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スイートプリキュア第20話『アアアア~♪セイレーン、最後の作戦ニャ!』 [スイートプリキュア♪]

初代ではキリヤがSSでは満と薫がフレッシュではイース様が
敵側とプリキュア側の間で葛藤し、迷いを振り切ってプリキュアとの戦いを選ぶエピソードは
揺れ動く心が悲しみを誘い、懸命に呼びかけ、向き合おうとするプリキュア達の姿と相俟って、
いずれも鬼気迫るものとして忘れられません。
さて、その系譜に繋がると思われるセイレーンは果たしてどうだったでしょうか。
ハミィとセイレーンの物語に転機を及ぼす一編である事に変わりはありませんが・・・
 
淀んだ空気と濁った空に覆われたマイナーランド。
セイレーンはメフィストに、世界を一気に不幸に陥れる究極の作戦を提案します。
ハミィが集めた音符はフェアリートーンに詰まっている事に目をつけ、
フェアリートーンを奪ってしまえば労せず大量の音符を手に入れられる事。
そしてセイレーン達が集めた音符と合わせて不幸の楽譜をある程度完成させ、
楽譜とセイレーンの歌声で人々を悲しませている間に残りの音符を集めるという寸法ですが、
そう簡単に事が運ぶのか、メフィストは当然半信半疑です。
セイレーンはハミィとの関係を利用すると自信を見せますが、
ハミィとの友情に心動かされてきた姿を知るメフィストにとっては不安要素です。
それを払拭するように、セイレーンは再び悪のノイズを叩き込むよう志願しました。
『友情、愛情、信じる心。そんなものは皆、まやかしだ!忘れてしまえ!』
メフィストの高笑いと共に、セイレーンを再び悪のノイズが包み込みます。
そして二度と友情に心動かされる事も無くなった、
悪の化身となったセイレーンの瞳が紅く輝きました。
『プリキュア、ハミィ。見せてあげるわ。あなたたちの住む世界が、悲しみの色に染まる姿を・・・』

そうとは知らず、今日もハミィは青空の下で音符集めに奔走しています。
崖から転落というハプニングもありましたが、3つの音符を獲得してご機嫌のハミィの前に、
荷物を背負い、やつれたセイレーンが姿を現します。
ハミィはいつものように全く疑いなく、友達としてセイレーンを気遣います。
セイレーンは一瞬嫌な笑みを浮かべた後、
メフィストから用済みの烙印を押され、ケンカして逃げてきたとウソ泣きを交えて語りました。
それを真に受けたハミィは、一緒に逃げようとセイレーンに背中を貸し、
一番の親友だと言い張って、セイレーンをおんぶして走りました。
セイレーンの嫌な笑みに気付き、不安そうに顔を見合わせるフェアリートーン達を残して・・・

『・・・ありがとう』
『セイレーンのありがとう、久しぶりに聞いたニャ♪』
公園の木陰にセイレーンを下ろした後、ハミィはセイレーンのために食べ物を取りに行きました。
ハミィはセイレーンを疑うどころか、嘲笑うような笑みを浮かべている事も知りません。
響のベッドの下に隠したお菓子を持ってセイレーンの元へ戻ろうとした折、
響と奏に呼び止められたハミィは、ちょっとお散歩だと嘘をついて誤魔化しました。
内心響と奏に詫びながら、セイレーンの事は誰にも内緒だと急ぐハミィ。
途中セイレーンを探すトリオ・ザ・マイナー達をやり過ごし、
セイレーンは絶対ハミィが守ると固く決意して走り続けます。

ハミィが持って来てくれたドラ焼きを食べながら、
セイレーンは昔、一緒に森の中で歌の練習をした事を思い出しました。
その事を思い出して、思わず歌いだすハミィをたしなめた後、
セイレーンはしおらしく、悪い事はやめてハミィたちの仲間になりたいと切り出します。
その言葉を真に受けて、ハミィはこんな嬉しい事は無いとセイレーンに抱きつき、
そして夢が叶うと喜んで踊りまわりました。
ハミィの夢。それは、セイレーンと一緒に幸せのメロディを歌う事です。
そして話を合わせるうちに、セイレーンもいつしか乗せられて、一緒に歌い始めました。

公園の下を通りかかったアコと奏太はその歌声を耳にして、
向かった先でハミィと一緒にいるセイレーンを見つけます。
アコはセイレーンの鋭い目つきが気がかりのようですが・・・

セイレーンはこれまで集めて瓶に詰めた音符を取り出し、
お互いに今まで集めた音符を合わせて幸せのメロディを歌おうと持ちかけます。
音符を足しても全部揃わないと言うハミィに、冒頭のメフィストに持ちかけたものと逆の策、
一緒に幸せのメロディを歌い、メフィストたちが慌てた隙に残りの音符を探そうと提案。
早速響と奏の助力を得ようとするハミィですが、
セイレーンは彼女達には音符が見えないと指摘し、
まずは2人だけで頑張ろうと巧みに逸らします。
ハミィはすっかり口車に乗せられてしまい、
明日フェアリートーンを連れて行く事を約束してしまいました。

