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5GoGo 第20話『こまちとまどか 二人の夢』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

5GoGoシリーズになってから初登場となるまどか姉さん。
サバサバした態度やアクティブでエネルギッシュな行動力といった魅力は健在で、
妹のこまちと瓜二つながら、一見正反対のようにも見えますが・・・
秋元姉妹がそれぞれの夢を抱くきっかけとなった逸話と共に、
夢を目指す手段や目的などを考えさせられる一編です。
そして、名前の由来とともにこまちが見せる意外な一面もインパクトがありました。
  
菓子舗小町を訪れた馴染みのおばちゃんがまどかさんと間違えるほど、
こまちはまどかさんに良く似て、大きくなりました。
まどかさんはここしばらく家を空けているとはいえ、
いつも店の手伝いをしている事は常連客の間では周知のとおり。
まどかさんがいればご両親も安心だと豪快に笑うおばちゃんを見送り、
こまちは複雑な顔を浮かべました。

一方エターナルでは、アナコンディさんがネバタコス氏を執務室に呼びつけていました。
用向きは、報告書の提出が成されていない事。
チマチマと書くのは苦手だと渋るネバタコス氏に対し、報告書の提出は定められた決まりで、
組織はルールで動くものだとアナコンディさんも譲りません。
ネバタコス氏はそれでもなお渋るものの、
地下室勤務をちらつかされては逆らいようがありません。
やむなく報告書を提出する事を呑まされました。

こまちの新作を読むナッツ。のぞみ、りんちゃん、うららは固唾を呑んで見守り、
早くナッツの感想が聞きたいと迫ります。
ナッツは今までのこまちの小説とは少し違う話だと切り出し、
詳しい感想を述べる前に、バイクの音が鳴り響きました。
この作品世界でバイクに乗って登場するのはまどかさんしか居ません。
初めて見るシロップが、こまちが二人いるとお約束のように驚く中、
一週間も帰らなかった事を心配するこまちの先手を取ってお土産を差し出すまどかさん。
店内のアクセサリーや陳列を評価した後、ナッツの傍らの原稿の束に目を向けて
ナッツに感想を尋ねました。少し手を加えれば良い小説になるとの評を聞いて、
まどかさんもやれば出来る子だと満足そうです。
そして課題の提出が迫っていた事を思い出し、大学へとバイクを駆って行きました。
まるで嵐のように現れ、嵐のように去って行ったと面食らうシロップ。
ところがまどかさんは、荷物を置き忘れていました。

まどかさんの忘れ物を届けるため、みんなで大学へと向かいます。
絵に描いたような憧れのキャンパスライフに目を輝かせるりんちゃんとうらら、
まどかさんに間違われるこまち等、そんなこんなでまどかさんの許へ到着。
しかしノミとハンマーを手に彫刻に励むまどかさんを見て、
みんなは声をかける事がはばかられ、
そしてこまちは初めて見る姉の真剣な目に何かを感じ始めました。
一息ついたまどかさんはみんなに気付き、荷物を持って来てくれた事のお礼を言いますが、
こまちが何やら思い悩んでいる事にも気付いたようです。

大学からの帰り道、改めてまどかさんのかっこよさに盛り上がるのぞみ達とは裏腹に、
こまちはずっと浮かないままです。
みんなと別れた後、こまちの様子を気にして残るかれん。
こまちは今日彫刻を真剣に掘る姉の姿を目の当たりにして、
まどかさんの夢とは何なのかを考え込んでいました。
これまで和菓子職人を志していると信じて疑わなかったものの、
一人旅や美術など、色々な事に興味がある事を改めて察し、
他にやりたい事があるのではないかと考え、幼い頃の出来事を思い出します。

小さい頃から見よう見まねで和菓子を作っていたというまどかさんは、
ある日こまちに白玉団子を作ってくれました。
それがとても美味しくて幼いこまちはお礼の手紙を書き、
まどかさんが喜んで手紙を受け取ってくれた事で
こまちは物を書くことの素晴らしさを知り、小説家を志すきっかけになりました。
だから、まどかさんにも自分の夢を追って欲しい。
けれども両親は店を続けて欲しいと思っているのではないか・・・
宜しければ私めが婿養子としてまどかさんと一緒に二人三脚で以下略
そう思い悩むこまちに、かれんは先日やりたい事が見つかったと
両親に手紙を書いた事を語りました。
これもこまちのおかげだと協力を申し出るかれんに、
その気持ちだけでも嬉しいと返し、こまちは柔らかな夕陽の中へと歩みだします。
しかし、その表情は未だ優れぬまま。かれんもその事は気付いているようです。

