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5GoGo 第15話『りんちゃんと豆の木』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

のぞみが後先考えずに突っ走れるのも、りんちゃんのような女房役がいるからこそです。
「体育会系」「情熱」「炎」「赤」
これらの単語から連想される人物像は、一般には猪突猛進で熱いキャラクターですが、
ことりんちゃんに対しては当てはまりません。
確かに勝気で活発ですが、繊細な内面と怖がりという一面を持ち、
そして誰よりもしっかり者のりんちゃんが、なぜのぞみを支え続けられるのか。
ジャックと豆の木の世界を舞台に、りんちゃんののぞみに対する想いが伝わる一編です。
 
ナッツハウス。はしゃぎながらモップ掛け競争をするのぞみとうららを
くるみは危ないからやめるよう注意します。
りんちゃんもくるみの言うとおりだと、重ねてのぞみに注意しますが、
のぞみは大丈夫だと我関せず。しかしのぞみは振り返り様に脛を箱に打ち付け、
脛を押さえて飛びのいたはずみで棚にぶつかってバケツを蹴飛ばし、
棚からモノを落としまいますが、りんちゃんが見事なフットワークで受け止めました。
結果として事なきを得たものの、注意した直後の事だけに、りんちゃんはのぞみを叱ります。
『そうやって人の言う事いっつも聞かないでバタバタして。
 私、もう絶対にのぞみの面倒なんて見ないからね』

『そんなぁ・・・』

プリキュア及びミルキィローズは全員揃う事によって強い力を発揮するので、分断する事が必要。
シビレッタさんの報告書を呼んだアナコンディさんは、誰でも思いつく事だと鼻で笑いました。
しかしシビレッタさんは、思いつく事と実行できる事は別の次元だと全く動じません。
遠まわしに成果を求めるアナコンディさんと、余裕の態度のシビレッタさん。
目には見えない火花が飛び散る、息詰まるようなやりとりが
シビレッタさんのオフィスで繰り広げられました。

『強く言いすぎたかな。そんな顔してるよ』
一人ベランダで湖面を見つめるりんちゃんを気遣って、小々田先生が声をかけます。
『いつもそうなんだ。のぞみにこうして欲しいって想いが強すぎちゃって・・・』
そう反省するりんちゃんですが、その思いはしっかりとのぞみに伝わっていました。
ベランダにいるりんちゃんに、のぞみはオレンジジュースを持って来ます。
その矢先、ナッツと小々田先生はパルミンの気配を感じ取り、
のぞみはりんちゃん、うらら、くるみに声をかけてすかさず後を追いますが、
追いかけるうちに妙に靴が走りづらい事に気がつきました。
ふと辺りを見回すと、ヨーロッパの田舎のような村に迷い込んでおり、
そして服も変わっている事に気がついて、4人はまた妙な世界に誘い込まれた事を悟りました。
服だけではなく、うららはいつの間にか豆が詰まった皮袋を手にしています。
そんな事よりも、パルミンのショットとこの世界からの脱出が先決と切り出すくるみ。
しかし皮袋からこぼれ落ちた一粒の豆から芽が出て、
たちまち雲の上までそびえる豆の木が伸びました。

『確か豆の木を登っていくと、そこに巨人が住んでるんだよね?』
『そうそう!その巨人と一緒に』
『鬼が島に鬼退治!』
『・・・途中から桃太郎になってるから』
ボケ役が2人もいると、突っ込み役のりんちゃんも大変です。
くるみもため息を付き、ジャックと豆の木の話について、
巨人から金の卵を産む鶏を取り戻しに行く話だとかいつまんで説明しました。
そして金の卵とはすなわちパルミンではないかと当たりをつけ、
雲の上の巨人の家を目指して豆の木を登り始めます。

ナッツハウスに遅れてやって来たこまち、かれんはココ、ナッツと共に、
シロップの背に乗ってのぞみ達を探し回りますが、
何の気配も手掛かりも感じられず、また妙な世界に引き込まれた事を案じました。

