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ハートキャッチ第43話『あたらしい家族!私、お姉さんになります!!』 [ハートキャッチプリキュア]

3歳の時に弟が出来、私は兄になりました。
その時の記憶は当然思い出すことはできませんが、
入院した母を見舞った時に近所の産婦人科の廊下が暗く、怖かった事を微かに覚えています。
ひょっとしてその怖さは、兄になる事への不安もあったのかもしれません。
つぼみのように新たな家族に期待するだけでなく、不安もあってしかるべき、
そして家族愛とは何なのかをこの作品なりの答えで綴った一編でした。
 
花咲みずき、病院へ緊急搬送―
妻の、母の一大事を知った陽一パパが、つぼみが病院へと駆けつけます。
しかし病室から重い表情で出て来た薫子さんに容態を尋ねると、
ベッドに半身を起こすみずきママの顔色は悪くありません。
懐妊したとの答えにほっとした後、我に返って驚きの声を上げるつぼみと陽一パパ。
つぼみはしばし喜びを噛み締め、目を輝かせて妹・弟どちらなのかを訊ねますが、
今はまだわかりません。しかし姉になる事には変わりなく、来るべき日に想いを馳せました。

しばらくの間、実家で休養するみずきママを送る車に
つぼみと陽一パパが日用品を積み込んでいるところに、皆が心配して訪ねてきました。
しかしつぼみの母に赤ちゃんが出来たと知って、皆もめでたいと一安心です。
当のみずきママはお店の事もあるので気を遣っていますが、
陽一パパの後押しもあり、つぼみに後を託して実家へ向かいました。
明日は日曜日。お店の手伝いに精を出すべく、つぼみの気合いが響き渡ります。

花き市場へ向かうためなのか、花屋の朝は早いようです。
まだ暗いうちから朝食作りに精を出すつぼみですが、慣れない料理作りはうまくいかず
鍋を煮立たせて目玉焼きは焦げ付き、ご飯は軟らかすぎる炊き上がりです。
そんなつぼみの料理に文句も言わず、陽一パパは
「チョイ焦げが好き」「軟らかいご飯が食べたかった」と
巧みにフォローしながらかきこんで出発して行きました。
日が昇り、開店準備を始める頃には薫子さんも出かける用がありますが、
その時店を手伝うべく、えりか、いつき、ゆりが訪ねてきました。

花を陳列し、植木鉢を並べ、煉瓦を運んで店先の掃除。花屋は意外と重労働です。
それでも花が好きな人にとって最高の仕事とだと言うみずきママの考えは
そのままつぼみも受け継いでいます。
みんなが花で笑顔になったり、喜んでくれるのを見るのがなによりも嬉しい。
そして今日も花で人を幸せにするために店が開きます。

その頃クモジャキーは一人滝行で己を鍛えていました。
心頭滅却すれば火もまた涼し。
無念無想の境地を悟るクモジャキーの頭上、滝の上から流木が落ちてきますが
その気配を察し、一刀のもと見事に両断します。
クモジャキーはハートキャッチオーケストラをも一刀両断できると自信満々です。

えりか、いつき、ゆりがそれぞれの持ち味を活かしながら接客する中、
つぼみは陽一パパの手伝いに励んでいます。
普段から力仕事は率先して陽一パパがやっているものの、
つい無理をしてしまうというみずきママを案じる言葉に
『お父さんとお母さん、今でもラブラブなんですね♥』
『超ラブラブだ♥』
しかし陽一パパはみずきママだけでなく、つぼみも薫子さんも、みんなが等しく愛する家族です。
そんな折、結婚式のブーケを頼みに来たお客さんが来店し、
普段はみずきママが担当しているため不安になるつぼみですが、
いつも手伝っていると励まされて挑戦してみる事になりました。
息子夫婦の結婚式のブーケをお願いしに来た老婦人の話を聞くつぼみ。
しかし老婦人に一緒に連れられてきている女の子の不機嫌そうな表情が気になります。