こまちの新しい小説の内容とは、姉が妹を、妹が姉を互いに想い合う物語。
そう小々田先生に説明するナッツも、
作中の妹が姉を想うあまり、悩みすぎている事を気にかけています。
それは、まさに今のこまちそのものです。
満月の光が、思い悩むこまちを照らしていました。

翌日、菓子舗小町を訪ねるかれん。店番をしているのはまどかさんです。
こまちはナッツハウスへ向かったと答えるまどかさんですが、
かれんは今日はまどかさんに用があって訪ねて来ました。

『こんなところで何してるの?』
池のほとりで思い悩むこまちの許に、まどかさんがやってきます。
かれんが心配していた事を告げるまどかさん。
鯉が遊ぶ池、のどかに雲が漂う青空の下で、まどかさんは自分の夢を切り出しました。
それは店の伝統を守りながら、今よりもっとおいしい和菓子を作る事。
他にやりたい事があるのかと思っていたと意外そうに受け止めるこまちに、
まどかさんは白玉団子を作った日の事を語ります。
こまちがおいしそうに食べてくれた事が心底嬉しく、その時からまどかさんは
おいしい和菓子で沢山の人をこまちのような笑顔にしたいと志したのでした。
そして、カバンからこまちがあの時書いた手紙を取り出します。
つらい時はそれを見て頑張っているというまどかさんに、
こまちもこの手紙がきっかけで小説家を志した事を語り合い、
秋元姉妹は互いに夢に向かって頑張ろうと笑いあいました。
そしてのぞみが、こまちを迎えにやって来ます。
こまちを心配しているのは、かれんだけではありません。

まどかさんが研究を重ねて作った豆大福を手に、一緒にナッツハウスへ向かう2人。
ところがその途中、ネバタコス氏が立ちはだかります。
こまちが大切に抱える包みをローズパクトと思い込み、奪い取るネバタコス氏。
これで報告書を書かずに済むと浮かれるのも束の間、
中身がローズパクトではない事に言いがかりをつけてきます。
のぞみは豆大福を返すよう要求し、
『返して!お姉ちゃんがみんなのために作ったのよ!!』
こまちの剣幕にも驚きました。怒らせると一番怖いと定評のあるこまちと共に、
豆大福を取り戻すべく変身します。

『返して!お姉ちゃんの豆大福!』
怒ると怖い評判そのまま、ネバタコス氏に鋭い蹴りを叩き込むミント。
ネバタコス氏も負けじと民家の蔵をホシイナー化しました。
さすがの怒ったミントでも、ドリームと2人だけでは苦しい戦いを強いられます。
豆大福を文字通り手玉にとって挑発するネバタコス氏。
しかし調子に乗りすぎたのか、隙を突かれて駆けつけたシロップに豆大福を奪われ、
そして駆けつけたりんちゃん、うらら、かれん、くるみもそれぞれ変身して立ち向かいます。

数の上では優勢でも、ネバタコス氏もホシイナーも強く、一蹴される6人。
これで報告書ともおさらばだとご満悦のネバタコス氏を前に、ミントが真っ先に立ち上がります。
『お姉ちゃんと約束したの。夢に向かって頑張るって。だから、ここで挫ける訳には行かないの』
反撃開始。ネバタコス氏のさらに上からミントを筆頭に踊りかかり、
6人揃っての攻撃でネバタコス氏を叩きのめします。
間髪入れずエメラルドソーサーを放ち、ホシイナーを撃退。
ネバタコス氏も結局報告書を書かなければいけないのかと毒づきながら撤退して行きました。

ナッツハウスでまどかさんの豆大福を堪能するみんな。
もともと豆大福が好物のナッツも素直に美味さを堪能する中、
食欲旺盛なみんなにかかってはたちまち豆大福はなくなってしまいました。
それを見越して、まどかさんが追加の豆大福を持って来ます。
再び豆大福を堪能しながら、かれんは前から疑問に思っていた事、
何故こまちは店の名前と同じなのかを口にしました。
途端に恥ずかしそうに口ごもるこまちを差し置いて、まどかさんがその理由を明かします。
産まれたばかりのこまちのほっぺたが、大福にそっくりでぷっくぷくだったため、
店の名前を取って「こまち」がいいと両親に申し出たのは、まどかさん自身でした。
赤くなって恥ずかしそうにうつむくこまちを、ぷっくりほっぺとからかうくるみ。
『もう!お姉ちゃん!』
ほっぺたを膨らませるこまちは、まさに大福ほっぺそのままです。
しかし、その命名にはまどかさんの妹を想う気持ちもしっかり込められていました。
『妹が出来てとっても嬉しかったんだ。
 だから私が大好きな店の名前、こまちがいいんじゃないかって、そう思ったの』


