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プリキュア5 第21話『お世話役見習いミルク登場!』 [Yes!プリキュア5]

キャリーケースを曳いたお騒がせ娘。ミルクがとうとう登場しました。
既に5~5GoGoの物語の結末を一度見届けた今、
ミルクが単身逃げ延びて苦難の日々を送った事や、5GoGoでの活躍を鑑みても、
覚悟していたとはいえ、今回の率直な感想はこの一言に尽きます。
  ウゼェ・・・
登場人物みんなが良い子である必要は無く、このような個性もあってしかるべきと思いますが
度が過ぎると少々しんどいものがありました。
  
はじめにお詫びします。
普段再見レビューでも一つのエピソードを何度か繰り返して視聴してから執筆するのですが、
久々に見た今回は、すぐに2度目3度目を観ようという気になれませんでした。
後日加筆修正するかもしれませんが、そのため現時点で粗筋は割愛させていただきます。

日々の仕事を終え、帰宅してから観るプリキュアという作品からは元気を貰っています。
熱い闘いに爽快感を覚えるのももちろんですが、
一つのエピソードで何らかの問題に遭遇し、それを少女達が乗り越えていく。
その姿を見てサラリーマンの私も元気を貰い、
また仕事を頑張ろうと前向きな気持ちを抱いてきました。
今回の内容も当然知っているため、ある程度腹を括って臨みましたが、
残念ながら今回の話からは私を前向きにさせるものは感じられませんでした。
 
前回、再見で先入観が変わり、新たな発見がある楽しみについて触れましたが、
当然例外もあります。今回は残念ながらその例外にあたりました。
初期(だけではありませんが)のミルクの腹黒さは周知の通りで、
当然再見にあたりその事を踏まえて観たものの、抱いた感想は本放送時と変わりませんでした。
これまでのシリーズの再見でも、初期メップルのワガママに閉口したり、
初期ポルンのやかましさを鬱陶しく思ったこともあります。
それでも彼らは、悪い事をしたという自覚があるだけまだマシで、
今回のミルクの反省の色すら見えない厚顔さ、
騙された奴が悪いというような腹黒さからは不快感しか感じられません。

ずっと一人で生き抜いてきた。その境遇には確かに同情します。
「同情するなら金をくれ」ではありませんが、
きれいごとでは生き抜いてこられない出来事もあったでしょう。
しかし、騙しぬいてここまで辿り着いた事を自慢げに報告するのはいかがなものでしょうか。
正直者が馬鹿を見る展開は、(プリキュアでは主に敵側に多い境遇ですが)
少なくともプリキュアという作品の、味方同士のやりとりではあまり見たくありません。

弁当を盗み食いしたり、豆大福を奪い取ったり、
挙句に尊大な態度でのぞみの手を叩き、さらには見くだした物言い。
のぞみでなくとも怒るのは当然ですが、なぜ誰もミルクを諌めようとしないのでしょう。
のぞみ以外の面子が、特にりんちゃんとかれんが
ミルクに甘すぎるのも違和感に拍車をかけています。
ミルクの振舞いや言動に目くじらを立てるのぞみが子供で、
りんちゃん達は寛容な大人の対応をしているのでしょうか。
私にはそうは考えられません。大人ならば悪い事は悪いと注意すべきと考えます。
まだ分別のつかない赤ん坊ならいざしらず、子供とはいえミルクは人間換算で14歳、
のぞみ達と同世代です。(実際美々野くるみとしても2年生でしたし)
この年で己のしたことを省みず、傍若無人な振舞いは、
子供だから仕方が無いというレベルの話ではありません。
プリキュアの登場人物として、少なくとも「お礼を言う」「謝る」くらいの事は必要だと思います。
まるで印籠を出さない水戸黄門や、桜吹雪を見せない金さんを見たような
煮え切らない気持ちを抱いてしまいました。

