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5GoGo 第40話『うららの歌声を取り戻せ!』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

一見華やかに見える人魚姫ですが、そのストーリーは悲劇そのものです。
歌声と引き換えに地上に上がり、
叶わぬ想いに打ちひしがれて、海の泡と化し消えてゆく。
大役のオーディションを前に歌声を奪われたうららが抱く夢は
叶わぬものなのか、それとも・・・
女優を目指す春日野うららの2年間にわたる物語は、ここに完結します。
  
―春日野うらら、来年数千人規模のキャパを持つインペリアルホールで上演される、
 ミュージカルの主役オーディション2次審査を通過―
あとは最終オーディションを残すばかりで、
これまでに無い大役をチャンスが巡ってきた事に色めき立つみんな。
鷲尾さんも今まで二人三脚で歩んできた営業の日々を思い返して感慨深げです。
『大丈夫!いつもの調子でやればきっと上手く行くよ』
普段ならばこののぞみの言葉に応じるうららですが、今回だけは異なりました。
『いえ、今回だけは・・・今回だけは絶対に合格しなきゃいけないんです』
シロップは、その思いつめたようなうららの横顔が気がかりです。

『あめんぼあかいなあいうえお・・・』
公園で発声練習に励むうららの様子を、自室から水晶玉で眺めるシビレッタさん。
そこにノックもせずにアナコンディさんが入って来ました。
ノックをしろと憤るシビレッタさんに対し、
この部屋はあなたの部屋ではなくエターナルの所有物だと高圧的に言い放ち、
水晶玉で真っ暗で何も見えない自分の未来でも見たらいかがかと皮肉ります。
さらに準備で忙しいと机を叩くシビレッタさんに、
その準備が無駄に終わらない事を祈っていると言い捨てて立ち去るアナコンディさん。
前回以降、まるでカワリーノのように暴走しているようですが、果たして・・・?

発声練習を終えたうららに、シロップが缶ジュースを手にやって来ます。
いつもと様子が違う事を指摘するシロップに、今度の舞台は劇場・演目・役柄の全てが、
亡き母が最後に演じたミュージカルと同じだと打ち明けて、
うららは生徒手帳に忍ばせた母の写真に目を落としました。
『お母さんが女優として最後に演じた役が出来るなんて、
 こんなチャンスもう2度と来ないと思うから。絶対にやりたい!』

それでも最終審査を前にした不安が、うららの心を支配しているのもまた事実。
『舞台の上から何が見えたか、ちゃんと教えてくれよ。
 お前が夢を叶えると、俺の夢も叶うような気がするんだ』
シロップの後押しに続き、のぞみたちもうららの下へとやって来ます。
みんなで作ったブレスレットをプレゼントされるうらら。
彼女は一人ではありません。

最終オーディションの課題は「歌」です。
うららはのぞみにせがまれて快諾し、いざ歌いだそうとした矢先、
突如、不可解に咳込み始めました。
気を取り直してもう一度歌おうとしても、やはり咳込んでしまいます。
と同時に周りに水泡が立ち込め、得体の知れぬ雰囲気を警戒するみんな。
うららが気付いた時、辺りはすっかり海の底です。
そればかりか自分だけでなく、みんなの下半身が魚に、
人魚になっている事に気づきました。
ココ達に至っては思わずのぞみも引きつる程珍妙な姿と化し、
シロップは海亀、ナッツはフグ、ココはあろうことか「た〇ぶえ(ゲフンゲフン)」のようです。
そして、シビレッタさんがマンタのホシイナーを引き連れて登場しました。

魔女が人魚姫の歌声を奪ったように、
うららの歌声はシビレッタさんに奪い取られていました。
歌声を封じた貝を見せつけ、これが開いたら歌声は海の泡と化し、
うららは二度と歌えなくなってしまうと脅して、
その代わりにローズパクトを要求するシビレッタさん。
歌声か、ローズパクトか、その選択をうららに迫ります。

うららにとっては苦渋の選択。ようやく掴んだ大きなチャンスなのはもちろんのこと、
これまで応援してくれた父、祖父、鷲尾さん、
そしてみんなの声援が脳裏をよぎりますが・・・
『絶対に、絶対にローズパクトは渡しません!』
先ほどもらった右腕のブレスレットに手を乗せて、
うららは自分の夢よりもみんなの夢を選びました。
うららが今回のオーディションにかける想い、
亡き母の最後の舞台という事をみんなが理解する中にあっても、
うららにはローズパクトを渡す事などできません。
『シロップの夢やみんなの想いが詰まってるから、交換なんて出来ない・・・!』
その言葉を聞いて望み通り貝を海へと放つシビレッタさんですが・・・

