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5GoGo 第31話『ミルキィローズ新たなる力!』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

3話前から悩みを引きずり続け、何が出来るのか(出来ないのか)悩み続けるナッツ。
しかし、存在するだけで民の拠り所になるような資質こそが
人の上に立つ者としての王の器と言えるのではないでしょうか。
アナコンディさん自らが来襲し、たちまち窮地に陥るプリキュア達とミルキィローズ。
その時ナッツは何ができるのか・・・
ミルキィローズの新たな力、輝く鋼鉄のバラの吹雪が、ナッツの力と共に煌めきます。
  
復興の鎚音は順調に鳴り響き、パルミエ王国は日毎に元の姿を取り戻しつつあります。
前回作り上げたミルキィノートの通信機能のおかげで、
テレビ電話のように互いの姿を見ながら会話する事も出来、
ココとミルクの姿を見て喜ぶパルミエの住人達。
逆にココとミルクも王国のみんなの姿を見て嬉しそうで、
また何故かシロップも妙に嬉しそうです。(その理由はすでにバレバレですが・・・)
ところが、ミルキィノートを作った張本人のナッツは一人元気がありません。
気乗りしないまま国民の前に姿を見せると、たちまち大喝采が巻き起こります。が・・・

ナッツは大好物の豆大福にも手を付けず、部屋にこもって本を読みふけっています。
夜もろくに寝ず、さらにナッツハウスも休業したままというここ数日の様子を心配するみんな。
そんな折、くるみは再びパルミエ王国と通信を繋ぎます。
丁度部屋から出てきたナッツに、王国の皆とお話をと何気なくミルキィノートを提示したところ・・・
『俺はいい!!』
ナッツは声を荒げてそのまま出て行ってしまいました。
改めて心配そうに見送る小々田先生とくるみ。
卓の上には、豆大福が手つかずのまま取り残されています。

『お茶が入りましたよ~』
ブンビーさんは呑気ににアナコンディさんの執務室へお茶を運んできますが、
アナコンディさんの胸中には前回の館長の叱責と、
シビレッタさんの一言が去来している事など知る由もありません。
屈辱に怒りを燃やすアナコンディさんを目の当たりにしたブンビーさんは
回れ右をしてさっさと退散しようとしますが、そうは問屋がおろしません。
『ローズパクトは!?』『あの、さっきまで私お茶を淹れてまして・・・』
『シビレッタは!?』『えーと・・・山へ芝刈りに・・・』
『ムカーディアは!?』『となると川へ洗濯へ?』
苦し紛れの言い訳を続けるも、ヤドカーンとイソーギンはどうしているかと聞かれると
もうネタがありません。怯えて頭を下げるブンビーさんの脇を、
アナコンディさんは苦々しげに通り過ぎて自ら出撃して行きました。
ようやく怖いひと時が過ぎ、ブンビーさんは自分で淹れたお茶をすすって一息つきました。
『あれ?旨い・・・』

両手の紙袋一杯に本を買い込んだナッツを呼び止める小々田先生。
みんなが心配していたことを告げますが、ナッツの反応は
放っといてくれとそっけないものです。
ナッツは自分の力で作り上げたミルキィノートを起動できず、
クレープの力で動いた事を気に病んで、ただ器を作っただけだと己を卑下していました。
さらにココのようにプリキュアに力をもたらすことも出来ず、
様々な文献を読み漁ることで王は人々のために何を成し遂げたのかを学ぼうとしましたが、
どんなに調べても答えは見つかりません。
何をしたらみんなの力になれるのか思い悩むナッツに、
小々田先生は僕らには至らぬ点があると前置きしつつ、
ナッツがいてくれるから頑張れると、ナッツの肩に手を伸ばそうとしました。が・・・
はからずもその手を振り払ってしまうナッツ。
我に返るものの、そのまま本が詰まった紙袋を下げて行ってしまいました。
小々田先生はその背をただ見送るしかできません。
ナッツの揺れる心を象徴するかのように雲行きが怪しくなり、
そして荒れ始める空にアナコンディさんが姿を現しました。

ナッツハウスに戻ってくる小々田先生に、ナッツの様子を尋ねるくるみ。
王国のみんなと話せば気晴らしになるかもしれないと、
ナッツのためを思ってした事が逆効果になってしまった事を、くるみも気にしています。
それでもこまちは、ナッツはいつもみんなを気にかけてくれていたと切り出しました。
こまち自身が小説の執筆で思い悩んだ時も適切な助言をしてくれたり、
くるみの正体を最初に見抜いたのも、くるみの部屋を作ってくれたのも、みんなナッツでした。
『私達にナッツさんの悩みを解決できるかわからないけど、
 ナッツさんがいつもしてくれている事を今度は私達みんなでしてあげられないかしら?』

