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スイートプリキュア第37話『ワクワク!ハロウィンでみんな変身ニャ!』 [スイートプリキュア♪]

かつてSSに於いて、咲が学園祭でカボチャの被り物を被る話がありましたが、
意外にもプリキュアシリーズでHalloweenが描かれるのはこれが初めてです。
Helloweenの日、街で何かが起こり、未知の力から逃れる事はできません。
Helloweenの日、街では悪霊が動きだし、地獄か天国かどちらか選ぶ。
Ah~~~~!It's Helloween!(そのハロウィンじゃない)
しかしハロウィンは魔力漂う日。楽しいだけでなく、未知の力が動き出しました。
  
マイナーランドでは、バスドラとバリトンが性懲りも無く
低レベルなリーダー争いを繰り広げていました。
しかし本性を現したファルセットは彼らの口を塞ぎ、有無を言わせずリーダー宣言。
『メフィストが使い物にならなくなった今、お前達のリーダーはこのオレだ。いいな?』
堂々と玉座に腰掛るファルセットにはこれまでの温厚な面影は感じられず、
既にマイナーランドを統べる者としての風格すら感じられ、
さらに自らを「ファルセット様」と呼ぶよう強要する眼光に
さすがのバスドラも気圧されて何も言えません。
"Dr.Stein grows funny creatures Lets them run into the night."
(ファルセットは怪物を創り上げ 加音町に送り出す)
さらにファルセットはノイズの力を与えるという名目で、
バスドラとバリトンを異形の怪物へと変えました。
鏡に映る自らの変わり果てた姿に、ナルシストのバリトンは耐えきれず涙を零します。
『バリトン泣いちゃったじゃないかよ!』
ファルセットは抗議するバスドラの身体を風船のように膨らませ、
今度はバリトンがバスドラを助けるべく身体を押さえ込んで押しとどめる中、
2人に対するファルセットの態度は高慢かつ冷酷そのものです。
『ギャーギャーわめくな。ノイズ様の御前だ』
稲光と共に、ファルセットの背後に石版に封じられたノイズの姿が浮かび上がりました。
その瞳が、妖しく赤く輝きを放ちます。

ノイズとは・・・全宇宙の悲しみが集まって生み出された究極の悪。
そして全ての美しい音楽を憎み、音楽の無い世界にしようと企てる者。
ノイズについて語る音吉さんは、かつてメイジャーランドに侵攻してきたノイズを
激闘の末に封印した張本人である事が明らかになりました。
しかしノイズはいつしか封印された状態のまま姿を消し、
メフィストやセイレーンなどを操って、不幸のメロディを完成させ、
完全復活を目論んでいます。現に今年は幸せのメロディが歌われず
さらにネガトーンが不幸の音を撒き散らした事で、
ノイズは不幸のエネルギーを取り込み、確実に力を蓄えています。
音吉さんが作っているパイプオルガンは、
ノイズに対抗するための聖なる音を奏でるものでした。

その会話を水鏡の向こうから、
メイジャーランドの王として戻って来たメフィストも聞いていました。
義父にこれまでの行いを詫び、ノイズが力を取り戻している事を懸念して、
せめて奪った音符をトリオ・ザ・マイナーに渡していなければと悔やみますが、
音吉さんは悔いても仕方が無いと婿を励ましました。
これから何が出来るのか。メフィストはメイジャーランドを命に代えても
ノイズの脅威から守ると決意表明し、アフロディテも操られる以前より
国王らしくなった夫の姿を頼もしげに見つめています。
アコも水鏡の向こう、立派な王としての"Perfect Gentleman"な父に声を掛けますが・・・
『おお!可愛い我が娘アコ!パパはもう大丈夫だよ!』
どうやら操られていた時のメフィストのファンキーな性格は素だったようで、
さらに親バカが加わってパワー全開。
そしてメイジャーランドに帰っておいでと誘うメフィストに、
アコはしばし考えて、人間界を守るために残る事を打ち明けます。
『私はメイジャーランドの姫だけど、今はプリキュアなんだもの』

