5GoGo 第35話『ブンビー衝撃発言！』 [Yes！プリキュア5GoGo！]
前作の第2話でブンビーさんが初登場した際、
この人がここまで何でもアリのキャラクターになるとは、誰も予想できなかったと思います。
高木渉さんのアドリブで生き残ったと言われている通り、制作側も予想しなかった事でしょう。
さて、CMを挟んでの「衝撃発言」のインパクトが強烈すぎる今回、
ある意味ブンビーさん初登場時の「管理職」という原点が垣間見えますが、
同時にのぞみ達の物語の終焉が近い事を感じさせる、一抹の寂しさが過る一編でもありました。
Yes！プリキュア5GoGo！ブンビー衝撃発言！このあとあと！
のぞみはナッツハウスで、「和気あいあい」という言葉の意味に頭を悩ませています。
何気なくりんちゃんに尋ねてみようとしたところ、
りんちゃんだけでなく、うららも、こまちも、かれんも来ていない事を改めて意識しました。
『心と心が通じ合って、和やかな気分が周りに溢れることを和気あいあいって言うんだ』
小々田先生はそう助け船を出して、
まさにのぞみ達の事だと例に挙げますが、当ののぞみは寂しそうです。
みんながナッツハウスに来ないのは今日に限った事ではありません。
最近みんなが集まる機会は、めっきり減っていました。
今のナッツハウスはがらんとした感があり、いつもの喧騒が嘘のように静かに感じられます。
というのも、みんなはそれぞれ自分の夢に頑張っていて忙しく、
のぞみ自身も先生になるという夢のために勉強をしているのですが・・・
寂しい気持ちは隠しきれず、あと一人で４ヵ国の国王が揃うという事を
小々田先生やナッツに労われても、のぞみの表情は冴えません。
『お茶が入りましたよ～』
毎度おなじみのブンビーさんのお茶汲みの光景。
ところがアナコンディさんは聞こえているのかいないのか、
ムカーディアさんの報告書をべた褒めしていました。
『素晴らしい上司に恵まれると、実力以上の事が出来るものです。アナコンディさん』
『お世辞を言っても何も出ませんよ？』
そんなやりとりをしているアナコンディさんとムカーディアさんに、
ブンビーさんはとことん無視され続け、ようやくお茶を出しても、
そこに置いておいて下さいなどとぞんざいな扱いを受けます。
さらに、せっかくブンビーさんが淹れたお茶を見たムカーディアさんは
気障な振る舞いでそれを紅茶に変え、アナコンディさんもその紅茶を堪能する始末。
ここまでコケにされても、自分の報告書の感想を求めてへつらううブンビーさん。
ところが、せっかく提出した報告書が、アナコンディさんの机の後ろにある
ゴミ箱に放り込まれているのを認めて愕然としました。
『あれは・・・私の・・・私の・・・ッ』
こんな仕打ちを受けてもなお、大人は働かなければならないものなのです（涙）
街路樹の下のベンチで、のぞみは慣用句の意味を調べていました。
同じ頃、同じ場所に、ブンビーさんは就職情報誌を手にして誘い込まれるようにやって来ます。
ギリンマ君、アラクネアさん、ガマオ君といった部下を率いていた栄光の日々や、
スコルプさんという得難い同僚と協力してきた日々を思い返し、
深いため息をついてのぞみの真後ろのベンチに腰掛けて呟くブンビーさん。
『今の組織、辞めちゃおうかな・・・』
『時期尚早』
丁度のぞみが調べていたのはこの言葉です。
のぞみの声を耳にしたブンビーさんが、時期はまだ早いと呟いた事で、
それを耳にしたのぞみもまた、「時期尚早」の意味を理解しました。
『りんちゃんもアクセサリーのデザインの研究してるし、うららもお芝居の勉強頑張ってるもんね。
こまちさんは小説。かれんさんはお医者さんの勉強で忙しくて、5人揃うのも中々大変で・・・』
ここで初めてブンビーさんは後ろに腰かけているのぞみに気が付きました。
思わずブンビーさんが上げた大声にのぞみが振り返った時、そこには誰もいません。
つい街路樹の陰に隠れてしまったブンビーさんですが、
のぞみ達も勉強し、悩みを抱えている事を知りました。
そしていつも安易な攻撃に出るから失敗していると自重し、時期尚早の意味を噛み締めて、
