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5GoGo 第38話『二人の力!ドリーム&ローズ』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

対照的な赤いバラと青いバラ。
対照的な二つの二人組、ドリーム&ローズとヤドカーン&イソーギン。
そして、対照的な「ありがとう」の言葉の持つ意味。
今、キュアローズガーデンの伝説がここに花開きます。
・・・もっとも、いささか物騒な伝説ではありますが(笑)
  
先日のファイブdeチャンスの事など、談義に花を咲かせるみんな。
ナッツハウスに穏やかな時が流れる中、赤いバラを持ってきてくれたりんちゃんに、
くるみは青いバラを持ってきて欲しいと注文します。
花屋のりんちゃんは、それが無理な注文だと理解しており、
青いバラは自然界には存在せず、バラ職人にとって青いバラを作り出すのは夢であり、
最近やっと品種改良で作れるようになった事を説明しました。
その一部始終を流すように聞いていたシロップはどこか上の空、
バラに水をやろうとしてこぼしたり、植木鉢を落としそうになったりとらしくありません。
そして植木鉢が落ちる寸前に間一髪受け止めた際、
シロップの脳裏に靄がかかったような、バラが咲き乱れる光景がフラッシュバックしました。

その間にもくるみを中心に青いバラの話題で盛り上がっており、
青いバラの花言葉は「奇跡」と聞いたくるみは自信満々。
『そうよ!青いバラこそ私にふさわしいのよ!』
自画自賛して胸を張るくるみですが、
その後ろでシロップはおぼろげに浮かぶ、遠い記憶に頭を悩ませていました。
咲き乱れる赤いバラの世話をしている幼いシロップ。
気品に満ちた女性の姿。そして、一輪だけ咲いていた青いバラ・・・
みんなはシロップがジョウロを落とす音で振り返りました。
『青いバラが、咲いてた。キュアローズガーデンには、青いバラが咲いてた・・・』

シロップはいつも夢に見る場所こそがキュアローズガーデンで、
かつて自分はそこにいた事がある、現実の光景だと述懐します。
そこにはバラの花園が広がり、フローラが佇み、そして青いバラが咲いていました。
その青いバラはミルクが育てたものと関係があるかは定かでなく、
ミルク自身も、なぜパルミエ王国に青い種が落ちていたのかわかりません。
考えあぐね、ウエスターさんドーナツ国王の知識を借りると、
流石は王だけあって博識です。曰く、青いバラは世界にただ一つ、
キュアローズガーデンに咲くもので、奇跡の力を放つと伝えられるとの事。
そして特別な存在であるミルキィローズには重要な使命があるとの発言に、
ミルクは先ほどまでの元気はどこへやら、急に不安を覚え始めました。
シロップもまた、青いバラ、キュアローズガーデン、フローラ・・・
散らばるパズルのピースに頭を抱えるものの、どうしても核心が思い出せません。

その頃、キュアローズガーデンは緩慢に、しかし確実に滅びへの道を辿っています。
バラは枯れ、倒れ伏したフローラはうわ言のように呟きます。
『青いバラの力と、赤いバラの力・・・』
そしてエターナルでも、アナコンディさんの報告を聞く館長が気に留めるのは
ただフローラの事ばかり。エターナルの目的としては、
フローラが消えてしまえば労せずキュアローズガーデンを手に入れられるのですが、
フローラそのものが目的の館長にとってはそれでは意味がありません。
アナコンディさんも館長の冷たい目を前に二の句が継げず、
無念そうに館長の元を後にしました。

翌日、くるみは珍しく学校を欠席していました。
何でも重大な使命があるので学校を休むという置手紙を残していなくなっており、
ナッツが探してくれているとはいえ、みんなもミルクが心配です。
『きっと一人で凄く悩んでると思う。わかるもん。だからみんなで傍に居てあげよう』
今日はもう授業も終わり、生徒会も部活もありません。
のぞみに続き、みんなでミルク=くるみを探しに行きました。

そして・・・
『もういいかい・・・?』『まぁだだよ・・・』
作中では秋、にもかかわらず冷たい川底で、
ヤドカーンとイソーギンは不気味に時を待っています。

学校を休んだくるみは、パルミンを求めてただがむしゃらに街を走り回っていました。
橋の上で息を切らしていると、向こうからナッツがやってきてくるみの行動を諭します。
呼んでも出てくるものではなく、そしてパルミンをショットできるのはのぞみ達だけ。
それでもくるみは、世界に一つしかない青いバラの力を授かったという使命を果たそうと、
その使命に囚われており、ナッツの言葉も耳に入りません。

『もういいかい・・・?』
学校を休んでみんなに心配をかけてもいいのかと静かに諭すナッツを振り切り、
今は学校より使命だと駆け出した折、
『もういいよ!!』
突如、川底からヤドカーンとイソーギンが襲いかかりました。
その勢いで吹き飛ばされたナッツを守るため、単身変身するくるみ。
『私はミルキィローズ。あんたたちなんかに負けないわ!』

