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スイートプリキュア第1話『ニャプニャプ~!スイートプリキュア誕生ニャ♪』 [スイートプリキュア♪]

これまでかれんのピアノパインフルートパッションハープ等楽器をモチーフにした武器、
そして「タクト」「タンバリン」から繰り出すƒƒやハートキャッチオーケストラなど
音楽を用いたものは数あれど、メインテーマになったのは初めてです。
クラシック音楽やオペラが好きな私にとっては、プリキュアという作品群の持つテーマと
どのようなコンセプトで結びつけるのか興味深く、
キャラデザインも私好みだったため、大いに期待しながら第1話を視聴しました。
もっとも、このサブタイトルのセンスが微妙でしたが・・・
  
音楽の国、メイジャーランド。
今まさに年に一度の大音楽会が催され、
聴衆も穏やかで優しい調べに聴き入っていました。
曲の終わりと共に女王アフロディテが挨拶し、恒例の幸せのメロディの演奏を告げます。
この曲は遠い昔から伝わる伝説の楽譜に記され、
そこに書かれている幸せの旋律の力によって世界の平和と人々の幸せが保たれています。
今年幸せのメロディを歌う歌姫の大役を任されるのは、歌の妖精ハミィ。
その言葉は何気ないものであっても音符を操る力があるため、
アフロディテも注意するよう促します。
さて、伝説の楽譜の音符は一年経つと楽譜から浮き上がり飛び去ってしまうため、
年に一度、選ばれた歌の妖精が楽譜どおりに歌って音符を楽譜に定着させる必要があり、
そして一年間伝説の楽譜は世界を平和にするパワーを放ちます。

ハミィが胸を張って大役を務めようとしたその時、野卑な笑い声が響き渡りました。
照明が消え、その隙に伝説の楽譜はマイナーランドの王、メフィストに奪われます。
楽譜を不幸のメロディに書き変え、これで世界を不幸にするとのたまうメフィストに対し、
アフロディテはそれを歌う者がいなければ意味が無いと余裕の構えですが、
そこはメフィストにも抜かりはありません。
不幸のメロディを歌う歌姫として、セイレーンという名の黒猫を用意していました。
アフロディテがその存在を知っていたり、ハミィと言葉を交わすところを見ると、
もともとメイジャーランドの者のようですが、
何らかの理由でメフィストの配下となっていると思われます。
アフロディテの制止も空しく、不幸のメロディを歌いだすセイレーン。
会場の聴衆はたちまち不幸の涙を流し、その間にも音符が楽譜に定着していきます。
このままでは、不幸のメロディの楽譜が完成してしまう―
それを阻止すべく、アフロディテは楽譜から音符たちを引き剥がしました。
そうはさせじと襲い来るメフィストから音符たちを守るため、
アフロディテはやむなく音符たちを別世界へと飛ばします。
メフィストは不幸のメロディを完成させて世界を悲しみ一色に染め上げるために
セイレーンの他、配下の3人組トリオ・ザ・マイナーに音符の追跡を命じました。
そしてアフロディテもハミィに音符の精、フェアリートーンと共に後を追うよう命じます。
のんびりマイペースなハミィの態度を見て勝利を確信しているメフィストですが、
アフロディテにも考えがありました。
音符を送った先には、音楽を愛し心に印を持つ者たちがいる。
その伝説の戦士、プリキュアへ望みを託します。

ここ加音町は至る所に音楽を模した意匠が散りばめられた町。
そこに建つ私立アリア学園中学のグラウンドではサッカー部の練習が、
そして家庭科室ではスイーツ(笑)部のケーキ作りが行われています。
『私の名前は北条響。勉強はちょっと苦手だけど、スポーツは大得意。
 性格は負けず嫌いで、チョッピリおっちょこちょい。
 色んな運動がしたいから、部活は助っ人専門だけどね。
 それから・・・甘いものが大好き!』
『私の名前は南野奏。スポーツはちょっと苦手だけど、勉強とお菓子作りは大得意。
 自分ではおとなしい性格だって思ってるけど、
 みんなから良く奏は怒らせたら誰より怖いって言われるわ。失礼しちゃう』
見事にシュートを決める響と、プロ並のケーキ作り腕前を持つ奏。
見た目も性格も得意なものも正反対、のようですが・・・