徹底的にプリキュアを研究して慎重に動く事を考えています。
橋の上で台本を読むうらら。そこに、りんちゃんがパルミンを追って走って来ます。
2人で無事にショットするものの、残念ながら最後の国王ではありません。
ところでりんちゃんはアクセサリーのデザイン研究が、
うららはオーディションを控えており、しばらくナッツハウスへ足を運んでいませんでした。
しかし、2人とも納得の行く結果が得られずに煮詰まっています。
こんな時こそナッツハウスへ。りんちゃんもうららも、考えている事は同じです。
そして、その2人のやり取りを橋の反対側でブンビーさんが聞き耳を立てていました。
町の書店で、医学書を読むかれんに、沢山の小説を買い込んだこまちが声をかけました。
こまちが夢に向かって真っすぐ進んでいるのを目の当たりにして、
かれんはいつになく弱気な本音を漏らします。
医学の道を目指すために学ぶ事の多さに不安を覚えるかれんに、
自分も同じだと答えるこまち。誰だって将来が不安になる時はあります。
そして、こんな時こそナッツハウスへ。
意気投合する2人の姿を、例の如くブンビーさんが書架の影から伺っていました。
商店街では、くるみの買い物に付き合わされたシロップが文句を言っています。
いつになく大量の食材は、ココとナッツのためにしては多すぎますが、
くるみは今日あたりみんなが来るかもしれないと思っていました。
シロップはくるみがみんなの事を結構気にしていると感心し、
それにくるみはムキになって否定、軽く受け流すシロップ、
という微笑ましいやり取りを、これまでと同じくブンビーさんが路地裏で聞き耳を立てていました。
そしてナッツハウスへと戻って来たのぞみを出迎えるのは、なぜかブンビーさんです。
いつになく低姿勢に出ているものの、のぞみにいきなりエターナル呼ばわりされ、
のぞみの声を聴いた小々田先生とナッツが血相を変えて飛び出してくる等、
最初からケンカ腰ののぞみ達を前にうろたえるブンビーさん。
さらに悪い事にりんちゃんとうららが、こまちとかれんが、くるみとシロップが同時に勢ぞろいして
みんな同時にブンビーさんをエターナル呼ばわりして警戒の目で見つめます。
一触即発のみんなを前に、ブンビーさんはあくまで下手に出ながら口を開きました。
『君達の事は徹底的に研究し勉強させてもらった。そして私はある結論に辿り着いたのだよ！』
妙に自信満々のブンビーさんが、次の言葉を続けるのを皆固唾を呑んで見守ります。
『衝撃発言はこのあとすぐ！！』
ここで一旦お知らせを挟みます（笑）
CMが明け、衝撃発言の発表の時が来ました
『では、思い切って言わせて貰うぞ！』
高まる緊張。皆が固唾を呑んでブンビーさんの発言の時を待ちます。そして・・・
『私がプリキュアのリーダーになってやる！！』
固まる空気。一陣の風が横切った後も、みんな唖然として二の句が出ません。
話が見えないとココ達が言うのも当然ですが、ブンビーさんはやる気だけは十分です。
『プリキュアのリーダーとなり、お前達を導いてやる。
この場所こそが私が求めていた職場だったのだ！』
急にそんな事を言いだして、何かの作戦と疑われても仕方がありません。
『お前、エターナルで嫌な事でもあったロプ？』
挙句にシロップに同情される始末。
図星を突かれたブンビーさんは大いに焦りながらも、
のぞみ達をキュアローズガーデンへと連れて行こうとしているのは本気のようです。
そのためにローズパクトを預けるよう要求するも、当然断るのぞみ達。
やる気が空回りしているブンビーさんと、話は噛み合いません。
ブンビーさんはしびれを切らし、あくまでもリーダーに逆らった事に対する鉄槌のつもりで
就職情報誌をホシイナー化。結局いつも通りの展開となり、変身する6人。
『さっきから言ってる事が滅茶苦茶よ！』
行動と発言が支離滅裂のブンビーさんに対して、みんな手厳しく当たります。
『あなたをリーダーだなんて』『誰も認めないっての！』
ところが発言の内容はともかくとして、今回のブンビーさんの強さは一味違います。
続くミントとアクア、「リーダー」のドリームも軽々とあしらい、
