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プリキュア5 第19話『うららの秘密を探れ!』 [Yes!プリキュア5]

うららとひかり、現時点で一年生のメインキャラクターはこの2人しかいません。
共に黄色がイメージカラーで、小柄な体格とあどけない容姿という共通点がありますが、
時にこの2人は上級生組を凌ぐ芯の強さを見せます。
ひかりはその素性が特殊なため超然とした雰囲気にも納得がいきますが、
うららがしっかりしている理由は芸能活動をしているだけではなく、「母を亡くしている事」。
歴代のキャラクターで唯一の境遇をことさら悲観する事の無いうららも、まだまだ子供です。
一見おっちょこちょいに見えてしっかりとうららを見守る「大人の男達」と
遠い記憶の中の母との絆を感じる一編、そして無性にカレーが食べたくなる(笑)一編でした。
  
みんなが集う放課後のナッツハウス。
何やらノートに目を走らせているうららが一言断って先に帰ろうとした矢先、
のぞみが息を切らせて駆け込んできました。
店の前に不審人物がいるとの証言に、店内に緊張が走ります。
そっと様子を伺うと、サングラスをかけた二人の怪しい男がナッツハウスを伺っていました。
ところがナッツに問い詰めれれると、二人の男は見た目に反してあたふたと誤魔化し、
退散しようとして躓いて転倒する等、意外とドジな2人。
そしてその二人こそ、うららの父と祖父でした。

改めて自己紹介するうららの父、ムッシュ・ミッシェル。
外国人というだけで慌てて片言の英語で挨拶するのぞみですが、
ムッシュ・ミッシェルは来日して20年経っているため日本語に堪能です。
そして祖父の明堂院厳太郎平蔵氏はもう50歳若ければ
みんなにアタックしていたなどと、ファンキーなじいさんでした。
ところでこの二人は何をしに来たのでしょうか。
お茶をお持ちするというかれんの誘いも断って早々に退散しようとする2人をうららが咎めます。
たまたま通りかかったと苦しい言い訳をする平蔵氏。
そんな折、今度はマネージャーの鷲尾さんがナッツハウスに駆け込んできました。
新たな仕事が決まったと報告し、うららに台本を手渡す鷲尾さんは、
その場にムッシュ・ミッシェルと平蔵氏がいる事に気付いて驚きます。
相変わらず「たまたま通りかかっただけ」などと弁解する2人に、
うららの様子がおかしいので見に来たのではないかと水を向ける鷲尾さん。
3人の大人たちはその場にうららがいる事をすっかり忘れており、
うらら本人に様子おかしくないと否定されて言い訳がましく引き上げていきました。

その頃ナイトメアでは、ブンビーさんはいつになくギリンマ君に優しい言葉をかけています。
そのココロは、ギリンマ君のために自身が左遷されないかというもので
『そんなに心配なら自分でやりやがれ・・・(ボソッ)』
などとギリンマ君はブンビーさんに言えるはずがありません。
何があろうと仕事を成功させて見せると頭を下げて出撃して行きました。

ムッシュ・ミッシェルと平蔵氏は常にうららの応援に余念が無く、
先日の遊園地のイベント時はどうしても来られない用事のため姿を見せておりませんでしたが
その仰々しい応援はうららにとって少々恥ずかしいものでした。
ところで、お母さんはうららの仕事を見に来ないのかと何気なく訊ねるのぞみ。
うららは少し寂しそうな目で、母を小さい頃病気で亡くしている事を語ります。
知らないこととはいえ悪い事を聞いてしまったと恐縮するのぞみですが、
うららはさほど気にしておりません。
小さい時の事であまり母の事を覚えておらず、賑やかな父と祖父、
そして鷲尾さんがいるので寂しくないと気丈に振舞い、
用事があると断って先に帰って行きました。
暗い素振りも見せず快活に帰っていくうららを見送った後、
のぞみは鷲尾さん達が心配している通り、最近うららの様子が少々おかしいと気がかりです。
何か力になってあげたい。その矢先、あからさまに怪しくうららの後を尾ける
鷲尾さん達が目に留まり、苦笑しながらもみんなでうららの後を追うことになりました。