『響!何度注意したらわかるの?今日こそは許さないわよ!』
家庭科室に響を注意する奏の声が響き渡りました。
いつの間にか家庭科室に潜り込んでケーキを盗み食いしている響。
鼻の頭にクリームをつけたまま、悪びれもせずに平らげます。
たちまち始まる二人のケンカは既に日常茶飯事、
周囲のスイーツ部員達も止める気配は無く、呆れ気味で見守ります。
「ケチ」「石頭」と言われてカッとなる奏。
「食べさせてあげる」「響なんか」と言われてカチンと来る響。
些細な事で口論し合う二人ですが、親しき仲にも礼儀ありと仲裁する部長に対しては、
『親しくなんかありません!』
全く同時にハモって反論し、何とも似たもの同士です。
舌を出してスイーツ部を出る響を、舌を出して見送る奏。
そんな二人は小さい頃、毎日一緒に遊んでいたようですが、
いつの頃からか顔を合わせればケンカばかり。
実は仲良しだったりして、と冷やかすスイーツ部員の声に対し、
奏は昔からずっとケンカばっかりだと反論します。しかし本当は・・・
『今日もまた言い過ぎちゃったな・・・』
『なんでいつもケンカしちゃうんだろう・・・』
奏も響も、どちらも後悔してため息をついていました。

響はピアノやレコードプレーヤーが置かれている建物、調べの館へやって来ました。
『ここでいつも歌ってたっけ・・・』
かつて、ここで響は奏と二人、レコードをかけて一緒に歌っていました。
その記憶の中では奏と優しく笑い合ってたのに。せっかく一番の友達だったのに・・・
『もうあの頃には戻れないのかなぁ』
寂しく鍵盤を押す響に、唐突に頭上から声がかけられます。
『友達なんか要らないじゃん。本当は友達なんか要らないって思ってるんでしょう?』
エレン様キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
いつからそこに居たのか、冷たい微笑を湛えた少女が見下ろしていました。
エレンと名乗った少女は人の心が見えると言い、
響の心にト音記号を認めて飛び降りてきます。
かなりの高さから飛び降りたのを気遣う響ですが、
着地した時には黒猫セイレーンの姿になっている事に驚いて、
調べの館から逃げ出しました。その行く手を、トリオ・ザ・マイナーが塞ぎます。
挟み撃ちにされ、追い詰められた響。その時空からもう一匹の猫、ハミィが降ってきました。

再び現れた喋る猫を見た響の反応は当然です。
『思いっきり怪しいんですけど・・・』
ともあれ、音楽会で楽譜を奪われた事を馬鹿にするセイレーンに対して
そんな悲しい事は忘れたと言い切るハミィは異常に前向きです。
『ネコはこたつで丸くなってな!』
そう毒づくセイレーンも猫だと図星を付かれ、
敵同士なのに緊迫感の無いハミィとセイレーンのやり取りを、
自分と奏に重ね合わせて見ている響。そこに、レコードを手にした奏がやって来ました。
家にレコードプレーヤーが無いため、時々ここでかけているとの事ですが、
そのレコードを巡って些細な事から響と奏の口論が始まります。
どうせこのレコードを覚えていないと見くだされた響が、
意地になってそんなレコード知らないと言い返せば、
奏はこのレコードの事を忘れている事に腹を立てる始末。
どっちもどっちのやり取りですが、このケンカはセイレーンにとっては好都合、
二人をさらに煽ります。ようやく猫が喋っていることに驚いた奏も、
『思いっきり怪しいんですけど・・・』
と響と同じ反応をしてしまい、二人は仲良しと言われて同時に否定しました。
その間にセイレーンは、奏の心にもト音記号を認め、
ト音記号を奪うべくトリオ・ザ・マイナー達をけしかけました。
何だかんだで互いが窮地に陥ると気遣う響と奏。
響にセイレーンが、奏にトリオ・ザ・マイナーの一人バスドラの魔手が迫ります。
今まさにト音記号が奪われるかと思いきや、セイレーンと3バカトリオ・ザ・マイナーは
何か特殊な力に跳ね飛ばされました。

ト音記号を奪えなかった事に驚くも、奏のレコードに音符が潜んでいるのを見つけて
『音符見っけ♪』
こちらも同時にハモってしまうハミィとセイレーン。
ともあれセイレーンは音符を媒体に、レコードをネガトーンという怪物と化しました。
『やめて!そのレコードは・・・』
大切なレコードを利用された奏の悲痛な声が響きます。
本当は響もそのレコードの事は良く知っていました。
『あのレコードは、私達二人の思い出が詰まった大切なレコードよ』
その時、二人の心のト音記号が反応します。
『あの大切なレコードを』『あんな怪物にするなんて』
『絶対許せない!!』

