取り巻く賑やかな空気と孤独な増子さんの対比。
これまで少し図々しく、お騒がせな新聞記者としての描かれ方をした
増子さんの内面が描かれているのは今回が初です。
かれんを羨み、ふと一人だという事に寂しさを覚えるものの
いざスクープとなれば身の危険が及ぶ状況でもカメラを向けることを忘れない野次馬プロ根性。
もう一つ33話を踏まえて気になる点は、増子さんが取材申し込みの際に
「正々堂々と取材許可を取らなきゃ」と語っていたり、
邸内の写真を撮る際にもきちんと断っている事です。
今回きちんとわきまえていたのに対し、33話の暴走した記事は何だったのか。
寂しさを紛らわせるあまり功を焦り、暴走するペンを止める仲間もいない。
そんな増子さんの状況が想像されてます。
かれんが主役の今回ですが、もう一人の主役は増子さんと言えるでしょう。

主役のかれんも怒り散らす姿のインパクトが強烈なのですが、
だからこそ少しだけ見せる胸の内が印象的です。
『私が世話をしないと、この子たちは生きて行けないから・・・』
『本当は世話なんか焼きたくない。でも、何かしてないと・・・』

温室で増子さんについ本音を漏らすくだりでは
まだまだ抑えようの無い寂しさを秘めている事が伺えます。
そして坂本さんもその胸の内を理解しているからこそ、誰かに知ってもらいたい
もっとかれんを理解してくれる友達が必要だと考え、
増子さんの質問に丁寧に回答したのではないでしょうか。
もっとも、結果として三面記事のような扱われ方になってしまいましたが(笑)

と、ここまでかれんと増子さんの「孤独」「寂しさ」について真面目に見てきましたが、
今回はとにかくちょっかいを出す4人と怒るかれんのやりとりが楽しく、
本来は何も考えずに楽しむ一編だと思います。
放映当時大いにネタにされた「深窓の令嬢」というより「貴婦人」のような冒頭のかれん、
そして戦闘時にもアックスボンバーや延髄斬りなど、やたらとプロレス技を多様するアクア等、
随所の小ネタも数多く、プリキュア5の中でも屈指の笑えるエピソードです。
うららの加トちゃん姿、こまちのアフロヅラは脈絡が無く、
最初はなぜこんな奇妙な扮装をしているのか疑問を抱きましたが、
これは「ドリフターズ」を意識しているのではないでしょうか。
4人の怪しいタキシード姿は「ヒゲダンス」を連想し、
のんびりしているこまちのアフロは高木ブーの「雷様」、うららの加トちゃん、
運動神経に秀でたりんちゃんが仲本工事、ボケ倒すのぞみは志村けんで、
4人にイジられながら怒鳴り散らすかれんは当然長さんとなります。
果たしてターゲットがどこに向いているのか定かではありませんが、
わかる人に楽しんで貰おうと言う遊び心が伺えました。

今までのシリーズも、これからのシリーズでも、
プリキュアがばれる事に対するペナルティは特にありません。
今回増子さんに正体がバレたのではないかと案じている時の理由も、
「恥ずかしいから」「騒がしくなるから」「家族に心配かけるから」
といった理由で、例えばパーマンのような深刻な事態ではありません。
それ故に正体がバレそうなエピソードでも、このようなギャグ回に出来るのだと思います。

さて、かれんを囲む4人の不審人物(笑)の次の話は、うららに付きまとう2人の不審人物(笑)
親のいない寂しさを抱えるかれんと、親をおぼろげにしか覚えていないうらら。
その対比にも目を向けてみようと思います。
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