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ハピネスチャージプリキュア!第27話 『悩めるひめ!プリキュアチーム解散の危機!?』 [ハピネスチャージプリキュア!]

 ♪けんかをやめて~ ふたりをとめて~
 わたし~の~ため~に~ あらそ~わない~で~
 もうこ~れ~い~じょ~う~♪
  
 いおな先生と誠司の指導の下、夏休みの宿題に挑むめぐみ達。学年一位と二位の二人がいれば鬼に金棒。しかし先日の一件以来、ひめは誠司を変に意識しています。「数学が」好きだという誠司の言葉にも過剰に反応し、誤魔化すように部屋を出ました。
『どうしよう・・・誠司はめぐみの事が好きなのに、その誠司を好きになっちゃうなんて、これってまさか三角関係?』
 そこから友情の危機→プリキュア解散→世界平和の危機と、ネガティブスパイラルへ陥るひめ。その様子をゆうゆうが伺っています。

 お腹が空いて頭が回らないとめぐみが音を上げ、ひめも捗らないと漏らします。もっともひめが捗らないのは、誠司を意識しているからなのかもしれませんが・・・
 その誠司が、みんなのために昼食を作ると申し出ました。オムライスを作る手際も様になっており、文武両道で人望も厚く、さらに料理も得意と、まさに理想の男子です。
『お前のために作ったぜ』
 そんな誠司の姿を妄想し、あっちの世界へトリップしていたひめは、我に返って厨房から逃げ出しました。再びひめの様子を、ゆうゆうが思わせぶりに見守っています。

 誠司に普通に接することができないと、自室で悩んでいるひめのもとへ、ゆうゆうといおなが様子を見に来ます。ひめは恐る恐る二人に打ち明けました。
『じゃあ、言うけど・・・私、恋しちゃったみたい』
 いおなは呆然としてお盆を落とし、しばしの間。そして相手が誠司と聞いたリボンの絶叫が響きます。もっともゆうゆうは薄々気付いていましたが、寝耳に水のいおなとリボンは取り乱すばかり。とりあえず二人の相性を占ってみると、幸か不幸か相性はバッチリとの結果です。
 リボンはひめに恋愛は早すぎると、またプリキュアは恋愛禁止だと真っ向から否定。いおなもまた、チームワークの乱れを懸念して、ブルーが恋愛禁止にこだわる理由を理解しました。

『私が間違っていました。神様の言う通り、プリキュアは恋愛禁止であるべきです』
 食事をしようとした矢先、突然いおなに頭を下げられ、ブルーも困惑気味です。その傍らでひめが固まっています。めぐみは様子がおかしいひめのために、力になりたいと申し出ますが、この状況ではお節介にしかなりません。ひめは言いにくそうに切り出しました。
『AさんとBさんがいて、BさんはAさんが好きなんだけど、BさんのことをCさんが好きになっちゃって、でもCさんとAさんは友達で・・・』
 Aさんをピンク、Bさんを赤、Cさんを青の皿に例えての説明を聞き、
『でもAさんとCさんは友達なんでしょ?なら大丈夫。心配ないよ』
 めぐみは自分が当事者とも知らずに助言しますが・・・
 誠司が作ってくれたオムライスの、ハート型ケチャップも、ひめの胸を痛ませます。そして先程の話はひめの事ではないかとぐらさんに指摘され、リボンとともに全否定。ゆうゆうはめぐみにも水を向けます。
『ところでめぐみちゃんは?誰かに恋したりしてないの?』
 めぐみの心に浮かぶ、ブルーの面影。それを振り払うように否定するも、
『めぐみまで恋愛に夢中になったりしたら、地球の平和の危機だ』
 真顔にブルーに言われて苦笑するめぐみを、寂しげな目で見つめる誠司、その誠司を見つめるひめ。Aさんを見つめるBさんを見つめるCさん、という関係そのものです。