その夜、宿題に頭を悩ます響の傍ら、ハミィはすっかりご機嫌です。
響に何があったのかを聞かれても内緒を決め込み、
明日、一緒にセイレーンの所へ行く事を考えてすっかり浮かれています。
フェアリートーン達が不安そうな目をしている事にも気付かずに・・・

翌日、響と奏はアコと奏太から、ハミィがセイレーンと一緒にいた事を聞きました。
アコはセイレーンが怖い目をしていた事が気がかりで、2人に昨日の場所を教えます。

青空に暗雲が立ち込め始める中、響と奏は森の中でハミィと鉢合わせました。
カゴいっぱいのキノコとドングリ(あれ?今秋だっけ・・・?)を取り落とし、
言葉を濁すハミィに、嘘はダメだと諭すと、ハミィも観念して正直に話しました。
セイレーンが仲間になりたいと考えている事を打ち明けると、
響と奏はこれまでの事もあり、当然疑いを抱きます。
それでもハミィはセイレーンを信じ、響と奏を振り切ってセイレーンの元へ向かいました。
響も奏も本当のセイレーンを知らない、セイレーンはハミィの一番の親友。
そう心に刻みつけながら走るハミィは、既に周りが見えていません。
フェアリートーン達も不安そうです。

セイレーンは昨日の場所でハミィとフェアリートーン達を待っていました。
しかしセイレーンに不審なものを感じ取ったのか、ドリーとレリーはそっとその場を離れ、
そしてミリーとファリーはハミィにセイレーンは怪しいと耳打ちします。
それでもハミィは、幸せのメロディを歌おうと持ちかけるセイレーンを信じて頷き返します。

ドリーとレリーは響と奏に助けを求め、セイレーンが音符を狙っている事、
そしてハミィは騙されていると訴えます。
その山道に、ドリーとレリーを追って駆け込んでくるセイレーン。
そしてトリオ・ザ・マイナー達も姿を現しますが、彼らの狙いもセイレーンでした。
黙って音符を持ち出した事を糾弾し、音符を取り戻そうとするマイナー達から、
セイレーンはハミィを守るように立ちはだかります。
埒が明かずに業を煮やしたバスドラは、大量の音符が詰まったビンをネガトーン化。
中に収まる大量の音符の力か、強烈な悲しみの波動が街を襲います。
被害を食い止めるべく、変身する2人。

変身した2人に、あのネガトーンはハミィとセイレーンの大切な音符で出来ていると訴えるハミィ。
ハミィに憐れみの様な目を向けた後、メロディとリズムは2人息を合わせて対等に渡り合います。
しかし、中に潜む大量の音符が共振を始めるとネガトーンの強さが増し、
劣勢に追い込まれる2人を見て、ハミィはセイレーンに救いを求めました。
ネガトーンは呼び出した者でないと制御が難しいと及び腰のセイレーンですが、
ドリーとレリーがプリキュアと一緒にいると確認した後、ネガトーンの弱体化に挑みます。
体内の音符たちに互いに憎しみ合うよう仕向けてネガトーンの動きを封じ、
メロディとリズムに一気に決めるよう指示するセイレーン。
メロディとリズムはそのまま一気にミュージックロンド・スーパーカルテットで仕留めました。

瓶の中に詰まっていた音符を大量ゲットして大いに喜ぶハミィ。
街の人々も元に戻り、めでたしめでたし、と思いきや・・・
ハミィは音符が詰まったフェアリートーンを、嬉しそうにセイレーンに差し出します。
それを受け取ったセイレーンは、これまでと打って変わって、冷たくハミィを突き飛ばしました。
未だ事情が飲み込めないハミィに、騙していた事を打ち明けるセイレーン。
マイナー達も初めてセイレーンの策を知って感嘆する中、
メロディとリズムはフェアリートーンを奪い返すべくセイレーンに挑みかかりますが、
フェアリートーンを人質に取られて手が出せません。
『ハミィ。ありがとう・・・音符をくれて』
悪意に満ちた「ありがとう」を言い残して引き上げるセイレーンを、
ハミィはただただ呆然と見送るしか出来ませんでした。

マイナーランドに、勝利を確信したメフィストの高笑いが響き渡ります。
これから一体どうなってしまうのか、響と奏は不安でなりません。
それでもハミィは、こんな目に遭わされてもまだ、セイレーンを信じています。
ハミィの瞳は力強く、確信に満ちています。


