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ハートキャッチ第44話『クリスマスの奇跡!キュアフラワーに会えました!!』 [ハートキャッチプリキュア]

最初に小さな嘘をつきました。その嘘がバレそうになり、違う嘘をついてごまかします。
やがて嘘はどんどん大きくなり、誤魔化す嘘もどんどん大きくなって収拾がつかなくなります。
そして鼻でスパゲティを食べるハメになる事態に陥って、
なんで早く謝っておかなかったのかと後悔しても後の祭り。
小さな火ならば消火が容易でも、大きな火を消すのは大変な事です。
そんな悩みを抱える子供に何かを考えさせて自分と向き合わせる。
キュアフラワー登場というサプライズと併せて、
おそらくハートキャッチ最後の日常エピソードに相応しい一編でした。
 
カウントダウンと共に植物園にイルミネーションが灯り、クリスマスムードが盛り上がります。
そんな中、一人浮かない顔の少女がツリーに七夕の短冊のように願い事を下げ、
手を合わせて何やら強くお願いしていました。
「プリキュアにあえますように  まゆか」
その短冊には、こんなお願いが書かれています。

人々があらかた引き上げた後、その短冊に気がついたえりかは
つぼみに肩車してもらって短冊に手を伸ばします。
つぼみの腰が、足が悲鳴を上げているのもお構いなく、そのまま短冊を手にとって読むえりか。
そして2人はまゆかちゃんが制止しに来たのに気を取られ、仲良く地面に転がりました。
植物園の職員の娘であるまゆかちゃんは、つぼみも顔見知りの子です。
さて、七夕ではないからお願いではなくサンタにプレゼントを頼むのではという問いかけには、
まゆかちゃんは言いにくそうに一言言い残し、父と共に立去りました。
『プレゼントなんかいらないもん・・・』
その後姿を見送る2人は、まゆかちゃんの思いつめたような態度が気に掛かります。

気になってまゆかちゃんを訪ねて行くつぼみ。
しかしその道すがら、奇妙な少年とすれ違い・・・?

つぼみはまゆかちゃんの家の近所の公園で、同じ年頃の子供達に嘘だと言われても
プリキュアと友達だと言い張るまゆかちゃんを目にしました。
子供達は怒るでもなく、嘘つきは良くないと諭しますが、
嘘つきじゃない、と頑なに主張し、まゆかちゃんはさらに嘘を重ねて言い張りました。
昨日だってプリキュアと一緒に遊んだ、と。
それなら僕達にも会わせて、と当然の展開に口ごもるまゆかちゃんですが、
しばし考えた後、さらに重ねた嘘で後戻りが出来なくなります。
クリスマスイブの5時、植物園のクリスマスツリーの前でプリキュアに会わせると約束してしまい、
薄々嘘だと察しながら引き上げていく子供達。
取り残されたまゆかちゃんは、膝をついてうなだれ、一人涙を拭います。

一部始終を見ていたつぼみは、どうしてあんな嘘をついてしまったのか優しく問いかけますが、
ここでもまゆかちゃんは嘘を否定しました。
プリキュアは絶対来てくれる。そう言って駆け出していくまゆかちゃんを、
つぼみはただ見送るしかできません。

まゆかちゃんの父に事情を聞いてみると、学校でもちょくちょく嘘をついていると
先生にも指摘されているようです。他愛のない嘘ならともかく、
最近は母が女優である、家が大金持ちだ、などと少々エスカレート気味です。
まゆかちゃんが嘘をつくのは人見知りが激しく、中々友達が出来ないために
嘘で気を惹こうとしているためで、同様に引っ込み思案で
友達が中々出来なかったつぼみにはその気持ちが解ります。
そしてツリーに付けられた短冊を見に来ていたまゆかちゃんを呼び止めました。
小さい頃、薫子さんに促されても子供達の輪に入れず、花が友達だと開き直っていたつぼみ。
だからその気持ちは解るとした上で、それでも嘘はつかなかったと言い含め、
そしてプリキュアも嘘つきには会いに来てくれないと諭します。
驚くまゆかちゃんに周囲をうかがった後、つぼみはそっと打ち明けました。
『実は、私プリキュアとお友達なんです』
自信たっぷりに頷くつぼみを驚きの眼差しで見るまゆかちゃん。
しばしの沈黙。そして大声で嘘だと指摘するまゆかちゃんにアタフタと弁明するつぼみの態度に
いつしかまゆかちゃんもつぼみも共に笑いあいました。
嘘つかないって約束すれば、プリキュアは会いに来てくれる。
まゆかちゃんはもう嘘をつかないと、つぼみと指きりげんまんをして約束しました。