アコは両親が思っている以上に強く、そして響、奏、エレンがついています。
心配でたまらないメフィストもアフロディテの説得と響達の姿を前に折れ、
そしてこれまでの所業を土下座して詫び、娘を響たちに託します。
『響さん、奏さん、そしてセイレーンさん。これまで本当にすまなかった・・・
 頼める義理でもないのだが、どうかお願いします。
 うちの可愛いアコを可愛い可愛いアコを可愛いアコを
 可愛いアコを何卒、可愛いアコを、何卒よろしく!』
可愛いの連呼にアコは真っ赤。そして響達もメフィストの頼みを快諾し、
本当はとても優しい父である事を認識しました。
『もう、パパッたら本当に心配性なんだから・・・』
アコは恥ずかしくてそれどころではなさそうですが(笑)

さて、ハロウィンパーティを明日に控えた加音町は、ハロウィンムード一色です。
飾り付けが進む道を行く響たち。
肉屋のおばちゃんの手伝いを申し出る響につられて、みんなで手伝いを始めました。
飾り付けをしたり、看板を下げたり。一通り手伝った帰り道のこと、
『明日が楽しみだね、可愛いアコ』
『それやめて』
アコはハロウィンよりも、音符集めの方が大事だと相変わらず素っ気ないまま。
ハロウィンに興味が無いというよりも、真面目すぎる事が響達には気がかりです。

翌日、奏の手によってお姫様衣装を身に着けたアコの可愛さに、
響とエレンもハートキャッチされました。
アコは照れながらも、姫様と呼ぶエレンを制して、
その呼び方を止めるよう注文をつけました。以降、エレンも「アコ」と呼ぶようになり、
みんなでハロウィンパーティへと向かいます。
アコの可愛さにはドラキュラの扮装をした奏太も思わず見とれてしまい、
からかう奏に赤くなって反抗。アコもまた真っ赤になって照れまくり、
恥ずかしさを紛らわすように一人立ち去りました。
その可愛らしさに、響たちも生意気な妹が出来た気分です。

一人木の下でむくれるアコに、肉屋のおばちゃんが声をかけ
笑顔になれるおばちゃん特製キャンディを差し出します。
一度は断るものの、今日はみんなで準備して、
みんなで笑顔になる日と諭されて、アコはキャンディを口に入れました。
そこにお化けの扮装をした子供達がTrick or treatとばかりにおどかしに来ます。
『どうだ、こわいだろ!』『お姫様だって泣かしてやる!』
『お化けなんて恐くないわ』
アコは自然とお姫様を演じ、姫を助けに来た小さな王子様と共に駆けだしました。
子供たちに混じって駆け出すうちに、アコもいつしか自然に笑顔がこぼれています。
そして、アコを探していた響たちも、子供たちと笑い合うアコを見つけて、
その笑顔に少し安堵しました。

カボチャの装飾に音符を見つけて立ち止まったアコの前に、
そこに怪物と化したバスドラ、バリトンを従えたファルセットが立ちはだかります。
『奇遇ですな。我々も音符を探してたんですよ、姫』
高まる緊張。しかしバスドラとバリトンの姿を見て思わず
『変な仮装・・・』と漏らしたアコに、涙を流して反論する2人
『仮装じゃねぇよ!』(嗚呼、かわいそうなバスドラとバリトン・・・)
それはさておき、満を持してファルセットがネガトーンを召喚。
ハロウィンパーティはたちまち悲しみの音波に包まれました。
『ハロウィンパーティからみんなの笑顔を奪うなんて、絶対に許せない!』
4人揃って初の変身。
ドレミファソラシドの1オクターブが揃い、4人の組曲としての戦いが始まります。

開戦一番、真っ先にネガトーンに挑むミューズ。
しかしノイズの力を受けたネガトーンは強く、あえなく弾き飛ばされてしまい、
続く3人もネガトーンが打ち出すカボチャの種に跳ね飛ばされました。
それでもミューズは一人立ち向かいます。
『例えどんな邪悪な心でも、女神の調べで包んでみせる』
シリーを招き入れ、モジューレを吹くと5人に分身。
五芒星にネガトーンを閉じ込めて打ち出す技、
シャイニングサークルの光がネガトーンを包み込みます。
しかしファルセットがネガトーンに喝を入れただけであっさりと打ち破られ、
分身は消え、再びミューズは跳ね飛ばされました。

