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ハピネスチャージプリキュア!第1話『愛が大好き!キュアラブリー誕生!』 [ハピネスチャージプリキュア!]

 ハピネスチャージプリキュア。
 このシリーズについては第20話~第23話にかけての「和解」、第37・38話の「救済」、そして第43話の「女の情念」といった劇的な展開に、リアルタイム視聴時の私は大いに血をたぎらせ、いつかこれらの話について語ってみたいとウズウズしていた事もありました。反面、とある登場人物の振る舞いについて、当時の私ならかなり辛い評価を下した可能性があります。しかしMXでの再放送で再び見返して、「とある人物」についても見方が変わり、シリーズ全体を見てもこんな楽しみ方もあったのかと再評価したくなった作品です。

 再び以前のようなスタイルで感想を始められないかと考えた結果、リアルタイムではなく再見のほうが進めやすいと判断し、思い切ってここから始めてみました。シリーズ10周年を迎え、円熟したといえるプリキュアシリーズに新たな要素をふんだんに散りばめた意欲作。果たしてこれからどんなふうに感想を展開して行けるのか、私自身も先が読めません。
 
 少女と言っても過言ではない、まだあどけなさを残した女性がいます。
 愛、勇気、優しさ、幸せは幻だと臣下の者達へ訴える瞳は冷たく、反面その居城は不釣り合いに可愛らしい内装で散りばめられています。彼女は世界に不幸をもたらす幻影帝国の女王、クイーンミラージュ様。配下の者達へ、プリキュアを倒し世界を最悪に変えるよう命を下します。

『相変わらず逃げ足だけは素晴らしいですな』
 幻影帝国の幹部の一人ナマケルダさんによって、カビに覆われた町、ぴかりが丘。プリキュアと幻影帝国との戦いの前線であるこの町で、ひとりの戦士―キュアプリンセスが戦っています。
 いや、戦っているというよりは「逃げ回っている」といった方が正しいでしょうか(笑)。お供の妖精リボンに諭され、サイアークに変えられた人や世界を守るために、精一杯の勇気を振り絞って、自信なさそうに必殺技を放ちます。
『プリンセス弾丸マシンガン!』
 その名の通りマシンガンのように叩き付けられる光弾を受け、煙に包まれるサイアーク。リボンも歓喜の声を上げます。
『やりましたわ!連戦連敗のプリンセスが、ついに勝ちましたわ!』
 ・・・いや、それ負けフラグですから(笑)
 案の定、砂埃の向こうからサイアークがピンピンして登場しました。そのままプリンセスは返り討ちに遭い、変身が解け絶体絶命!
 と、その時。空の彼方からもう一人の戦士キュアフォーチュンが登場しました。傍らのプリンセスへ睨み付けるような一瞥をくれた後、彼女の事など眼中にないと言わんばかりにサイアークに挑みます。プリンセスとは比べ物にならない圧倒的な強さを見せつけ、フォーチュンスターバーストで弾き飛ばし、
『星よ!天に還れ!』
 いーとーまきまきもといスターダストシュートでサイアークを浄化。街を覆っていたカビも消え、ナマケルダさんも引き上げて行きました。
 サイアークの素体にされた人も助け出し、大いなる願いへ近づくためのプリカードもゲット。いともたやすく街の平穏を取り戻したフォーチュンに、プリンセスは恐る恐るお礼を言います。
『あの・・・助けてくれて・・・ありがとう・・・』
『勘違いしないで!私はあなたを助けたんじゃない!』
 有無を言わさず、フォーチュンは言い返します。
『世界にサイアークが溢れたのはあなたのせいよ。私はあなたを許さない。絶対によ!』
 フォーチュンは幻影帝国へ向けた目よりも厳しい眼差しでプリンセスを睨み付け、飛び去って行きました。ひとり取り残されたプリンセスの、悔しさがこもった叫びがあたりにこだまします。
『また負けた――――――!!!!!』
中のひめなどいない。

