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5GoGo 第12話『美々野くるみがやってきた!』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

ミルキィローズの謎は明らかにならないまま、突如として転校してくる美々野くるみ。
ミステリアスな雰囲気は変身前後でも変わらず、豊富な知識と見事な運動神経を持ち
満と薫せつなの転校初日に通ずるところはありますが、
決定的に異なるのは「隠し切れないボロ」が時折出るところです。
近寄りがたい雰囲気から、徐々に親しみも湧いてくる今回。
てゆーかてゆーかてゆーか、薄々正体もそろそろ気付かれそうですが・・・
 
のぞみはミルキィローズとの再会を願って、あのバラの花びらでしおりを作っていました。
こうして持ち歩いていると、早く会えそうな気がする。
ところが、再会は思いのほか早く、そして唐突に訪れます。
『全員注目。転校生の美々野くるみよ。あなた達、仲良くしてあげてもいいわよ』
教室にやってきて黒板に名前を書き、高飛車な態度で自己紹介するのは
あの、ミルキィローズに変身した少女です。

その頃ナイトメアでは、スコルプさんを悼み、悲しみに暮れてるブンビーさん。
しかしスコルプさんに報いるためにも、悲しんでばかりはいられません。
決意を新たに振り返った矢先、無造作に転がるホシイナーボールに躓いて転倒。
一瞬で湿っぽい空気がどこかへスッ飛んで行き、
こちらブンビーさんの許にも、尊大な態度で新たな担当者ネバタコス氏がやってきました。
いきなり足を揉まされる等、扱いの悪さに不満を呟くも、
それを正面切って言えずにへつらう所が、安心のブンビーさんクォリティです・

『まさかこの学校に転校してくるなんて思いませんでしたね』
『本当、驚いたわ』
『いやいやお約束どおりでしょ・・・』
りんちゃん、それを言っちゃあ・・・(笑)
のぞみはみんなが集まるテラスにくるみを連れて来ました。
そしてみんなの事を紹介しようとしますが、紹介されるまでもなく、
くるみはみんなの事をかなり細かいところまで良く知っています。
皆の特技や特徴だけでなく、家業や将来の夢まで知っているくるみに、
さすがに戸惑いを隠せません。
そこにいつもの口上を引っさげて増子さんが登場しますが、
くるみはその決め台詞「マスコミか」まで知っていました。
噂の美少女転校生に密着取材という題目で、くるみにインタビューを始める増子さん。
どこから転校して来たのか。どうしてこの学校に来たのか。
それに対するくるみの答えは、「とても遠くてとても素晴らしいところ」や
「素敵な人たちと出会える予感がした」などと妙にはぐらかされているようです。

ところが小々田先生がやってくると、くるみの態度は一編。
『ココ・・・田先生』
一人で自己紹介させてしまった事を謝る小々田先生に、
まるで猫を被ったようにモジモジしながら、途端に乙女チックな受け答えに変わります。
くるみが小々田先生の手を取ったり、
「生徒に大人気の小々田先生へ猛アプローチ」などと増子さんが興味本位に煽るのを見て、
のぞみは少し面白くなさそうです。
その間にもおタカさんの手伝いをしているシロップ(少年姿)をシロップと呼ぶ等、
くるみはのぞみ達だけでなく、ココやシロップの事も良く知っているようです。
そして小々田先生に頼まれて、のぞみ達は転校生のくるみに校内を案内する事になりました。
怪しい男が体育館にバスケットボールを納品しに来たとは露知らず・・・

まず始めに訪れるのは大講堂。
久々にステージに立ったうららは、改めてこのような舞台に立てる女優になりたいと、
ロミオとジュリエットのワンシーンを演じ始めます。
"ねえロミオ!何故あなたはロミオと言うの?
 私の第一の望みはあなたがお父様を捨て、その名を捨てる事"

"それが出来ないのなら、私に愛を誓って欲しい。それが、私の望みです。
 そうすれば、今すぐ私はキュピレットの名を捨てるのに!"

うららに続き、ロミオとジュリエットの第2幕第2場と指摘して、
すかさず台詞を暗誦して応じるくるみ。
次いで「ハムレット」「オセロ」「マクベス」「リア王」と
こまちとシェイクスピアの四大悲劇について盛り上がります。
いつか文学談義をしたいと申し出るこまちに、くるみは自信満々に答えます。
『シェイクスピア作品の中で揺れる戯曲と言われるテニスの商人についてなんてどうかしら?』
テニス・・・?ベニスじゃなくて?妙に抜けた一面を見せてしまったくるみは、
私の住んでいたところではそう発音すると慌てて誤魔化しました。

次いでくるみは花壇に目を留め、かれんが目安箱の意見を元に作ったと聞いて
その仕事ぶりを評価します。
『みんなの意見を聞いてそれをきちんと実現させる。
 簡単なようでとても難しい事よ。素晴らしいリーダーシップだわ』

