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ハピネスチャージプリキュア!第4話 『転校生はお姫様!!ひめの友達ゲット大作戦!!』 [ハピネスチャージプリキュア!]

♪一年生になったら 一年生になったら 友達百人できるかな♪
 この歌、今でも歌われているのでしょうか・・・?
 小学校入学前の子供達が抱く、まだ見ぬ小学校への期待と、少しの不安が「できるかな?」という疑問形に込められているように感じられます。
 学校だけでなく、職場などでも環境が変わり、人間関係が変わることは、期待以上の不安が誰でもあるものです。はじめての学校に極度の不安と恐怖を抱くひめの、明日はどっちだ!?
 そして今回は、伝説となった「キュ荒ブリー」が覚醒した一編でもありました(笑)
  
 大使館。ひめは見慣れない服を着てはしゃいでいます。見守るめぐみも何だか嬉しそうです。
『ねえ、この服なあに?』
 それはぴかりが丘学園の制服でした。明日から学校へ通うと聞かされ、固まるひめ。大使館に、青ざめた彼女の大声が響き渡りました。
『ん?学校・・・?えええええええええええっ!?』

『学校はね、友達がいっぱい集まるところなんだよ』
 めぐみはソファの下に潜り込んで嫌がるひめを、めぐみは懸命になだめます。みんなでお喋りして、友達沢山作れるという言葉に、少しずつひめの心が動き始め、学校に行けば友達百人くらい作れると聞くと、ソファを払いのけて立ち上がりました。すごいパワーです!ヒメルダ・ウィンドゥ・キュアクィーン・オブ・ザ・ブルースカイ!!
「友達百人」に憧れを抱き、ピルエット、ジュテとノーブル学園のバレエ授業について行けそうな動きで、喜びを体で表現しました。

『たのしいたのしいがっこうだー♪』『ともだちなんにんでっきるっかなー♪』
『ひとり?ふたり?♪』『ひゃっくにーん!♪』
 めぐみと二人で変な歌を歌いながら、新しい服を着て初めての道歩く、ときめく景色におハローハローハロー!な通学路を登校して行きます。友達の友達は友達、という理論によれば、ひめにはめぐみと誠司、既に二人の友達が出来ています。めぐみはひめの友達作りをばっちりサポートすると約束しました。ところが・・・

 いざ学校へ来てみると、ひめは生徒の多さに怖気づきました。めぐみがクラスメイトの石神りんちゃん(夏木りんちゃんと区別するため、石神りんちゃんと本名で記載します)と笑いあう姿を見て、自分と置き換える姿を妄想してみますが、いざ石神りんちゃんが転校生の噂話を切り出すと、自分の事が話題に上っている事に耐えられず、固まってしまいました。めぐみが石神りんちゃんを紹介しようとした頃には、既にひめは逃げ出していました。
 屋上に隠れていたひめはリボンに一喝され、心の準備が出来ていなかっただけだと弁明。再び友達百人作ると張り切って教室へと向かいました。
 
『あ・・・あの・・・わ・・・わ・・・わたしは・・・・わた・・・しの・・・なまえは・・・』
 いざ教室で生徒達の前に立ち、自己紹介をしようとしても、みんながこちらを注目しているという状況にひめは冷や汗を流して固まり、蚊が鳴くような声を漏らすのが精いっぱいでした。ひめ目線では、生徒達が無表情で威圧してくるように感じています。友達百人計画は夢のまた夢。現実に圧し潰されそうなひめですが、実際は生徒達は圧迫など微塵もしておらず、めぐみとゆうゆうはひめを応援しています。
『落ち着いて、ゆっくりね』
 担任の和泉先生も助け船を出しますが、直後ひめは敵前逃亡。教室を飛び出して行きました。すると和泉先生、目にも留まらぬ早業で即座に後を追い、涼しい顔でひめを小脇に抱えて戻って来ます。こいつ・・・できる!
『大丈夫よ緊張しなくて。みんな優しくていい子だから』
 和泉先生の言葉通り、生徒達は笑顔でひめに手を振り返します。なんとか黒板いっぱいに
黒川エレ」もとい「白雪ひめ」と書き終えたひめを、生徒達は暖かく迎えますが・・・
 休み時間に生徒達はひめを囲んで一斉に質問攻しました。再びひめは耐え切れず、極度の緊張によりゲッソリとダウン。そのまま保健室送りとなりました。

