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プリキュア5 第46話『カワリーノ非情の策略!』 [Yes!プリキュア5]

歯車が狂い始めたナイトメア、いや、既に狂っていたと言うべきでしょうか。
『俺達はあんたの道具じゃない!』
ブンビーさんが反旗を翻し、ブラッディ氏が結束が無くなった事を懸念する中、
狂った歯車の中心に立つカワリーノが取った行動は実に合理的、
しかしサブタイトルが示すとおり「非情」と言います。
ブンビーさんの安否が、掴みかけた希望の行方が、そしてブラッディ氏の頭髪が(笑)
様々な事が心配される、最終盤への序奏が始まろうとしています。
 
今日はみんなで初詣です。
善男善女達が何をお願いしたのかという話題で盛り上がる帰り道。
りんちゃんはかれんに真っ先に話そうと思っていたと前置きして、
何かをポケットから取り出そうとしますが、
かれんはミルクに、りんちゃんはのぞみにそれぞれ懐かれてその話題は中断しました。
今年もいつも通り賑やかな年になりそうです。

その頃ナイトメアでは・・・
ブラッディ氏も帰還せず、ただ一人取り残されたブンビーさんが危機感を募らせていました。
間違いなく次は自分の番。このまま思い切って辞表を出すか、逃げてしまうか、
周囲に意見を求めても、周囲の者たちの無表情な仮面は何も言いません。
ところが持っていた辞表はいつの間にかカワリーノに見つかり、
『自分探しの旅に出てみようかと』などとブンビーさんは笑って誤魔化そうとしますが、
カワリーノはその辞表を破り捨て、ナイトメアを抜ける選択肢など無いと
ブンビーさんを屋上へと連れ出しました。
『デスパライア様のために働かないのなら、存在している価値は無い』
背後に迫るカワリーノから逃げるブンビーさんは、あえなく屋上の端へと追い詰められました。
デスパライアの役に立てない者は消え去るべきと冷たく言い放つカワリーノに、
ついにブンビーさんが大人の視聴者の期待を一身に受け、楯突きます。
『あ、あんたはそうやって部下を何人も消して・・・!』
カワリーノの眼光に負けそうになっても、精一杯の勇気を振り絞って意見するブンビーさん。
『あんたは俺達を利用しているだけだ!
 俺達はあんたの道具じゃない!!!』
しかし、大見得を切ったものの、カワリーノの眼光に怯えるブンビーさんでは敵いません。
そのままゴミを始末するかのように屋上から叩き落されてしまい、
『こんな終わり方嫌だぁあああ!!』
ビルの谷間に消えるブンビーさんを見下ろしてカワリーノは冷たく言い放ちます。
『結局、何の役にも立ちませんでしたね・・・』

残るピンキーはあと一つ。
公園で気合を入れるも、なにせ最後のピンキーですから、
そう簡単には行かないだろうと想いをめぐらせていると、
のぞみの頭の上に何かが乗っているような気が・・・?
あまりの事に半信半疑で、気を取り直してピンキーを探しに行こうとする4人でしたが、
我に返って良く見ると、やはりのぞみの頭上には最後のピンキーが乗っています。
遂に最後のピンキーをキャッチュし、喜びに沸く5人とココ達。
しかしその喜びに水を挿すように拍手の音が響き渡りました。
いつの間にかその一部始終を見下ろしていたブラッディ氏が現れ、
公園そのものをコワイナーと化します。
至る所から伸びる腕を前に、変身し迎え撃つ5人。

最後のピンキーを持つドリームを守るべく、腕コワイナーは4人が一手に引き受けます。
ピンキーを守りながら攻撃をかわし続けるドリームに襲い掛かる、
ブラッディ氏お得意の話術と無数の腕
『一度その手に掴んだ物を失う事を恐れている。違うか?』
それでもめげないドリームを無数の腕が包み込み、ドリーム救出に立ち向かう4人。
迎え撃つブラッディ氏を取囲むように無数の腕が高い壁を作り、
4人はその壁を駆け上がります。
真っ先に踊りかかるるレモネードを軽くあしらったブラッディ氏でしたが、
頭上のシルクハットを奪われた事に気付き驚きを隠せません。
奪ったシルクハットをかぶってはにかむレモネードに続き、
ミントがブラッディ氏の杖を叩き落し、ルージュとアクアがドリームの拘束を断ち切りました。