その程度の力ではキュアローズガーデンに行く事は不可能だと、
ブンビーさんなりに気遣っているような言葉を吐きながらも、
ホシイナーから繰り出す紙で6人を縛り上げるなど、攻撃の手を緩めません。
おとなしく従えばローズガーデンに連れて行くと、
あくまで誘い込むブンビーさんですが・・・
『リーダーなんて要らない・・・！
私達は一人一人自分で考えて、みんなでキュアローズガーデンに行くって決めたの！』
誰かに押し付けられていくわけじゃないと拘束を断ち切るドリームに続き、
みんな次々と拘束を断ち切って行きます。
『だから強がるなよ。君達は悩みを抱えて・・・』
『いい加減にするココ！』
困惑しながらもあくまで低姿勢なブンビーさんに対し、
ココとナッツが堪忍袋の緒を切りました。
ナッツはローズに力を与え、そのままメタルブリザードでホシイナーを撃退。
貴様だけは許せんとブンビーさんがローズに向かおうとした矢先、
それはこっちの台詞だと割って入るドリーム。
すかさずココはフルーレを召喚し、ブンビーさん目がけて
レインボーローズエクスプロージョンの兇悪な一撃が迫ります。
この期に及んでリーダーに何て事するんだと、かろうじてその一撃を避けるブンビーさん。
『まあ今日のところは勘弁してやろう。気が変わったらいつでも私のところに来るがいい』
未だリーダー気取りのまま引き上げるブンビーさんを、
みんな唖然として見送りました。
久々にナッツハウスにみんなが集う光景。
うららのオーディションの練習が思い通りに行っていないと察するや、
こまちは久しぶりにうららの演技を見てみたいと助け船を出しました。
のぞみは色々勉強した言葉をかれんにも教えてあげると切り出し、
素直にお礼を言うかれん。そしてりんちゃんのデザインしたアクセサリーは、
ナッツによると完売したようです。また手伝ってくれと言われて笑顔で頷くりんちゃん。
久々の賑やかな輪の中に、くるみがシュークリーム、豆大福、ホットケーキを運んできました。
この面子が自重する筈がありません。
次々と手を伸ばすみんなを前に、久しぶりに揃ったと思ったらこれなんだからと苦笑するくるみ。
のぞみはこの和んだ雰囲気こそが、「和気あいあい」だと実感しました。
騒々しくも和やかで楽しい時がここにあります。しかし、それはもうすぐ・・・
今回はブンビーさんのCMまたぎの衝撃発言のインパクトが強く、
私もギャグ回だったのではないかと記憶していました。
確かに随所にブンビーさん（というより高木さん）のアドリブが光りますし、
（「懐かしいでしょ」「ケンカはダメ！」など）
エターナルにおける理不尽な扱いでは、いつものブンビーさんに対する同情も掻き立てられます。
そのため、のぞみ達がブンビーさんに対して対話を拒否し、
聞く耳を持っていないように見受けられる事が少々残念な気がしました。
ギリンマ君、アラクネアさん、ガマオ君、そしてスコルプさん。
ブンビーさんはプリキュア達の前に敗れ去った部下や同僚を回想し、
それでも支離滅裂ながら歩み寄ろうとしていました。
それをすぐに「エターナル」呼ばわりして、ケンカ腰で出迎えては
ブンビーさんが気の毒に思えてきます。
さらにホシイナーを粉砕したローズを前にしたブンビーさんが口にする怒りは、
どこかにスコルプさんを葬った者という認識があったように思えました。
そんなブンビーさんに極めて殺傷力の高いレインボーローズエクスプロージョンを放つ等、
プリキュア側に歩み寄りの姿勢が伺えないのが少々残念な気がします。
もっとも、ブンビーさんは殺しても死なないと思いますし（笑）
そして、ここで歩み寄る姿が伺えないからこそ、
最終回直前のあのシーンが効いていると考える事も出来ますが・・・
さて、こうしてのぞみ達の物語を再び観始めてから、約1年が経とうとしていますが、
今回のエピソードを観て何とも言えぬ寂しさを覚えました。
こうしてのぞみ達の足跡を再び追い続けた今、リアルタイムの放映時と異なり、
私はこの物語があと13話を残すだけと言う事を知っています。
これまでナッツハウスに流れていた、永遠に続くかのような心地良い空気は
