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5GoGo 第39話『モンブラン国王を救え!』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

私の仕事内容はお客様の生命に直接関わる程のものではありませんが、
ちょっとしたミスで大変な迷惑や損害を与える可能性があり、それなりの責任が伴います。
それに比べて医療に従事される方々は、私の想像以上の重責を負っていらっしゃる訳で
時々お世話になる度、頭の下がる想いです。
命を預かる事の責任の重さに加え、誤診という恐怖。
それは医師を目指す上で避けては通れない第一歩でもあり、
同時に水無月かれんが夢を目指す姿を描く最終章でもありました。
 
かれんは図書館でこまちから医学書を借りていると、
妙に弱っているパルミンが漂って来るのを見つけました。
ショットしてみると、それは最後の一人の王様ですが、喜ぶのも束の間、
キュアモの中でその王様は苦しそうに息をついていました。
ナッツハウスへに向かい、最後の王―モンブラン国王をローズパクトへと移しても、
実体化したモンブラン国王はとても立ち上がれない程衰弱しています。
とりあえずベッドへ寝かせるますが、ミルキィノートを通じてパパイヤに問い合わせても
治療に役立つような情報は得られません。(あれ?ミルクの時のピンキーは・・・?)
ババロア女王に相談してみると、
モンブラン国王は一見幼く見えるものの、これでも4人の国王の中で最年長で、
長い間パルミンの姿でいたために体力が衰え、きちんとした看病が必要との事。
それを聞いたミルクは、自分の時のように看病して欲しいとかれんを頼りました。
しかし医学の道を志しているとはいえ、かれんはまだ中学生です。
それでも荒い呼吸を漏らして震えるモンブラン国王を捨て置く事などできません。
不安を断ち切り、やってみる事を決意しました。

そして、こちらにも寒さに震える人がいます。
枯葉舞う並木道の下、くしゃみを漏らしながら寒さに震えて歩くブンビーさん。
心も寒ければ懐も寒く、財布の中身も空っぽです。
無断で飛び出したエターナルへ戻る訳にも行かず、
プリキュアのリーダーにもなり損ねたために前にも後にも行く宛は無く、
途方に暮れながら、どこか暖かい所を求めてさまよっていました。

かれんはとにかく暖かくして栄養をとれば元気になると考え、
みんなで持ち寄ったヒーターや湯たんぽ等でベッドを暖め、
お湯で蜂蜜を溶いてモンブラン国王の口に含ませます。
しかし、直後激しくむせるのを目の当たりにして愕然としました。
狼狽して言葉が出ないかれん。そして慌てふためくみんなの声が響きます。
『慌てたって何も解決しないわ』
騒がしい場はこまちが収めるものの、
かれんは誤診をしてしまったかと責任を感じてうなだれたままで、
こまちの呼びかけにも上の空です。
そして少し気持ちを落ち着かせてくると席を立ちました。

『怖くなっちゃったの。目の前でモンブラン国王が苦しんでて、
 私のせいで何かあったらどうしようって思ったら、手が震えて・・・』

かれんは屋上でため息をつき、追って来たこまちに胸の内を吐露します。
『怖くない人なんて居ないわよ。
 かれんは今できることを一生懸命やっていたわ。それでいいんじゃないかしら』

目の前で苦しんでいる人のために力になりたいという気持ちがあれば大丈夫だと
そしてすぐそばにいる、いつもそうしてきた人の事を例に挙げて
こまちはかれんを力づけました。その人とはもちろん、のぞみの事です。
深い絶望に於いても決して諦めず、みんなの力になろうとした時の事を思い出し、
あの時ののぞみのように私達にもきっと出来ると、かれんの手を取るこまち。
その想いを受け、かれんもこまちの手に手を重ね合わせました。
そこにのぞみが、かれんがいないとどうしたらいいかわからないと呼びに来ます。
頷いて再びモンブラン国王の下へ向かうかれんは、もう迷っていません。
その頃、ブンビーさんは誘われるようにナッツハウスに足を運び・・・