閉店後、日が暮れてもつぼみはブーケのデザインが決まりませんが、
陽一パパは一人で考え込まず、お母さんに聞いてみたらどうかと助け舟を出しました。
親に結婚を反対されて挙式をあげていなかった夫婦が、
2人目の子供が産まれた事でようやく許してもらい、
式を挙げることになったという事情を電話でみずきママに説明すると、
夫婦だけでなく子供達も一緒に、家族みんなでお祝いできるとアドバイスをもらいます。
しかしつぼみは先ほどの女の子、カスミちゃんの様子が気がかりで、
どんなブーケにするのか迷っていました。
それでも大事なのはブーケを作るつぼみの気持ちを込める事との
みずきママの言葉に、つぼみも少し自信が付いたようです。

後日、つぼみは陽一パパと一緒にカスミちゃんに会いに行く道すがら、
自分が産まれた日の事を訊ねました。
その日は一日中雨が降っており、産まれたばかりのつぼみだけが泣いていて
両家の祖父母もみんな笑顔でした。やがて雨は上がり、
病室の窓からは木漏れ日に輝く蕾と、その後ろにかかる虹が見えます。
それを見たみずきママは、蕾はやがて美しい花を咲かせ、
その花はみんなに幸せを運ぶと願いを込めて「つぼみ」と命名したのでした。
その経緯を聞いて少し照れくさそうなつぼみですが、
生まれてくる赤ちゃんにも素敵な名前をつけようという父の発言に笑顔で答えます。

カスミちゃんは一人、道に白墨で絵を描いて王子と姫の物語の世界に遊んでいます。
ブーケの事を聞こうとするも、即座にブーケなんて知らないと拒絶するカスミちゃん。
お父さんとお母さんは店が忙しいのですが、カスミちゃんが不機嫌な理由はそれだけではなく、
妹が生まれてからは前のように構ってもらえなくなったためでした。
私の事なんか忘れちゃっている、とむくれるカスミちゃんには陽一パパが諭す言葉も届きません。
そんなカスミちゃんにつぼみは一緒にブーケを作ろうと提案します。
一瞬胸をときめかせるカスミちゃんですが、
お父さんも、お母さんも、妹も幸せになるブーケを作ろうと話が及ぶと、
「妹」がパパとママを取ってしまったと走り去ってしまいました。

一人河川敷で、王子様たちの絵が描かれた石に目を落とすカスミちゃんは、
当然格好の心の花提供要員としてクモジャキーに目をつけられます。
クモジャキーは自らの剣と合わせてデザトリアンを生み出し、
カスミちゃんを探すつぼみはデザトリアンに気付いて単身変身します。

『ぱぱモ!ままモ!私ノ事ナンカモウ、好キジャナインダモン!』
振るわれる剣は王と王妃の石を切り裂き、続けて切先は地面を割って深い亀裂を作ります。
その地割れに赤ちゃんが描かれた石が落ちていきますが・・・
『子供を好きじゃない親なんていません!どんな子供も愛があって生まれてくるんです!』
ブロッサムは地割れに飛び込み、赤ちゃんが描かれた石を拾い上げて力説します。
カスミちゃんも、妹が生まれる日を心待ちにしていた筈だと、
その時の事を思い出すよう強く促しました。
本当は妹が大好きなのだと鎮まりかけるデザトリアンですが、
これで終わるはずも無くいつものパターンが待っています。

『愛だの家族だの下らんぜよ!大切なのは勝つか負けるか、それだけぜよ!』
ダークブレスレットでデザトリアンに潜り込むクモジャキーの言葉が響き渡ります。
ブロッサムはカスミちゃんの家族を想う気持ちを利用した事に久々に堪忍袋の緒を切るも、
クモジャキーが潜り込んだデザトリアンの剣技は一筋縄では行きません。
たちまち追い込まれるブロッサムですが、間一髪、3人が救援に駆けつけました。
それでも今回の強化デザトリアンの強さはなかなかのもので、
ムーンライトを含めて劣勢になる4人に、クモジャキーの声が響きました。
サソリーナの仇、取ってやるぜよ!』
起死回生すべく、ミラージュ→ハートキャッチオーケストラの流れとなります。
修行の成果を見せるべく執念を燃やすクモジャキー。
心頭滅却すれば火もまた涼しと抗い続けますが、その意気込みも空しく折れる剣。
そして押し切られて拳が炸裂し、吹き飛ばされながらもかろうじて浄化前に退散しました。