くるみの語り口から、以前生徒会をやっていたようにも思われますが、本人は否定します。
そして一番手前ののぞみが植えた一角を、
滅茶苦茶でセンスが無いと指摘する事も忘れません。

次いで体育館を訪れると、りんちゃんが今日は他の部と一緒にバスケをしていました。
りんちゃんの誘いを受け、制服のまま参加するくるみ。
見事なディフェンスでりんちゃんを止めてボールを奪い、
かつての天才バスケットマン小々田先生やデューン様のお株を奪うような
豪快なダンクシュートを叩き込みました。
もっともそれは自軍ゴールで、再びボロを出してしまったくるみは少し恥ずかしそうです。
その頃、体育館の一角に置かれたバスケットボーるのカゴから怪しい気配が立ち上り・・・

のぞみはりんちゃん、くるみと一緒にボールを片付けながら、
先ほどのダンク、こまちに負けないくらいの文学の知識や、
うららのように台詞を暗誦できるくるみの凄さを改めて言及します。
りんちゃんは頑張ればいつかは出来るかもしれないと励ましますが、
のぞみにいつ出来るのかと無邪気な問いをぶつけられて答えに窮しました。
その弾みでのぞみはボールカゴを倒してしまい、辺りにボールが散らばります。
のぞみのドジッぷりに呆れて、くるみはなぜのぞみがプリキュアなのか、
ドジのせいでキュアローズガーデンに辿り着けなかったりしたら皆が迷惑するなど
辛辣な言葉を投げかけます。ところが反論しようとするりんちゃんをさしおいて即答するのぞみ。
『絶対に行くよ。私、フローラさんと約束したんだもん』
私達が助けになるのなら絶対に行くと笑顔を浮かべるのぞみに、くるみもそれ以上言いません。
まるで昔からのぞみを知っているような口ぶりで微笑み返しました。
『あなたっていつもそうね・・・』

突如ボールの一つが破裂して、その中から現れるホシイナーボールが
用具倉庫と合わさりホシイナーと化しました。
同時に姿を現すネバタコス氏。以前と同様、ローズパクトを出してもらわずとも
力づくで奪うと自信たっぷりのネバタコス氏を前に、
駆けつけたうらら、こまち、かれんと共に変身する5人とくるみ。

今回のホシイナーはマットを飛ばし、巨体で押しかかってきます。
巧みにマットをかわして懐に飛び込み、強烈な一撃を加えるローズに興味を示し、
ネバタコス氏は怪人化して迫ってきます。
『怖い顔しちゃって。お前俺を倒せると思ってるんだろう?楽しいねぇ』
不気味な余裕を浮かべるネバタコス氏を前に、ローズに緊張が走ります。
ローズは次々と重い攻撃を畳み掛けますが、
受け止められ続けているうちに息が上がり始めました。
強力なパワーに反してスタミナ不足という弱点を見て取り、
ネバタコス氏はボールカゴから残りのボールを掬い上げ、ローズを脅します。
『ここにあるボールが全部ホシイナーになったらどうなると思う?』
さすがのローズも学校が滅茶苦茶になってしまうと顔色が変わります。
ネバタコス氏はローズパクトに比べたら学校など価値が無いと言い放ちますが、
ローズは今日一日講堂、体育館、花壇を訪れた際のみんなとの出来事を思い出し、
ここを大事に思う人たちの想いを踏みにじる事は絶対にさせないと決意を固めます。

ローズの想いを受け、割って入るプリキュア達(今までどこに行っていた?)
レモネードがホシイナーの動きをプリズムチェーンで止めている間に、
ネバタコス氏が投げ放つホシイナーボールを、
4人それぞれの技で食い止めて行きます。
そしてホシイナーはミルキィローズ・ブリザードで撃退しました。

翌日、張り出されたサンクルミエール通信には、早速くるみの特集記事が組まれています。
「学園のアイドルはどっちだ!?」「知識対決!勝負は?」
「生徒会長に強力ライバル出現!?」「強烈ダンク!!スポーツ少女鮮烈デビュー」
それぞれうらら、こまち、かれん、りんちゃんとの比較記事が載っているのに、
自分だけ無いのを嘆くのぞみ。特技が無いので当然と言いながら通りかかったくるみを追って、
のぞみはいっぱい食べていっぱい眠れる事が特技だと取りすがります。
しかしくるみが言うとおり、それは特技とは言えません。
『いい加減にもうちょっと成長したら?』
『私はいつだって成長してますよーだ』
この二人の言い合いは、みんなも確かに見た事あるような気がしていますが、果たして・・・?