2人の中からト音記号が弾けます。
ハミィは2人がプリキュアであると確信し、フェアリートーンと共に
「レッツプレイ・プリキュア・モジュレーション」と叫ぶよう促しました。
いがみ合っていても、レコードを取り返そうという2人の気持ちは一緒です。
戸惑いながらもその言葉を叫ぶと、
音符に彩られた世界の中で新たなプリキュアが誕生しました。
『爪弾くは荒ぶる調べ。キュアメロディ!』
『爪弾くはたおやかな調べ。キュアリズム!』
『届け、二人の組曲(Suite)。スイートプリキュア!!』
本当は仲が良かったのに素直になれず反発しあう二人。
果たして無事に大切なレコードを取り戻す事が出来るのでしょうか・・・


いきなり辛い評価のようで恐縮ですが、
今回は第一話という事を鑑みても、少々説明描写が多かったため
何か物足りなさを感じてしまったのが残念でした。
何より第1話の時点でこれといった立ち回りが無いのは、他には5GoGoのみです。
5GoGoは続編という位置づけのため、どんな戦いぶりを見せるのか大体想像出来ましたが、
全くの新作でアクションが無いのはちょっと残念です。
ハートキャッチでも第1話でブロッサムのアクションはありませんが、
冒頭からムーンライトとダーク様の凄まじい戦いが繰り広げられた
ため、
このような欲求不満はありませんでした。
本格的にプリキュアとして活動を始める次回以降に期待したいです。

一方響と奏の関係はプリキュアシリーズとしては斬新で楽しめました。
この関係に一番近いのはのぞみとりんちゃんかもしれませんが、
この2人は稀に合わない時があっても、響と奏のように常に衝突している訳ではありません。
その響と奏のやりとりはスイーツ部員達の視点のように端から見ると些細なもので、
深刻な対立のようには見えず、またやってるよ、と言った気楽さを感じさせます。
そして当の2人は発言内容が被ったりするところから、
一見正反対のようで実は似たもの同士という性格が見て取れます。
互いに言い争った後、ケンカした事を内心では後悔しているにもかかわらず、
再び向き合うと意地を張ってまたケンカしてしまう。
互いの事をどうでもいいと考えていては、このようにはなりません。
寧ろ深いところでは互いを案じて思っているような、見えない信頼関係が感じられました。

そして変身の場面はハートキャッチより派手さは減退したものの、
音楽記号が散りばめられた世界での変身という独自の美しさが目を惹きます。
そして変身後の決め台詞
「爪弾くは荒ぶる調べ」「爪弾くはたおやかな調べ」は、
これが「和語」だからか、初めて耳にした時から
なんと美しい言葉を考えたのだろうと感心しました。

さて、やたらとアフロディテが呑気に見えたのは私だけはないと思います。
冒頭の危機にあっても、セイレーンが歌い始めるのを止められそうなのに止めようとせず、
仇敵である筈のメフィストとも旧知の仲であるようなやり取りが伺えました。
争っているような3組の登場人物たち、
響と奏ハミィとセイレーン、そしてアフロディテとメフィストは、
いずれもかつては親しいもの同士で、何らかの事情で敵対しているように思えます。
まずは響と奏の事情が次回で明らかになるようですが、
個人的には次回であっさりと仲直りせずに、
シリーズ後半あたりまで仲違いを引っぱるような展開を期待したいものです。

ところで私の今までの記事を読まれた方は私の嗜好をご存知かと思いますが・・・
  エレン様 ああエレン様 エレン様
SSの満と薫、フレッシュのイース様、ハートキャッチのダークプリキュアに続き、
セイレーンの人間姿であるエレン様が見事直球ストライクでした。
私、このように小悪魔的なクールビューティのキャラクターに弱いんです・・・
心の中を覗きこむ手つきはイース様のグリグリ指合わせのようで、
これから彼女がどのように話に関わってくるのかが非常に楽しみです。