夢を叶えるための手段は人それぞれで、一つの道筋ではありません。
今回こまちはまどかさんの夢を知らないうちに、
さまざまなものに興味を示し、真剣に打ち込む姿を見て思い悩んでしまいました。
しかしこまちが危惧するような事は、まどかさんは考えてもいません。
和菓子職人という夢に対し、一人旅で見識を深め、旅先での和菓子を土産として研究したり、
ナッツハウスのアクセサリーや陳列方法、そして彫刻作りで美的センスを磨いているようです。
和菓子というものは味もさることながら、見た目の美しさも重要な要素です。
これらを活かして、きっとまどかさんは良い和菓子職人になる事でしょう。
その姿勢は小説家を志すこまちにとっても影響を及ぼす筈です。
ただ本を読むのが好き、ただ物を書くのが好きというだけでなく、
幅広い見識を深め、幅広く物事に打ち込んだり感動したりする事は、
良い作品を作る上で欠かせない事でしょう。
私自身、一人旅や酒、クラシック音楽鑑賞、そしてプリキュア視聴(笑)といった趣味の数々は
いずれも仕事内容には直結しませんが、見識を高め、
何らかの形で仕事に活きていると思いたいです。

今回こまちはまどかさんが迷ったり、悩んだりしているのではないかと思い込んでいますが、
当のまどかさんにはそのような素振りはありません。
何を考えているのか、何を迷っているのかと言うことは、
たとえ肉親であっても完全に理解する事など出来ないでしょう。
ひょっとして迷っているのではないか、などと変に勘繰る事は、
かえって相手のためにもなりません。
こまち自身の悩みや迷いも、話を聞いてくれたかれんは完全に理解しえなかったと思います。
それでも心配してくれている人がいる事で、
悩んでいた事に対する安心感が生まれることもあります。
こまちが後半迷いを見せなくなるのは、
池のほとりでのまどかさんとのやり取りもそうですが、
かれんやのぞみが自分を気遣ってくれていると察したからだと考えました。

対するエターナル側の描かれ方は対照的です。
決められたルールにのっとって報告書を提出する事を求めるアナコンディさんは
一見正論のようにも見えますが、仕事のためにルールがあるのではなく、
ルールを守るための仕事を強要しているように思えます。
本来、仕事を進める上で必要なルールが、いつしかルールが一人歩きして、
ルールに縛られた仕事になってしまう。
実際にありえる事ですが、それでは何のために仕事をするのかわかりません。
私自身も仕事を進める上でのルールはありますし、時には疑問に感じる書類提出や
無駄に長時間に感じるミーティングもありますが、
幸いそれに縛られ過ぎることも無く、私は今の仕事にやりがいと充実感を持っています。
ナイトメアもエターナルも、ある意味会社組織の暗部がクローズアップされていますが、
一番厳しいのは、そこで働く者たちに「やりがい」が見出せない構造だと思います。

さて、重いことばかり書いていても疲れますので・・・
こまちとまどかさんが共に夢を抱くきっかけとなる、幼少時のエピソードでの
幼い秋元姉妹の可愛らしさは特筆ものでした。
ラストシーンでの「ぷっくりほっぺ」のエピソードに顔を赤らめ、
そしてほっぺたをふくらませるこまちの表情も、普段見られないものです。
同学年のかれんを含めた6人の中にでも、
こまちは落ち着いた物腰と相俟って「お姉さん」のイメージがあるのですが、
そのこまちがまどかさんの前では「妹」になってしまうというギャップが楽しめます。
またキャンパスライフに胸を躍らせる場面で、
カップルに目が向いているりんちゃん、華やかなチアリーダーに目が向いているうらら、
学食が気になっているのぞみと、それぞれの個性がしっかりと活きていました。
そして、こまちの事をまどかさんと間違えた女子大生のショートパンツが妙に艶かしく以下自粛
残念ながらこれがまどかさんの最後の出番だと記憶していますが、
まどかさんの見事な個性とテーマ性で楽しめた一編でした。
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へるりん

細かいところですけど、組織がナイトメアになってますよ~(笑)
by へるりん (2011-07-03 00:28) 

スティクス

>へるりんさん
ご指摘ありがとうございます。早速訂正させていただきました。
おとなはウソツキではないのです。まちがいをするだけなのです・・・(笑)
by スティクス (2011-07-03 10:54) 

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