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Go!プリンセスプリキュア 第31話『新学期!新たな夢と新たなる脅威!』 [Go!プリンセスプリキュア]

 新学期。夏の終わりの気怠さなどとは無縁のモチベーションの高さは、さすが夢を追い求める生徒達の学び舎というべきでしょうか。そのノーブル学園に於いても、今はまだ目標が無くとも、これから夢を育んでいく子も、もちろんいます。
 新たに生まれる夢。そして新たに生まれる闇のしもべたち。
 さらに輪をかけて「あの男」が帰って来ます。そして「あの人」も・・・
  
 美しい花畑に佇むキュアフローラの行く手に、会いたかった「あの人」の後ろ姿が見えます。こちらへ向き直る「あの人」が微笑を浮かべるのを見て、フローラは涙を浮かべながら「あの人」の名を呼び駆け寄ります。
『カナタ!会いたかったよ!』
 突然、パフが乱入。それはお約束どおり、はるかが見ていた夢でした。しかも今日は始業式の朝。ゆいちゃんは幸せそうに寝ていたはるかに遠慮して起こさなかったようですが、これでは初日から遅刻です。はるかは慌てて支度を始め、なんとか登校までに身支度を整えました。
『二学期も張り切ってレッツゴー!』

 森。庭園。街角。そして、花壇。
 どこからともなく降り注ぐ、怪しげな種が不気味に根を下ろし・・・ 

 夏休みの宿題をきちんと提出したことで、はるかもノーブル学園の生徒らしくなったと褒められました。その喜びをかみしめていると、ふと窓際に飾られている花が目に留まります。

 新学期が始まったところで、プリンセスレッスンも久々にスタート。本日の課題はフラワーアレンジメントです。はるかの作品はBadでも無いけれどGoodとも言えない、要するに可もなく不可も無くと評されます。
『こういうのはセンスだからね』
 きららは流石に万能の天才ぶりを見せつけており、みなみもおそらく無難にこなすことでしょう。そしてトワはロックの素体となっていた妖精の子の容体を案じています。
 実はロックの本体はパーカーの方で、先日の戦いで敗れた後、憑りつかれていた妖精クロロが解放されたのでした。クロロは未だ目を覚ましません。
 それでもシャムール先生が面倒を見てくれるなら安心です。プリンセスパレスを手に入れ、ドレスアップキーも全て揃い、新しいキーも手に入りました。流れは上向きになっています。ならばカナタとの再会も叶わぬ夢ではありません。はるかは今朝カナタの夢を見たことはもうすぐ再会できる前触れだと感じており、高いモチベーションを維持したまま、最近手入れを怠っていた花壇の草むしりへと、張り切って出かけて行きました。ところでみんなの前でジャージに生着替えしたのでしょうか(ゲフンゲフン)

 ところが花壇は既にきれいになっていて、人知れず草むしりをしている子がいます。
『ごっきげんよう!!』
『ご・・・ごめんなさーい!!!!!」
 声を掛けられていきなり謝ってしまったのは、クラスメイトのはなえちゃん。内気な彼女は話しかけられるのに慣れていないようですが、しばらくお話するうちに花好きのはるかと意気投合します。
『同じクラスにこんなに気が合う人がいるなんて、もっと早く話せばよかったね!』
 思いがけず友達が出来て、はなえちゃんは少しはにかみながら、嬉しそうに頷きました。

