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魔法つかいプリキュア!第31話『結晶する想い!虹色のアレキサンドライト!!』 [魔法つかいプリキュア!]

 リアルタイム視聴時、私はこのエピソードについて「行き詰った時や迷った時はシンプルに原点回帰」との感想を書いていました。この時は久々にプリキュア感想を始めた直後で方向性をどうしようか迷っていたこともあり、肩の力を抜いて楽しもうとした意図が伺えます。
 実際には、異空間で分断されるみらい達。本気を出すラブー。未だ素性が伺えないシャーキンスとベニーギョの不気味な存在感など、肩の力を抜いて楽しむどころではない内容なのですが・・・
  
 魔法界で過ごした夏休みの思い出をお土産に、ナシマホウ界への帰り道の車内。リコはどこか上の空で、流れる車窓に目を向けています。頑張って、立派な魔法使いになって、それから何をしたいのか。リズ先生に打ち明けた悩みが未だに尾を引いています。
 ことはも迷っていました。なぜ努力や勉強せずとも、人より優れた魔法が使えるのか。答えは分かりません。カタツムリニアはただ真っ直ぐ、先の見えない二人と対照的に、敷かれたレールの上を走ります。
 時同じくして、水晶さんに新たなお告げが届きました。
「古よりの伝説は終わりを迎える」なる不吉な予言は、魔法使いプリキュアのことか、それとも・・・?

 シャーキンスとベニーギョの影も、先日目の当たりにしたプリキュアの実力に懸念を抱いています。未だ意識だけで肉体が封印されたままの彼らに代わり、前の敗戦に屈辱を抱いたラブーが、いつになくやる気を燃やして出撃して行きました。
『魔法なんてチンケなもんに俺が負けるもんかよ』

 お待ちかねの車内販売、エスカーゴが回って来ました。最近品薄の冷凍みかんも販売していて、リコは物欲しそうなみらいとことはのために購入し、解凍します。苦手にしていた解凍魔法も成功。もっともリコは自分が口に入れるまで半信半疑だったようで、安堵しました。
『今まで何回も食べたけど、今日のが一番おいしい』
 それはリコの解凍魔法が成功しただけではありません。
『リコとはーちゃんとモフルンと、みんなで一緒に食べるからだよ』
 
 ことはとモフルンが冷凍みかんをお代わりしようとした時、網棚の上に乗せた荷物やヤドネムリンの殻が落ちるほどの揺れが客車を襲いました。窓の外を見ると、カタツムリニアの機関車が見当たりません。客車だけが異空間に取り残されています。ほうきで周囲を探してみても、カタツムリニアどころか線路さえもありませんでした。
 ここは魔法界とナシマホウ界の狭間の空間で、カタツムリニア以外は行き来できず、助けが来るのを待つしかありません。

『待っても無駄だから。お嬢ちゃん達はここでおしまいだからね』
 ラブーが あらわれた!
 ラブーは おおきく いきを すいこんだ!
 なんと ラブーのからだが みるみる おおきくなっていく!
 みらいと リコは ちからを あわせて ダイヤスタイルにへんしんした!
 ことはは フェリーチェに へんしんした!

 巨大化したラブーは三人の攻撃をもろともせず、諸手突きで押しだします。タンザナイトの目くらましも、ピンクトルマリンの援護を受けたアクアマリンの冷気も、ラブーにアイスクリーム頭痛を起こさせる程度の威力しかありません。
 巻き返そうにもガーネットやペリドットの攻撃も効かず、挙句には
『お嬢さん お入んなさい』
 などと縄跳びのように茶化され、完全に遊ばれています。
 続けて四股を踏んで突っ込んでくるラブーをムーンストーンやアメジストで防ごうとしても、押し切られ、砕かれ、打つ手がありません。
 これほどの力の差を見せつけながら、ラブーはまだ手を抜いていました。そろそろ本気出そうと繰り出したパンチ、その風圧だけで三人は吹き飛ばされ、モフルンが乗る客車にもその余波が襲って来ます。

 みらい達が行方不明になった事は校長も察しましたが、水晶さんの声も届かず、連絡を取る術がありません。
『伝説の終わりとは、まさか・・・』
 先程の水晶さんの予言を思い出し、不吉な予感を抱きます。

 客車から投げ出され、空間を彷徨っていたモフルンは、なんとかレインボーキャリッジを見つけました。しかしミラクルもマジカルも、フェリーチェも見当たりません。周囲は一面、闇です。

『よお、お嬢ちゃん。ほんの小手調べのつもりだったのにさ、みんな吹っ飛んじまったね』
 ミラクルも、気がついた時には闇の中にただ一人。ラブーに力なく訴えることしかできません。
『みんなを・・・みんなを・・・返して』
 ラブーは容赦なく、再びパンチを放ちました。拳は直撃せずとも、風圧がミラクルを跳ね飛ばします。
『本当にもう、私たちには何も残ってないの・・・?』