今に始まった事ではありませんが、スイートのシリーズに於いて、
確信に迫るストーリーではハミィとセイレーンが中心に描かれるために
響と奏の存在感が極端に薄くなり、このシリーズの主役は
ハミィとセイレーンだったかと勘繰ってしまいます。
しかし、過去作での悲劇的な登場人物たちのエピソードに於いても
キリヤの時はほのかがメインのためになぎさが少々薄く、
イース様の時はラブがメインのため、美希とブッキーの存在がかなり薄くなってしまい、
対等に渡り合ったのは咲・舞と満・薫の時だけに思えます。

これらの先例に比べて、セイレーンに鬼気迫るものはさほど感じられないのですが、
あえて自ら茨の道を選ぶ事を志願する姿は違った意味での覚悟を感じさせました。
そのため、響と奏の物語として見ると物足りなさはありますが、
ハミィとセイレーンの物語と割り切って見ると、
裏切られても騙されても信じ続けるハミィ、後ろめたさと隠された本心が伺えるセイレーン、
2人の猫たちの悲しい姿が際立ちます。
第13話ではセイレーンの悲劇性が強く感じられましたが、
今回は特にハミィが気の毒でなりません。

なぜハミィはあそこまでセイレーンを信じ続けられるのか。
響と奏、すなわちプリキュアにとっては敵であり、
そしてメイジャーランドの者たちからすれば裏切り者。
今はメフィストとトリオ・ザ・マイナーという「仲間」がいるようにも見えますが、
彼らからしてみても「裏切ってこちらに加わった者」という見方はある事でしょう。
ハミィは、セイレーンを見限ってしまえば本当に一人ぼっちになってしまう事を知っているからこそ
たとえ世界の全てがセイレーンの敵であっても、ハミィだけは最後の味方でありたいというような
ある種の使命感を持っているようにも見受けられます。
実際はただの天然なだけかもしれませんが(笑)

セイレーンも冒頭で強力な悪のノイズを浴びたにもかかわらず、
随所でハミィに心を許しているとしか思えない場面が見受けられます。
トリオ・ザ・マイナー達をも欺いていたのは「敵を欺くには味方から」という事情かもしれませんが、
どこかで彼らを信頼しておらず、ハミィを信じているからこそ
ハミィを巧みに口車に乗せる事が出来るように思えました。
プリキュア達に加勢したのも、仮にこのまま敗れてしまっては
ドリーとレリーを手に入れられないという計算があったとはいえ、
ハミィに乞われての、それだけでは割り切れない何かがあったような気がします。
そして最後の「ありがとう」は悪意のこもった捨て台詞でしたが、
おんぶしてくれたハミィに対しての「ありがとう」は、
隠し切れない本心から出た言葉のようでした。
満と薫の時のように、この言葉がハミィとの関係改善に繋がってくれれば良いのですが・・・

「友情、愛情、信じる心。そんなものは皆、まやかしだ!忘れてしまえ」
セイレーンに悪のノイズをぶつける際のメフィストの言葉も、
どこか自分自身へ言い聞かせているように思えます。
メフィスト自身の耳にもあのノイズを発する物体が付いている事が指摘されていますが、
今回のこの発言で、メフィストを取り巻く事情にも改めて裏がありそうだと感じました。

響と奏の影の薄さや、響と奏よりもセイレーンを信じるハミィなど、
気になる点は確かにあります。
しかしこれまでとは違った切り口、新たな試みを続けていく事は評価したいと思います。
雨の中の戦い、セイレーンとハミィの涙、そして新たなプリキュア誕生・・・
フレッシュ第23話を髣髴とさせる要素の数々が伺える次回予告に、
来週果たして何が起こるのか、中盤の山場に向けて楽しみになりました。
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南嵐茶真

今回は30分がとても短く感じる濃い話だったと思います。
僕はフレプリファンなのでせつなを彷彿とさせる展開は本当に胸熱で、フレッシュプリキュア23話のようなGガン的展開は果たしてあるのかと楽しみで仕方ないです。
ところで本屋で「たのしい幼稚園」なる雑誌を見かけたのですが普通にネタバレしてるというね……
わけがわからないよ。
名前こそキュアビートだったものの、見た目は当初流出した設定画とは全く違っていたのでそこは高評価ですかねー。あの設定画だとどうみても和音だったので(笑)
とにもかくにも次週が一つの山場ですね。
by 南嵐茶真 (2011-07-04 22:46) 

スティクス

>南嵐茶さん
このサイトを始たのはフレッシュプリキュア第1話で
イース様に魅せられたのがきっかけなので、
私も相当思い入れがあります。
あの23話のようなものになるのか、それとも新たな切り口で描くのか、
次回は本当に楽しみです。
いわゆるネタバレ系の情報は知らないのですが、
最初は和音に似てたんですね。和音は今シリーズのサブキャラの中で
私も気に入っているので、これからのストーリーに絡めて欲しいと
密かに願ってているのですが・・・
聖歌先輩ともども、後半の巻き返しに期待したいものです。
by スティクス (2011-07-05 07:19) 

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