こまちの提案を受けて、これまでずっと窓の外を見ていたのぞみは、
暗くなってきた空を案じて、傘を持ってナッツを迎えに行こうと提案します。

傘を手にしたのぞみを先頭に、ナッツのもとへと向かうみんな。
しかし、その行く手にはナッツを捕えたアナコンディさんが立ちはだかりました。
『わざわざ私が出向いたのです。今日はただでは帰りませんよ』
無造作にナッツを投げてよこすアナコンディさんを前に、変身するのぞみ達5人とくるみ。
アナコンディさんもホシイナーボールを上空に投げ、
黒雲から走る稲光を集めて龍のホシイナーを生成しました。

アナコンディさんのホシイナーはとにかく強く、
プリズムチェーンで動きを止め、サファイヤアローを叩き込んでもまるで通用しません。
5人はたちまち劣勢に立たされます。
そしてローズには、アナコンディさん自ら挑んできました。
両手を後ろ手に組んだままローズの攻撃を軽々とかわし、
ローズの拳を片手で受け止める等、圧倒的な強さは変わりません。
アナコンディさんは先日館長の前で煮え湯を飲まされたローズに対して、
逆恨みのような一念を抱いていました。額に強烈な一撃を叩き込むという、
プリキュア史上でも相当えげつない一撃を受けて、倒れ伏すローズ。
それでも視線の先に小々田先生、その手に抱えられたナッツが目に入ると再び立ち上がります。
『ナッツ様を、ココ様をお守りするのが、私の役目。ここで倒れるわけにはいかない!』
渾身のミルキィローズブリザードを放つローズ。
しかしローズのデータを分析済みのアナコンディさんには通用しません。
かき消されたミルキィローズブリザードの余波が、ローズを襲います。

一方のプリキュア達もエメラルドソーサーやファイヤーストライクが通用せず、
元の稲妻の姿となったホシイナーに縛り上げられ、
さらに電撃を畳み掛けられて窮地に陥っていました。
膝をついたローズをかばうように小々田先生とシロップが割って入るも、
アナコンディさんにとっては物の数ではありません。
あっさりとねじふせられ、その際ローズパクトを取り落してしまうシロップ。
ローズパクトを目にしたアナコンディさんの目の色が変わります。

『ローズパクトは渡さない!』
『・・・邪魔です』
何度足蹴にされても、ローズはアナコンディさんの足に取りすがります。
そのしぶとさにアナコンディさんも業を煮やし、
先に倒してからローズパクトを頂く事にしましょうと標的をローズに向けますが、
その時、ナッツが立ち上がりました。
なんの力もないと扱き下ろすアナコンディさんに対し、
ローズは立ち上がったナッツの姿を、尊敬の念を抱いた眼差しで見つめます。

『ナッツ様はパルミエ王国の国王になるお方。
 パルミエ王国の皆も、私も、優しく心温かく見守ってくれるナッツ様が大好きなんです』

先ほど、ナッツの姿を見たパルミエ王国の民が、いかに喜んでいたかに触れ、
ローズはよろめく足取りで、一歩、また一歩ナッツへと歩み寄ります。
『みんな、ナッツ様ココ様のお二人がパルミエ国王になるのを待ち望んでいるんです。
 そして私は、お二人を何としてでもお守りしなければ・・・!』

懸命に気力を振り絞るも力及ばず、再び膝をついてしまうローズに、
見かねたナッツが声をかけます。
『もういいナツ。ナッツは国王なんかどうでもいいナツ』
一瞬すべてを投げ出してしまったかとも取れる言葉ですが、
ナッツの真意は別のものでした。
アナコンディさんの言うとおり、己の無力さを自覚しながらも、
いついかなる時もみんなが笑顔でいてくれれば、それでいい。ただ皆の笑顔だけを守りたい―
その言葉を聞いたローズの目に涙が浮かびました。
そして、皆の笑顔を奪って悲しみに変える者がいるのであれば、
力が無くても立ち向かうと宣言すると同時に、ナッツの身体が光り輝きます。
その光にホシイナーが怯んだ隙に5人は無事に脱出し、ナッツの元にも王冠が現れました。
ミルキィノートを媒体に、ミルキィパレットに新たな力、ミルキィパレットが宿ります。そして・・・
『邪悪な力を包み込む、煌めくバラを咲かせましょう。ミルキィローズ・メタルブリザード!』
花吹雪は煌めく鋼鉄のバラとなってホシイナーを包み込み、
アナコンディさんはナッツ達の進化を目の当たりにして撤退して行きました。