それでもミューズは頑なに一人で戦う事にこだわり続けます。
『平気よ。あんなネガトーン、私一人ででも倒す』
思いつめたようなミューズの口に、
メロディはあの笑顔になれるキャンディを含ませました。
『ミューズ、もう一人で頑張らなくていいんだよ。
 私たちは4人いる。4人で一緒にみんなの笑顔を守ろう。そして一緒に笑おう!』
メロディも、リズムも、ビートも、まるで妹を見るように優しい目を向けます。
そして、4人の力を合わせる時が来ました。
クレッシェンドトーンと共に一丸となって、
スイートセッションアンサンブル・クレッシェンド、
新たな力と共にネガトーンへと突進します。

それでもファルセットは余裕の態度を崩さず、不幸のメロディを歌い始めました。
その歌声はプリキュア達の勢いを止めるばかりか、
音吉さんが危惧した通り、ノイズ復活をも早めています。
クレッシェンドトーンまでもが姿を保てなくなり、技は失敗に終わりました。
それでもプリキュアは、不幸のメロディなどには負けません。
メロディ、リズム、ビートはファルセットに狙いを定めてパッショナートハーモニーを放ち、
ファルセットが持ちこたえている隙を突いて再びミューズが新たな技を披露します。

シリーを招い切れたモジューレから、シャボン玉を吹くように音符の泡を生み出し
無数のシャボン玉の音符でネガトーンを包み込みました。
プリキュア・スパークリングシャワー。そして、フィナーレ。
ネガトーンは無事に撃退し、ファルセットも2人を従えて忌々しそうに引き上げました。

『さすがミューズね!』
『べ、別に大したことないわ』
ツンデレの教科書のような台詞で照れるミューズに、ドドリーが追い打ちを掛けます。
本当は3人の力に助けてもらい、ありがとうと思っていると代弁されて真っ赤になり、
ドドリーを追いかけ回すミューズ。はたから見れば微笑ましい光景を
世話の焼ける妹を見るような目で見守るメロディたち。
ところが・・・

音吉さんはノイズの気配を感じとりました。
その懸念どおり、封印されていた石版にはその姿は無く、マイナーランドの玉座には
飛び立った「もの」が残した羽がただ一枚、静かに舞い降りてきます。


まずは何を差し置いてもこの一言になりますが、
アコ(ミューズ)が可愛すぎる。これに尽きます(苦笑)
メフィストに「可愛い」を連呼され、姫の衣装に身を包んだ折の照れた素振り。
そして今回2種の新技を披露しますが、その両方がまたもあざといほど可愛く、
特にシャボン玉を吹くようにモジューレを吹く時の動きがたまりません。
『「シ」、の音符のシャイニングメロディ』
の言い回しも中毒性があり、耳から離れなくなりました(笑)
しかしこれほどまでに可愛らしく、守ってあげたいようなミューズであっても、
容赦なく戦闘の渦中に混ぜる事が良い意味で予想外でした。
ひょっとしてルミナスのような後方支援型で、
あまり戦いの場に加わらないのではないかと考えてたもので・・・
ミューズがダメージを受ける様が少々痛々しいものの、
常に3人のお姉さん達が傍にいる、という安心感があるため、
メフィストではありませんが、ミューズの強さを信じて見守る事にします。

エレンがセイレーン時代と大きく性格が変わった前例があるため、
ひょっとしてメフィストも今後前回のようなダンディな姿になるのかと思いきや、
そのファンキーな性格は洗脳が解けても素だったと言うのも楽しめました。
「婿」と「義父」のやりとりも妙なリアリティがあり、
色々とメフィストも苦労がありそうですが(笑)。
そして音吉さんの過去、戦っている場面の意外性もありました。
今の音吉さんにはおそらくノイズと渡り合う力は失われているのでしょう。
このあたりの事情は昨年のキュアフラワーを連想させます。
ともかく音吉さんの今回の発言で、ノイズに「対抗」するというものが気になりました。
例え素晴らしい音楽、聖なる音楽であるとしても、
向ける相手にとって悪影響を及ぼすものであれば、音楽としての目的は果たせません。
果たしてどのようにノイズと決着をつけるのか。
音楽がテーマであるだけに、このあたりにも注目してみたいものです。
団パパの発言「音楽に目的は要らない」が活きてきそうな気もしますが・・・?

