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プリキュア5 第22話『ミルクの家出で大騒ぎ!』 [Yes!プリキュア5]

前回の21話では不甲斐ない感想になってしまい恐縮です。
今回もミルクの腹黒さやお騒がせ度は変わらないものの、
諭す言葉に耳を傾けて自らを省みる様が描かれ、安心して観返す事が出来ました。
無理に手伝おうとしてもかえって迷惑になり、何が出来るかもわからない時にどうするか。
前作スプラッシュスターで薫に諭されたみのりと比べて、ミルクが取った行動は・・・
  
ナッツハウスのバーゲンセール準備のため、朝から張り切って手伝いに来る5人。
快く出迎える小々田先生とナッツ(人間体)ですが、しかしその雰囲気に水を挿すように、
ミルクは手伝いは自分だけで十分で、手伝いなど不要だと言い切ります。
さらにのぞみのようなドジっ娘がプリキュアだと知った今、
自分がしっかりしなければいけないと勝手に決めつけ、
あからさまにのぞみの足元をホウキで払いはじめました。
はらわたの煮えくり返る思いに、ぐぬぬとばかりに耐えるのぞみ。ところが・・・

アクセサリーを磨くこまちを手伝おうとしたミルクは、
長い耳を卓上のアクセサリーに引っ掛けて落としてしまい、
続けて戸棚を掃除しようと飛び移ろうとしたものの着地に失敗してバケツの中へ。
さらに続けてテーブルを運ぶ小々田先生とナッツを手伝おうとテーブル上に乗り、
王子ともあろう者がこんな重い物を持ってはいけないとアピールしますが、
ミルクがその上に乗っていては余計重くなっています。
当然の指摘に慌ててテーブルの脚を持とうとしても、ミルクの体型では当然持てるものではなく、
テーブル運びを難なく手伝うのぞみとりんちゃんに対抗心を燃やします。
ところが開店を控えた小々田先生とナッツに、お客さんに見つからないように上で隠れているよう
言われたミルクは、勝気な態度が急に火が消えたように元気なく2階へ向かいました。
開店後の賑やかな店内を見下ろし、一人寂しげなミルクの呟きが漏れます。
『ちっともお役に立てないミル・・・』

ところで、ナイトメア社にも賞与制度があるようです。
アラクネアさんはブンビーさんから夏のボーナス袋を受け取って、
厚い封筒に喜んだのも束の間、中身はシュレッダーにかけられた紙切れです。
ボーナスというものは働きに応じて額が決まるというブンビーさんの言葉に唇を噛み締め、
耐え忍びながら出撃していくアラクネアさん。
しかしアラクネアさんに嫌味を言っていたブンビーさんも実はボーナスが無いらしく、
憎まれ役を任される中間管理職の苦労が偲ばれます・・・

さて、にぎわう店内を寂しそうに見下ろしていたミルクは、
何か手伝える事を思いついて腹黒い悪魔の笑みを浮かべました。
丁度その頃、もう一人のお騒がせ娘、増子さんがバーゲンセールの取材にやってきます。
取材は建前で本音はナッツ目当てのようですが、
店の手伝いをしている5人に気がつくと増子さんの記者魂が騒ぎ始めます。
なぜこの5人がナッツハウスを手伝っているのか。ナッツとの関係は何なのか。
理路整然と答えられない5人を容赦なく問い詰める増子さん。
ところが棚に収まる愛らしいぬいぐるみ(ミルク)に目を奪われ、矛先が逸れます。
ミルクが棚にいる事を訝りながら、それは売り物ではないと誤魔化すものの、
再び理路整然と答えられない5人を
小々田先生が間違えて値札を付けて置いてしまったと助け舟を出します。
小々田先生の手の内のミルクが赤くなったりするのに疑問を抱く増子さんですが、
どうやらこの場は切り抜けられました。

ミルクに事情を問いただすと、ぬいぐるみのフリをして売られて行き、
夜になったらこっそりと戻ってくるという、軽薄かつ腹黒い考えが明らかになりました。
これを繰り返せば労せずに収入が得られると自信たっぷりに答えるミルクですが、
小々田先生とナッツには人を騙して得たお金は欲しくないと当然のように返されます。
ミルクとしても何か役に立とうと考えた末の事だったのですが、
パルミエ王国の者としてもっと誇りを持つべきだと言われてしまい、すっかり自信を無くしました。
再び賑わう店内を見下ろし、小々田先生の手伝いをするのぞみを見てため息をつき、
思いつめたミルクは人知れずナッツハウスを後にします。
『ココ様、ナッツ様、ミルクはおそばにいる資格がありませんミル・・・』
涙をこぼして立去るミルク。しかしその姿はアラクネアさんに見られており・・・

寂しい夕暮れの町は不安を煽るものです。
そしてミルクがいない事に気付いて町を探し回る5人。
『何か出たココ!』
その手の中のココは、不穏な空気を感じ取ります。
不意に行く手を阻む猫に怯えても、今のミルクは再び一人ぼっち。
『どうしたんだい?そんなにしょんぼりして』
『ミルクは役に立たないから必要ないミル・・・』
そんなミルクを役に立つと評する優しい言葉の主はアラクネアさんです。
果たしてコレットを手にするための人質として目をつけ、
アラクネアさんは震えるミルクを抱え上げ、駆けつけた5人を誘いこむように
怪しげな倉庫へと入っていきました。

罠のように入り口のシャッターが上がり、警戒しながら意を決して踏み込む5人。
暗い倉庫内では、クラゲの水槽が妖しく光を放ちます。
姿を現すアラクネアさんはクラゲたちを水槽から出し、
その中の1体に仮面を被せてコワイナー化。
そして別のクラゲに巻きつかれたミルクを人質にドリームコレットを要求しますが、
「コレットを守る」「ミルクも取り戻す」
両方やらなくっちゃあならないってのがプリキュアのつらいところです。
覚悟はいいか?俺はできてると変身して立ち向かう5人。