いつかは終わる時が来るという事を冒頭の描写を観て実感させられました。
それは現実での番組の終了というだけでなく、
作中世界に於いても間もなく訪れるであろう、こまちとかれんの卒業。
のぞみとりんちゃんにしても、進級でクラスが変わるかもしれませんし、
何より4人目の王が見つかった先に待つものは、キュアローズガーデンへの扉だけでなく、
ココ、ナッツ、シロップ、そしてくるみとの別れを意味します。
近い将来に待ち受ける、この時の終焉。だからこそ、今この時を大切にしたい。
ラストの和気あいあいとした雰囲気から、そのような想いが感じられました。
しばらく会っていなくても、みんなの気持ちは「和気あいあい」という言葉がふさわしく、
ラストシーンでこまちがうららを、かれんがのぞみを、ナッツがりんちゃんを
それぞれ気遣うような素振りが光ります。
特にのぞみから言葉を教えてあげると言われたかれんは、
前作開始時の姿からは考えられない態度を見せていました。
のぞみに教えてもらう言葉など、当然かれんには無い筈です。
それでも勉強を苦手とするのぞみが、勉強で得た事を嬉しそうに語る姿を見て
のぞみの気持ちを壊すことなく、優しく聞き届けるかれんの姿は印象的でした。
みんなが互いを必要として、互いがみんなを必要とする。
そして助け合い、助け合う関係には、自称リーダーの入る隙間はありません。
この面々における「リーダー」といえば、一応のぞみ＝ドリームです。
しかしのぞみ＝ドリームは随所でカリスマ的リーダーシップを発揮するものの、
自分から自称する事は無く、皆が自然に引っ張られる形になっています。
そこが自分の考えを押し付けようとするブンビーさんとの対比として描かれ、
リーダーの役割とは何なのかという事を問いかけています。
次回はプリキュア史上屈指の異色回、ファイブdeチャンス！
しかし、参加の動機はみんなの思い出づくりでした。
事によると今回抱いたように、シリーズ終了の寂しさを感じ取るかも知れません。
気楽にカオスっぷりを楽しめれば良いのですが・・・
この人がここまで何でもアリのキャラクターになるとは、誰も予想できなかったと思います。
高木渉さんのアドリブで生き残ったと言われている通り、制作側も予想しなかった事でしょう。
さて、CMを挟んでの「衝撃発言」のインパクトが強烈すぎる今回、
ある意味ブンビーさん初登場時の「管理職」という原点が垣間見えますが、
同時にのぞみ達の物語の終焉が近い事を感じさせる、一抹の寂しさが過る一編でもありました。
Yes！プリキュア5GoGo！ブンビー衝撃発言！このあとあと！
のぞみはナッツハウスで、「和気あいあい」という言葉の意味に頭を悩ませています。
何気なくりんちゃんに尋ねてみようとしたところ、
りんちゃんだけでなく、うららも、こまちも、かれんも来ていない事を改めて意識しました。
『心と心が通じ合って、和やかな気分が周りに溢れることを和気あいあいって言うんだ』
小々田先生はそう助け船を出して、
まさにのぞみ達の事だと例に挙げますが、当ののぞみは寂しそうです。
みんながナッツハウスに来ないのは今日に限った事ではありません。
最近みんなが集まる機会は、めっきり減っていました。
今のナッツハウスはがらんとした感があり、いつもの喧騒が嘘のように静かに感じられます。
というのも、みんなはそれぞれ自分の夢に頑張っていて忙しく、
のぞみ自身も先生になるという夢のために勉強をしているのですが・・・
寂しい気持ちは隠しきれず、あと一人で４ヵ国の国王が揃うという事を
小々田先生やナッツに労われても、のぞみの表情は冴えません。
『お茶が入りましたよ～』
毎度おなじみのブンビーさんのお茶汲みの光景。
ところがアナコンディさんは聞こえているのかいないのか、
ムカーディアさんの報告書をべた褒めしていました。
『素晴らしい上司に恵まれると、実力以上の事が出来るものです。アナコンディさん』
『お世辞を言っても何も出ませんよ？』
そんなやりとりをしているアナコンディさんとムカーディアさんに、
ブンビーさんはとことん無視され続け、ようやくお茶を出しても、