私はハロウィンという行事にはさほど関心が無く、
むしろカイ・ハンセンとマイケル・キスク時代のHelloweenのファンなのですが(笑)
とりあえずそれは置いておきます。
このイベントは悪意の無いいたずらか、お菓子かという二択であり、
どちらを選んでも笑顔が伴うものだと改めて認識しました。
「いたずら」という点ではお化けになっておどかしに来た子供たちの
楽しげな振る舞いが際立っており、アコがそれに「乗る」事で
年頃の子供らしさを見せる良い場面だと思います。
(ひょっとしてエレンなら怖がったかもしれませんが・・・
両親に対して「姫だけど今はプリキュア」と言ったアコですが、
親から見れば娘であり、響達から見れば妹のようで、
肉屋のおばちゃんからみれば町の子どもたちです。
必要以上に使命に囚われる事無く、時には子供らしく、周りに頼っても甘えても良い。
ミューズ=アコだけでなく、これは今回姉のような立場をとる響たちも同じです。
頑張る時も大切ですが、頑張りすぎなくても良い。
私が今シリーズで良く感じ取るメッセージが、今回も感じられました。
そしてアコのお姫様だけでなく、
響の海賊、奏の魔女、そしてエレンの黒猫の仮装も可愛らしく、
中でもエレンは変身直前、猫のような素振りをしていたのが妙にインパクトがありました。

ファルセットが外見だけでなく内面までもが豹変している事に驚きました。
これから先、彼らを待ち受ける運命はどうなるのでしょうか・・・
さて、そのファルセットですが、一人で頑張っていたアコと対比するように、
彼もまた一人で頑張っているという点が重なります。
そして今まで彼ら3人は、何だかんだで良く笑い合っていました。
ハロウィンはみんなが笑顔になる日というおばちゃんの言葉通り、
彼らが再び笑い合う日は来るのでしょうか。
姿を変えられて泣いてしまったバリトンをバスドラが気遣ったり、
バリトンもまた膨らまされたバスドラを助けようとするあたり、
ケンカが目立っていた彼らにも仲間意識が伺えます。
ファルセットが3人で過ごした馬鹿馬鹿しくも楽しい日々を忘れていなければ、
いつか彼らにも良い結末が訪れると信じたいものです。
今回ノイズに「操られた者」としてメフィスト、セイレーンと共に
トリオ・ザ・マイナーの姿もあったので、救いがあると考えたいのですが・・・

気になる展開を控えたタイミングで、来週は大学駅伝のため中断です。
こればかりは毎年恒例の事で仕方がないので、
かねてから温めていた計画を実行に移す事にしました。
DSCF0078.JPG
丁度再視聴も終わった今、新たなプリキュア聖地となった地を訪ねる旅に行ってきます。
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Merci

はじめまして、いつも興味深い考察を楽しく読ませて頂いております。
私は視聴した事あるのが「5」以降なのですが、今のところ「スイート」を1番評価していまして。
残念ながら賛否のある作品のようなので、ここのようにきちんと考察された感想を読むと嬉しいです。

「自分に『都合の悪い』存在を受け入れる」と言うテーマを、きっちりと描いているなぁ、と思って見ています。
先週は、メフィストにミューズの気持ちが届いた時には、彼女が説教も説得もしていなかったのに感心しました。
ただ、「自分が父を大好き」だという「気持ち」を「理解」して欲しい、と言うのが、「スイート」の答えなのでしょうね。
相手に「変わってくれ」と言わず、「相互理解」というところに行き着いているのが素晴らしいと思います
(響と奏、響と両親の関係もそうですし、ハミィとセイレーンの関係も『変わる』ことを求めませんでした)。

そう思うと、ノイズがファルセットを、ファルセットがバスドラ&バリトンを変化させたのは、破綻の前兆かな、と思います
(メフィストがトリオを変化させてからしばらくして、メフィストの離脱と言う形にしろ、彼らの関係が破綻しましたし)。

これまで、「スイート」では、連鎖的に救いが起きているので、エレンやアコ、メフィストがバスドラとバリトンを、
そして、バスドラとバリトンがファルセットを救ってくれればいいなぁ・・・と期待しています。

ところで、文中、「舅」とあるのは「婿」のことでしょうか?
舅だと義父とイコールになっちゃいますよね?