『つーよいーぞープーリキュアーむーてきだわっしょい!サイアークなんかにゃまけないぞー!イエーイ♪』
 桜咲く並木道。妙な節回しで歌いながら元気に下校する少女・愛乃めぐみがいます。
『めぐみちゃんの心の歌、最近はプリキュアが多いね』
『だってカッコいいんだもん。ゆうゆうもそう思うでしょ?』
 ゆうゆうと呼ばれた少女、大森ゆうこと共に下校しながら、
『この町もサイアークに侵略されているけど・・・』
 ふと周囲に目を向けると、桜並木の美しい光景はごく一部で、街の至る所はカビや巨大なお菓子に浸食されています。
『でも大丈夫、プリキュアがきっとばばーんとあらわれて、どかーんと解決してくれるよ。だってプリキュアは、無敵なんだから!』
 めぐみは正義のヒロイン、プリキュアへの期待と憧れを、声を大にして叫びました。中のめぐみなどいない。

『やだやだ!どうせ私は役立たずですよー!一度もサイアークを倒した事の無いダメプリキュアですよー!』
 そうのたまいながら駄々をこねているのは、先ほどの戦いで敗戦を喫したキュアプリンセスこと、白雪ひめ。そんな彼女を、鏡の中から現れた物腰柔らかな青年が慰めます。
『ひめ、自分を責めないで。君は良く頑張っているよ』出やがったなこの野郎
 彼は天然ジゴロ、もといこの世界の神であるブルー。甘やかしてはいけないと厳しく接するリボンをなだめ、ひめに赤い結晶を差し出しました。友達となる人を導いてくれるという愛の結晶を前に、最初は知らない人に声をかけるのを怖がっていたひめにも、一転して意欲が沸いて来ます。
『私!友達欲しかったのよねー♪友達と一緒に居ると、とっても楽しいのよねー♪困った時助けてくれたり、何でも言うこと聞いてくれたり、友達って、とーっても便利なのよねー♪友達がいれば、全部解決じゃない!』
 ・・・友達の何たるかを理解しているかは別として、ともかく気を取り直して出かけて行きました。
『じゃ、友達捕まえに言って来まーす!』

 同じ頃、めぐみも自宅マンションに帰宅しました。笑顔で迎えてくれる母かおりさんから今晩はクリームシチュ―と聞いて幸せハピネス!散歩ついでにお母さんの代わりに食材の買い物へと出かけて行きました。

 一方、ひめはキュアプリンセスに変身し、街を見下ろす高い塔の上へと飛び乗ります。そのココロは・・・
『これが当たった子が友達よ!!!』
『工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工』
 この顔文字どおりの顔で愕然とするリボン。こんなに大勢人がいる中から選ぶのは大変だから、結晶をぶん投げて決めると聞いては無理はありません。

『きょうのごっはんはクリームシチュー♪』
 果たして結晶は相変わらず妙な節回しで歌いながら河川敷を行くめぐみに当たりました。そして・・・
『おっまわりさんに、おとしーものー♪』
 彼女はまだ、自分が「友達」に選ばれたことを知りません。そんなめぐみを尾行する怪しい影が(笑)。八百屋さんや、ゆうゆうの実家の弁当屋おおもりご飯でのめぐみの様子を尾行し続け、ひめとリボンはめぐみが誰とでも気さくに話せる子なのだと目の当たりにします。

 そんな時、めぐみの顔なじみの女の子、真央ちゃんが池に麦わら帽子を落してしまいました。少しも躊躇せず、そのまま池へと入って行くめぐみ。あとちょっとで帽子を拾えるところでバランスを崩し、池にボチャンとなりそうなところを、真央ちゃんの兄誠司が手を取り支えてくれました。
『ありがとう誠司』
『どういたしまして』
 誠司にとっては日常茶飯事のようで、やや呆れ気味です。とはいっても、妹が誕生日にもらった大切にしている帽子を、濡れる事を厭わずに取りに行ってくれためぐみに対しては、素直にお礼を言いました。