そこに置いておいて下さいなどとぞんざいな扱いを受けます。
さらに、せっかくブンビーさんが淹れたお茶を見たムカーディアさんは
気障な振る舞いでそれを紅茶に変え、アナコンディさんもその紅茶を堪能する始末。
ここまでコケにされても、自分の報告書の感想を求めてへつらううブンビーさん。
ところが、せっかく提出した報告書が、アナコンディさんの机の後ろにある
ゴミ箱に放り込まれているのを認めて愕然としました。
『あれは・・・私の・・・私の・・・ッ』
こんな仕打ちを受けてもなお、大人は働かなければならないものなのです（涙）
街路樹の下のベンチで、のぞみは慣用句の意味を調べていました。
同じ頃、同じ場所に、ブンビーさんは就職情報誌を手にして誘い込まれるようにやって来ます。
ギリンマ君、アラクネアさん、ガマオ君といった部下を率いていた栄光の日々や、
スコルプさんという得難い同僚と協力してきた日々を思い返し、
深いため息をついてのぞみの真後ろのベンチに腰掛けて呟くブンビーさん。
『今の組織、辞めちゃおうかな・・・』
『時期尚早』
丁度のぞみが調べていたのはこの言葉です。
のぞみの声を耳にしたブンビーさんが、時期はまだ早いと呟いた事で、
それを耳にしたのぞみもまた、「時期尚早」の意味を理解しました。
『りんちゃんもアクセサリーのデザインの研究してるし、うららもお芝居の勉強頑張ってるもんね。
こまちさんは小説。かれんさんはお医者さんの勉強で忙しくて、5人揃うのも中々大変で・・・』
ここで初めてブンビーさんは後ろに腰かけているのぞみに気が付きました。
思わずブンビーさんが上げた大声にのぞみが振り返った時、そこには誰もいません。
つい街路樹の陰に隠れてしまったブンビーさんですが、
のぞみ達も勉強し、悩みを抱えている事を知りました。
そしていつも安易な攻撃に出るから失敗していると自重し、時期尚早の意味を噛み締めて、
徹底的にプリキュアを研究して慎重に動く事を考えています。
橋の上で台本を読むうらら。そこに、りんちゃんがパルミンを追って走って来ます。
2人で無事にショットするものの、残念ながら最後の国王ではありません。
ところでりんちゃんはアクセサリーのデザイン研究が、
うららはオーディションを控えており、しばらくナッツハウスへ足を運んでいませんでした。
しかし、2人とも納得の行く結果が得られずに煮詰まっています。
こんな時こそナッツハウスへ。りんちゃんもうららも、考えている事は同じです。
そして、その2人のやり取りを橋の反対側でブンビーさんが聞き耳を立てていました。
町の書店で、医学書を読むかれんに、沢山の小説を買い込んだこまちが声をかけました。
こまちが夢に向かって真っすぐ進んでいるのを目の当たりにして、
かれんはいつになく弱気な本音を漏らします。
医学の道を目指すために学ぶ事の多さに不安を覚えるかれんに、
自分も同じだと答えるこまち。誰だって将来が不安になる時はあります。
そして、こんな時こそナッツハウスへ。
意気投合する2人の姿を、例の如くブンビーさんが書架の影から伺っていました。
商店街では、くるみの買い物に付き合わされたシロップが文句を言っています。
いつになく大量の食材は、ココとナッツのためにしては多すぎますが、
くるみは今日あたりみんなが来るかもしれないと思っていました。
シロップはくるみがみんなの事を結構気にしていると感心し、
それにくるみはムキになって否定、軽く受け流すシロップ、
という微笑ましいやり取りを、これまでと同じくブンビーさんが路地裏で聞き耳を立てていました。
そしてナッツハウスへと戻って来たのぞみを出迎えるのは、なぜかブンビーさんです。
いつになく低姿勢に出ているものの、のぞみにいきなりエターナル呼ばわりされ、
のぞみの声を聴いた小々田先生とナッツが血相を変えて飛び出してくる等、
最初からケンカ腰ののぞみ達を前にうろたえるブンビーさん。
さらに悪い事にりんちゃんとうららが、こまちとかれんが、くるみとシロップが同時に勢ぞろいして
みんな同時にブンビーさんをエターナル呼ばわりして警戒の目で見つめます。