今回再見するまでは、くるみの高スペックぶりと、
「テニスの商人」やゴール間違えなどでボケるギャップが味わえる
気軽に楽しめる一編だと思っていました。
確かにこれらの要素も面白いのですが、
今回も注目すべきはのぞみの態度と反応のように思えました。
くるみと比較される4人と異なり、のぞみにはこれと言った特技は無く、
本人の言うとおりたくさん食べてたくさん寝るだけかもしれません。
そしてくるみが苦言を呈するように、ドジも目立ちます。
しかし、譲らない一点においては絶対の自信を持って胸を張れる強さを持っています。
今回、バスケットボールの入ったカゴを倒してしまった際に
くるみから苦言を呈されますが、話がキュアローズガーデンに及ぶと
それまでとは打って変わり、絶対に行くと即答しました。
その姿を見たくるみも、それ以上文句を言わないところに好印象を受けます。

ラストでは再びレベルの低い言い争いに興じる事になりますが、
ここでも注文を付けられながらも「成長している」と堂々と言えるあたり、
のぞみが本当に成長している事が伺えます。
プリキュア5開始当初ののぞみなら、こうは言えなかったのではないでしょうか。
様々な困難を乗り越え、色々な事を考え、学業やスポーツとは異なる点で
人間としてのぞみは成長を遂げてきました。
「昨日の私より!一時間前、一分前、一秒前、そんな私より、もっといい自分になりたい!」
劇場版でダークドリームに対して言い放ったあの台詞が、ふと思い起こされました。

固いことは抜きにして、くるみの魅力を楽しむ上でも欠かせない一編でしょう。
小々田先生に対する態度や、無理に背伸びをしている素振りから、
観ている側に正体はほとんどバレて来ています。
それでも、あのキャラクターとのギャップがかなりある事、
なぜ人の姿になれたのか、圧倒的な力の源は何なのかといった興味は尽きず、
リアルタイム放送時には、これらの謎がどう明かされるのかが実に楽しみでした。
豊富な知識は正体となる人物の仕事のために蓄積されたものかもしれませんが、
ダンクをかませる程の身体能力をもともと持っていたのか、等興味は尽きません。

くるみと比較対象される4人の特徴もしっかりと描かれ、
久々に登場する増子さんや、湿っぽい空気を一瞬でギャグ化するブンビーさんなど、
脇キャラ達のキャラも立っており、前半の区切りとなるに相応しい一編だと思いました。
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nero

はじめまして!
私も独身隠れヲタリーマンです。プリキュアの大ファンです。
凄いサイトですね。あらすじが的確に書かれているので
目の不自由な私の友人にも紹介したいと思います。
(読み上げソフトで読めるんですよ)

この『美々野くるみがやってきた!』の回は夢原のぞみ/キュアドリームが
「教祖」「カリスマ」などと言われる一面がよく出ています。
キュアドリームに対して強烈なライバル意識を持つローズは、自分のほ
うがのぞみより優れていることをみんなにアピールしたくてたまらない。
でもたった一言で覆される。

「絶対にいくよ」

この揺るぎない、ブレないところがドリームの凄さ。
ドジで勉強も運動も苦手だけど、そんなの関係ない。
もうローズはタジタジです。

オールスターズでも、はぐれた仲間がどこにいるかで

「この空の下にいるよ」

という名言がありましたね。

ドリームって歴代プリキュアの中でも特別強いわけじゃないし、
人気投票でも真ん中くらい。
でも全プリキュアのリーダーは誰か?という調査ではムーンライトや
ブラックに大差をつけてドリームがダントツ。やっぱのぞみ/ドリームが
活躍するオールスターズが見たいです。
by nero (2012-10-19 02:14) 

スティクス

>neroさん
はじめまして。同じ「隠れ」同士、これからも宜しくお願い致します。

>目の不自由な私の友人
凄く嬉しいご意見です。読み上げソフトで読めるという事まで
全く考えていなかったので、そのような用途があるとは露知らず・・・
こうした見方もあるのかと驚きました。
そして、新たな裾野がこのように広がる事もあるのかと正直感動しています。

さてローズとドリームの対比について。
この時期はまだ色々と謎を秘めながらも
隠し通せない「アピールしたい」一面が見え隠れする様が印象的でした。
もちろんのぞみ=ドリームの一本ブレていないところも魅力的ですね。
そこに至るまで、うらら、こまちとは舞台で、
かれんとは生徒会で、りんちゃんとはバスケで
それぞれ張り合う様があり、のぞみとは一体???だったのが、
ここで一気に覆されるところが見事です。
のぞみがどんな人物なのかが端的に表れている気がしますね。

いわゆる「ブラック家族」が全員集まったとして、
能力的にドリームが特に秀でた点が無いとしても、
カリスマ性、それも自然に滲み出るものがありますから、
やっぱり色んな意味で特別な主人公だと思います。
by スティクス (2012-10-19 23:09) 

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