世界遺産登録記念 三保の松原へ行ってみました

三保の松原。名前は世界遺産になる前から聞いた事があっても、
実際に足を運んだことはありませんでした。
「日本三景」の宮島、松島、天橋立など、「日本三大～」は色々なものがありますが、
「日本三大松原」と言われてもどうもピンと来ず、
「清水」という都市部に位置している事も、足を運ばなかった原因かもしれません。
しかし実際に自分の目で見てみなくてはわかりませんので、
世界遺産登録決定から2週間後の土曜に、少し捻りを利かせたルートで行って来ました。
　　
今回の旅のスタート地点はこちら。

東海道線と駿豆線を乗り継いで伊豆半島の修善寺へ。
そこからバスで約45分かけて土肥港まで行き、駿河湾を横断するフェリーから
海越しに富士山を眺めつつ、三保の松原へ上陸しようと計画しました。
が、しかし・・・家を出た時から空がどんよりと曇っており、
平塚あたりからは箱根・伊豆上空が雲に覆われているのが見え、
さらに熱海を過ぎてからは雨が降り始め、
途中の三島では富士山が近くにあるにもかかわらず、全くガスって見えませんでした。
早くも前途に、文字通り暗雲が立ち込めています（笑）

バスの車窓も、峠道にさしかかってからは視界がほとんど利かないほど霧が立ち込め、
ペーパードライバーの私には運転する自信が無い程でした。
フェリーターミナルについて切符を買い、表示板を見てみると・・・

なんということでしょう。そこにははっきりと「富士山　見えない」の表示が・・・
実際に波止場から富士山の方向を見てみると、

こんな感じでした。現実は非情である。
仕方がないので、船旅そのものを楽しむ事にします。

待つこと20分程で、フェリーが近づいてきました。


接岸前の黒い排気がカッコいい！
男子にとってはいくつになっても「乗り物」への憧れがありますが、
その中でも「船」にはある種のロマンがある気がします。
例え1時間ちょっとの航路でも、なんだかドキドキ！してきました。

快適そうな船室。ただせっかくなので、ビールを買い込んで常時甲板にいる事にしました。
しかし出航してもやっぱり富士山は見えず・・・こんな感じの景色が続きます。

ちなみにこの航路は県道223（ふじさん）号らしく、
その事をアピールする標識が甲板に立っており、なんだかシュールな光景です。


ところで同じ形の文様は二度と見る事が出来ないという儚さ故か、
船が作る飛沫って美しいと今更気づきました。

富士山が見えないだけに、かえってこういった所に目が向いて良かったと思いたいです。


そのうち清水港が近づき、海の上から三保の松原が見えて来ました。

相変わらず富士山は見えないままですが、
その分こちら側にカメラを向けるお客さんも多く、
アナウンスでも「海から三保の松原を眺められるのはこの航路だけ」とアピールしておりました。
三保の松原を回り込み、灯台を掠めて清水港へ入港。
晴れてさえいれば富士山と三保の松原を存分に望めるという事で、
神戸・長崎と共に「日本三大美港」と言われているらしいですが・・・残念です。

ここから最寄のバス停へ行き、三保の松原までは路線バスで15分程度、
そこから歩いて10分くらいで到着しました。
ただバス停からの経路が少し分かり辛く、
バス停にある経路表記も簡単な日本語表記のものだけだったので、
これから外国人観光客が増えた場合の対処が必要に思えて来ました。


バス停からしばらく行くと、「神の道」という、両脇に松並木が続く木道を行きます。
これだけだと雰囲気のあるように思えますが、
実際の両脇はアパートなどが立ち並ぶごく普通の住宅地で、ややアンバランスな気がしました。

私のように路線バスで来る観光客は少ないのか、
閑散とした神の道を抜けた先の駐車場は観光バスや自家用車で埋め尽くされていました。
世界遺産効果はてきめんのようで、かなりにぎわっています。
ただ、やっぱり天候だけはどうしようもなく

本来ならこの松林の向こうに見えるという富士山が全く見えませんでした。
残念と言えばもう一つ。報道もされていたとおり

護岸上仕方がないとはいえ消波ブロックが視界に入るのも興ざめします。
もっとも、世界遺産登録はゴールではなくスタートだと思うので、
案内の不足や、少し目についた浜辺のゴミなどと共に、これから改善して頂きたいものです。

最後に、私と同じ経路を辿ってみたいという方のために
フェリーの時刻に合わせたスケジュールを掲載します。
（時刻は土曜日のものです）
品川07:19発→熱海09:02着
熱海09:06発→三島09:19着
三島09:27発→修善寺10:04着
修善寺10:30発→土肥港11:23着
土肥港12:00発→清水港13:05着
（徒歩5分程度）
波止場フェルケール博物館13：22発→羽衣の松入口13:37着
天気の良い日に、私が見られなかった分まで楽しんで頂ければ幸いです。