 一方、ひめは未だにめぐみに声をかける勇気が出ません。橋の欄干の陰から様子を伺っているだけのひめを、リボンは厳しく突き放します。
『準備など要りませんわ!アタックあるのみ!(c)シャットさんですわ!』
 欄干から転げ出たひめを怪訝そうに見るめぐみ。ここに運命の出会いが訪れます。が・・・
『あ・・・あの・・・そそそそそそ・・・・そのぉーーー』
 極度の緊張でまともにしゃべれないひめに反して、めぐみはひめの可愛さにテンションが上がりまくりです。
『お人形さんが着るみたいな服がこんなに似合う人初めて見たよ。あなた凄くかわいいね!』
『そんなこと・・・あるけど!』
 ひめはおだてに乗りやすいタイプのようで、先程までのガチガチ緊張状態とは打って変わって、今日のコーデいい感じな自分のファッションポイントをアピールしはじめます。そして、ジャージを羽織っただけというラフなスタイルのめぐみに対してお洒落しないのかと尋ねました。お洒落は似合わないと謙遜するめぐみを、やってみなければわからないと焚きつけます。
『あなた可愛い服が似合わないと決めつけてるけど、そんなの着て見なきゃわかんないじゃない!』
 お洒落とは出会いとひらめきとチャレンジだと力説するひめを、めぐみは師匠と持ち上げます。そして、初めてお互いに自己紹介しました。
『私、めぐみ。愛乃めぐみ。オレ、オマエ、アエテ、ウレシイ!』
 手話?を交えてというめぐみのインパクトある自己紹介に対し、ひめのそれも負けないものでした。
『私は、ヒメルダ・ウィンドゥ・キュアクィーン・オブ・ザ・ブルースカイよ』なげーよwww
 尤も、この本名はあまりにも長いため本人公認で「ひめ」と呼ぶことを推奨します。そしてリボンも自己紹介。最初は驚いためぐみですが、ひめがブルースカイ王国の王女であり時期女王と聞いて目を輝かせます。王族である事を知られたひめもまんざらでもない様子。そして・・・
『と、言うわけで、めぐみはプリキュアね!』
『え゛・・・?プリキュア?』

 その頃、ご機嫌の真央ちゃんの前にナマケルダさんが現れる事案発生。彼女を鏡に封じ込め、お気に入りの帽子を素体にして、その未来を最悪にするサイアークを生み出しました。たちまち町はカビに覆われ、逃げ惑う人々。どんどん広がるカビを前に心機一転、ひめは戦う事を決意します。
『今度こそ負けないんだから!』

『天空に舞う青き風、キュアプリンセス!』
 本物のプリキュアを目の当たりにして、めぐみは目を輝かせます。その期待に応るかのように、サイアークに蹴りを入れ、プリンセスボールを放つキュアプリンセス!すごいぞプリキュア!強いぞプリキュア!
 ・・・・・・・・・と思いきや、なんともしょぼいボールが放たれました。もちろんサイアークに通じる筈も無く、あっさりと弾かれます。
『また負けに来たのですか?』
 腰が抜けて立てないプリンセスに迫るサイアーク。そこに、めぐみが割って入りました。
『ほう・・・サイアークの前に立ちふさがる勇気、度胸。見上げたものですな。でも君、震えていますぞ』
 ナマケルダさんが指摘するまでもなく、仁王立ちでプリンセスを庇うめぐみの足は震えています。
『こんなの・・・怖いに決まっているでしょ・・・!』
 憧れとは違う、かっこいいだけではない、「戦いの現実」を前に震えが止まりません。それでも
『怖いけど、どうしたらいいかわからないけど、でも私、友達を助けたい!』
 そして、結晶が輝きました。見て見ぬふりをして、自分だけ良ければ良いなんて嫌だと首を振り、
『みんなで幸せになる。それが幸せハピネスなんだからああああっ!』