『ちょっと待って!』
のぞみの声にちゃんと待ってくれるシビレッタさん(笑)
『ローズパクトを渡すから、うららの歌声を返して』
うららの歌声は、失われてしまったら二度と取り返せない。
けれども、ローズパクトは再び取り返す事が出来る。
うららを諭し、のぞみはローズパクトを手にシビレッタさんの下へと向かいます。
とは言ったものの、いざローズパクトを渡すとなると躊躇しますが、
それでも意を決してローズパクトをシビレッタさんへ渡しました。
ところがシビレッタさんは、歌声を返すなどと一言も言っていないと居直ります。
愕然とするのぞみ。その時、た〇ぶえ(ゲフンゲフン)もといココは
くるみに自分を投げるよう指示しました。

『ココ様、ごめんなさい!』
シビレッタさん目がけて思い切りたこ〇えココを投げつけるくるみ。
そしてココはシビレッタさんの目前で墨を吐き、
視界を遮ったところでシロップがローズパクトと貝を取り返しました。
二兎を追う者一兎をも得ず。
『2つとも取るなんて卑怯じゃないか!』
『その台詞、そっくりそのままお返しするわ!』
己の振る舞いを棚に上げて叫ぶシビレッタさんを前に、変身。

ローズパクトはシロップが持っていると目をつけ、
シビレッタさんはホシイナーを差し向けます。
マンタのホシイナーの尾や鰭を、都度食い止めるドリームとローズ。
その間にシビレッタさんはレモネードに目を付け、一撃を浴びせました。
レモネードの手から貝が離れ、あわや歌声は海の泡と消えようかと言う時、
間一髪、貝の蓋を左右からフグとたこ〇え、もといナッツとココが閉じ合わせます。
うららの歌声は、うらら一人のものではなく、みんなが一緒に守るもの。
そしてレモネードはプリズムチェーンでマンタホシイナーを縛り上げ、
よほど頭に来たのか、豪快にジャイアントスイングで投げ飛ばしました。
すかさずフルーレを召喚し、ホシイナーを撃退。
良いところまで言ったのに二兎を得ようとしたシビレッタさんは、
一兎も得られず撤退して行きました。

いよいよ最終オーディションの日がやって来ました。
みんなの想いが込められた右腕のブレスレットにそっと手を触れ、
『この歌は、私を支えてくれてるみんなのおかげで歌えるようになった、
 とても大切な歌なんです』

「ツインテールの魔法」の歌声が、オーディション会場に響き渡ります。そして―

結果発表の日、のぞみは落ち着かずに行ったり来たりしていますが、
うららもまた紙をちぎり続けて落ち着かない気を紛らわせていました。
そこに結果を携えた鷲尾さんが到着し、固唾を呑んで発表を待つみんな。
泣き出す鷲尾さんを前に、うららの顔が曇ります。
『駄目、だったんですね・・・』
否、鷲尾さんの涙は悔し涙ではなく、嬉し涙でした。
『・・・合格です。合格したんです!!』
ナッツハウスにみんなの喝采が炸裂します。

『俺に用事って何だよ』
屋上にシロップを呼び出すうららは、一枚の紙を差し出しました。
そう、あの「シロップ乗車券」です。
『もしも最終審査に受かったら使おうと思ってたの』
シロップの背に乗って、何かを成し遂げた空を満喫するうらら。
今度夢を叶えるのは、シロップの番です。
こんな気持ちで空を飛ぶのは、初めてのようで初めてではない。
何かを思い出したわけではありませんが、
この風の感じはシロップにも心当たりがありました。
これからうららの進む道を照らすように輝く夕陽。
その夕陽に向かってシロップは飛び続けます。
女優を目指した少女の2年間の物語は、ひとまずここに完結しました。
しかし、うららの進む道はまだまだこれからです。



目標としてきた母が最後に出演した演目、同じ役柄を、同じ劇場で上演する。
夢に向かって歩み続けた、一つの物語の完結編に相応しく、
最後にうららが挑む舞台はあつらえたようにお膳立てが整っていました。
今回うららは見事大役を射止め、夢を叶えたように見えます。
しかし、本当に大変なのはこれからです。
本番の上演もあり、そこから先の女優としての成長もあり、
「夢を叶える事」よりも「夢を叶え続ける事」の方がはるかに難しいもの。
挫折を味わう事も多々ある事でしょう。
それでもここまでのうらららの成長を見続けた今、
女優として、歌手として、大輪の花を咲かせる事を確信させられました。
それを象徴的に表しているラストの日輪が、端的に物語っています。