初めてなのに長文失礼しました。
by Merci (2011-10-30 23:25) 

スティクス

>Merciさん
はじめまして。コメントありがとうございます。

>自分に『都合の悪い』存在を受け入れる
私もスイートのこの姿勢が気に入っています。
説教や説得と共に熱いバトルを繰り広げるのが
プリキュアの魅力でもあります。
しかしこちらの主張をぶつけるだけでは、
相手の立場からすればどうなのかと思う事もありますので、
おっしゃるとおりの「相互理解」という接点は評価しています。

そうするとメフィスト→セイレーン、ノイズ→メフィスト、
ファルセット→バスドラ・バリトンという変化は一方的なものなので、
関係の破綻を表すものが一方通行だったと思えます。
順番で行けばセイレーンが、メフィストが救われたように、
マイナーたちの救いも期待したいところですね。
私も彼らの不本意な最期はあまり見たくないもので・・・

そして「舅」!恥ずかしい・・・訂正させて頂きました。
ご指摘ありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。
by スティクス (2011-10-31 06:44) 

横浜学園都市部

スティクスさんはじめまして。

ブルーチーム(特にホワイト・ミント・マリン・リズム)大好きな横浜学園都市部って言います。

主にpixivにてこの名前を使用しております。

プリキュアは、ゆかな氏が出ていたのを聞いて初代から見てました。

過去の話でお気に入り・気になった話にも感想を書きますが、今後もよろしくお願いします。

今回は今まで日の目も当たらなかったシリーに出番があって良かったですね。

ハロウィンの衣装は、響が『海賊戦隊ゴーカイジャー』のキャプテン・マーベラスを思い起こしたり、奏は『仮面ライダーフォーゼ』を意識して魔女になる等、ニチアサヒーローとしての浸透がうかがい知れる一編でしたね。

余談:実はイヤリングの音階はドからスタートしてなくて、ミから始まり高いミで終わっているみたいです。(あくまで個人的解釈です。)
by 横浜学園都市部 (2011-10-31 13:10) 

龍

今回、ファルセットは歌が上手いことが判明しました。今までトリオがハモっているとき、彼だけ無理に高い音を出したり、音程が少し外れたりと、お世辞にもうまいとは思えない感じでした。22話で「セイレーン以外に歌唱役がいない」というメフィストに、トリオが歌唱役に志願して「100年早い」と一蹴されていました。ということは、ファルセットだけはただの演技で、今までメフィストに「自分はセイレーンほど上手くない」と思わせて、本当は自分がメフィストを操っていることを他の連中に悟られないようにしていたんでしょう。なかなか上手い伏線でした。

若かりし頃の音吉さん、凛々しいですね。初登場の時から、ONE PIECEのレイリーみたいなポジションになるのかな、と思ったら、声優が同じ園部啓一さんでした。これには驚きましたが、どちらも威厳があり、なかなかのハマリ役です。

メフィストさんは国王らしくカッコいい決意表明と思ったら、アコを見た途端にとんでもない親馬鹿ぶり。そして、数年ぶりに帰って来た(と思われる)彼にとっては、幼い頃のアコしか知らないでしょうから、アコの成長ぶりにはさぞかし驚かされたことでしょう。

他人に、しかも年下である響達に「さん」付けして、しかも土下座までして娘を託すというのは、実は結構勇気がいるものです。私が敬愛する金八先生の中に、こんな台詞があります。「子供は親の見栄や世間体の為に生きとる訳じゃない。その逆ですよ。親が自分のために見栄も外聞もかなぐり捨ててくれる、そのことを心の支えにして生きとるんです」。

まあ、彼の場合は恥とかそういうことを自覚しているかどうかが微妙ですが、多少大げさとはいえ、子供への愛情をここまでストレートに表現できる親ってなかなかいませんからね。アコにしてみれば、恥ずかしいことこの上ないのですが、それ以上に嬉しそうにも見えました。彼女は今までこのために頑張って来たわけですし、とても微笑ましい光景でした。