『愛が・・・地球を救う愛が生まれた』
『愛の気持ちがめぐみの気持ちに反応してるですわ』
 神が、妖精が、めぐみの気持ちに反応した結晶の輝きに反応します。

そしてバンダイ様からの贈り物プリキュアになるためのアイテム、プリチェンミラーとプリカードが登場。
『では!愛乃めぐみ!行きます!』
 先ほど見たプリンセスの変身を参考に、新しい戦士の誕生が始まります。マントを脱ぎ捨てた時、新たな愛のプリキュアが誕生しました。
『世界に広がるビックな愛!キュアラブリー!』
 変身した姿を見回して、プリキュアに変身しちゃったとはしゃぐラブリー。自ら名乗ったその名の由来はシンプルでした。
『私、好きな言葉が愛とラブとラブリーなんで』
 お手並み拝見とばかりにナマケルダさんはサイアークをけしかけますが、その攻撃をとっさに突き出した拳で弾き飛ばした事で、ラブリーは改めて自分の力を認識しました。そして、改めてサイアークと戦う意志を堂々と宣言します。
『不幸はここまで!このキュアラブリーが、みんなのハピネス取り戻すんだから!』


 久々にこの第1話を視聴すると、なかなかの意欲作だという印象を受けました。本作の大きな特徴として、既に世界が幻影帝国に脅かされていることと、それに対抗するプリキュアの存在が公認のものであるということが挙げられます。作中世界においてもプリキュアは女の子の憧れであるという点は実際に視聴している女の子達にとっても共感を覚えるものでしょう。比較的ハードな展開だった「ドキドキ!」シリーズの後ということもあり、柔らかめの絵柄とも相俟って、まずお子様層へのアピールということでは丁寧な作りだったと感じます。

 一方で、プリキュアは決して憧れの存在ではなく、戦いの怖さについても既に1話の時点で触れていることで、現実の厳しさを伝えています。第1話以降も前半部のひめ=プリンセスはとかく逃げ腰で、その印象が強いためか、残念ながら不名誉な評価をされてしまっている点がありますが、めぐみが震えを止められないような状態から「本当に逃げて」こなかったことは評価されるべきことだと思います。
『もう頑張りたくても、どう頑張ればいいかわかんない・・・』
 ひめは大使館でこう漏らしておりました。私も経験がありますが、これは鬱になる人に良くある、責任感がある故に陥ってしまう思考です。しかし、嫌々ながらもプリキュアとしての責任からは逃げずに一人で孤独に戦ってきたというだけを見ても、決して彼女はすぐ逃げる弱虫ではないことが伺えると思います。
 ブルーは優しいものの、甘い言葉を掛けてくれるだけ。甘やかすのではなく時には厳しく接するというリボンの主張も正論ではありますが、時にはひめにとってあまりに酷です。そして近くで「戦ってくれる」唯一のプリキュア、キュアフォーチュンについては憎悪の感情を向けられ、人間不信になってもおかしくありません。めぐみと出会うまでの時点で、ひめには本当の味方はいなかったように思えて来ます。
『私!友達欲しかったのよねー♪友達と一緒に居ると、とっても楽しいのよねー♪困った時助けてくれたり、何でも言うこと聞いてくれたり、友達って、とーっても便利なのよねー♪友達がいれば、全部解決じゃない!』
 一見、「ジコチュー」に見えかねないひめの発言ですが、これは全て「受け身」の友達思考でしかありません。この台詞から「与えられる」事が少なくここまでここまで来たのではないかと伺えます。「与える」だけでなく、「与えられる」ようになってはじめて真の関係が構築されるのですが・・・既に中盤の山場を乗り越え、成長したひめを知っていますが、この時点のひめは「不憫」だと思います。