ブラッディ氏も本気を出し、あの弱そうなコウモリ男へと姿を変えました。
弱そうな外見ながらやはり強く、一人で5人と対等に戦いを繰り広げますが、
多勢に無勢、5人の息を合わせての連携にやや不利かと思われたその時、
ブラッディ氏の手元に突如としてあの黒い仮面が姿を現して・・・

『まったく、忌々しい!』
仮面に目もくれず、怒りをぶつけるように5人に反撃を始めるブラッディ氏。
な なんと うでコワイナーたちが・・・?
うでコワイナーたちが どんどん がったいしていく。
なんと キングうでコワイナーに なってしまった!
巨大な腕コワイナーで威圧しながら改めてコレットとピンキーを要求します。
しかし、ようやく手の届くところに来た夢を渡すようなドリームではありません。
『今まで頑張ってきたみんなの想いが、ここに詰まってるの。
 だから、だから、何があってもコレットもピンキーも渡さない!』

ドリームの言葉にミルクも夢は目の前だと同調し、その二の腕にしがみつきました。
ファイブエクスプロージョン。あわやブラッディ氏終了のお知らせ、
と思いきや、巨大コワイナーを撃破に留まりました。
やむなく引き上げるブラッディ氏。ところが・・・

『次こそは必ず・・・』
ナイトメアに帰還したブラッディ氏を、恐ろしい事態が待ち受けていました。
まだ次があると思っているんですかと冷たく言い放ち、
なぜ黒い仮面を使わなかったのか追求を始めるカワリーノ。
仮面を投げ捨てるブラッディ氏に対し、かつての上司にこんな事を言いたくないと前置きして、
判断力が鈍ったのではないかと見くだした物言いをされても、
自らのやり方に誇りと自信を持つブラッディ氏も負けてはいません。
ブンビーさんとは違い、真っ向からカワリーノを糾弾します。
『お前が来てからナイトメアは駄目になった。お前は自分の目的だけを優先して、
 全体の事は何一つ考えない。今のナイトメアにはなんの結束も無い』
『目的が達成できればそれでいいじゃないですか。その方がデスパライア様も・・・』
『二言目にはその名前を口にするが、
 お前のようなやり方をデスパライア様が望んでいるとは思えない』
あくまで淡々と、しかし互いに一歩も譲らぬ論戦。
ところがブラッディ氏が全てのピンキーが揃った事と漏らしたのを、
カワリーノは聞き逃しませんでした。
ブラッディ氏の目前に、いつの間にか迫っていたカワリーノはブラッディ氏を戦慄させます。
『やっとはっきりしましたよ。あなたの出番はもう無いって事がね』
カワリーノはブラッディ氏の動きを封じ、黒い仮面を手にブラッディ氏に静かに迫りました。
『そろそろ現場を退いてのんびりして下さい・・・
 ああそうだ、自分探しの旅にでも出てはいかがです?』
永遠に、絶望の闇の旅を勧め、ブラッディ氏に無理矢理仮面を被せるカワリーノ。
搾り出すようにカワリーノの名を叫ぶブラッディ氏の手はカワリーノを掴む事叶わず、
そのまま無残に永遠の闇に飲み込まれて逝きました。
『デスパライア様・・・もう目前ですよ』

そしてナッツハウスでは、ようやく最後のピンキーをコレットへ収める時がやって来ました。
感極まって泣くミルクに釣られて、思わず涙が浮かぶのぞみに続けてうららも、
そしてあんた達まで泣いてどうすんのよ、と2人に突っ込むりんちゃんの目も潤んでいます。
気を取り直して、最後のピンキーを入れようとしたその時、
ふと、ナッツハウスの扉が開く音が聞こえたような気がしました。
一人階下へ様子を見に行く小々田先生。そこには誰も居ません。
不穏な空気の中、扉の外を見る小々田先生の背後に突如、影が迫り・・・