鷲尾さんが思わず涙するほど、今回はうららの苦節の日々が懐かしく思い出されます。
あの仲良しトリオや歌手デビューの日の回想は既に懐かしいものですが、
そこには常に応援してくれるみんなの姿がありました。
オーディションに臨む気持ちや、演じる難しさといった問題は、
うららが一人で挑まなければならず、みんなは代わってあげる事は出来ません。
それでも、常にそばにいる事は出来ます。
アクセサリーであったり、シロップ乗車券(笑)であったり、
うららのためのみんなの想いが本当に暖かく感じられる、居心地の良い一編でした。
と同時に、やはり終わりが近い事の寂しさも感じられました。

みんなの夢か、個人の夢か。
今回はそれを天秤にかけられたうららの見せる葛藤から、
GoGo第4話が思い出されます。この時は自分の夢を蹴ってみんなを選び、
そして今回も悩んだ末に自分の夢を捨てる道を選びかけます。
うららは最年少ながら、自分の夢よりもみんなの夢を良しとする傾向があり、
第4話の時にはこれがうららにとっては残念な結果に終わってしまいました。
それでもうららは後悔していません。今回もおそらくそうだったでしょう。
あの時と異なるのは、むしろのぞみ達がうららをしっかりと支えている事だと思います。
と書くと語弊があるように見えますが、
「奪われても取り戻す事が出来る」このポジティブ思考にあふれた姿と、
最大多数の最大幸福を考えるにあたって、誰も切り捨てない考えを抱き、
そしてその通り実行する力を持つように成長しているのぞみ達がいる事で、
大きな安心感が感じられました。
「個人の夢」も「みんなの夢」も、どちらも否定せず、どちらも守り通す。
アナコンディさんとシビレッタさんが繰り広げる女の戦いとは対極に位置する、
この姿勢を見る事が出来て、うららの物語の完結に相応しいと感じました。

のぞみの交渉上手っぷりと、ラブもかくやと思う程のイケメンぶりが際立つ表情、
ココの「たこ〇え」姿、そしてみんなの人魚姿と、絵的にも楽しめる一遍でした。
うららに続き、次回はりんちゃんの恋物語の最終章(笑)です。
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まるっさ

『ココ怖ええ・・・』
『なんで人魚なのに貝ブラじゃないの!?』(おい)
・・・と物議がかもし出された?今回。ちなみに草尾さん的には語尾をいつものココからサプライズ的に『タコ』ってやりたかったそうで(ラジオ聴いたうろ覚えの記憶より(汗)。)・・・残念ながら却下されたわけですが。

それと『ココ様ごめんなさい!』なくるみが可愛いですよね。
今更ながらレジェンド(笑)であるなぎささえ呼び捨てにするくるみがココなど自分が仕える相手には(当たり前ですが)敬称付け・・・ツンデレ面も含めてとにかく『ギャップという名のポテンシャルエネルギー』が強大なキャラだな、とつくづく思います。
ひかりとくるみ・・・性格・攻撃力・防御力・髪の色・・・何もかもが対照的であり、また極端なキャラ付けをされた二人・・・こういうキャラが果たして今後シリーズで出てくるのやら、です。

あとはここで初めてうららの母親の顔が(手帳の写真にて)明らかになるあたり、
『ああ、いよいよ終わりなんだなぁ』
と少し切なくなったものです。
by まるっさ (2011-09-16 19:57) 

スティクス

>まるっささん
語尾が「タコ」(笑)
これは見てみたかったですね。
お子様受けもしそうですし、ブンビーさんの方がもっとハメを外しているので
採用してもよさそうですが・・・
館長こと千葉繁さんも北斗の雑魚キャラの断末魔で「ちぃ~ばぁ~」
をやろうとして却下されたという逸話を思い出しました。

>『ココ様ごめんなさい!』なくるみ
確かにくるみの中には明確なTPOがあるので、
言葉づかいや振る舞いという点での印象は深いです。
なぎさの呼び捨ては私も覚えていますが、
あとは果たしてゆりを呼び捨てるシーンがあったかどうか、
後でDX3を再チェックしてみようと思います。
ギャップがもたらすキャラクターでは、
既にセイレーン時代との差が激しい描写が続いている
エレンの今後に期待したいものです。

>うららの母親の顔
手の届かなかった高い目標が目の前に来たかのような、
そんな印象も感じさせました。
同時にご指摘の通り、今回はどうぶつショーのステージや、
歌手デビューの日の回想が挿入されて、
うららの物語を振り返るような構成のため、
私も終わりを意識して寂しさを覚えたものです。
残るはあと8回。再びこのシリーズの結末に向けて
終盤の再見を続けて参りますので、今後とも宜しくお願い致します。
by スティクス (2011-09-17 11:49) 

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