 それを監視するように、一羽のカラスが飛んでいます。

 夏の花の後は、秋に何を植えるかについて、流し台で盛り上がる二人。はなえちゃんのプロのようなセンスに、はるかはすっかり感心しています。
『はなえちゃん、お花屋さんとかになるの?』
『え?考えた事無かったな』
 夢あふれる生徒達が集うノーブル学園に在籍していながら、特に夢を持っていない事を、はなえちゃんは密かに気にしていました。
『そんなの関係無いよ!夢は誰にでも持てる宝物だよ』
 はるかは花を差し出しながら、はなえちゃんを励まします。
『宝物・・・そうだね』
 花瓶に生けられたその花を見て、はるかは教室に飾ってあった花は、はなえちゃんの手によるものだと気づきました。そしてオフィスや結婚式の花をプロデュースする「フラワーコーディネーター」の仕事を提案します。はなえちゃんも関心を持ち、新たな夢が、ここに生まれました。
『でしょ?はなえちゃんにピッタリだよ。私、応援するよ』
『不思議。はるかちゃんが応援してくれるなら、なれる気がする』
 はるかは先程上手くいかなかったフラワーアレンジメントのアドバイスを求めると、はなえちゃんも快諾。はるかは花を取りに戻りました。流し台に一人残るはなえちゃんは、新たな目標に胸踊らせます。夕陽に照らされた窓を、カラスが横切ったことに気付かないほど・・・

 夕焼けの空を、カラスが埋め尽くさんばかりに飛び交っています。

 異様な光景を前に立ちすくむはるかを目がけて、一羽のカラスが突っ込んできます。トワが飛び込み事無きを得て、異変に気付いたみなみ、きららも駆け付けました。
 皆の前で、カラスが「あの男」へと姿を変えます。
『見つけたぜ、キュアフローラ・・・地獄の底から舞い戻って来たぜ、プリンセスプリキュア。お前らを倒すためにな』
 目の前に現れた、見覚えのある「あの男」の名を、はるかは戦慄と共に呟きました。
『・・・クローズ!』
『キュアフローラ・・・お前の夢、オレが絶望に染めてやるぜ!!』
 クローズが花壇の花を枯らすのを見て、慄いていた彼女達は我に返り、変身。

『久しぶりだな、その姿』
 クローズは余裕を崩さず、経験を積み強くなったはずのフローラ、マーメイド、トゥインクルを軽々とあしらいます。初対面となるスカーレットさえも、問題にしません。
『お前がキュアスカーレットか。どれほど熱い炎かと思ったが、ぬるいぜ!』
 そして自分が出るまでも無いと、種から新たな闇の者達を、ゼツボーグとも違う無機質な二人、ストップとフリーズを生み出しました。クローズに命じられた二人が目を付けたのは、先程生まれたばかりの新しい夢です。
 直ちに流し台のはなえちゃんの元へ移動し、フラワーコーディネーターになって素敵なアレンジメントを作りたいという夢を絶望の檻に閉じ込め、ゼツボーグを生み出しました。
『夢は、止まった』

 はなえちゃんの夢が利用された事、そして花を攻撃に利用する事に憤り、ゼツボーグに対するフローラ達。しかし花のミサイルはいくら振り払っても無尽蔵に襲いかかって来ます。
『花をこんなことに使うなんて』
『花は咲いたら必ず枯れる。そういうもんだろ』
『それでも・・・花はまた咲くよ!』
 クローズを真っ直ぐ見据えながら、フローラはローズトルビヨンで花ミサイルを打消します。マーメイドとトゥインクルがゼツボーグを引き付け、スカーレットの追撃が続きます。息つかせぬ連続攻撃にゼツボーグが体勢を崩した隙を付き、エクラエスポワールで浄化しました。

『夢、止まらなかったな』『止められなかったな』
『だが、絶望した』
 ストップとフリーズが機械のように無機質に発する言葉は、フローラに不吉な予感を抱かせます。
『花は何度でも咲く。絶望も同じだぜ。絶望は絶望を育てて大きくなる』
 クローズも意味深な言葉を残し、引き上げて行きました。

 はなえちゃんの夢は無事に解放しました。
『はなえちゃん。夢を咲かせてね』
 しかしクローズの復活、夢が絶望を育てるという不吉な言葉が、得体の知れない不安を抱かせます。