『みんなを探さなくちゃいけないのに、こんな時に何もできないなんて・・・何が立派な魔法使いよ』
『私の力、肝心な時に役に立たないなんて、一体何のための魔法なの・・・』
 マジカルも、フェリーチェも、分断されて不安に駆られ、闇に包まれ嘆くことしかできません。

 不意にミラクルの指先に杖が触れました。
『私の・・・魔法の杖・・・』
 リコとの出会い、はーちゃんからことはを育て上げた事、魔法界のみんなとの出会い、そして動くようになったモフルン・・・魔法がこんなにも素敵な出会いを引きあわせてくれた事を、ミラクルは改めて思い出しました。
『私には、まだ・・・魔法がある!』
 ミラクルの目に、光が戻りました。

 杖を手に取ると光が生じ、その輝きをモフルンが見つけます。そしてマジカルとフェリーチェは、ミラクルの「言葉」を受け取りました。
『今の声は』
『ミラクル・・・』
 マジカルもフェリーチェも、これまで過ごした日々を振り返りながら、壁と向き合います。
『立派な魔法使いって何なのか、やっぱりまだわからない。立派な魔法って何なのか。でも・・・魔法があったからつながれた。もう一度また、みんなと、繋がりたい!』
『何もわからない。私の力の事も記憶の事も。だけど・・・悩みなんか忘れるくらい、みんなと一緒にいると楽しい。過去の事は解らないけど、いつまでもみんなと一緒に笑顔でいたい』

 再び立ち上がったミラクルを前にして、ラブーはナメきったままです。魔法はムホーに比べ取るに足らない力とたかをくくり、 再び拳を繰り出しますが、ミラクルは持ちこたえました。
『まだよ!必ずまたみんなと会うんだから!』
 みらいの意志の強さを、校長も信じています。
『例え古き伝説が終わろうとも、必ず新しい伝説を紡いでいくはずじゃ!』

 ミラクルから輝く光は闇夜を照らす灯台のようです。その光を目指し、マジカルとフェリーチェが合流しました。三人が手を取り合うと同時に、新たなリンクルストーン、アレキサンドライトが姿を現しました。それだけでなく、三人は新たな姿オーバーザレインボーへと変わります。そしてレインボーキャリッジと共にモフルンも合流。
『巡り合う奇跡よ』
『繋がる魔法よ』
『育まれし幸せよ』
『今、私たちの手に』
 レインボーキャリッジの遊び方をレクチャーしながら力を開放させながら、虹を生み出して行きます。新たな大技、エクストリームレインボー。その虹色の光が、ラブーを文字通り虹のかなたへと消し去りました。

 ラブーの気配が消えたことに危機感を抱くシャーキンスとベニーギョの影。いつまでも寝ている場合ではないと、シャーキンスは肉体の封印を解き始めました。って、お前自分で出られるのかよw

 客車に戻ったところで、みらいは張りつめた心が緩んだのか、その場にへたり込みました。
『もう駄目かと思っちゃったよ。でも良かった。またみんなと会えて』
 みらいの隣にはリコがいます。ことはがいます。そしてモフルンもいます。そして先程の光に気付いたのか、カタツムリニアが迎えに来ました。
 存在が知られていなかった13個目のリンクルストーンや、突然現れた果物やら星やら月といったよくわからん小さな妖精達など、謎は深まるばかりです。
『次から次に、何なのよ!』


 冒頭で触れたように、作中で実際に追い込まれ、行き詰ったみらい、リコ、ことはが「魔法」という原点を見つめ直して再起する。ある意味「王道」と言える展開です。
 そしてリアル放映当時、希望部署に異動を果たしていた私は、異動前に燃えていた夢や目標を見失いがちで、壁にぶつかっていた時期でした。
 そのため当時の私は、みらいとリコの出会い、何気なく過ごした日々を経て、「魔法はワクワクもん」「魔法があったからつながった」「いつまでもみんなと一緒に笑顔でいたい」というシンプルな答えに希望を見出す姿に、異動を志願した頃の気持ちを重ね合わせ、再び頑張ろうと言う気持ちを抱いたと記述しています。
 それから9か月。ここまでの間に何度も仕事上の問題に直面し、時折プリキュア感想記事内で自分を奮い立たせるようなことを書き連ねたりしながら、なんとか続けて来ています。仕事とプリキュア視聴・感想の両立を続けてこられたきっかけは、このエピソードにあったのかもしれません。

 もっともこの時期は恒例の新規アイテム販促が必須で、並行視聴しているプリンセスプリキュアでは「プリンセスパレス」、ハピネスチャージでは「シャイニングメイクドレッサー」と続いています。この並行3作だけでなく、さらにさかのぼっても毎年この時期は必ず新規アイテムが絡むため、必ず窮地に陥り、それを乗り越えるエピソードが描かれます。
 今回は個人的に少々気になる点も見受けられたものの、「原点回帰」に主眼を置いた描き方は満足行く内容でした。