喘ぐモンブラン国王を目の当たりにすると、やはり不安がよぎりますが、
かれんはこまちに促されて決意を固め、再びしっかりと暖をとらせます。
『ごめんなさい。今はこんな事しかできないけど、私が傍にいるから』
優しくモンブラン国王に手を添えるかれん。
その指にそっと手を絡め、少し微笑みかけるモンブラン国王。
安堵するみんな。その空気を破ってブンビーさんの声が響き渡りました。
『よくなーい!!外は寒いんだよ!!』
エターナル呼ばわりされて、今その呼び方は微妙だと言うものの、
ナッツハウスに踏み込んだブンビーさんは暖かい室内でぬくぬくしていると逆恨みし、
モンブラン国王に目を付けて引き渡すよう要求します。
持ちかえれば出世は間違いなく、弱っていようがいまいがどうでもいいと言い放ち、
湖を凍らせてホシイナーと化しました。
ブンビーさんの発言に反発し、6人はモンブラン国王を守るために変身します。

ホシイナーが打ち出す氷を砕きながら立ち向かう6人。
戦いの最中に、モンブラン国王の苦しむ声を耳にしたアクアはベッドの傍へ向かい、
ローズパクトに国王を収めて、一人ローズパクトと国王を守るために駆け出します。
当然ブンビーさんがその動きを見逃す筈は無く、
ブンビーさん自身が、そしてホシイナーがアクアを狙ってきます。
ブンビーさんはローズが、ホシイナーは4人のプリキュアが食い止めるものの、
一瞬の隙を突かれたローズが攻撃を喰らい、
アクアの行く手にブンビーさんが立ちはだかります。

『そいつは私の出世に必要なんだよ。よこしなさい』
『嫌よ!あなたなんかに渡しはしない!』
しかしローズパクトを守りながらの戦いは分が悪く、
ローズパクトを取り落してしまうアクアの窮地に5人が駆けつけるものの、
たちまちホシイナーの返り討ちに遭いました。
そして膝をつく5人にブンビーさんの追い打ちが迫ろうとしています。
みんなを助けるか、ローズパクトを守るか。
迷うアクアにその時、ローズパクトの中からモンブラン国王が言葉をかけました。
『行くモモ。そなたの想いを感じたモモ。仲間を助けたいという強い想いを・・・』

今まさにブンビーさんの攻撃が迫ろうという時、
アクアがブンビーさんに挑みかかります。
『私の事を心配してくれるみんなのためなら、私はどんな困難にも立ち向かって行ける!』
アクアはブンビーさんの腕を取り、豪快に投げ飛ばしました。
すかさずフルーレ召還、レインボーローズエクスプロージョンの流れでホシイナーを撃退。
次いでメタルブリザードを畳み掛けられて、ブンビーさんは辛くも退散しました。

モンブラン国王はどうやら小康状態を迎えたようです。
『そなたがそばに居てくれた事に感謝するモモ』
謙遜するかれん。蜂蜜でむせた時は心配しましたが、
100%果汁のグレープジュースしか飲まないというモンブラン国王の
ただの好き嫌いの問題でした。どうやら飲み物の好みでもかれんと気が合いそうです。
和やかな空気が流れる中、モンブラン国王は傍らにシロップがいる事に目を留め、
そして意味深な事を口にします。
『そなたがおるという事は、キュアローズガーデンに大きな危機が・・・』
そこまで言いかけて、再び眠ってしまうモンブラン国王。
まだ本調子ではない体調を案じてみんなで看病に精を出しますが、
ココとナッツには、気がかりな発言の真意が気になります。