その頃、のぞみとうららは早く巨人に会いたいと呑気に登り続けています。
遊びに行くんじゃないとりんちゃんが注意した矢先、のぞみは足を滑らせて転落しました。
このたかさからおちたのではのぞみは・・・
あぁ もしさいしょからやりなおすことができれば なんんとかなるのに・・・
一歩間違えばとんでもない惨劇になるところを、りんちゃんが何とか受け止めます。
下手をすれば笑い事では済まない事態だけに、りんちゃんはのぞみに言い含めました。
『本当に気をつけて。じゃないとのぞみが危険な目に遭うのよ』
のぞみも素直に返事をして、再びみんなで雲の上を目指して登り続けます。

ようやく辿り着いた雲の上の巨人の家は、
行き止まりの壁と思われる程、想像以上に巨大なものでした。
『ごめんくださぁ~い!!!』
大声で呼びかけるのぞみを必死に押し留めたと思いきや、
今度はうららが棒を振り回して呼鈴を鳴らそうと試みており、
突っ込み役りんちゃんの苦労は絶えません。
ともかく、扉の割れ目から巨人の家へと踏み込むと、
酒ビンが転がり、汚い台所など、粗野な大男が住んでいる事が伺え、
背丈よりも大きな靴を見て、さすがにみんなも及び腰です。
そして、2階からは巨人のものと思しきイビキが聞こえ、
巨人が目を覚ます前にパルミンを取り戻すべく2階へと向かいました。

ベッドに横たわる巨人を前にすると、良く寝ているとはいえ緊張が走ります。
その枕元の鳥かごにパルミンが捕らわれているのを見つけて
抜き足差し足忍び足で近付いていく4人ですが・・・
『ふぇっ・・・ふぇっ・・・』
『こんな時にそれだけはやめて!』
くるみは慌ててのぞみの口を塞ぎ、最悪の事態を回避したと思いきや・・・
『へくちゅ★』
あさっての方向からうららがくしゃみを漏らしました。
恐る恐る巨人を見ると、寝返りをうっただけのようで、幸い気付かれてはいないようです。
ところが気を取り直してパルミンをショットしようとキュアモを向けた瞬間、
ファインダーに巨大なホシイナーの顔が飛び込んできました。
半身を起こすホシイナーの顔をした巨人と、
その肩に乗るシビレッタさんが4人の前に立ちはだかります。
流石に逃げようとする3人ですが、
のぞみだけはパルミンが王様である可能性を考えて、早くショットしようと留まりました。
巨人の拳が迫り、こうなった以上は戦うしかありません。
のぞみに続いて次々に変身していきます。

巨人ホシイナーの巨大な足が迫り、
踏み潰されたくなければドリームコレットを差し出すよう要求するシビレッタさんに対しても、
ドリームは物怖じせず、パルミンを取り戻しに来たと言い放ちます。
強い決意を滲ませるドリームの横顔を見るルージュ。
ところが巨人の巨体にはプリキュア3人とローズの攻撃は蚊が刺すほどにも通じていません。
負けじと挑みかかるドリームはあえなく叩き返され、激しく天井へ叩きつけられてしまいました。
・・・と思いきや、叩きつけられる前にルージュがドリームを受け止めますが、
そのためにダメージを負ってしまいました。顔を歪めるルージュを心配そうに見るドリーム。
『もうドリームの面倒を見るの、やめたんじゃないの?』
ちょっと意地悪っぽく訊ねるローズに対し、ルージュの答えはシンプルです。
フローラとの約束を守るために一生懸命頑張るドリームのためなら、
いつでもどこにいても、必ずフォローする。
『私はね、誰かのために無我夢中で頑張ってるドリームが、大好きなの』