初対面ゆえの遠慮で他のみんなが口を挟まないのならば、
当然ココとナッツが注意したり、のぞみをフォローすべきですが、その様子も見られません。
「優しくする」のと「甘やかす」のは違います。
ココもナッツもミルクの境遇を案じて必要以上に強く言わないのかもしれませんが、
そのために歯止めの利かないミルクが周囲に及ぼす害悪は、
ココとナッツにも責任の一端があると思います。
今回ココとナッツがギリンマ君に襲われたのも
後先考えずに軽率な振舞いをしたミルクが原因です。
そしてミルクは次回でもトラブルを巻き起こし
さらに次々回ではプリキュア史上最も恐ろしい事件の引き金を引きました。
その原因はミルクとのぞみにあっても、その芽を放置したココとナッツ、
ひいては4人、というよりメインキャラクター全員に問題があります。
このあたりは23話24話の再見で改めて見直し、見極めたいと思います。

王子であるココとナッツが働いている事に衝撃を受けるミルク。
この描写からも残念な想いを抱いてしまいました。
確かに王子のすべき仕事ではないかもしれませんが、
高貴な身分の者にもその立場ゆえの責任と執務があります。
ただ周囲に傅かれ、玉座にふんぞり返っている暗愚な王も中にはおりますが、
ココとナッツはそのような人物ではありません。
果たしてミルクは、今までココとナッツの何を見てきたのでしょうか。
そして、何をどうお世話するつもりだったのでしょうか。
まだ子供である事を考えれば、漠然と憧れを抱くだけなのは仕方ないですが、
それではいつまで経ってもお世話役「見習い」のままです。

私はどんな話であっても、ただ切り捨てるだけのレビューにはしたくないと考えています。
そこから何か糧になるような、あるいはシリーズを通して意味があるものを見出したい。
そう考えて上記24話までを含めて一つのエピソードとして見ると
ミルクの悪い面をことさら強調することにも意味があります。
そしてココとナッツのために恐怖に震えながらも毅然と単身ギリンマ君に立ち向かう等、
ミルクの悪い面だけが描かれている訳ではありません。
後にミルキィローズとして圧倒的な強さを得るのは、
この時抱いた無力感への反動だったのかと思うと感慨深いものがありました。
また、これだけ悪印象を持たせるからこそ、後にミルクがみんなと信頼関係を築き、
欠かせぬ仲間となったときのカタルシスが感じられると思います。

何か釈然としないので明日のハートキャッチで口直しと行きたいのですが、
こんな時に限って明日は久々の日曜出勤に・・・
プリキュア5の再見を先に進めると、さらに重い展開が待っているため、
オールスターズDXでも観て気分転換することにしますか・・・
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コメント 4

やまぴょん

嫌なお気持ちを蒸し返すような気がして、正直、コメントすべきかどうか、これが書かれた当初から迷っておりました。
お気を悪くされたならば、あらかじめお詫び申し上げます。

私もこの話をはじめてみたときは嫌な気分がしました。未だにミルクは苦手です。(苦笑)
ですが、ミルクが登場した意味は何となく分かるような気がします。

この物語はココの夢である『パルミエ王国の復活』を叶えることをのぞみが応援する、という個人的な関係から始まるわけですが、では、パルミエ王国はどういう国なのか、どういう国民がいたのか、復活させることが本当に正しいことなのか、はこの時点では全く考えられていません。

パルミエ王国でおそらく最も腹黒い国民(笑)であるミルク登場の意味は、そこを問うことにあるのかなと思っています。敢えて悪人を登場させて、それでもそれをきちんと正していける、復活させるに値する国であることを証明する。そのためには、ミルクの腹黒さは強調しておく必要があった。それが第21話だったと理解しています。

実際、22話ではココナッツは当然のようにミルクを叱り、その後、問題を起こしながらもいろいろと影響を受けながらミルクが変わっていったのは、そういうことなんだろうと思います。