カスミちゃんの頭を撫でて謝るお父さんに、
カスミちゃんもワガママ言ってごめんなさいと素直に謝ります。
お姉ちゃんだから、ちょっとだけ我慢するとはにかむカスミちゃんを
つぼみはお姉ちゃんの「先輩」として敬い、一緒にブーケ作りを申し出ました。
そしてみずきママのもとに届いた結婚式の写真に写るブーケは、
家族がこれからもしっかり繋がっているよう願いを込めて、
両家の家族みんなの誕生花で作ったものでした。
もっと立派なお姉さんになると電話で報告するつぼみは、
お姉さんになる日が待ち遠しそうです。


これまでのプリキュアシリーズでありそうでなかった、新たな命が生まれる話。
そして親を独り占めに出来なくなった事の寂しさを宿す小さな子の話ですが、
前回前々回と共に放映順序に難があるようで少々残念です。
その中でも、特にクモジャキーの扱われ方が勿体無く感じます。
滝行により無念無想の境地を得ただけに、
ハートキャッチオーケストラに一矢報いる描写があっても良さそうですが、
善戦するもあっさりと押し切られ、サソリーナや前回のコブラージャさんのように
浄化される風でもなくブッ飛ばされる等、やられた時には少々心配してしまいました。

それでもクモジャキーの発言の矛盾に目を向けると色々と考えさせられます。
「愛だの家族だの下らん」と言った後、「サソリーナの仇をとる」と明言しており、
サソリーナに対する異性としての愛ではなくとも、
仲間としての愛や家族のように過ごしてきた日々についての想いがある事が伺えます。
サソリーナの最期の涙を見たり、悼むクモジャキーとコブラージャさんを見て、
つぼみとえりかは砂漠の使途にも心があると知った筈
です。
そのため今回ブロッサムをただキレさせるのではなく、
その事を指摘して呼びかけさせたりすれば深みが増したと思います。

しかし単発のエピソードとしては、決して劣るものではありません。
カスミちゃんの寂しさ、妹への嫉妬、妹が出来た時の嬉しさといった
複雑な感情は何気ない仕草や表情から滲み出ており、
未だ姉になっていないつぼみが抱であろう気持ちの代弁者としての位置付けとなっています。
道路に描いていた絵にもしっかりと赤ちゃんが描かれており、
それに気付いた陽一パパもカスミちゃんの本心を察したように思えますが、
あえてつぼみに任せる事で、姉としての自覚を暗に促したのではないでしょうか。

つぼみの名の由来のエピソードも印象的でした。
産まれた時の出来事を知る事は、親にとってもその日にどんな想いで臨んだのかを思い出し、
本人は親が自分に抱いた気持ちを知る事ができるものです。
命名には名づけた人の気持ちが込められるもの。
フレッシュプリキュアでも「ラブ」という少々ぶっとんだ名前にも、
しっかりと源吉爺さんの想いが込められていました
し、
少々気恥ずかしくとも、名前の由来を知る事でさらに家族愛が深まる事でしょう。

それにしても美墨岳さん以来久々の、
真面目そうな陽一パパによるどうしょうもないオヤジギャグは少々意外でした。
先週の次回予告で目を不自然に見開いた陽一パパが描かれており、
何をやるのかと思えば『それはめでたい!』『これは目、デカい』
ここで噴き出したゆりは空気を読んでわざと笑ったようにしか見えず、
えりかやいつきの呆れたような反応もごく当然のような気がします。

早いもので次回はクリスマスエピソード。
毎年この時期になるとシリーズ終了の足音が近付き、寂しさを覚えますが
何か一波乱あるのがプリキュアシリーズのクリスマスです。
デューンがどう関与するのか、クモジャキーとコブラージャさんの運命は、
そしてキュアフラワーがどのように現れるのか、
まだまだ先が見えず楽しみは続きそうです。
しかし残念ながら来週は久々の日曜出勤に・・・しっかり録画を確認して仕事に向かうとします。
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