 ひめはゆうゆうと一緒に食器を片付ける際、先ほどめぐみの様子がおかしかった事を尋ねました。
『本当は好きな人いるんじゃないかな?』
 ゆうゆうはめぐみがブルーに関心を持っていると気付いていました。同時にそれはまだ恋愛未満の感情ということも。ひめはもしめぐみとブルーがくっついてしまえば、誠司は失恋してしまうのではないかと心配します。
『それでも相楽君は暖かく見守るんじゃないかな?めぐみちゃんの幸せを願って』
『でも、それってなんか切ないっていうか、誠司かわいそう』
『ひめちゃんは?もし相楽君とめぐみちゃんがカップルになったら、見守らない?』
 ひめにはまだ、その答えはわかりません。そしてゆうゆうはこれまで殆ど明かしてこなかった、自信の恋愛体験について語りました。
『私ね、前に一度ものすごく恋をした事があって。その時たとえ自分は好きになってもらえなくても、相手には幸せになって欲しいと思ったんだ。大好きだったから』
 
 気を取り直して、午後も宿題に励むめぐみ達。誠司はブルーと一緒にお茶を淹れています。タイミングがタイミングだけに、少し気になるのですが・・・
『神様、聞いていいかな?みんな恋がどうとか騒いでるけど、どう思う?』
 誠司はポットを置き、ブルーに問いかけました。
『プリキュアは恋愛禁止と言いつつも、僕は地球の神だから。生きとし生けるもの全ての幸せを望んでいるよ』
『・・・めぐみの幸せも?』
『めぐみの?もちろんだよ』
 それは誠司が期待する答えになっていないようですが・・・神と人間の越えられない壁のように、微妙に齟齬をきたしています。
『ここじゃ話にくい。ちょっと付き合ってもらえるかな?』
 誠司はブルーを体育館裏に誘い出しました。

 ひめは誠司とブルーがめぐみを巡っての恋敵になるのではないかと、要らぬ心配をしています。
『神様!めぐみの事どう思ってるんだ!?』
『君には関係の無い事だ』
 ひめの妄想の中で、鎧を身に着け一対一の決闘を繰り広げる二人。激しく剣を交える二人を、お姫様衣装のめぐみが止めに入ります。誠司はそれを振り切り、ブルーに切りかかりました。
『やめてぇぇええええ!』
 めぐみの悲鳴が響き渡ります。

 ここでひめの妄想終了。これはマズいと焦っていると、本当にブルーと誠司が大使館からいなくなっていました。キュアラインで呼んでも応答がありません。まさか、ひめの妄想は現実に・・・?
『とにかくケンカを止めないと!』
 もちろん慌てているのはひめ一人。めぐみ達はみんな、きょとんとしています。

 誠司とブルーは公園に来ていました。
『俺はめぐみの事を家族と同じくらい大切に思っている。神様はどうなんだ?』
 ブルーは誠司に歩み寄りながら答えます。もちろん大切だ、と。一番大切かという問いに対しては、大切なものに一番も二番も無い、と。
『じゃあ、女の中では一番か?』
 ブルーはしばし考え、その問いには答えずに噴水へ目を落しました。
『誠司君。君は本当にめぐみの事を大切に思っているんだね。かつて僕にもそう言う人が居た。でも今は、この星に生きるもの全てを大切に思っている。神様だからね』
『それじゃ、めぐみが可哀想だ・・・』
 誠司は頭を冷やしてくると言い残して、その場を後にしました。

 一人河川敷で、沈む夕日を見つめる誠司。すると・・・
『めんどくさいですな。あなた恋に振り回されていますね』
 突如ナマケルダさんがその横に現れました。傍から見ると誠司の相談に乗ってあげているようにも見えますが(笑)。誠司は心配して追って来たひめの前で鏡に閉じ込められ、サイアークが出現。ひめは誠司を救うべく、単身変身します。

『ほう、彼の恋のお相手はあなたでしたか』
『へ・・・?ち、違うし!』
 赤くなって否定するプリンセスに、サイアークの正拳突きが迫ります。空手の達人である誠司が素体だけに強く、さらにフライパンを攻守に活用する強敵です。危うしプリンセス!その時、ラブリー達が駆けつけました。そして誠司が利用されたと知って憤ります。

『その少年、恋にお悩みのようでしたから、私が少しアドバイスをしただけですぞ。悩むこと自体無駄で面倒だと』
 ナマケルダさんがけしかけるチョイアークをあっさりと撃退し、残るはサイアークのみ。
『ナマケルダ!誠司を元に戻して!』
『あなたこそがこの少年の恋のお相手でしたか』
 そう名指しで言われても、ラブリーにはまだ戸惑いしかありません。
『恋とか愛とか、わからないけど、私は誠司の事が大切なの!』
 気迫と共に猛打を叩き込むラブリーに触発されて、プリンセスも加勢。
『ラブリーの言葉、ズシンと来たわ!誠司は私にとっても大切な人だから取り戻しに行こう!ラブリー!』
 久々に二人の合わせ技、ツインミラクルパワーシュートでサイアークを撃退。
『せいぜい恋にうつつをぬかし、痛い目にあってみる事ですな』
 ナマケルダさんは思わせぶりな捨て台詞を残して引き上げて行きました。