川に飛び込み死角から飛び掛かるなど、トリッキーな戦いぶりを披露するも
2対1では流石のローズも分が悪く、次第に追い込まれて行きます。
『さっさと終わらせて、プリキュアを倒しに行こう』
『私一人でも・・・』
ヤドカーンとイソーギンの言葉に刃向おうとした矢先、
眼前に鋭い一撃が迫り、思わず目を閉じるローズ。
その時、みんなを乗せてシロップが到着しました。
煽りを食って川へ転落するヤドカーンとイソーギン。しかし、余裕の態度を崩しません。
『揃ったな・・・』『揃ったね・・・でも平気』

シロップの背のの上でみんなと合流しても、ローズはあくまで強がります。
『私一人で充分だったのに!』
ところが直後、川からヤドカーンとイソーギンが襲いかかり、
なりふり構わず真っ先に突進していくローズ。
しかしあえなくヤドカーンの手に捕まり、案じたドリームに続いてみんなが飛び掛かるも
次々に反撃を受け、川へと落ちて行きました。
そんな中で、なんとかローズを岸へと引き上げるミントですが、
ローズの眼前でイソーギンの髪に縛り上げられ、
気が付いた時には5人のプリキュア全員がイソーギンにより拘束されました。
『これでバラバラ』『5人バラバラ』『バラバラにしてくれた』『お前がしてくれた』
息を飲むローズに、全く嬉しくも無い2人の言葉がかけられます。
『ありがとう・・・』

縛られたドリーム目がけてシロップが突っ込んできます。
拘束は外れるものの、シロップはその勢い余って対岸に倒れ込み、
シロップがローズパクトを持っている事を知る2人が狙いを定めてきます。
苦しい状況下で懸命に力を振り絞り、シロップとの間に割って入るローズ。
『私のせいで、私のせいでみんな傷ついてしまった。私が何とかしなくちゃ!』
『一人のくせに・・・』『邪魔すぎ・・・』
ローズの悲痛な叫びも空しく、ヤドカーンとイソーギンの目が怪しく光ると、
たちまちローズを爆風が襲います。が・・・

煙が晴れた時、ドリームがローズを庇って立ちはだかっていました。
『ミルクは、青いバラを咲かせたんだよ。
 種を植えて一生懸命お世話して、世界でたった一つの青いバラを咲かせたの。
 そんな頑張り屋さんのミルクが傍に居るだけで私も元気になれるの。
 青いバラの使命が何かわからない。でも、ミルクは一人じゃない』

「ローズ」ではなく「ミルク」と呼び、優しくその手を取るドリーム。
ドリームが、そしてみんながいる限り、ローズは一人ではありません。
『私達がついてる。だから、一緒に頑張ろう!』
『ドリーム・・・ありがとう』
今までの思いつめた表情から一転、優しい表情を浮かべるローズ。
シロップは2人の姿を見て、より鮮明に記憶がよみがえって来ました。
キュアローズガーデンには、確かに赤いバラの中に、一輪の青いバラが咲いていた―

これで形成は2対2。それでもヤドカーンとイソーギンは強く、
ドリームとローズをなってないと扱き下ろします。
ところが、いつしかその背後に回り込んでいたドリームとローズは、
なっていない事を認めながらも、同じだという事を認識していました。それは・・・
『私達はね。とっても諦めが悪いの!!』
2人でヤドカーンとイソーギンをフルボッコにする様を見て、
ナッツは赤いバラと青いバラが一つになれば、
強い力が生まれるという伝説を目の当たりにしている気分になりました。
劣勢になるや否や、互いに責任のなすり合いを始めるヤドカーンとイソーギン。
まるでココとギリンマ君、もといフローズンとフリーズンを思わせる
低レベルな争いを前に、ココとナッツはそれぞれドリームとローズに力を与えました。
手をつないだ2人が繰り出すパッショナートハーモニー(違)を受け、
次第に押されていくヤドカーンとイソーギン。そして
『ダメっぽい・・・』『ムリっぽい・・・』
絡み辛い2人組はそのまま敗れ去りました。

ヤドカーンとイソーギンが倒された事を、直ちに館長へ報告するアナコンディさん。
しかし館長はドリームとローズの力が増大した事で、
フローラが持ちこたえられると察し、むしろ2人のパワーアップを評するかのようです。
そしてアナコンディさんに下がるよう言い放つ館長。
部屋を後にするアナコンディさんは、この上なく無念な表情を浮かべていました。

ローズはすっかり力を使い果たして、ミルク姿でへばってしまいますが、
それでものぞみに照れ隠しのように体当たり。
『やっぱりミルクは、奇跡を呼ぶ準お世話役ミル!』
のぞみは楽しげにはしゃぐミルクを微笑ましく見守ります。
やっぱりこうでなくては。ミルクには、悩んだりする姿は似合いません。