 ・・・って、なんだか久々に気合入れ過ぎたのか、ずいぶんと堅い内容になってきたので少し軌道修正します。
 まず、開幕早々のミラージュ様。改めて見るとけっこう可愛いですよね、このお方。あと、周囲にホストっぽい奴をはべらせていた事などすっかり忘れておりました。こいつら、いったいどこへ行ったんでしょう?まさか実はチョイアークだったりして・・・。このホストっぽい奴がいるために、本命の男に振られたウサ晴らしでホスト通いしているお姉さんに見えてしまうのは再視聴ゆえでしょうか(笑)。一方、敵の親玉の居城にしては内装・外観ともに妙に愛らしいことなど、ミスマッチさが逆に何とも言えない不気味さを醸し出しており、冒頭から一気に敵組織についての興味を掻き立て、目を惹きました。もっとも、この当時のオレスキー将軍からは、後々あんなキャラになろうとは思いもしませんでしたが(笑)

 可愛いと言えば、この時期のツンツンフォーチュン、私結構好きだったりします。なんていうか、その・・・ギャップ萌えってやつでしょうか。颯爽と登場して圧倒的な強さを見せつけ、助けた一般人についても油断禁物と諭す凛とした姿。と思いきや、「こしょこしょしてくれぇ」→「こしょこしょこしょ♥」ですから(笑)。自他ともに厳しい姿を披露した後、こんな姿を見せるもんですから、かわいいのなんのって。技バンクの「いーとーまきまき」と、一瞬悪人面っぽくなるところなども、他のプリキュアには無い魅力だと思っていました。そして助けた人とのやりとりからは、本当は優しい子なのだということも十分伝わって来ます。もっとも、中盤以降の彼女も(主にあんみつこまちが)可愛くて好きなのですが、それはまた、中盤以降で語る事にします。

 あとはゆうゆうでしょうか。最初キャラデザを見た時、オーバーオールとは野暮ったい恰好だと思いましたが、実際に見てみるとあらかわいい(*´∀`*)ポッ。彼女については、一応現時点では触れるだけに留めておきます。
尤も、めぐみの下校シーンのやりとりを見ると、この時既に・・・だったと思うと意味深です。

 下校シーンといえば、いきなり妙な歌を歌い出すことでめぐみの登場シーンの印象も深くなりました。
『めぐみちゃんの心の歌、最近はプリキュアが多いね』
 というゆうゆうの台詞は、既にプリキュアが認知されている世界という意外性を視聴者に植え付けるに十分でした。この時点でプリキュアも10年。社会的にも認知されているからこそできた展開だと思います。もっとも、試行錯誤で道を切り開いてきた初代とは違う、ブランドが定着したからこその難しさもあります。それ故に「フォームチェンジ」等の新要素がふんだんに散りばめられていったのでしょう。

 毎度オープニングで誰が出てくるのかも当時大きな話題となりました。これも毎週の予測という楽しみをもたらす新要素として成功したものだと思います。この第1話では、「道を切り開いた」と前述した初代からキュアブラックが登場。しかしながらこの時点ではまだ手探り状態だったのか、唯一今回だけエンドクレジットに本名さんが載っていないという残念なことになってしまいました。次回からは改善されましたが、BD等ではいったいどうなったのでしょうか。MXの再放送でもそのままでしたが・・・

 オープニングに対するエンディングの「プリキュア・メモリ」の映像は、個人的にCGダンスの最高傑作だと思います。キャラデザインとの相性も良かったのかもしれませんが、表情と皮膚の質感・艶が一番自然に感じられました。私はリアルタイム時に予備知識を持たずに視聴しているので、各種フォームチェンジ後の姿には最初???でしたが、これらのCGも実に良く出来ており、本編に登場するのがいつなのかという楽しみも生まれたものです。また、全体的にバレエらしさが感じられる振付が新鮮でした。終盤の「ラララプリキュア×4」の最初の2回の止めポーズは、バレエそのものです。そして3回目のラブリーが可愛すぎて、ロリポップヒップホップの決めポーズをノーマル状態でやると破壊力がすさまじく、 あれ・・・初めて見た時・・・なんていうか・・・その・・・下品なんですが(以下自粛)