ナッツの想いが王冠を呼び寄せ、ナッツのおかげで助かったとお礼を言うローズに対し、
ナッツもまた、みんなのおかげで力を得る事が出来ました。
そこにはもう、己を卑下する姿はなく、自然な笑顔があります。

そしてパルミエ王国へココとナッツの近況を報告するための大量の手紙をしたためるくるみ。
シロップは連絡が取れるようになった筈だと不平を漏らしますが、
手紙は王国の歴史に残る貴重な文献になるとくるみも譲りません。
冒頭、シロップが妙に嬉しそうだったのは、
パルミエ王国への配達の仕事から解放されたからなのですが、その目論見は外れてしまい
再び配達の日々が始まる事に頭を抱えたシロップの嘆きが、ナッツハウスにこだましました。


ラストのシロップ、そして例の如くどこまでがアドリブかわからないブンビーさんが
重くなり過ぎないよう緩和しているものの、途中から暗くなる空とも相俟って、
テーマがテーマだけにパワーアップ回という華やかさよりも全体敵に重い一編でした。
ナッツが表に出る話は久々、と言うよりも5GoGoになってから
少々影が薄い感があったのですが(苦笑)作中こまちが指摘する通り、
くるみ関連のエピソードではきちんとくるみを気遣っていた事などが挙げられます。
ナッツの「イケメン」状態を見ていると、こんなに弱い一面があったのかと思わせますが、
前作の後半、こまちと絡む一連のエピソードの折には、
こまちを支えながらもナッツ自身もこまちに支えられる姿が描かれて来ました。
プリキュア達と共にナッツやココも成長しているとはいえ、
人の本質というものはなかなか変えられるものではありません。
むしろ、変えてしまうとその人の持ち味が失われてしまうという事もあります。
前回と今回のナッツを、ただウジウジとしてクレープに妬いていると切り捨てるのは簡単ですが、
そのような繊細な一面があるからこそ、人の痛みや悩みに敏感になれると思います。

文献から指針を見つけ出そうとする姿勢は間違いではありません。
しかし今回のナッツは、本から答えを見出そうとして本の世界に閉じこもり、
少し考える事を放棄しているようにも見えました。
殻に籠ってしまうと、色々と見えにくくなってしまうもの。
さらにくるみや小々田先生の好意を無下に拒絶してしまうナッツですが、
一人で悩まずとも、ナッツにはココがいますし、のぞみ達もくるみもいます。
人は自分が思っている程、完全に孤独ではないものです。

冒頭、ナッツの姿を見て喝采する国民も、
倒されても倒されても立ち上がるローズも、
ココやナッツという王に丸投げしようとは考えてもいません。
むしろ、2人の王をみんなで支え、盛り立てて行こうという機運が感じられます。
ナッツがこだわっていた王の力とは何なのか。
そもそも王には高い能力が必要とされているのか。私にはそうは思えません。
個人の能力が高いに越したことはありませんが、
それよりも存在そのものが国民を湧き立たせ、国民の尊敬の対象であるような
そんなカリスマ性を備えている事が王の器だと思います。
そして王と言えども一個人であることには変わりません。
国王はどうあるべきかに囚われてしまっていたナッツが、
みんなの笑顔を守りたいというナッツ個人としての気持ちを素直に表すとともに
王の力が現れるという展開は説得力がありました。
ラスト、シロップにとっては苦笑すべき災難であっても、
ナッツを取り巻く日常はみんなの笑顔に満ちています。そんな些細な日常を守りたい。
守ることのできる存在となる事が、王が人々に成し遂げる事と言えるでしょう。

それにしてもアナコンディさんの強さは相変わらず半端なく、
ローズの額に攻撃をかける辺りはお子様が引いてしまわなかったか心配になりました(笑)
いや笑いごとではなく、攻撃が来るのを覚悟して目を閉じているローズに
その一撃が中々来ない等、全シリーズの中でも相当えげつなくい攻撃でした。
それだけでなく、電撃を受けて一様に悲鳴を上げる5人など、
ここまで痛々しい場面の数々はそうありません。
それだけにアナコンディさんの強さと冷酷さが際立っている効果はてきめんなのですが・・・
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