そして頭を下げて協力を要請するつぼみにえりか、いつき、ゆりは少々呆れながらも
みんなまゆかちゃんの願いをかなえる事を承諾します。

さて、クリスマスイヴの当日。
町行くカップルを見て羨み、彼女が欲しいとぼやくケーキを売る青年。
しかし彼には密かな心の支えがありました。
『俺にはプリキュアがいる』・・・あれ?彼と私が妙にダブるのですが・・・
プリキュア4人の待ち受けに彩られた携帯を眺めてご満悦の青年。
今回の心の花提供要員は彼に確定しました。クモジャキーとコブラージャさんの2人に襲われ、
おそらくシリーズ最後のデザトリアンとして暴れ始めます。

間もなく夕方の5時。約束の時間が近付くにつれて半信半疑の子供達を前に、
まゆかちゃんは俯き不安を隠せず、物陰から様子を伺うつぼみ達は
いつきの到着が遅れていて姿を現せませんでした。
ところがいつきが遅れているのは町で単身デザトリアンと戦っているためで、
慌てて飛び込んできたポプリの報告を受け、迷うことなくゆりは被害者の救出を選びます。
つぼみもまゆかちゃんの姿を見て、後ろ髪を引かれる想いで町へ向かいました。

『かっぷるナンテ嫌イダ!くりすますナンカ嫌イダ!』
クリスマスの装飾を破壊していくデザトリアンにゴールドフォルテバーストを叩き込み、
単身立ち向かうサンシャイン。しかしコブラージャさんにその攻撃を止められ、
間髪を入れずクモジャキーが襲い掛かります。
サンシャインは隙を突かれてコブラージャさんに背後から押さえ込まれ、
動けなくなったところにクモジャキーの拳が迫り、絶対絶命のその時
『たった一人に寄ってたかって。感心しないわね』
いつもプリキュア達が単独の敵をフクロにしている事を棚に上げて(笑)
駆けつけたムーンライトがその拳を受け止め、
即座にクモジャキーとコブラージャさんをあしらいました。
そしてデザトリアンにはブロッサムとマリン。
2人で「クリスマスインパクト」という傷心の青年には効果てきめんな技を叩き込み、
目を回したデザトリアンに今回は幹部2人が同時にダークブレスレットの力で潜り込みます。

流石に幹部2人のパワーは伊達でなく、4人は吹雪に飛ばされ
地を這う氷に動きを止められ、無数の氷が容赦なく襲い掛かりました。
そして完全に氷漬けにされてしまう4人。時計は既に、5時5分を指しています。

陽が落ちたツリーに灯るイルミネーションは、まゆかちゃんの心を照らしてはくれません。
約束したのに・・・プリキュアは来てくれない。それでもまゆかちゃんは信じ続けます。
やっぱり嘘なんだよと漏らす子供達に絶対来てくれると言い放つまゆかちゃん。
その様子を伺っていた薫子さんは、コッペ様を振り返ってある決心を固めました。

4人は氷漬けにされて身動きが取れず、絶体絶命の状況です。
それなのにメインディッシュはもっとゆっくり楽しむべきと提案するコブラージャさんに
クモジャキーも珍しく同意し、もっと暴れて心の花を枯らそうと企てました。
そんな彼らが目をつけたのは、植物園のクリスマスツリーです。
子供達、そしてまゆかちゃんの前に竜巻のように現れ
今まさにツリーを倒そうとその拳が振るわれようとしています。
目を背けるまゆかちゃん、はためく短冊、氷漬けのブロッサム、
そしてペンダントを握り締める薫子さんが交錯し・・・

まゆかちゃんが顔を上げた時、デザトリアンの腕は見た事も無いプリキュアが止めていました。
子供達が、クモジャキーとコブラージャさんが呆気に取られる中、
そのプリキュアの力はデザトリアンを締め上げて叩きつけ、その強さに息を飲む子供達。
そのプリキュアの名前は・・・
『聖なる光に輝く一輪の花、キュアフラワー』
その名はデューンを破った者としてクモジャキーもコブラージャさんも知る名でした。
望むところだと襲い掛かるデザトリアンの攻撃を軽々とかわし、
「プリキュア・フラワーキャンドル」の激しい回転でデザトリアンの自由を奪います。
続けて繰り出す「プリキュア・フラワーカーニバル」は
4体のキュアフラワーが猛攻を加えるという大技で、
デザトリアン体内のクモジャキーとコブラージャさんはなす術も無くフルボッコに遭いました。
さすがに少々疲れたようなキュアフラワーは、
受け止めるコッペ様(空さん形態)と共に4人の許へと向かいます。

4人はキュアフラワーによって氷の縛めを解き放たれ、
追って来たデザトリアンをそのままハートキャッチオーケストラで仕留めました。
そしてクモジャキーとコブラージャさんはからくも浄化直前に撤退。
彼らの戦いもまだ続くようです。
心の花を取り戻したものの未だ目覚めぬ青年は、幸せな夢を見ているようです。
そんな彼のために、4人とキュアフラワーはささやかなクリスマスカードを残していきました。