メイジャーランドとマイナーランド、長調と短調という解りやすい構図での対立劇ですが、
アフロディテに何となく裏があるような気がしたり、
メフィストがさほど悪人に見えなかったりする事から、
今回だけでは果たしてマイナーランドが悪なのか、
というよりもメイジャーランドが善なのかという点に疑問を感じました。
さながらモーツァルトの「魔笛」のように、善玉と思われた夜の女王が実は真の黒幕で、
倒すべき存在と思われたザラストロが実は賢者だったというような
善悪交代劇まではさすがに行かないと思いますが、
一部で話題になっている「しかし、実は・・・」というキャラクター紹介文もあるため、
何となくそのような疑いを抱いてしまいました。

今の時点ではマイナーランドの連中の方がキャラ立ちしている事も理由に挙げられそうです。
最初メフィストをどなたが演じているのか分からなかったのですが、
EDクレジットで賢雄さんだと知った時には大ウケしてしまいました。
ハートキャッチで空さんとして、チェロで優しい響きを奏でていたのに、
180度異なるハジけた敵ボスキャラになるとは・・・。
トリオ・ザ・マイナーの3人も誰が誰だかまだ区別は付きませんが、
プッチーニのオペラ「トゥーランドット」に登場するピン・ポン・パンの3バカ大臣のようで、
いちいち台詞を歌いながら喋るなど、オペラらしさを感じさせて楽しめます。
そしてクールなようでハミィと関わるとペースを乱すセイレーンも、
前述のエレン様と相俟ってストーリーを盛り上げてくれそうで期待しています。

またクラシックだけでなくHM/HRも好きな私にとって、
劇伴音楽もクワイアが引き立つロックオペラのような楽曲が多く、気に入りました。
フレッシュ以降の高梨さんによるロック基調のBGMにクワイアが入る事で
荘厳なイメージに仕上がっており、特に変身バンク時の曲の爽快感がたまりません。
一話だけではまだ判別しかねる点が多く、
これから先にどんな展開が待ち受けているのか、
ここから始まる新たな1年を楽しみにしたいと思います。
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やまぴょん

スティクスさん、こんにちは。いよいよスイートプリキュアが始まりましたね。
エレンに心奪われる方が結構いらっしゃるだろうと思っていましたが、ここにもおりましたか。(笑)

さてさて。初回ですが、アクションシーンがなくて物足りなさを感じるのは分かる気がします。一方で、ハートキャッチが視聴者の想像に委ねるような表現が多く、特に子供にとって分かり難かった気がしていて、少し親切設計にしたのかなと感じてます。

特に、響と奏の関係とハミィとスイレーンの関係を相似形で描いて、なおかつ、(奏以外が)お互いにそのやりとりを見ているのは、物語にとって重要な気がするので、初回はひとまず舞台設定を整えた、ということなんだと思います。もっとも、そう単純に話が展開しないのがプリキュアだったりしますが。いつも思いますが本当に女児向けアニメなのだろうか?(笑)

メイジャーランド(アフロディテ)とマイナーランド(メフィスト)の関係は私も気になります。そもそも放映前、短調(マイナー)が悪なのか?という疑問を持っていたので、メフィストの小者ぶりを見ると、本当の悪が別にいそうな印象を受けました。アフロディテのメフィストに対する発言が上からなのも気になります。名前がギリシャ神話の女神やドイツの民話(?)の悪魔からとられている辺り、調べると何か二人の本性を表すヒントが隠されているかもしれないですね。

何はともあれ、また一年間、ここの感想を楽しみにしておりますので、よろしくお願い致します。
by やまぴょん (2011-02-07 15:25) 

スティクス

>やまぴょんさん
コメントありがとうございます。やまぴょんさんもエレン様に心奪われたとか?(笑)
さて、ご指摘の通り「解りやすさ」という点では良い幕開けでしたね。

>響と奏の関係とハミィとスイレーンの関係を相似形で描いて、なおかつ、(奏以外が)お互いにそのやりとりを見ている
なるほど、これは確かにそうですね。これが後々効いて来ると面白そうです。

変身バンクがハートキャッチよりおとなしいと書きましたが、
あのBGMが気に入って何度もリピートしているうちに
気がついたら変身シーンそのものに病み付きになっている私がいました(苦笑)
サンシャイン初登場時も相当見返したのですが、
ハートキャッチとはまた違う良さがあり、流石看板番組にかける意気込みを感じます。

ともあれ、ここから始まる一年間、今後ともよろしくお願い致します。
by スティクス (2011-02-08 06:22) 

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