 めぐみは誰よりも早く誠司に駆け寄りました。
『やっぱり、めぐみと誠司ってお似合いよね』
『だからこの先もずっと家族のように仲良しなんじゃないかな』
 帰り道、ひめは二人が家族みたいなままでいいのか疑問を抱きます。その答えはゆうゆうにも分かりません。だからこそ、見守って行くつもりでいます。そうするとひめは「失恋」したことになるのですが、さほど痛みを感じていません。
 リボンはひめが恋に恋していただけだと指摘し、ゆうゆうは危機的状況に置かれた時の胸の高鳴りを恋と勘違いしてしまう、いわゆる「吊り橋効果」だったのではないかと推察しました。試しに誠司を想って胸に手を当てても、ひめはもうときめきません。三角関係の悩みが解消され、これからも仲良くやって行けると喜びながら、視線の先で笑い合うめぐみと誠司を見つめました。
『本当に大切な人、か・・・』


 今回は揺れる心を描き出すような、象徴的な描写の数々が目を惹きました。
 まずは大使館での食事場面。めぐみが、ひめに相談に乗ると切り出した際、グラスの中の氷が割れる描写があります。めぐみは良くも悪くも鈍感な面があり、本人はあくまで善意のつもりでも、無神経に捉えられかねないことがしばしば見受けられます。これはめぐみの対応次第では、ひめとの関係が壊れる危険性を暗示しているように感じました。悪く言えばお節介。めぐみの欠点とも言うべき一面です。もっとも人間である以上、誰しも欠点はあります。それを次第に自覚し、少しずつ修正して行く事がめぐみの課題の一つと言えますが、今回ではまだ解決には至りません。

 次に印象的なのは、ゆうゆうが過去の恋愛について語る場面での、風に舞い散る花びらです。かつて恋心が儚く散った事を、さながら散る花弁になぞらえて描いているようです。しかしこの時ゆうゆうは窓から差し込む光の中にいて、ひめには光が届いていません。恋についての価値観を築き上げ、今では達観して悩むことが無くなったゆうゆうと、恋に戸惑いと恐れを抱いているひめを対比しているようです。
 それにしてもゆうゆうは普段から精神的に完成されており、落ち着いていますが、この恋愛観と達観ぶりはとても中二とは思えません。まるで恋の代わりに食を極めようと悟りを開いたかのようです。もっとも彼女はまだ若く、これからいい人に巡り合うことでしょう。これほど嫌味が無く素直な子ならば、引く手あまたでしょうし。ファントム?なにそれおいしいの?
 ところでゆうゆうの「激しい恋」の相手とは、やはり誠司なのでしょうか・・・。この後のエピソードでも語られずに終わりましたが、「あの二人の事は見守りたい」と常々言っている事と、今回ひめへのアドバイス内容からしても、誠司に惹かれていたというように見えます。もっとも明確に答えを出さなかった事で、視聴者の想像に委ねるという展開で良かったと思います。