『我らの城は無くなり、残るは空しさのみ。ああ、これから一体どうすれば』
 ホームレスになったことを嘆きながら彷徨うシャットの背後に、クローズが現れました。突然の復活に驚いたのはシャットさんも同様。ところが立場はすっかり逆転しています。
『つまらねえ裏切り者だったが、まあいい。自分の絶望でこいつを満タンにしたんだからな』
 その言葉に、シャットさんはロックが倒された事を察しました。
『絶望は消えやしない。音も無く気配も無く、夢見る者達に忍び寄り、そして突然現れる』
 まさに突然、茨が茂り、絶望の森が出現しました。茨は巨大に伸び続け、城を形成します。
『お帰りなさいませ、ディスピア様』
 クローズは主を迎え入れ、かしずきながら報告します。
『絶望の種、仰せの通り蒔いてまいりました。これからゆっくり根を張り、大きく育っていくでしょう。奴らの世界に』
 シャットさんはディスピアに、ストップ、フリーズと共にクローズの配下として行動するよう命じられました。ここから彼の転落人生まっしぐらに・・・(笑)

 その夜。はなえちゃんのアドバイスではるかが仕上げた花が、良い出来栄えになりました。
 暗い夜にも花は咲きます。
 そして、夜の海に佇む「あの人」の影。これは希望の花となるのか、それとも・・・?


 まず、当時驚かされたクローズの復活。前回の次回予告で見た時には驚きました。予告で出てこなければもっと驚いたかもしれませんが、「予告が持っていく」のはプリキュアシリーズの伝統でもありますし、逆に次回何が起こるのだろうと想像を掻き立てられる楽しみもあります。
 そのクローズですが、粗暴さや荒々しさはそのままで、以前見られた小物感が無くなり落ち着きと貫録が感じられるのが、単なる「再生怪人」とは一味違います。
「再生怪人は弱い」という伝統芸?がありますが、ことプリキュアにおいては当てはまりません。倒された敵幹部が、敵のままで復活するのはスプラッシュスター以来の事です。この時もダークフォールの皆さんは満と薫の助力が無いと太刀打ちできない強さを持ち合わせていました。人は死線を潜り抜け、修羅場を体験すると成長するものです。クローズもまた、あの戦いを経て何かを得たのかもしれません。
 クローズがなぜ復活したかは、真殿さんの熱演に打たれたスタッフの皆さんが復活の方向性を探ったという事は後で知りましたが、これは作中世界では関わりの無い事なので、彼を復活させた要因についてはストーリー上では語られていません。ヒントとなり得るのは最終回の「絶望は消えない」でしょうか。消えないからこそ、絶望のしもべである彼自身も消える事は無く、何度でも蘇るのでしょう。
 それはスイートプリキュアにおける悲しみの権化だったノイズと同じ事です。今ここでプリンセスプリキュアの最終回について多きを語ってしまうと本末転倒なので、これ以上は言及しません。しかし、ロックにキーを奪われた際に抱いた不安や、いまだ不明なカナタの安否など、マイナスの要因が再びクローズを呼び覚ましたのかもしれません。

 ストップとフリーズについては、人間味あふれる三銃士や他シリーズの敵幹部とは異なる無機質さが独特の存在感を醸し出しています。それ故に感情移入しづらいところがありますが、時にはロボットのような無感情、無慈悲さもあって然るべきかと思います。
 もっともこの二人のトレードマークである「変なポーズ」という個性もありますが・・・。再見までは、話が進むにつれていつの間にか定着したものだと思っていました。ところが今回の初登場時で既に変なポーズ取っていたとは、すっかり失念していました。
 それにしても夕暮れの人気が無い廊下で、突然こんな二人に挟まれたら相当怖そうです。はなえちゃんが檻に閉じ込められるのも無理はありません(苦笑)

