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5GoGo 第16話『かれんとこまちのお菓子の家』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

前回ののぞみとりんちゃんに続き、
今度はこまちとかれんがシビレッタさんの作中世界で奮闘することになります。
森の中のお菓子の家、仲の良い2人が力を合わせて悪い魔女を倒すなど、
どこかメルヘンチックな話に見える「ヘンゼルとグレーテル」。
「本当は怖いグリム童話」を読んで私も驚きましたが、かなり黒くて怖い話でもあります。
実際ちょっと怖い事態に巻き込まれてしまいますが、さすがというべき上級生組の信頼関係、
そしてのぞみを良く知っているからこそ思いつく機転など、
窮地に追い込まれて不利な状況にあっても、力押しではなく知恵で乗り切る様が印象的です。
  
いつものランチタイム。しかし一人りんちゃんは妙にやつれています。
目の下にクマを作り、乾いた笑いを浮かべながらローズパクトを取り出すと、
その中からババロア女王が飛び出し、ひっきりなしに喋り続けました。
昨日からずっとこの調子のため、りんちゃんはすっかりノイローゼ気味です。
放課後は部活があるのに・・・
その空気を巧みに読んだのか、うららは放課後掃除当番があり、
くるみはココとナッツのお世話があると途端に逃げ腰になり、
これといって断る口実が思いつかなかったのぞみに白羽の矢が立ちます。
ちなみにこまちとかれんは、2人して共通の用事がありました。
(もっとも、ババロア女王の相手をせずに済むと安堵した風でもありますが・・・)

前回の失敗を遠まわしに責めるアナコンディさんに対し、
シビレッタさんも館長に上手く取り入ったアナコンディさんを遠まわしに皮肉るなど、
こちらエターナルでも、女同士の冷戦が繰り広げられています。
館長は気が短いと、案に早く成果を上げるよう告げてアナコンディさんが立去った後、
シビレッタさんは例の如く、書架の本へと手を伸ばしました。

放課後の図書館。久々に2人だけで帰るこまちとかれんがこの雰囲気を楽しんでいると、
すっかりやつれたのぞみが藁をもすがるようにやってきました。
部活の間だけりんちゃんから預かったローズパクトを差し出すと、
果たして例の如くマシンガンのように喋り続けるババロア女王が飛び出します。
人目を気にするこまちとかれんの進言を全く聞かずに、
ただただ自分の事を猛然とまくし立てるババロア女王。
こまちとかれんは顔を見合わせた後、のぞみにそっと耳打ちしました。
そしてのぞみは以前ショットした布団を使い、
ババロア女王を眠らせてようやく安息の時が訪れます。
(それでも眠りに落ちる直前まで延々と喋り続けていましたが・・・)
のぞみは顔を見合わせただけで互いの考えが分かったこまちとかれんを、
以前小々田先生に教わった「以心伝心」だと評し、
お礼を言って一足先に図書館から出ました。ところが・・・

図書館の外には深い森が広がっています。
のぞみの悲鳴を聞いたこまちとかれんが急いで駆けつけると、
森の空間は今にも閉じようとしていました。
迷わずその中へと飛び込む2人。
そしてナッツハウスでは、のぞみ、こまち、かれんが
例の不思議な空間へ誘い込まれた事を察します。

気がついた時、のぞみは深い森の中にただ一人佇んでいました。
木々が風に揺れる音が不安を煽る、暗い森。
こまちとかれんの名前を呼んでも、返事はありません。
そして、こまちとかれんものぞみを探して、森をさ迷い歩いていました。
いつの間にか欧風の衣装に変わっている事と、森という舞台で
何かの物語に巻き込まれたと察しますが、何の話か分からないうちは油断なりません。
のぞみを探す事よりも、自分達が迷いそうに思えるように、
行く手に広がる深い森は不安を煽ります。
そんな状況下で、せめてのぞみに気付いてもらえる目印を残そうと、
2人は互いに手に持っていた包みを提示しました。
そして、こまちとかれんが迷い込んだ事はシビレッタさんの知るところとなります。

こまちとかれんは、森の開けた場所に一軒の家を見つけました。
その家は屋根も壁も扉も煉瓦もお菓子で出来ており、
ここがヘンゼルとグレーテルの世界だと認識します。
その物語を2人とも知っている筈なのにお菓子の家の中へ不用意に足を踏み入れ
閉じ込められてしまう2人。扉を2人がかりで開けようとしてもびくともしません。
『お菓子の家から魔女が出てきて二人をとっつかまえちまうのさ!』
シビレッタさんも姿を現し、飴の梁で2人を縛り上げ、ローズパクトを要求します。
その頃、のぞみはお腹を空かせて森を彷徨っていたところ、
「何か」の匂いを嗅ぎ付け、その「何か」を木々の合間に見つけて目を輝かせました。

こまちとかれんがローズパクトを持っていなくても、
そのうちローズパクトを持つのぞみがお菓子の家へやって来るだろうと考え、
シビレッタさんは2人のキュアモを取り上げました。
さらに背後にはかまどにかけられて煮えたぎる鍋が現れます。
3人まとめて釜茹でにして食べちまうと悪趣味な一面をうかがわせるシビレッタさん。
うまい!テーレッテレー!何て事になっては大変です。
しかしそのような状況下でも、かれんは余裕の笑みを見せました。
『知らなかったの?のぞみは超がつく程の方向音痴で、
 おまけに国宝級のドジなのよ。ここまで辿り着ける筈が無いわ』

計画が狂ってしまうとうろたえるシビレッタさんに、こまちも口を合わせます。
『今頃道に迷って転んじゃって、しかも可愛そうに、お腹も空いて歩けなくなっている頃よ』
のぞみを探しに行かない限りローズパクトは手に入らないと
すっかり乗せられてしまったシビレッタさんは、ご丁寧に卓上にキュアモを置いて
のぞみを探しに森の中へと向かいました。