それでもミルクは問題が多いですが。やっぱり苦手です。
by やまぴょん (2011-01-24 15:42) 

スティクス

>やまぴょんさん
コメント、そしてご配慮ありがとうございます。
今思えば仕事が忙しい時期だったこともあり、少し苛立っていたのでしょうか。
苛立ちをそのままぶつけてしまったような文章を読み返すと
少々気恥ずかしいものがあります。

私にとってプリキュアの感想文であるとともに、
その時の考え方を振り返る日記のようにも位置づけております。
自分の一方的な考え方を指摘され、
色々な解釈を考える事が出来るのは貴重な糧となります。

ご指摘の通り、シリーズ全体を見た時の位置づけを考えると、
大事な意味を持つ話でもありますね。
私はこの時少々視野が狭く、木を見て森を見ていなかったようです。
それでもやっぱりこの頃のミルクは苦手です・・・
それ故にプリキュア5第30話の再視聴が遅々として進まないのですが(苦笑)

by スティクス (2011-01-25 06:20) 

だいず

スティクス様、いきなり1年前の記事へのコメントですいませんw
現在、スマイルプリキュアも5人だし、とプリキュア5の思い出を追体験しながら読ませて頂きました。
いやなこと思い出させてしまうと悪いなぁ、と思いつつ、スティクスさんにも苦手な話があるなぁとびっくりしたのでコメント残しをさせて頂きます。
あ、感情入ってるレビューも好きですよ。

ミルク、「うぜぇ」ですよねw
自分のブログでも「ホームレス淫獣」とか「邪悪」とかひどい表現をしていて笑いましたw

「シリーズ全体を見た時の位置づけ」で考えるしかないエピソードですよね~ でもでも、そう納得したとしても・・
やっぱり見るとストレスは溜まる。
罪作りな話ですな。

第34話 『ミルクを守れ!白馬の騎士かれん』はプリキュア5の中でも屈指の名作なので、その時の素直なミルクを知っていると「今は邪悪だけどしょうらいデレる」と安心して見れますけど、
リアルタイムで見ていた人にとっては「ゴミルク」と叫びたくなるのもしょうがなかったのかもしれませんね~


by だいず (2012-02-25 15:38) 

スティクス

>だいずさん
いやぁ、お恥ずかしい限りです(苦笑)
このレビューは感情のままに書き殴ってしまったもので、
私が一番反省している記事になってしまいました。
今、改めて書くとすればもうすこしオブラートに包んだ表現になりそうです。
しかしそれでは私の率直な感想とも言えなそうですし・・・
本当に罪作りな一編です。

私は昨年5月、スイート16話を最後に
このような文章を書かぬよう意識し出しました。
というのも、初見の印象で私が悪く書いてしまったスイート16話を、
とあるサイト様では深い洞察の下、愛ある感想を書いておられました。
その事に感銘を受け、私がネガティブ面を指摘しても
プリキュアシリーズの魅力を伝える事にはならないと感じ入ったためです。
そして最近再び16話を見返した折、私が思っていた以上に良かったため
当時の私はいったい何を観ていたのかと反省させられました。
だいずさんが、スイート47話の感想でおっしゃっている通り、
私も読んでいて鬱になる記事は読みたくありませんから・・・
やっぱり好きな物を好きだと伝えるような、
そういうサイトでありたいと思います。
その点、だいずさんのサイトは好きな物が好きとはっきり伝わって来るので
常々参考にさせて頂いております。

とはいえ、正直このエピソードはやっぱり苦手です。
後のミルク、ミルキィローズの活躍の前には、
聞き分けのない時期があったという布石として見るべきかもしれません。
またこの話のミルクの姿があるからこそ、挙げられている第34話での
素直さとのギャップにカタルシスが得られる、というメリットもありますが・・・
プリキュアシリーズが好きだからこそ、悩ましい一編ですね。
by スティクス (2012-02-25 18:23) 

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