 誠司とブルーがサシで会話をする場面では、厨房では紅茶に、公園では池に、誠司の心のざわめきを表すように波紋が広がっていました。誠司はブルーに問いかけた答えを聞いて納得したかったのではないかと思います。しかしブルーの答えは誠司を納得させるものではなく、心のざわめきを干渉したり打ち消したりすることに繋がっていません。それを象徴するように、波紋はいつまでも消えずに、ゆらゆらと揺れ続けていました。
 ブルーは人を見る目が確かで、誠司の「仕事が丁寧」「気配りが出来る」という評価は正しいです。しかし人の心の機知には鈍感なのか、誠司がなぜ呼び出したのかには気付いていないように見受けられます。神であるブルーは常々、「等しく」愛を注ぎ「全ての」幸せを望んでいると発言しています。うがった見方をすれば、生きとし生けるもの全てが平均的に不幸より幸福側に傾いていれば、それを構成する「個」の幸せや不幸についての認識が薄いように見えます。
 だからこそ、かつてミラージュ様を不幸にしてしまい、誠司の繊細な心の動きにも気が付かず、めぐみが自身に向けている気持ちにも気付かないのかもしれません。
 公園の場面では、影の中に誠司が、光の中にブルーが描かれています。過去プリキュアシリーズで幾度となく印象的に用いられた、光と影の描写。誠司の問いに応える際、ブルーは影の中に歩み寄って来ます。しかしブルーは神であり、神は本来、闇に染まる事はありません。(闇に染まった兄貴については、ひとまず置いておきます)。闇の中に足を踏み込んでも、その中にいる者の苦悩を完全に理解しえないのかもしれません。
 もっとも、ブルーは最終的に「彼女」と添い遂げる道を選びます。ブルーもめぐみ達と出会い過ごす日々の中で人の心を学んで理解し、その選択をしたのだと思います。悠久の昔から存在し、これから先も存在し続けるであろうブルーの時間感覚からすれば、今めぐみ達と過ごしている時間はおろか、かつてミラージュ様と過ごした300年前という時間も、ほんの一瞬でしかないはずです。その短い間でも、人(神)は変わり得るということを体現したのがブルーなのかもしれません。

 ひめの妄想の中に出てくる、誠司とブルーの対決は妙に力が入っていて楽しめました。
 本来ブルーは「悪い笑顔」など浮かべないのですが、それがやけに似合っているのが(笑)
 もっとも、妄想の中のブルーは「心配ない。彼を傷つけたりしないよ」という余裕を見せています。この余裕は時に上から目線のようになります。そしてこの余裕は、実際のブルーも持ち合わせています。それが噛み合わない会話と共に、誠司を苛立たせる一因となっていました。
 ところで対決に割って入るめぐみは、冒頭でネタにしたあの歌の歌詞みたいでした(笑)。もっともあの歌詞、正直ヒドい内容だと思いますが。

 河川敷で一人夕陽を見る誠司の傍らでは、桔梗の花が揺れています。桔梗の花言葉は「深い愛情」。それが揺れていることを描いているようです。
 誠司は常々非の打ちどころの無い好人物として描かれ、今回だけでもひめとブルーから高く評価されています。ゆうゆうも、仮にめぐみが他の誰かを好きになっても暖かく見守るのではないかと評しています。しかし誠司もまた一人の人間。嫉妬という感情を完全に封じることなど出来ませんでした。むしろ、嫉妬を全く持たない人間からは、人間らしさが感じられません。
 人間だからこそ悩み、苛立ち、迷う。誠司にとっては、これから長い間密かに悩みを抱える事になってしまいますが、それも彼を成長させるための試練なのかもしれません。もっとも、先の展開が分かっていても気の毒なのですが・・・。

 ところで、ひめが抱いたときめきは「吊り橋効果」として解決されてしまいました。本当にそうだったのか、少々釈然としない気もします。しかしプリキュアで三角関係の果てに失恋という描写はそぐわないため、吊り橋効果を持ち出して「平和的解決」へと着地させたのではないかと考えました。

 例の如く固い話をくだくだしく書いてしまったので、口直しを・・・
 恋愛ネタになると途端にウブになるいおなが可愛いです。お盆を落とし、頭を抱えてアタフタする姿など、ほんの数話前まで想像もつかない姿でした。
 そしていおな先生、似合いすぎて可愛いです♥。僕にも個人授業を(以下自粛)

 そしてハピネスチャ―ジプリキュアも、今回から新EDになりました。こちらも気合入りまくりの技術力で、新たに加わったハニーとフォーチュンのモデリングも可愛いです。ただ個人的な好みで言えば、前期EDの完成度が圧倒的だったので、以前の方が好きだったかもしれません。
 ちなみに一番ツボだったのはドラム叩いているぐらさんだったりします。

【今回のおめでとうメッセージ/キュアロゼッタ】
 色こそ黄色に変わりますが、高橋作品から3話連続登場。
 彼女を知らない人が見たら、まさかこの子がドキドキ!チーム最強の腕っぷしを誇るとは考えられないでしょう。優雅で上品、落ち着いた物腰は相変わらずです。
 引き続き、不肖私めと共に、愛を育んでまいりま(以下クシャポイされました)
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