そしてエターナルでも、恐ろしい出来事が始まろうとしていました。
長い戦いから今戻りましたと言い訳しながら、
重要な報告を携えたためアナコンディさんを探すブンビーさん。
最後の国王を見つけた事を報告書と共にアナコンディさんに伝えますが・・・
その情報に興味を抱くも、アナコンディさんは報告書を消し去り、
怪訝そうなブンビーさんに冷たく言い放ちます。
『もう提出する必要はありません。
 だってあなたは、プリキュアのリーダーになりたかったんでしょう?』
これを持ち出されてしまっては、ブンビーさんに言い逃れは出来ません。
そしてブンビーさんの背後の床に、地下深くへ続く階段が現れ、
今まさに前作第46話のような窮地がブンビーさんを襲います。
懸命に抗うものの抗いきれず、階段の奥底へと引きずり込まれていくブンビーさん。
そして階段の扉が無情に閉じられ、
必死に抵抗していたブンビーさんの声も聞こえなくなりました。
『うるさい男・・・』
言い捨てて立ち去るアナコンディさん。
しかし、我らのブンビーさんはここで終わりませんでした。
かろうじて扉の内側にしがみつき、ちゃっかり生還を果たします。
とはいえ、居場所が本当になくなってしまったブンビーさんは一人途方に暮れました。
『でも、これから私、どうしたらいいんだろう・・・』


夢を目指し、叶える過程においては楽しい事ばかりではありません。
かれんが目指す医師の夢には、命を預かる者としての重い責任が加わります。
かつてミルクの看病をした際には、
ただミルクのために何とかしたいという一心で無事に成し遂げる事ができました。
この時はまだ医師を志しておらず、この一件をきっかけにその道を選ぶ事になりますが、
その道を志してからは初めての看病体験となる今回。
ミルクの看病の時よりも勉強しているために自信があってしかるべきなのですが、
むしろ知識を付けたが故に不安を抱いてしまっているように思えます。
医師の仕事がどんなものなのか、おそらくかれんはある程度理解している事でしょう。
そのために自分に圧し掛かる責任の重さと、誤診に対する恐怖感。
事実、誤診(ではありませんでしたが)をした直後の狼狽えようは、
普段しっかりしているかれんが秘めている不安が垣間見えました。
それでも医師を目指す以上、いつかは通らなければならない道です。
まずは小さな事でも、出来る事をする。そして、困難に立ち向かう勇気を持つ。
今回かれんはこれをしっかりと体現してみせました。
それはいつか、医療の道へ歩む際の、大きな糧となる事でしょう。

そんな中、かれんを巧みに後押しするこまちの姿も印象的です。
こまちは小説家という夢に対して、早い段階で一度挫折を味わっています。
夢を目指すのは楽しいだけではないという事を知っているからこそ、
かれんを励ます姿からは、その道を通った経験が伺えます。
それだけでなく、やたらと騒ぎ立てるみんなを一喝したり、
のぞみを例に出して、かれんものぞみのような存在たり得る事を言い含めたり、
かれんがしようとしていた事を適切に評価したりと、
ここまでのかれんとの関係を見続けた今、円熟した絆の安定感が感じられました。

ところで4人の国王の中では、どう見てもドーナツ国王が最年長に見えますが・・・(笑)
「守るべき弱きもの」としての外見を持っていても、
モンブラン国王の口調からは威厳と風格が感じられ、
そのミスマッチ故にかれんの誠実さに応える姿が引き立ちます。
長老格と言う割には好き嫌いがあったりというお茶目な一面もあり、
他の3人の王に劣らぬ個性が感じられました。

そしてこのエピソードの最後ですべてを持って行ったブンビーさん。
絶体絶命の状況からあっさりと生存するのは流石というべきか、
当時胸を撫で下ろしたと共に、大いに笑わせてもらいました。
ところでブンビーさんは、これまで一応組織のために尽くして来たとはいえ、
そこには常に自分の出世が念頭にありました。
もちろん社会人である以上、出世を望むのは当然ですが、
出世のための仕事と、仕事を評価されての出世は異なります。
そこがかれんが見せた「自分のできる事を精一杯やる」事との違いだったと思います。
そして今回がブンビーさんとプリキュアとの最後の戦いでもありました。
5人を向こうに回して圧倒するなど、名悪役としてのブンビーさんに相応しく、
そしてこの戦いぶりがもう見られない事に、少し寂しい気がしました。
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