無理やり仮装させられて、最初は恥ずかしさからむくれていたアコも、子供たちやおばちゃんとの触れ合いで、いつしか笑顔に。年上の響達と直接触れ合うよりも、こちらの方が自然と素の感情をさらけ出せますし、よかったと思います。真面目で責任感が強いのはいいのですが、「1人ででも倒す」の言葉に象徴されるように、まだ気負い過ぎて心に余裕がないのが気がかりです。時間はかかると思いますが、いつか心からの笑顔を見せる日が来るといいですね。

ノイズは全世界の悲しみの集合体で、全ての音楽の消滅が目的、ということでしたが、ここで疑問が出てきます。悲しみから生まれた暴力を、簡単に「究極の悪」とみなしていいのか、そもそもなぜノイズは美しい音を憎むのか。アコのことと繋がるところなんですが、以前こんな言葉を聞いたことがあります。「『幸せを守りたい』と言う人はいくらでもいる。でも、その人は『幸せ』の意味を本当にわかっているのかな?」。アコの発言からも分かるように、幸せをもたらす「手段」のはずの「幸福のメロディ」が、いつのまにかそれを歌うという「目的」になっています。その存在意義を見直す時がくるのかもしれませんね。

最後に、音楽つながりでジョン・レノンの言葉を紹介します。団さんの発言に似たものを感じました。「意味なんて無い。俺は詩で遊ぶんだ」「音楽はみんなが持っているものなのに、出版社は自分達だけがそれを所有していると考えている」
by 龍 (2011-11-01 00:25) 

幸下人

スティクスさん、こんにちは。幸下人です。

第1話、響・奏が木に逆さになって変身が解けた後も「ワイヤー入り」スカートのおかげで中が見えずに、「セーフ」。

あの場面は「今シリーズもいたって健全にいきますよ!」と製作サイドからよい子のお母さん方に「高らかに宣言」したものと理解しています。

しかし、幼児にとってはまったく無害でも、「いい大人」が見るには、あまりに「不健全な」一場面がありました。そうです、

キャンデー含ませ・・・・「ぁん・・」

これはもう・・、作品が違ってしまってますよ・・・。ミューズの口元の艶かしさ・・。

こまちの「背中チラ見え伝説」(ファイブ26話)に匹敵する悪意・・。

レビューでこのキャンデーシーンが「さらりと」しか触れられていないのは、それだけスティクスさんの「理性が成長」したと拝見すべきか、あるいは感覚がマヒされただけなのか・・・。

東映アニメーション、恐るべし。


さて、スティクスさんのトリオ・ザ・マイナーへの当初からの解釈、的をいていらっしゃると思います。

バスドラとファルセットを入れ替えてみればいかがでしょう。

最も憎まれ役のバスドラが暴走するファルセットを改心させるのが、視聴者へのカタルシスにさらにつながるのではないでしょうか。

トリオの友情はこの回でも垣間見られましたしね。


メフィストもエレンを、「セイレーンさん」と呼びます。ランド側の人はそう呼びたいのでしょう。ウエスターが最後までイースと呼び続けたように・・。

考えるのは悲しいですが、やはりエレンはネコ型に戻ってハミィとともにメイジャーランドに帰ってしまうのでしょうか。

謎解きが一段落して、ふと結末を想像してしまいます。


フランス、聖地になってしまったのですね。

セーラームーンの氷川神社に比べると、あまりに遠い。

モンサンミシェルのホテルにハトプリDVDを持参すると、特製イラスト入りバスタオル用意される・・とか、そんなサービスがあればびっくりですが・・。


モンサンミシェルではぜひ島内にご宿泊ください。料金は高めですがユーロ安で気にならない程度だと思います。

過去に(ハトプリ以前に)宿泊しました。

「音のない世界」が体感できます。

深夜2時を過ぎて島内を散歩なさってください。

干潟なので波音もなく、本当に「音がありません」。わずかにホテルのボイラー音がするくらいで、すこし干潟側に歩いていけば、本当に幻想的な感覚に包まれます。



機内で隣席の乗客が寝入るのを待ってPCを立ち上げ「劇場版」を再生させるお姿が目に浮かびます。TV版なら12時間で30話は視聴できるかと思います。

良いご旅行をお楽しみください。


by 幸下人 (2011-11-01 03:08) 