 あと、変身バンクにも魅せられました。プリンセスは何と言っても「ヒュッ☆」が可愛いです。拳を高く突き上げる決めポーズが「我が生涯に一片の悔い無し」に見えたりするところは、まあご愛嬌ということで(笑)。そしてラブリーは後の「荒ブリー」の片鱗が見て取れたりする、どことなく力強さも感じさせながら優雅さもあるという絶妙さ。マントを脱ぎ捨てて変身完了という一連の流れも気に入っています。もっとも、最初の変身時に名前をまだ決めていないはずなのに、しっかりプリカードに「キュアラブリー」と書いてあるというのも、こちらもまあご愛嬌ということで(笑)

 ここまでめぐみについて深く触れておりませんでした。またちょっと堅くなってしまうのですが・・・真央ちゃんの帽子を取りに行くシーンでは善意そのものの行動に見えますが、結果的に誠司の靴もズブ濡れになっていることが描かれていました。これは本人は善意のつもりで行動しても後先考えない結果、第三者にも知らずの内に影響を及ぼしているという危うさが伺えます。現にこの時誠司に「自分の事も少しは考えろ」と言われています。このことが後々まで二人の関係とストーリーに大きな影響を与えて行きますが、一話の時点でここに触れていたことに改めて驚かされました。

 また、ひめは友達作りに、めぐみはお洒落に及び腰な姿が描かれています。
『可愛い服が似合わないと決めつけてるけど、そんなの着て見なきゃわかんないじゃない!』
 ひめはめぐみにそう言っていますが、これはそのままひめにも言えます。弱いと決めつけてるけど、そんなのはわかりません。人は長所も短所も、気が付かないところを他人に言われて気づくものです。この時のひめは、友達作りにも怯えて自信無さげな彼女とは違っていました。
『着れば似合うかもしれないし、似合う服に出会ってないだけかも!』
 声を書ければ友達になれるかもしれないし、本当の友達に出会ってないだけかも、と言い変えるだけで、そのままひめに向けられた言葉になります。その後の、女の子は誰でもキラキラ光る宝石だという台詞も、無意識に自分に言い聞かせている言葉なのかもしれません。ひめは「宝石」というよりは「原石」でしたが、最終的には磨き上げられて宝石になりましたから・・・

 とはいったものの、予告では早速『駄目なプリキュアは引退するよ』などと投げやり状態ですが(笑)彼女達の物語はまだ始まったばかりです。これから再び、じっくりと付き合って行こうかと思います。
 ・・・その前に、今週木曜からMXの再放送が再開されますが、終盤に辿りつくのはいつのことやら。ご縁があって再びお越しいただいた方々、気長にお付き合いいただければ幸いでございます。
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MP

感想を再開、それも「ハピチャ」からですね。あの頃を思い出します。

いきなり最初は逃げっぱなしのプリンセスと、実力はありながらも別行動し、プリンセスをあんだけ嫌うフォーチュン。そしてその中でプリキュア覚醒となるめぐみ。こういう展開の中フォーチュンはなんなんだ、プリキュアってのは友情の戦士じゃないかと思いましたよ。この「ハピチャ」、今まで以上に「成長」がテーマで、初期はひめ、続いてフォーチュン(正体は分かってますがあえて)の成長がメインとなります。
(1年後のAS映画「春のカーニバル」を見て、ラブリーとキュアフローラの共闘をフォーチュンが褒めた時、「フォーチュン、お前は変わったな。1年前はこうじゃなかったぞ」と思ったよ)