植物園のツリーの下で、嘘つきだと言った事に対して謝る子供達。
ブロッサムに促され、まゆかちゃんも勇気を振り絞って告白しました。
プリキュアと友達と言うのは嘘で、プリキュアはお願いを聞いてくれただけ。
ただみんなと仲良くなりたかっただけだと謝るまゆかちゃんでしたが、
子供達はずっとまゆかちゃんの事を友達だと思っていました。
本当の友達。これこそがまゆかちゃんにとって本当のクリスマスプレゼントになりそうです。

でもお婆ちゃんが変身するとは・・・
今はキュアフラワーだとウィンクしておちゃらける様に笑い合うブロッサムとマリン。
ところがその空気は一変、異様な気配を感じたキュアフラワーが振り返った先には・・・
『久しぶりだね、キュアフラワー・・・』
つぼみとすれ違った不思議な少年が立っていました。
遂にデューンと相見えるプリキュア達。最終決戦の時は刻々と近付いています。


嘘というものは人を騙すだけでなく、自分自身をも騙すもの。
とはいえこれまで一度も嘘をついた事の無い人などいないでしょう。
嘘をつくことの悪さを叱ってたしなめる展開にするのは簡単です。
それよりも小さな勇気を出して謝る事の大切さが伝わり、
今シリーズ最後の日常エピソードにふさわしく、
まゆかちゃんの寂しい心境を丁寧に描いた秀作でした。
ところでまゆかちゃんと一緒にいる子供達が、
オレンジの地に太いストライプが入ったトレーナーを着ているちょっぴり太目の子はジャイアン、
特徴的な髪型をしている神経質そうな子はスネ夫、
髪を左右で結んでいる女の子はしずかちゃんに見えたのは私だけではないと思いますが・・・

今作のプリキュアは一年間を通して、多くの人々の心の花を救いましたが、
プリキュアの手助けはきっかけに過ぎず、いずれも心の花を取られた人自身が
自らの力で立ち直る姿を描いてきました。
そんな中、今回おそらく最後のデザトリアンとして選ばれたのは
嘘つき少女のまゆかちゃんかと思いきや、まったく予想外の名も無い一青年です。
これは何を意味しているのでしょうか。
今回つぼみの幼少時回想シーンで、人間の友達よりも花を選ぶ場面がありました。
現実の人間の友達よりも、ケンカすることも無く人間関係で苦労することのない花の方がいい。
その当時のつぼみと、現実のカップルから目を背けて憧れの存在であるプリキュアを
そっと慕っていればいいと割り切る青年は見事に一致します。
プリキュアの視聴者層のマーケティングデータを見ると、
本来のターゲットである少女層だけでなく、大人の男性が含まれているようです。
尤も私もその中の一人なのですが・・・(苦笑)
子供向けに作っているとはいえ、そのマーケティングデータから製作側が
いわゆる「大きなお友達」を揶揄するためだけにこうしたとは思えません。
何らかのメッセージ(青年の描写から何かを感じて欲しい)が込められているように思えます。
ところで「大きなお友達」向けといえば、
クリスマス、身動きの出来ない主人公、まさかのサプライズで助けに来る先代、
という展開からウルトラマンAを連想した方もいらっしゃるのではないでしょうか・・・?

そのまさかのサプライズ、今回の目玉はキュアフラワーの登場でしょう。
流石に67歳のままの姿ではなく、若返る姿からは幽遊白書の幻海を思わせますが、
年相応の品の良さと、伝説のプリキュアに恥じないその強さ。
クモジャキーとコブラージャさんを一方的にボコるフラワーカーニバルのえげつなさ(笑)は、
キュアフラワーの姿と強さがこれまで秘められた謎だっただけに、
それが明かされたカタルシスを感じました。
こうなるとオールスターズDX等での雪城さなえさんとの共演を期待したいものです。

プリキュアに於いてのクリスマスはシリーズ終盤に位置するため、
ただの色恋沙汰で終わらない傾向があります。
初代MHはなぎさと藤PSSでは咲と牛乳
プリキュア5ではのぞみとココ、フレッシュではラブと大輔
これらに来るべき最終決戦を予感させる描写が絡んで来ますが、
つぼみ、えりか、いつき、ゆりに全く色恋が絡まなかった今回は
非常に珍しい展開と言えるでしょう。
そしてラスト、デューン登場で一気に緊迫感が高まり、
クライマックスへの期待と、このシリーズが間もなく終わってしまう事の寂しさを感じました。
冒頭、LEDを体につけてはしゃいでいたえりか。
彼女の楽しげな姿も、おそらく最終回まで見ることは無いのかと思うと、
何とも言えない気持ちが込み上げてきます。

ところで、私にもあの青年のような時期がありましたが、
なんちゃって独身貴族を気取っている今は既に吹っ切れています。
今年のクリスマスイヴもいつもと変わらぬ一日を過ごす事でしょう・・・
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