 シーツを被り、大使館へ帰るとのたまうひめに、もはやめぐみの説得も効果がありません。そのとき、ゆうゆうがお見舞いにやって来ました。ひめもゆうゆうのことは、先日飴をくれた子だと認識しています。めぐみは「友達の友達は友達」理論で改めてゆうゆうを紹介しますが、未だひめの心の壁は破れません。
『ねえ、飴なめない?』
 ひめは目だけを光らせながら(笑)ゆうゆうの手の飴に目を向けますが、先ほどの緊張がフラッシュバックして言葉が出て来ません。お礼も言えず、ゆうゆうの手から飴をひったくり、保健室から駆け出して行きました。
『何で逃げるの?友達出来ないよ』
 今度はトイレに引きこもっているのを見つけ、宥めるめぐみですが
『友達なんてめぐみだけいればいい!もう放っといてよ!』
 ひめはプリカードで忍者に変身。さらばでござると煙玉でドロンしました(死語)。

『ひめったら、どうしてわかってくれないのかな?』
 校内を探し回るめぐみに、誠司はただ押し付けているからだと指摘します。
『相手の立場に立ってみろよ。ひめはお前みたいにガンガン行けるタイプじゃないだろ?』
 めぐみは誠司の言葉で、自分のやり方を押し付けていたと反省しました。もっとも、誠司は突っ走るのはいいところだと評価し、後で謝ればいいとフォローします。実はひめはそのすぐ傍に、忍法隠れ身の術で隠れていました。二人が立ち去った後、その会話を思い返しますが、未だひめの表情は晴れません。

 今度は暗い体育倉庫のマットの上で、ひめは一人膝を抱えています。手の平の飴を見つめると、涙が滲んできました。包み紙を開き、口の中で転がしながら、先ほどのゆうゆうの笑顔を思い出します。
『私、何してんだろう。めぐみの言う通りだよ。こんなんじゃ友達なんてできるわけない。そもそも、二人も友達が出来たのが奇跡だったんだよ』
『二人も友達いるんだ。いいなあ』
 突然声を掛けられて驚くひめ。なんとこの部屋には、もう一人いたのです。そりゃびびりますって(笑)。
 声の主は、一人も生徒に話しかけて貰えないという新米の中野先生です。それでも彼は大人だけあって、自分の至らぬ点をよく知っていました。先生としてきちんとしなければと焦ってばかりで、生徒に心を開いていないからだと漏らす中野先生に、ひめも仲良しになろうと気負うほど緊張してしまうと同調。そして、二人一緒に深いため息をつきました。
『でも先生は先生なんだから、悩むのも大概にして授業したほうがいいよ』
 そう後押しされて、中野先生は暗い倉庫から明るい校庭へと出て行きました。ひめは未だ、暗い体育倉庫で膝を抱えたままです。

 ところが中野先生はナマケルダさんに目をつけられ、思い悩むくらいなら学校を無くしてしまえばいいと鏡に封じられてしまいました。そして三角コーンのサイアークを召喚。異変に気付いたひめは先生を救うべく、単身変身。めぐみもサイアーク出現に気付き、駆けつけようとしたところをチョイアークに包囲され、変身して立ち向かいます。

 プリンセスはサイアーク相手に一人で戦うも、弾丸マシンガンをはね返され、さらにサイアークの巨体に圧し掛かられてしまいました。ナマケルダさんの指示によって、学校はみるまにカビに覆われて行きます。その有様を見て、倒れたプリンセスは気力を振り絞って立ち上がり、サイアークに挑みかかります。
『全く諦めが悪いですな』
 プリンセスの脳裏には、飴をくれた時のゆうゆうの笑顔が焼き付いています。
『当たり前よ!学校が無くなったら、まだお礼も言ってないのに・・・飴くれたあの子と、友達になれなくなっちゃうじゃん!』
 渾身の一撃でサイアークを跳ね飛ばし、この学校で友達を作りたいと高らかに宣言しました。

『友達?くだらないことを。人づきあいなんて面倒な事ばかりですぞ』
 そこにラブリーが、チョイアークを二体抱えて駆けつけました。そのままチョイアークを武器にしてサイアークを殴りつけ、サイアークもろとも投げ飛ばします。
 ・・・いくらなんでも、さすがにチョイアークが可哀想ですが・・・(笑)

『プリンセス、私、色々勝手に言い過ぎたよね。ごめんね』
『私こそいろいろ気を遣ってもらったのに、逃げちゃってごめん』
 互いの非を認め合った今、まずはゆうゆうと友達になるべく、目の前の敵を振り払うのが先決です。プリカード・シャーベットバレエでフォームチェンジしたプリンセスの、アラベスクシャワーの優雅な舞がチョイアークを一掃。そして自分のペースでゆっくりと友達百人つくるのだと前向きな瞳で、ブルーハッピーシュートをを放ち、サイアークも浄化しました。
『これが友情の力・・・いやいやただの偶然だ。私まだ本気出してないから』
 まるでニートみたいな捨て台詞を残し、ナマケルダさんも撤収していきました。屋上で一部始終を見守っていたキュアフォーチュンも、無言のまま立ち去ります。