コワイナーをねじ伏せ、改めてミルクを返すよう要求するプリキュア達に、
アラクネアさんはあんた達が酷い事言ったから家出したんじゃないのかと言い返します。
それでも、ココはミルクのためを思って言ったと、
相手を思って時には厳しい事を言ったとしても、いじわるで言う訳が無いと反論。
どんな事があってもミルクを助け出すという5人とココの言葉を聞いて、
囚われのミルクは皆の想いの深さを知りました。
そんなミルクを今度はピラニアに囲ませて、アラクネアさんは更なる脅迫に出ます。
気を取られた隙に背後からコワイナーが5人を絡め取り、
容赦なくクラゲの電撃がプリキュアを襲います。
それでもミルクは必ず連れて帰るというドリームの気持ちは負けません。
触手に絡まれたままレモネードを縛る触手に体当たりして、
抜け出したレモネードによってみんな触手から脱しました。
追い打ちの電撃はミントが防ぎ、アラクネアさんの追撃の糸はアクアが引きつけ、
その間にルージュが隙を見てミルクを救出します。
そしてアクアストリーム、ドリームアタックを叩き込んでコワイナーを撃退し、
またしても失敗したアラクネアさんは冬のボーナスの査定を気にして引き上げていきました。

バーゲンセールは全部売り切れで終了し、シュークリームと豆大福で寛ぐココとナッツ。
あれからミルクも反省したらしく、みんなに心配かけて本当に悪かったと素直に謝ります。
そこに訪れたこまちとかれんが持って来るサンクルミエール通信には、
バーゲンセールだけでなく、非売品のぬいぐるみ、ミルクの事も記事になっていました。
ミルクの愛らしさを湛える記事の内容にいつしかしおらしい態度はなりを潜め、
調子に乗り始めて、のぞみなんかとは月とすっぽんだと言い始めるミルク。
某ブロッサムのように妙に慣用句を知っている理由は、
ミルクは人間換算で中学生くらいのためだと明らかになりました。
ミルクの方がずっと大人っぽいと毒づき、のぞみの豆大福を奪い取るミルク。
油断している方が悪いと悪びれないミルクを追い回すのぞみ。
低レベルなやりとりは、しかし前回とは異なり、どこか微笑ましさを感じさせます。


やはりプリキュアという作品に登場するのは、善男善女であってほしいと私は望みます。
まだまだミルクの自己中は改善されませんが、
反省の色があると観終えた後の印象はだいぶ変わり、
前回抱いたフラストレーションは払拭されました。
冒頭で触れたとおり、SSのみのりと今回のミルクは
互いに何か手伝いたいけれど何も出来ないという共通点があります。
みのりが薫に導かれて出した答えは、咲たちの真似事の手伝いではなく
身の丈にあった仕事で手伝うという事
でしたが、ミルクはといえば
身の丈にあった仕事すら見つけられず、詐欺まがいの手法で貢献しようとしました。
それを注意されると飛び出して、かえってみんなに心配をかけてしまい、
みんなを危険な目に遭わせてしまいましたが、これは本来のターゲットである
幼児層へ向けた教訓だと思います。

家のお手伝いをしたいと言い出すお年頃、熱意や興味があっても
かえって手伝ってもらわない方が効率が良くなる事もあるでしょう。
それでも親からすれば、子供が手伝ってくれるのは嬉しい事です。
ココもナッツも結果としてありがた迷惑だったものの、
ミルクの申し出は嬉しかったのではないでしょうか。
いけない事は叱らなければなりませんが、それに僻んで拗ねてしまう点は、
子供達にとって反面教師になっていると思います。
一見身を引いているようなミルクですが、本心では構ってもらいたいという気持ちが伺え、
先日のハートキャッチでのまゆかちゃんの嘘のように、
何かで気を惹きたいという子供の心理が感じられます。

例えば新人は先輩のように仕事をこなせる筈はなく、
まずは出来る事からやってもらった方が先輩にとっても助けになります。
出来る事すら見当たらないのであれば何もせず、
腐らずに何もしないで回りの動きを観察し、そしていつか役に立てるようにする。
これは結構難しいものですが、ただ手伝いを申し出るよりよっぽど役に立ちます。
それを解らせるのは結構難しいもので、私もブンビーさん同様
下からはいろいろと疎まれているかもしれませんが・・・

ブンビーさんといえば、今回のボーナスのやりとりは
丁度冬のボーナスシーズンに当たるためタイムリーで、思わず苦笑させられました。
一応支給されたものの、出るだけマシだと考えたい金額でしたが、
それに見合った額の仕事をしたのかと言われると反省すべきところもあります。
アラクネアさんたちも頑張っているものの結果が出ないために賞与が無く、
それは意気込みに反して手伝いの結果がついてこないミルクとも重なります。
ただ夏のボーナスシーズンに合わせたギャグパートかと思いきや、
しっかりとエピソードの一端を担う一場面でした。

今回は意外とアクションパートも充実しており、
互いに言葉をかけずとも5人がそれぞれの持ち味を活かし、
役割を分担して息の合った戦いぶりを披露していました。
既に20回を越える戦いを乗り越え、磐石ともいえる結束を築いてきたプリキュア5の5人ですが、
その結束は次回、あっさりと崩れ去ります。互いの信頼関係の崩壊、そして絶望。
年の瀬に、プリキュアの歴史上最も恐ろしい事件を見返すのは少々重そうですが、
次からの前後編を通して今年一年を振り返る事にしたいと思います。
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