とりあえず誤魔化せたものの、のぞみがシビレッタさんに見つかる前に
お菓子の家に辿り着くか心配になるこまちとかれん。
噂をすれば何とやら、お菓子の家に喜びの声を上げるのぞみの声が聞こえて一安心です。
のぞみはこまちとかれんが道標代わりに置いて来た
豆大福とセレブ堂のチョコレートを拾い集めてここまで辿り着きました。
無事合流できて安心したのも束の間、お菓子の家そのものが襲い掛かり、
キュアモを手に脱出する3人。そこにシビレッタさんが戻って来て、のぞみがいる事に驚きます。
『どうしてお前はここが分かった?
 お前は超がつく程方向音痴で、国宝級のドジじゃないのかい?』
私はドジでも方向音痴でもないと口を尖らせるのぞみの横で、
こまちとかれんはちょっとバツが悪そうです。
ともかく、ホシイナーとなって襲い来るお菓子の家を前に変身する3人。

元々が家だけに体が大きくて力も強く、さらに素早いホシイナーに
3人は徐々に追い詰められていきました。
動きを止められれば何とかなると考えた矢先、
ミントとアクアは同時に閃き、ドリームを連れて森の奥へと駆け出します。
シビレッタさんは飴の砲弾をけしかけて後を追い、追い詰めたと思いきや、
逃げに回っていたミントとアクアが鮮やかに反撃に転じます。
『あら知らないの?ヘンゼルとグレーテルのラストは』
『2人が知恵を絞って魔女をやっつけるのよ』
ミントが放つエメラルドソーサーはあさっての方向へと飛んで行き、
嘲笑うシビレッタさんですが、ミントの狙いは周囲の木々を切り倒し、
ホシイナーを足止めする事にありました。
続けてサファイヤアローでホシイナーを取囲んで動きを封じ、
仕上げはシューティングスターで決めます。
知恵を合わせて窮地を乗り切り、3人は無事に学校へ戻ってきました。

ところで、かれんとこまちは何故あんなに沢山のお菓子を持っていたのでしょうか。
それは、二人が一年生の時初めて手を携えた日の、
社会科見学の工場への挨拶のためでした。
あの日は二人にとって忘れられない記念日です。
もうすぐ一年生の社会科見学でお世話になるため、
毎年この日に2人で挨拶に行く事にしていました。ところが・・・
その話を聞きつけてババロア女王が目を覚まします。
先ほどまで眠っていただけに元気が有り余っており、
マシンガントークもさらに拍車がかかっています。巧みにその場を逃げるみんな。
そして息ぴったりで逃げるこまちとかれんに、のぞみの嘆く声が掛けられました。
『こんな時まで息ぴったりで逃げないで下さいよぉ!』


こまちとかれんは、これでもまだ中学3年生なのですが
「円熟」と評せるような成熟した関係が際立ちます。
前回ののぞみとりんちゃんの信頼関係とは一味違い、
落ち着いた雰囲気の関係が見ていて安心感を漂わせています。
MHにおけるなぎさとほのかも3年生ですが、受ける印象は随分異なります。
これは、なぎさとほのかが「主人公」である事と、
プリキュア5のシリーズではあくまでのぞみが主人公である事が起因しているように思えました。
MHでは3年生の2人がメインのため、下級生のひかりは守るべき存在として描かれています。
対してこのシリーズでは2年生ののぞみがメインのため、
3年生の2人はより大人っぽく見えるのではないでしょうか。
1歳の年の差というものは、大人になった今でこそ大したものではありませんが、
中学生における1学年の差は大きいもので、下の学年から見ると妙に大人に見えたものです。
そんな空気が感じられる今回の人物描写は優れたものでした。

2人の関係を描くにあたり、2人が親密になった出来事をラストに持ってくる展開も秀逸です。
そもそも、何故沢山のお菓子を持っていたのかは終盤まで明らかにならず、
その理由が2人の過去のエピソードに繋がる展開と、
そこにお菓子を絡めてくるという構成の妙に感心させられます。

こまちとかれんの関係もさることながら、
2人がのぞみを良く知っているからこその対応も目を惹きました。
超がつくほどの方向音痴で国宝級のドジというのは確かに正しく(笑)
食い意地が張っている事を逆手にとってお菓子の道しるべを作るなど、
絶対にのぞみがその通りに行動すると確信していなければ、
シビレッタさんを前にあそこまで強気に出る事は出来ません。
そしてお菓子の道しるべの件は、ヘンゼルとグレーテルでの
パンをちぎって道しるべにする展開とも通じ、作中世界と上手に融合していると思います。

私はシビレッタさん関連の一連のエピソードは、
本放送当時マンネリのようで少々軽んじておりました。
そのため細部の描写の記憶が曖昧で、これは前回でも言える事なのですが、
今まで童話・民話の形を借りたお気楽なエピソードだと
思い込んでいた不明に恥じ入るばかりです。
そして、これまで何度と無く話題に上げたように、
新たな発見が出来る事こそが再見の魅力だと思います。

暗い森の光景や、お菓子の家の一見楽しそうで不気味な作りなど、
怖そうな雰囲気作りも目を惹きます。
まるで世界名作劇場シリーズのようなヨーロッパの風土を感じさせる意味合いも伺え、
今の子供達にとっての名作の世界観を知る上でも良い表現だと感じました。
それにしてもシビレッタさん、本当に煮て食べるつもりだったのでしょうか(笑)
魔女を思わせる風貌とはいえ、少々悪趣味な気が・・・
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