『ねえ先生、私決めたよ。みんなに心を開いてアタックする。一人ずつ、焦らずゆっくりとやってみるよ』
 助け出した先生に、こうして私と友達になれたのだからと、少しずつ互いに勇気を出して頑張ろうとエールを送るひめ。先生も頑張ると誓いました。

 そして夕日が輝く土手で、ひめはゆうゆうに歩み寄ります。未だハッピーロボみたいにガチガチですが(笑)
『あの、二度も飴をくれて、おいしかったの。ありがとう』
 そして思い切って手を差しだし、緊張で上ずりながらも自己紹介しました。
『あの・・・私白雪ひめ。趣味はお洒落です。良かったらお友達になって下さい!』
『ひめちゃんね?大森ゆうこです。趣味はご飯を美味しく食べる事です。よろしく』
 その手を取るゆうゆうの優しい笑顔に、たちまちひめの緊張は解けました。
『じゃあゆうこって呼ぶね!』『ねえ、飴なめる?』『私もなめるー!』
 見守っていためぐみも輪に加わりました。宵の空に輝く三つの星が、新たな友達となった三人を、空の高みから見下ろしています。


 今回は、ひめの不安な心理を引き立てる見事な演出の数々に目を奪われました。
 まず登校シーン。一見ふたりで変な歌を歌いながら楽しく登校しています。しかしそのバックにはちょっと気づきにくいですが、ジョジョの「ゴゴゴゴゴ・・・」のような重低音がずっと鳴り響いていて、どことなく不安定な気分を煽り立てています。他にも澄んだ空を横切る飛行機雲など、
   空=既に気心知れたクラスメイト
   飛行機雲=転校生という異分子
 を暗示しているように思えました。この次の、一旦逃げ出したひめが心機一転教室へと向かう場面でも、ひめの姿を描くのではなく逆光となった室内から影だけを映すという、凝った描写が目を惹きます。

 体育倉庫の一連のシーンでも、まず驚いたのは、舞っている細かいほこりまでがしっかりと描かれている事でした。確かに暗い倉庫に差し込む光の中で見ると、ほこりが舞っていた事を思い出します。実際に学校へ取材しに行ったと思われ、そのリアリティが心理描写に色を添えています。暗い倉庫の中に射す光は、高い小窓から差し込むもので、これは光=友達を得るためには高いところまで背伸びをしなければ届かない、即ち自分で行動しなければ何も改善されないということを暗に込めているように思えました。
 その薄暗い倉庫から、まずは先生が外に出ます。外の世界は当たり前ですが光が溢れ、倉庫とは別天地のように見えます。しかし先生はナマケルダさんに襲われる直前、校舎の陰に踏み込んでいます。一度光の下へ出たものが再び影に入り、悪用されてしまうという場面を印象的に彩っていました。

 また、ひめを探すめぐみが誠司と話すシーン。この背景は校門で、閉じられた門の外側から、内側のめぐみ達を観るような構図も印象に残ります。これは門を閉ざす=心を閉ざしているひめを暗示しているように見えますが、一方で自分のやり方に気付かず、考え方に捉われているめぐみのことを暗示しているようにも思えます。さらに穿ってみれば、前回めぐみに恋愛感情が無いと即答した誠司が、今回は多少意識しているように見えるため、めぐみへの想いを閉じ込めている誠司の心境も示唆しているように思えました。
 とはいっても、今回あんな近い距離でめぐみに接してこられたら、思春期の男子なら戸惑っても当然ですが(笑)。無意識とは恐ろしいものです。

 戦闘中では、ナマケルダさんの描かれ方が特徴的でした。プリンセスに対してめんどくさいと持論を述べる場面では、先生を封じた鏡に映るナマケルダさんが喋り、当の本人は画面に背中を向けている、という凝った描かれ方をしています。一見すると、まるでナマケルダさん自身が鏡に閉じ込められているようにも見えます。これもナマケルダさんが己の考え方に捉われ、鏡に閉じ込められているのと変わらないことを暗示しているのかもしれません。