何事も無かったように2階へ上がってくる小々田先生は、
早くピンキーをコレットに入れるよう急かし始めました。
異常なほどに急がせる態度に、のぞみとナッツは微かな違和感を覚えますが、
小々田先生を信じているミルクにも急かされ、ピンキーをコレットに収めます。
全てのピンキーが詰まったコレットを手に取るナッツに、小々田先生が手を伸ばしました。
『見せてくれ・・・』
何かザラっとした物を感じさせる口調、表情、態度に
ナッツのみならず5人も奇妙な違和感を覚えますが、
その空気を払拭するようにミルクが小々田先生にコレットを差し出します。が・・・
小々田先生の口元の歪みに気付いたナッツが制止しようとしても既に遅く、
コレットは小々田先生の、いや小々田先生に化けていたカワリーノの手に収まりました。
本物の小々田先生=ココはナッツハウスの外で傷ついた姿を晒しています。
コレットを取り返そうとするナッツをあっさりと返り討ちにして、
コレットと共に姿を消すカワリーノ。
のぞみ達、ナッツ達、そして結果として敵にコレットを渡してしまったミルクは、
希望の頂点から一転、重苦しい空気に包まれました


今回は最終決戦直前のエピソードながら、
プリキュア陣営よりもナイトメア側を中心に描くという異色の展開となっています。
まず何と言っても強い印象を残すのはブンビーさんで、
非情な会社組織に反抗の声を上げる姿がインパクト抜群です。
それでも逃げ腰であったりするところが良くも悪くもブンビーさんらしいのですが、
「俺」ではなく「俺達」と言っている所が、単なる自己保身ではなく
これまで斃れていった者たちの無念を代弁してカワリーノに叩きつけているようで
やはりこの人は「管理職」の器を持っていたと思わせます。
あの瞬間、ブンビーさんは大人の視聴者の声援を受けて実に輝いていました。
残念ながらこれが「プリキュア5」シリーズでの最後の登場になりますが、
あまりにもあっけない最期?だからこそ、ブンビーさん生存を匂わせています。
そして5GoGoのOPに登場した時には心底安堵したものです。

プリキュア5人はパルミエ王国復活という共通の目的を求める「集団」ですが、
各々が互い「個」を尊重しています。そして今回の戦いぶりからもわかるように
特にあの危機を乗り越えて以降「集団」としての結びつきも強固なものになっていました。
対するナイトメアも共通の目的を求める「集団」でありながら2名以上で行動する事が無く、
かといって互いの「個」を尊重するような素振りも見受けられません。
ブラッディ氏はカワリーノに対し、かつてのナイトメアには「結束」があったと言い放ちました。
しかしブラッディ氏自身はその「結束」をどう考えていたのでしょうか。
ブラッディ氏が結束を重視していたとすれば、
ハデーニャさんやブンビーさんとの共闘もあり得た筈ですが、
その姿は想像出来ず、彼らは一貫して一人の手柄を求めていました。
ブラッディ氏の語る「結束」とは、カワリーノに対して反抗するための
過去の栄光の事だったのでしょうか。

ブラッディ氏は今回、黒い仮面を目の当たりにするまでは比較的優勢でしたが、
仮面を見てから冷静さを欠き、敗北に繋がりました。
仮面を渡さずとも勝てた可能性があったブラッディ氏に仮面を渡し、
動揺を誘ったあたりカワリーノの計算高さが伺えます。
すべてのピンキーが揃ったと聞いた後、あえてブラッディ氏を始末したのは、
ブラッディ氏の実力を知るカワリーノとすれば
手柄をブラッディ氏のものにせず、自分の物にしようとの目論見が見受けられます。

ナイトメア側の妙にリアルで生々しい描写とは裏腹に、
プリキュア側の見どころも多く、最終盤としてはやや軽いノリが楽しめます。
最後のピンキーを見つけた際、4人揃っての「まさか」というような素振りや、
冒頭の初詣帰りでののぞみとミルクの他愛のないやりとり、
その際にりんちゃんがかれんに切り出そうとした「例の約束」の伏線など。
しかし何と言ってもインパクト抜群なのは
ブラッディ氏のシルクハットをかぶってはにかむレモネードの愛らしさでした。

私は既にこの物語がどのような結末を迎えるかを知っています。
それでも今の厳しい現実を乗り越えるため、
困難を乗り越えていく5人の姿は力強いバネとして映ります。
プリキュアシリーズでは異色の結末を迎えるプリキュア5も、残りあと3話。
改めて元気を貰いながら、再び再視聴のペースを上げて行こうと思います。
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