スティクス

>横浜学園都市部さん
はじめまして。コメントありがとうございます。
ブルーチーム(ホワイト家族?)がお好きとの事、
シリー(青色)が日の目を見た事も良かったですね。
私はニチアサはプリキュアしか見ていないので、
詳しくは知らなかったのですが、響の海賊や奏の魔女には
そんな関連性があったとは・・・
前番組から見ているお子様への、
ハロウィンのお菓子さながらプレゼントだったのかもしれませんね。

>「ミ」から「ミ」
聴いてみました。確かに「ド」から「ド」じゃなさそうですね。
心持「ミ♭」から「ミ♭」のようにも聴こえますが、
ともあれ音階が完成した事にはカタルシスがありました。
これからも宜しくお願い致します。
by スティクス (2011-11-02 06:36) 

スティクス

>龍さん
これまでのファルセットの音程外しはこのためだったのか、
妙に納得させられる伏線でしたね。
一人低音担当ではなかったり、「裏声」という意味そのままの裏の顔であったり
確かに一人だけ違っていました。
それだけに「トリオ」として馬鹿やっている姿がもう見られないのか、
そしてファルセットが生き永らえるのかという事が懸念されます。

音吉さんの格好良さもさることながら、
メフィストの親バカは面白かったですね。
そして「さん」呼びと土下座に関して、
私はメフィストは恥を知る人間だと思います。
そうでなければあのように真摯に頭を下げる事は出来ないでしょう。
アコともども、調辺一族?の今後の描かれ方も気になります。

ノイズの存在意義について、私も龍さんと同じような疑問を抱きましたが、
昨年のラストで見せてくれたように、分かり合える事を期待しています。
特に響の描かれ方がだいぶ固まって来たため、
「音楽嫌い」とまで言っていた響が1年でどう変わったのか、
見届けたいと思います。

そしてジョン・レノンはこんな発言があったのですね。
特に後者は皮肉が効いており、
製作者と発売者について、音楽のみならず考えさせられました。
by スティクス (2011-11-02 11:01) 

スティクス

>幸下人さん
ええ、私も気になりましたとも。あのキャンディのシーン(笑)
私は決してスルーしたわけでは無いのですが、
あれを文章で起こす事が妙に難しくて・・・
美希のシャワー&水着ですら冒険だったというのに、
よくぞやってくれましたという感じです。

さて、ご指摘のとおりバスドラとファルセットを置き換えれば
前に私が望んだ展開になりそうです。
フレッシュ、ハートキャッチと、敵幹部の描き方が良い形で来ているので、
マイナー達に関しても期待はしているのですが、
仮に彼らが不幸な結末で終わってしまったとしても、
それだけ惜しまれる、魅力ある敵を描いたという事になると思います。
果たしてどうなる事か、そしてアコもやがて帰る日が来るのか、
奏太と別れる時が来るのか、こちらも気になりますね。
エレンは残念ながら、セイレーンとしてハミィと共に暮らす事の方が
彼女にとっての幸せになりそうですので、帰る線が濃厚そうです。

いよいよ明日から欧州へと行って参ります。
実は結構なハードスケジュールを組んでいるので、
どれだけじっくり見られるかは定かではないのですが、
モン・サン・ミッシェルにも行く予定です。
幸下人さんが体験されたような事を、私も体験してみたいものです。
それでは、つぼみ達が飛び回った舞台を楽しんで参ります。
また、帰国後に・・・
by スティクス (2011-11-02 11:13) 

だいず

スティクス様、コメントでははじめまして♪
だいずと申します。
いろいろ記事を読ませていただきましたが・・ 真面目な考察って素敵です。

やはり、プリキュアは大人の視聴にも耐えうる作品。 奥が深いですよね。

モンサンミッシェル・・ ついに現実世界にも、みなとみらいに続く聖地が誕生しましたね~ ユーロ安もあって、旅行には丁度良い時期かも知れませんね。 お体にお気をつけてくださいませ。

今後ともよろしくお願いいたします。
by だいず (2011-11-02 21:26) 

スティクス

>だいずさん
こちらこそ、コメントでは初めまして。
かねてから愛読させていただいておりました。

大人の視聴にも耐えうる奥の深い作品。
まさにおっしゃる通り、その魅力に憑りつかれ、ここまで語り続けてしまいました。

また帰国後に、旅の成果(聖地の様子?)を報告したいと思います。
今後とも宜しくお願い致します。
by スティクス (2011-11-02 22:18) 

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