 もっとも心理描写を煽る演出ばかりでなく、大使館でソファの下に隠れたひめの「目だけ」が描かれる描写や、保健室での「目だけ」が爛々と輝く姿など、ネタ的な意味でも楽しめました。
 そして忍者のプリカード、何に使うと思いきや(笑)煙玉や「変わり身の術」など、ハットリくんを観ているような古典的な忍術表現も面白いと思います。まあ、プリカードの「変装」自体がネタ要素満載なんですけど(笑)

 ひめと先生のやりとりは「傷の舐め合い」でした。愚痴を漏らしたり、聴いてもらったりするのは、妙に安心してしまうものです。現に、私もしょっちゅうやってしまう事です。しかし、傷の舐め合いでは何も解決せず、建設的な結果をもたらすことはできません。
 しかしひめは人前に出るのを嫌がり、緊張し、身動きが取れなくても、誰かを守るために立ち上がれるところは実に立派です。ひょっとしたらひめにも、学校を壊したら通わずに済むという悪魔のささやきが多少はあったかもしれません。悪魔に屈しそうになった先輩プリキュアもいましたが・・・(笑)。それはさておき、飴という無償の愛(ちと大げさですが・・・)をくれたゆうゆうと友達になりたい。有難迷惑気味でも一生懸命背中を押してくれためぐみに報いたい。そして、一人ずつ少しずつ友達の輪を広げていきたいという、小さくても掻き消されそうでも、向上心を内に秘めているところが、ひめの良いところだと思います。

 今回フォーチュンは登場するものの台詞が無く、戦闘を見守るだけで立ち去りました。いざという時は出て行く腹つもりだったと思いますが、この話でフォーチュンが姿を見せるのも意味深に感じました。友達が欲しいけれど行動に映せず、それでも少しだけ踏み出す事ができたひめ=プリンセスと、友達不要で孤独に戦い続け、歩み寄りがまだ見えないフォーチュンが対称的に見えて来ます。

 さて、戦闘といえばなんといっても「チョイアークを両手に持って、それでサイアークを殴るラブリー」のインパクトが強烈すぎました(笑)。こんな戦い方をするプリキュアがかつて、そしてこれからもいただろうか。いやない(反語)。この後も目からビーム出したりと型破りな伝説を打ち立てて行くラブリーですが、今回のものはあまりに強烈で、「キュ荒ブリー」なる二つ名が付けられるのも無理ありませんでした(笑)。
 強力な腕っぷしといえば、和泉先生も・・・一体何者なんでしょう、あの方(笑)。

【今回のおめでとうメッセージ/キュアムーンライト】
 相変わらずお美しい。いや本当に美しいんですよ貴女は。ただ・・・なんか怖いっす(笑)
 うかつに触ると怪我するわよって感じがして、まるで学校行くのが嫌で駄々こねてるひめをシメに来たように思えてしまいました。さすがゆりさんは一味違います・
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まるっさ

キュ荒ブリー・・・巧く言ったものです(笑)。
あんなん悪魔・残虐超人も真っ青だよ!
ブラックやメロディ達のような男前系ではなくおっとりした顔つきのラブリーゆえのギャップがより一層・・・なのかも知れませんね。

正にニチアサアニメ!って感じのひめちゃんの巧妙な心理表現が見応えのある回でした。以降もこうした『踏み込んだ』描写が見られたのもこの作品の魅力だったと思います。

しかしこの回やっぱり印象深かったのはラストの夕暮れの中でのゆうゆうとのやりとりでしょう・・・ホント何もかもが素晴らしかったのですが、中でもそれを盛り上げたBGM 『ハピネスチャージプリキュア・メインテーマ』はホント良かったです。大抵の話で様々なアレンジで流れたこの曲はシリーズ屈指の名曲だと思います。この曲で終わると話も引き締まるし!
(劇場版のアレンジの数々がまたカッコいいのです!『怒りの反撃』とか!)

ではでは。

by まるっさ (2016-10-31 06:59) 

スティクス

>まるっささん
悪魔超人www あれならステカセキングどころか、悪魔将軍もビックリですね。
>おっとり
ラブリーは時折キリッとした顔つきになりますが、基本的には柔らか目ですね。おっしゃるとおり、そのギャップゆえのインパクトだと思います。これをフォーチュンがやったら、彼女ならやりそうとか納得しそうです。

>心理描写
32話とか、強烈でしたからね。このあたりの話にも早く触れたいですが、道はまだ遠いです・・・

>BGM
フォーチュンの曲とかもいいですし、あの「イノーセーンートー♪」も案外良いですし、高木さんの音楽、良いですね。
佐藤さん、高梨さん、高木さんと、代は代わっても都度最良の音楽がシリーズをに色を添えていて素晴らしいです。
by スティクス (2016-11-01 06:21) 

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