そして今回の敵「幻影帝国」は世界中で暗躍するという組織、しかも珍しく明るめの組織でした。でもあのミラージュ、ハッピーママとは一転した声となりました。

また何より、第34話までのOPに歴代プリキュアのご挨拶があるというので、当時はみらいじゃないが「わくわくもんだ~」でしたよ。今回はブラックが担当、思い起こせばあの子とホワイトから始まったのです。
(プリキュアは当時33名なのに34回?理由はこの後で分かるから言わない)

これからはどうスティクスさんはどう紹介するのか、楽しみです。
by MP (2016-10-05 20:27) 

スティクス

>MPさん
久々に長文書いてみました。やっぱり疲れますね。

>友情の戦士
だからこそ、その意外性が面白いと思います。初見では???だったところもありましたが、今見ると新鮮です。

>春のカーニバル
私見てないんですってば(笑)

>ハッピーママ
育代ママンからの転身は当時驚いたものです。

>OP
次は誰だろうと毎週気になりましたね。法則があるのではと探ってみてもそんなことはなく、予想外がむずかしいことで最後まで目を惹いたと思います。

これからの運用もがんばってみますので、プレッシャーにならない程度に(笑)ご支援くださると幸いです。
by スティクス (2016-10-06 06:38) 

MP

お疲れ様。

「春のカーニバル」(その他)見てなかったのは失礼。でも見た方がいいです。
by MP (2016-10-06 11:26) 

スティクス

>MPさん
春のカーニバル未見のことは
http://styx.blog.so-net.ne.jp/2011-03-03
のMPさんへのコメントでお伝えしていますよ。

あと、見る見ないは私の自由ですので、そこんとこ、よろしく。
by スティクス (2016-10-06 20:53) 

MP

>>「春のカーニバル」未見
それは分かってます。あしからず。
by MP (2016-10-06 21:57) 

まるっさ

1年をかけてのひめの成長といおなとひめ(LUCK幸運!&PLUCK勇気!コンビ)の関係の変化・・・ハピネスチャージの魅力の一つですね。以前にもコメさせていただきましたが、5シリーズといい、この辺成田さんは巧いなぁと(結構キツい表現(笑)を入れてくるところも含めて)思います。
名作と謳われているレッド(として)初登場回44話を最近また見返しましたが、めぐみ想いのひめちゃん・キュアプリンセスにはホント熱くて泣けるものがある・・・のもこの第1話でのゼロ(マイナス?)スタートがあってこそだな、としみじみ思います。

P.S.1:それにしてもBGM『キュアフォーチュンのテーマ』ってめっちゃカッコいいですよね!なんだか特撮っぽい!?
p.s.2:昨年話題になった冥王星でしたが、その衛星の一つにステュクス(Styx)というのがあるのを知ったとき・・・貴方様はどうされてるかなぁと思ったものですw
by まるっさ (2016-10-07 00:26) 

スティクス

>まるっささん
ハピネスチャージがお好きとうかがいました通り、好意的なご意見をありがとございます。
ひめの成長と、いおなとひめの関係変化は中盤までの見どころでしたね。私も再びその流れを追うことを楽しみにしています。

>結構キツい表現(笑)
確かに、同意です(笑)。

>44話
私の中で43話の印象があまりに強烈だったのですが、この回もかなり重いですよね。あの泣き顔・・・。私は第1話の誠司との関係を念頭に置いて見ることになるかもしれませんが、ひめにも注目して見てみたいと思います。

>キュアフォーチュンのテーマ
私もあの曲好きです。お姉ちゃんを失っている悲愴感を胸に孤独に戦うヒロインという感じでいいですね!

>冥王星
私はジョジョ5巻の神父から拝借した名前ですが、冥王星とその衛星の名前は、いずれも死神や死の世界に関係するものみたいですね。そんな冥王星も今や惑星から外れ・・・諸行無常を覚えます。
by スティクス (2016-10-07 06:45) 

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