一触即発のみんなを前に、ブンビーさんはあくまで下手に出ながら口を開きました。
『君達の事は徹底的に研究し勉強させてもらった。そして私はある結論に辿り着いたのだよ！』
妙に自信満々のブンビーさんが、次の言葉を続けるのを皆固唾を呑んで見守ります。
『衝撃発言はこのあとすぐ！！』
ここで一旦お知らせを挟みます（笑）
CMが明け、衝撃発言の発表の時が来ました
『では、思い切って言わせて貰うぞ！』
高まる緊張。皆が固唾を呑んでブンビーさんの発言の時を待ちます。そして・・・
『私がプリキュアのリーダーになってやる！！』
固まる空気。一陣の風が横切った後も、みんな唖然として二の句が出ません。
話が見えないとココ達が言うのも当然ですが、ブンビーさんはやる気だけは十分です。
『プリキュアのリーダーとなり、お前達を導いてやる。
この場所こそが私が求めていた職場だったのだ！』
急にそんな事を言いだして、何かの作戦と疑われても仕方がありません。
『お前、エターナルで嫌な事でもあったロプ？』
挙句にシロップに同情される始末。
図星を突かれたブンビーさんは大いに焦りながらも、
のぞみ達をキュアローズガーデンへと連れて行こうとしているのは本気のようです。
そのためにローズパクトを預けるよう要求するも、当然断るのぞみ達。
やる気が空回りしているブンビーさんと、話は噛み合いません。
ブンビーさんはしびれを切らし、あくまでもリーダーに逆らった事に対する鉄槌のつもりで
就職情報誌をホシイナー化。結局いつも通りの展開となり、変身する6人。
『さっきから言ってる事が滅茶苦茶よ！』
行動と発言が支離滅裂のブンビーさんに対して、みんな手厳しく当たります。
『あなたをリーダーだなんて』『誰も認めないっての！』
ところが発言の内容はともかくとして、今回のブンビーさんの強さは一味違います。
続くミントとアクア、「リーダー」のドリームも軽々とあしらい、
その程度の力ではキュアローズガーデンに行く事は不可能だと、
ブンビーさんなりに気遣っているような言葉を吐きながらも、
ホシイナーから繰り出す紙で6人を縛り上げるなど、攻撃の手を緩めません。
おとなしく従えばローズガーデンに連れて行くと、
あくまで誘い込むブンビーさんですが・・・
『リーダーなんて要らない・・・！
私達は一人一人自分で考えて、みんなでキュアローズガーデンに行くって決めたの！』
誰かに押し付けられていくわけじゃないと拘束を断ち切るドリームに続き、
みんな次々と拘束を断ち切って行きます。
『だから強がるなよ。君達は悩みを抱えて・・・』
『いい加減にするココ！』
困惑しながらもあくまで低姿勢なブンビーさんに対し、
ココとナッツが堪忍袋の緒を切りました。
ナッツはローズに力を与え、そのままメタルブリザードでホシイナーを撃退。
貴様だけは許せんとブンビーさんがローズに向かおうとした矢先、
それはこっちの台詞だと割って入るドリーム。
すかさずココはフルーレを召喚し、ブンビーさん目がけて
レインボーローズエクスプロージョンの兇悪な一撃が迫ります。
この期に及んでリーダーに何て事するんだと、かろうじてその一撃を避けるブンビーさん。
『まあ今日のところは勘弁してやろう。気が変わったらいつでも私のところに来るがいい』
未だリーダー気取りのまま引き上げるブンビーさんを、
みんな唖然として見送りました。
久々にナッツハウスにみんなが集う光景。
うららのオーディションの練習が思い通りに行っていないと察するや、
こまちは久しぶりにうららの演技を見てみたいと助け船を出しました。
のぞみは色々勉強した言葉をかれんにも教えてあげると切り出し、
素直にお礼を言うかれん。そしてりんちゃんのデザインしたアクセサリーは、
ナッツによると完売したようです。また手伝ってくれと言われて笑顔で頷くりんちゃん。
久々の賑やかな輪の中に、くるみがシュークリーム、豆大福、ホットケーキを運んできました。
この面子が自重する筈がありません。
次々と手を伸ばすみんなを前に、久しぶりに揃ったと思ったらこれなんだからと苦笑するくるみ。
のぞみはこの和んだ雰囲気こそが、「和気あいあい」だと実感しました。