ノートに目を落としながらうららがやってきたのは商店街です。
そっと様子を伺うみんなにはうららの様子は一見普通に見えますが、
鷲尾さんだけはうららの表情が真剣そのものであると見極め、
この買い物には何かあると推察しました。
うららは八百屋での買い物を終えて次の店に向かいます。が・・・
その様子はのぞみ達だけでなくもう一人、ギリンマ君も監視していました。

商店街の案内板の前でノートを手に何やら店を探しているようなうらら。
ムッシュ・ミッシェルはそのノートに何やら見覚えがありそうです。しかしそんな折、
『何か出たココ!』
のぞみのカバンに紛れていたココがギリンマ君の殺気を察し
慌てて誤魔化すのぞみ達がうららから目を放した一点! そして一瞬!
ほんの一点の死角でした。物陰にみんなが隠れた一点。
ギリンマ君はこの一瞬を逃しませんでした。
『やあ、お嬢さん・・・』
カマキリに魅入られた蝶のように、怯えてすくみ上がるうらら。
のぞみ達が再びうららに視線を戻すと、そこにうららの姿は無く、
路地にはうららのカバンと先ほど買っていたものが転がっています。

手分けして鷲尾さん達と別行動でうららを探すのぞみ達。
ココとナッツが察する気配の先に、ギリンマ君に縛り上げられたうららを見つけ、
4人は変身して後を追いました。
薄暗い建物の中で、うららに刃先を突きつけてコレットを要求するギリンマ君。
卑怯だと罵られても、コレットを手に入れるため何だってするというギリンマ君が
次に持ち出したのは先ほどうららから奪い取ったノートです。
『や・・・やめて・・・!』
祈るようなうららの訴えに反して、ノートに被せられる仮面。
『そのノートは・・・そのノートは・・・!お母さんの、大切なノートなの・・・!』
おぼろげにしか覚えていない母の数少ない大事な形見。
そのノートがコワイナーとしてみんなを傷つける事は、
うららにとって身を切るように辛いものです。

紙面を弾丸のように飛ばしてくる攻撃はミントプロテクションで防ぎ、
その際巻き起こる土煙が消えると、ルージュとアクアの姿が見えずに焦るギリンマ君。
果たしてルージュがギリンマ君を攻めたてて、その隙にアクアが無事うららを救出しました。
そしてノートを取り戻すべく、うららも続けて変身します。

4人はレモネードの大事なノートを傷つけないよう戦います。
ルージュが後ろから、ミントとアクアが腕を押さえ込んで動きを止め、
ドリームアタックで一気に仮面を剥がしてノートは無事元通りになりました。
苦々しげなギリンマ君に、涙を浮かべたレモネードの怒りが炸裂します。
『あなただけは・・・あなただけは!許さない!』
目に涙を浮かべたまま放たれる渾身のレモネードフラッシュに
ギリンマ君はひとたまりも無く、からくも撤退していきました。
ギリンマ君を退けてみんなを振り返ったレモネードは、涙目ではなく笑顔でVサインを返します。

無事建物から出て来た5人の許に、大人3人が駆けつけました。
心底心配していたムッシュ・ミッシェルと平蔵氏に謝るうららですが、
鷲尾さんだけはいつになく厳しくうららを叱ります。
最愛の妻を亡くしたムッシュ・ミッシェル、最愛の娘を亡くした平蔵氏は、
うららがいたからこそ明るく必死になってうららを育ててこられたのでした。
仕事をきちんとこなすうららは、立派に大人の仲間入りをしていると評する鷲尾さんですが、
親達にこんな心配をかけるようではまだまだ子供。
諭すような鷲尾さんに、うららは再び涙を浮かべて謝ります。
うららが元気でいてくれればそれでいいと慰める父と祖父は、
うららのノートに改めて目を留めました。