 クローズの復活と、ストップ&フリーズの登場と重なってしまったために、はなえちゃんの存在感がやや薄くなってしまったのが少し残念ではあります。今まで登場した人たちは皆明確な夢を持っていた中、はるかのアドバイスで夢を見つけたというのは珍しく、希少な存在なのですが・・・
 そうは言っても、せいら先輩から勝ち気な要素を取り払って内気さをミックスしたような彼女の佇まいは、なかなか魅力的です。そして自分に自信を持てなかった子が、些細な出来事をきっかけに夢を実らせる様にも印象深いものがありました。

『夢は誰にでも持てる宝物だよ』
 ここの再開後の私は時折触れておりますが、傍から見れば「夢を叶えた」と言っても過言では無い仕事に就く事が出来ています。そして贅沢な悩みだとは思いますが、その夢を叶えた先にある現実の厳しさに、心折れそうな事も日常茶飯事です。そんな私は時折、現実逃避のような夢を想像する事があります。しかしそれは、はるかが後押ししてくれるような「夢」ではないと思います。夢を叶えたならば、それを叶え続け、その道を走り続ける事こそを、彼女は応援してくれる筈です。そう考えて、はるかに恥じないよう、改めてまた頑張ろうという気にさせられました。

 一方で、はるか=フローラが「絶望」について少し目を向けさせられた一編かもしれません。ストップとフリーズは、以降去り際に「だが絶望した」と言って引き上げるのが定番の流れとなりますが、今回その台詞は明確にフローラに向けられていました。これにはフローラ自身も戸惑いを隠せず、戦闘中のクローズの台詞、
『絶望は消えやしない。音も無く気配も無く、夢見る者達に忍び寄り、そして突然現れる』
 もまた、彼女の心に影を落としているように見受けられます。既に先の展開、特に38話と39話を知っているからこそ、そのように観てしまうのかもしれませんが、これは近いうちにフローラが音も無く忍び寄り突然現れる絶望に打ちひしがれてしまう事の伏線だったのかもしれません。

 さて、あまりプリキュアと関係ない作品の、それも中の人ネタを出すのは少々憚られますが、放映当時は「Shirobako」の感動が記憶に新しかった頃なので、ムサニ原画の絵麻(ゆいちゃん)と弟子的存在の久乃木愛ちゃん(ストップ)、絵麻の親友で新人声優ずかちゃん(はなえちゃん)と、その師匠の縦尾先生(座間先生)。ゲストとしてオーディション会議を引っ掻き回してくれた屋良瀬(クローズ)というキャスト陣に、感慨深いものがありました。クローズと一緒に会議をかき回してくれたのはリーヴァとオレスキーですし、振り回される側にはギリンマ君やドロドロンがいますし(キリが無いのでこの辺で止めます)
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MP

プリキュアでは二学期に入り、また前回倒されたロックは妖精にパーカーだったという設定(バッドエンド幹部同様、妖精が変貌したのかと思った)、そして何より驚いたのが、第11話で倒されたクローズの再登場です!! プリキュアでワルが再生するというのは、「SS」のダークフォール5戦士以来、この間は倒されるか倒されない(大抵は改心&浄化だがジコチュートリオの例もありその後クローズが)となっており、再登場ってのはホント久々でした。

またディスダーク陣営にも新メンバー。ストップとフリーズというコンビです。コンビワルというと、「映画MH2」のココ&ギリンマ…いやフリーズンとフローズン、「5GoGo」のイソーギンとヤドカーン、「ドキドキ」のリーヴァとグーラ以来です。当時は「フリ・フロやイソ・ヤドみたいに、土壇場になって口論して負けるだろ」と思ってましたが、コンビワルではめずらしく最後まで口論しない状態。これも無機質ってキャラだからでしょうか。

こういう陣営になった事で、再三述べてる様に、いよいよシャットが転落人生、即ち「第2のブンビー」へ。そしてロックと共にラストであの状態に。
by MP (2017-05-26 08:27) 

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