騒々しくも和やかで楽しい時がここにあります。しかし、それはもうすぐ・・・
今回はブンビーさんのCMまたぎの衝撃発言のインパクトが強く、
私もギャグ回だったのではないかと記憶していました。
確かに随所にブンビーさん（というより高木さん）のアドリブが光りますし、
（「懐かしいでしょ」「ケンカはダメ！」など）
エターナルにおける理不尽な扱いでは、いつものブンビーさんに対する同情も掻き立てられます。
そのため、のぞみ達がブンビーさんに対して対話を拒否し、
聞く耳を持っていないように見受けられる事が少々残念な気がしました。
ギリンマ君、アラクネアさん、ガマオ君、そしてスコルプさん。
ブンビーさんはプリキュア達の前に敗れ去った部下や同僚を回想し、
それでも支離滅裂ながら歩み寄ろうとしていました。
それをすぐに「エターナル」呼ばわりして、ケンカ腰で出迎えては
ブンビーさんが気の毒に思えてきます。
さらにホシイナーを粉砕したローズを前にしたブンビーさんが口にする怒りは、
どこかにスコルプさんを葬った者という認識があったように思えました。
そんなブンビーさんに極めて殺傷力の高いレインボーローズエクスプロージョンを放つ等、
プリキュア側に歩み寄りの姿勢が伺えないのが少々残念な気がします。
もっとも、ブンビーさんは殺しても死なないと思いますし（笑）
そして、ここで歩み寄る姿が伺えないからこそ、
最終回直前のあのシーンが効いていると考える事も出来ますが・・・
さて、こうしてのぞみ達の物語を再び観始めてから、約1年が経とうとしていますが、
今回のエピソードを観て何とも言えぬ寂しさを覚えました。
こうしてのぞみ達の足跡を再び追い続けた今、リアルタイムの放映時と異なり、
私はこの物語があと13話を残すだけと言う事を知っています。
これまでナッツハウスに流れていた、永遠に続くかのような心地良い空気は
いつかは終わる時が来るという事を冒頭の描写を観て実感させられました。
それは現実での番組の終了というだけでなく、
作中世界に於いても間もなく訪れるであろう、こまちとかれんの卒業。
のぞみとりんちゃんにしても、進級でクラスが変わるかもしれませんし、
何より4人目の王が見つかった先に待つものは、キュアローズガーデンへの扉だけでなく、
ココ、ナッツ、シロップ、そしてくるみとの別れを意味します。
近い将来に待ち受ける、この時の終焉。だからこそ、今この時を大切にしたい。
ラストの和気あいあいとした雰囲気から、そのような想いが感じられました。
しばらく会っていなくても、みんなの気持ちは「和気あいあい」という言葉がふさわしく、
ラストシーンでこまちがうららを、かれんがのぞみを、ナッツがりんちゃんを
それぞれ気遣うような素振りが光ります。
特にのぞみから言葉を教えてあげると言われたかれんは、
前作開始時の姿からは考えられない態度を見せていました。
のぞみに教えてもらう言葉など、当然かれんには無い筈です。
それでも勉強を苦手とするのぞみが、勉強で得た事を嬉しそうに語る姿を見て
のぞみの気持ちを壊すことなく、優しく聞き届けるかれんの姿は印象的でした。
みんなが互いを必要として、互いがみんなを必要とする。
そして助け合い、助け合う関係には、自称リーダーの入る隙間はありません。
この面々における「リーダー」といえば、一応のぞみ＝ドリームです。
しかしのぞみ＝ドリームは随所でカリスマ的リーダーシップを発揮するものの、
自分から自称する事は無く、皆が自然に引っ張られる形になっています。
そこが自分の考えを押し付けようとするブンビーさんとの対比として描かれ、
リーダーの役割とは何なのかという事を問いかけています。
次回はプリキュア史上屈指の異色回、ファイブdeチャンス！
しかし、参加の動機はみんなの思い出づくりでした。
事によると今回抱いたように、シリーズ終了の寂しさを感じ取るかも知れません。
気楽にカオスっぷりを楽しめれば良いのですが・・・
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