しかし巨人との体格差に、窮地である事は変りません。
相手が巨大でも、何か弱点がある筈。そう考えた折、ドリームは
脛を打ち付けたら凄く痛かったという朝の出来事を思い出しました。
そしてドリームとルージュは息を合わせて2人で巨人の脛を集中攻撃し、
2人のコンビネーションに負けじとレモネードとローズも反撃に転じます。
ローズが強烈な一撃を叩き込み、体勢を崩したところにプリズムチェーンで足を絡めとり、
ファイヤーストライクで拳を止めた後、仕上げはシューティングスター。
巨人ホシイナーとともに、シビレッタさんの世界も消えて行きました。

のぞみ達は無事にナッツハウスに戻り、上級生組とココ達も安堵しました。
パルミンを見失った事が心残りですが、
いつの間にかパルミンはりんちゃんの髪の外ハネに潜んでおり、
今度こそショットに成功。さらに良い事に、パルミンはババロア王国の女王その人でした。
ローズパクトに移すや否や、ものすごい勢いで喋りまくるババロア女王。
パルミンの姿で見たのぞみ達の活躍を評価し、
特にりんちゃんがしっかりとフォローしてくれるからこそ、
のぞみが突っ走る事が出来ると早口でまくし立てました。
その後も留まる事を知らないババロア女王の早口を前に、
顔を見合わせて苦笑するのぞみとりんちゃん。
改めて言うまでも無く、2人の絆は磐石です。


登場人物の多いプリキュア5シリーズの中にあって、
うらら、こまち、かれん、そしてくるみは「仲間」であり、
のぞみにとっての「パートナー」はりんちゃんだと改めて思わせる一編でした。
のぞみの危なっかしい事や、迷惑を掛ける事は注意しても、
それが誰かのためであったり、のぞみの信念ゆえの行動であれば全力で支援する。
今回、りんちゃんは「注意」の仕方が3通りあります。
のぞみをしっかりさせるべく叱り付ける事と、本当に危ない事態を心底心配して言い含める事、
そしてボケに対する的確な突っ込み(笑)。
最後の突っ込みはともかくとして、冒頭のナッツハウスでの出来事や、
豆の木から転落したのぞみを助けた直後の言い回しからは、
いかにのぞみを大切に想っているかという事が伺えます。
時に言いすぎたり口うるさくなったとしても、のぞみのためというこの基本姿勢は
りんちゃんが初めてルージュになった前作第2話からブレていません。

時には体を張って傷つく事も厭わない振舞いは、
普段から手のかかる弟妹を持っているからでしょうか。
同じ「守る」でも、こまち=ミントの持つ守りとは異なる、母性愛的なものが伺えます。
そして言い過ぎてしまったかと気に病んだりする繊細な一面など、
改めてりんちゃんの優しさと心の脆さを感じ入った次第です。

固い事は抜きにして、ボケまくるのぞみとうららに
突っ込むりんちゃんとくるみという場面の多さもインパクトがありました。
のぞみのボケに突っ込んだと思いきや、すかさずうららが次のボケを出し、
気苦労が絶えないりんちゃんとくるみというボケと突っ込みの応酬は
シビレッタさんの作品世界という独特の世界観とも相俟って素直に楽しめます。

一方で生身のままカリン塔のように高くそびえる豆の木に登る事が出来るのかという疑問や、
鳥かごの隙間からパルミンが容易に脱出できそうだったり、
何の足がかりも無い巨人の家の階段やベッドをどうやって登ったのかという
突っ込みどころも多々あるのですが、
全て物語の中の出来事として深く考えない事にします。
ジャックと豆の木という物語もさることながら、
これはあくまでプリキュア5GoGoという架空のお話の中の出来事ですから・・・

今回、こまちとかれんは出番が少ないのですが、
次回予告で特にかれんが大きな存在感を発揮しました。
予告でもボケるのぞみに対しての、かれんの鋭い『を゛い!!』の声。
次回はかれんとこまちがヘンゼルとグレーテルの世界へと迷い込みます。
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