今回は冒頭とそれ以降、くるみの態度が大きく異なる点が目を惹きます。
冒頭でみんなと和気あいあい、軽口を叩きながら盛り上がっている際には
自分で特別な存在と自覚し、それを自慢するような言動を見せているものの、
ドーナツ国王という第三者に特別な存在であると言われてからは、
特別な存在故にそのプレッシャーに気圧されていきました。
おそらくくるみは、自分は「一人」という事を痛烈に自覚してしまったのでしょう。
プリキュアは5人います。しかしローズはプリキュアと手を携える仲間であるものの、
「ミルキィローズ」という存在はたった一人しかいません。
そして、ミルキィローズではプリキュアではありません。
キュアモを持たず、パルミンのショットすらできない。
この歯がゆさと不安が、今回くるみを焦燥させた一因と思われます。

そんなくるみ=ローズは先走ったが故にナッツを巻き込み、
助けに来てくれたみんなを窮地に陥れてしまいました。
『私のせいでみんな傷ついてしまった。私が何とかしなくちゃ!』
助けてくれたミントを目の前で拘束され、
身動きの取れない5人を目の当たりにした際のローズの台詞は、
真に迫った後悔と自責の念が強く感じられました。
しかし責任を取るという事は、己の行動を悔やむ事ではありませんし、
分不相応な行動を取る事でもありません。
自分のできる事をしっかりとこなす事であり、
手を差し伸べてくれる人への誠意を見せる事です。
それはドリームとの共闘ではっきりと見受けられました。

くるみ=ローズに対して、のぞみの行動原理は実にシンプルです。
ミルク=くるみが悩んでいるから、傍にいてあげたい。
ミルク=ローズがいるから自分も元気になり、一人じゃないから一緒に頑張る。
そう言ってくれたドリームに向けられるローズの「ありがとう」は
ローズにとって自分を心から受け入れてくれる者に対する言葉に感じられました。
同じ言葉ながら、ヤドカーンとイソーギンが皮肉交じりに言った「ありがとう」とは
大きく意味が異なります。

さて、そのヤドカーンとイソーギンは初登場からの出番がわずか4回。
ブラッディ氏も出撃そのものは4回だけだったとはいえ、
個性という点では損な役回りで終わってしまいました。
2人が醸し出す独特の間や、呟くような語り口はそれなりのインパクトがあるため、
退場が早すぎたのか、それとも活かしきれなかったのかが少々残念です。
とはいえ今回に限って言えば、諦めが悪いと自負するドリーム&ローズに対して
諦めが早かったり、不利になるや否や仲間割れを始めるなど、
反面教師としての役回りを確立していました。

またアクション面では川と言うフィールドを上手に用いたり、
シロップを交えた空中戦が展開されたりと、かなり満足の行く出来と思います。
今週のスイート同様、絵柄はやや癖があるものの、
アクションに定評がある河野氏の仕事を楽しませて頂きました。
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まるっさ

今回の内容を数行で要約。
ナッツ『むう・・・あれは伝説の『婦離宮亜・真亜振棲玖流(プリキュア・マーブルスクリュー)!』
ココ『知っているのか、ナッツ』

・・・な感じかと。いや今回に限らずナッツは『男塾』の雷電、『キン肉マン』のテリーマンポジョションなのかも知れませんね。

とはいえこれや後のハートキャッチ47話でのブロッサム&ムーンライト、そしてスイートで繰り出されている技はいずれも『組んだ手のほうを突き出している』点で『空いている手の方から繰り出す』元祖のマーブルスクリューとは決定的に違ってたりします。

というかむしろリアルタイムで初代の第一話みたとき
『え?出すのそっちから?』
と思ったのも懐かしい思い出です(笑)。

しかし前回のスイートとといい無印5でのアクアソード(仮名)といい、ハートキャッチの『おしりパンチ(技の呼称付)』といい・・・河野さん回は『その回限りのサプライズ技』が多いのもその否定的意見の多い(苦笑)作画ともども印象的であります。やはりこれは『アクション面・顔以外のデッサンなどはすばらしい』という肯定的意見の要素の顕れ(あらわれ)なのかも知れません。

う~ん、ハートキャッチでは同様に一目で『河野さん作画』と判るのにもかかわらず、不思議と魅力として感じられたのですが・・・他のシリーズでは無理なのでしょうか(汗)。
by まるっさ (2011-09-14 12:07) 

スティクス

>まるっささん
婦離宮亜・真亜振棲玖流・・・
思わず民名書房の目録を漁りたくなるようなネーミングですね。
ある意味「伝説」の技の再来と言えるような技でした。
この一回限りと言うのが惜しいほどの格好良さだったので、
もしDXが今後も続くのであれば、どこかでもう一度見たいものですが・・・
そして今回の冷静なナッツの解説っぷりはまさに雷電というか、
テリーマンというか、天津飯というか、ある意味懐かしさを覚えました。

>『組んだ手のほうを突き出している』
もう一度見てみました。確かに逆ですね、この技は。
アクションパートの充実ぶりは5GoGoの中でもかなりのものですし、
私は作画に対してはさほど気にしない方なので、
氏の担当回ではアクションが楽しみで結構好きだったりします。
思えばキリヤとの悲しい戦いもそうですし、
フレッシュの野球対決というトンデモバトルもそうですし、
今後も記憶に残るアクションが見られる事を期待しています。
by スティクス (2011-09-14 22:26) 

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