うららが初めてカレーを食べた小さい日の事。
みんなで一緒に食べたカレーの味と、カレーを囲む家族の温かい団欒は
母の記憶がおぼろげなうららにとっては、母の記憶そのものです。
そのノートは、お母さん特製のスペシャルカレーのレシピが書かれたノート。
うららはみんなが笑顔になれるようなカレーを作りたかったのですが、
そのために心配をかけた事を涙ながらに謝りました。
鷲尾さんも言い過ぎたと逆に謝り、父と祖父の優しい笑顔に包まれるうららを
微笑ましく見守っていた4人。なのですが・・・不意に鳴るのぞみのお腹。
カレーの話はのぞみの食欲を誘うのに十分だったようです。

そしてみんなでうららのカレーに舌鼓を打ちました。
この味は一生忘れないとの父の言葉に、母と一緒に作ったようにノートを抱きしめるうらら。
のぞみやりんちゃんがお代わりを要求し、意外にも大盛りでのお変わりを頼むこまち、
皆に遠慮するよう言いながら皿を出しているかれん。
その光景はうららの記憶の中の、楽しい一家団欒風景を思い出させるようです。


母を亡くした登場人物といえばハートキャッチシリーズの志久ななみが記憶に新しいですが、
今回のうららからは、ななみのような悲壮感はさほど感じられません。
ななみと異なり、うららは幼い頃に母を亡くしているため、
母の記憶そのものがおぼろげなのだと考えられます。
そしてもう一つ考えられるのは、「親」としての母ではなく、
女優としての「目標」として母を意識しているためではないでしょうか。
この時点で故・春日野まりあさんが名女優だった事は明らかにされていませんが、
設定上の裏づけがあってもおかしくありません。

ところで今回ののぞみや、ななみの時のつぼみのように、
不用意に親の事を聞いてしまって恐縮する事は実際にもありえるものですが、
当人にしてみればかえって気を遣ってもらう方が息苦しいものです。
端から見れば母のいない家庭は不幸に見えるかもしれませんが、
それを乗り越えて今を懸命に生きている人々には無用の気遣いです。
うららの父も祖父も、それぞれ最愛の妻を、娘を亡くした悲しみは想像に難くありません。
あのように脳天気に見えても、うららがいない所では悲嘆に暮れたり、
涙を流す事もあったと思います。それでもその命を受け継いだうららを応援し、
うららのために出来る事をするムッシュ・ミッシェルと平蔵氏は、
プリキュアシリーズに登場する「大人」としてうららの道標となっています。
頼りなく役に立つのかどうか微妙な事の多い鷲尾さんも同様に、
家族の一員のように春日野家の皆を理解し、
うららに欠かすことの出来ない「大人」として必要な存在なのだと思います。

ところでうららの大事なノートがコワイナー化したため、
必要以上にコワイナーを傷つけないようにした配慮なのか、
今回は歴代コワイナーの中でも極めて短時間で決着のついた戦闘でした。
しかしギリンマ君に涙目で怒りをぶつけるレモネードは印象的で、
涙を浮かべながら技を繰り出したのはこれまでのシリーズを見返しても
亮太を傷つけられた時のブラックくらいしか思い当たりません。(最終回等は除外します)
そのためアクションシーンが少なくても、物足りないという感じはありませんでした。

今回、うららがプリキュア史上唯一のハーフという事情が明らかになり、
特にプリキュア5以降のキャラクターに顕著な「不自然な髪の色」の
合理的な理由付けになっていると思います。
りんちゃんは赤毛、こまちとかれんは日本女性の艶やかな髪を表す
「碧の黒髪」とこじつけられなくもないですが、少々苦しい気がします。
そんな中ムッシュ・ミッシェルの血をひくうららの金髪は
5人の中で一番まともな髪色なのかもしれません。
そうするとのぞみやつぼみの「桃色」や、美希、えりかの「水色」は
ますます説明がつかない髪色になってしまいますが・・・

そして今回のエピソードのおかげで無性に食べたくなったので、
今夜の夕飯にカレーを作りました。一人暮らしだとルー半分でも
3日分くらいは作れてしまうので、しばらく夕飯はカレー続きになりそうです・・・
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