 それにしてもラブーがこれほど早く退場するとは、当時は予想外でした。前回予告の時点で死亡フラグが立っており、危惧されていたことが現実になるとは・・・
 フレッシュ以前の敵幹部は、マックスハートの4人やブンビーさんのような例外を除いて、概ね6~8回程度出撃して退場という流れが一般的だったため、タイミングとしては有りです。しかしラブーの鷹揚な態度や、ヤモーを使っての様子見など、「木を見て森を見られる」タイプの敵だと思っていたので、当時はもう少し掘り下げてもらいたい気もしていました。彼が利用したヤモーのように、シャーキンスとベニーギョから見た先鋒のようになってしまったのが皮肉です。
 ところで、やたらとラブーが諸手突きやら四股やら、相撲っぽい動きをしていたのは、当時秋場所の少し前だったからでしょうか(笑)。再視聴の今は夏場所中という、奇妙な縁を感じます。
 
 リコが詰まっていた問題は、夢を叶えた先にあるものについてです。夢は叶える事よりも叶え続ける事の方が難しいと、私は常々言及しています。
 相撲ネタを切り出したのも何かの縁。例えば横綱になる事は難しいですが、横綱の地位を保ち続ける事の方がはるかに難しいものです。今場所途中休場となってしまった稀勢の里は、まだまだこれから。良い時期での壁にぶつかったと思います。横綱の地位につく事ではなく、その上で次々と目標を設定し、クリアすると新たな目標を設定して戦い続ける白鵬は本当に立派です。ぜひとも今の白鵬が抱いている夢、40回目の優勝を果たして頂きたいものです。

 ところで今回一番インパクトがあったのは、
「ついに冷凍みかんの解凍に成功するリコ」だったりします。
 モフデレラの時には盛大に失敗していたのに(笑)
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Msk-Mtn

 お久しぶりです。Msk-Mtnです。
 つい先日、このブログにふらっと訪れてみたら、まさか記事が更新されていたとは・・・。「いつの間に・・・」という思いが強く、かなりの衝撃を受けました。

 ブログを再開された理由については、「ああ、なるほどね」と納得しました(笑)。何なんでしょうね、あのアクシデントは。
 まあ、でも、私にとっては、朗報でした。このブログに訪れる楽しみがまたできた訳ですし。

 今話については、ラブーは、早い退場でしたね。今話を入れて4回しか出撃していませんでしたし。
 シャーキンスやペニーギョの登場が早ければ、入れ替わりに出撃したと思われ、今話の退場は避けられたかもしれませんが、そうなると、今回の新技に華がなくなってしまうのが気になるところ。販促事情も考えると、匙加減が難しいでしょうね。

 3年近く更新を休んでいただけに、語りたい事は山ほどあるようですが、無理はなさらずに、マイペースに更新して下さい。
by Msk-Mtn (2016-09-05 23:26) 

スティクス

>Msk-Mtnさん
お久しぶりです!コメントそしてTBありがとうございます。

あれだけ啖呵切って辞めた手前、おおっぴらに再会しましたというのがこっぱずかしく、細々と再開しておりました。
水臭いと言われてしまうかもしれませんが・・・

>何なんでしょうね、あのアクシデントは。
何をやるかと思えば、まさかの通販番組とは(笑)
おそらく大人の事情があるのでしょう。
そのおかげで、こうして再びお話できるので、結果オーライですね。

>販促事情も考えると、匙加減が難しいでしょうね。
こちらも大人の事情がありますが(笑)ストーリー上の破綻が無いのはさすがです。

引き続き「駅めぐり」なども交えてマイペースにやっていきますので、改めてよろしくお願い致します。
機会があれば酒でも飲みながら語り明かしましょう!
by スティクス (2016-09-06 22:33) 

山口勝

どうもです。

今回は去年同様販促と幹部退場を兼ねあった回でもあります(近日過去の記事にも触れて感想しようとは思いますが、去年の方が好きでしたね)。

前回の話から未だにリコ(夢)とことは(自分の存在意義)が、悩みを完全にすっきりしないまま帰っている道中に切羽詰まったラブーが迫り戦闘中にバラバラになった後の大逆転は中々見事でしたね。

中でも注目は、ここにきてラブーに対して強気な姿勢を保ち続けていたみらいが、リコ達と離れたことが原因で絶望に満ちている処ですね。

みらいにとっちゃリコ達と一緒にいないことを考えるのがありえない(初めて巡り合った時から)らしく、今までポジティブ思考とは全く反対になってしまいましたね。

そんなみらい達が、立ち上がり、再開し逆転で来たのは何より、ここまで積み上げた日々とそれを送るきっかけになった魔法の数々というのも、何より燃え上がらせますね。

新スタイルであるアレキサンドライトスタイル(オーバーザレインボーとも故障する人もいる)のかっこよさと技の一体感、そしてそれによって倒されるラブーの展開(実はトパーズで戦闘することなく終わった唯一の眷属)も、それまで前の話のもやもやを一気に吹き飛ばしましたね。

最後にリンクルストーンの精霊が登場しますが、これはもっと早い段階に来てもいいんだよと言いたいくらい可愛かったです(ストラップにしたいほど)。


by 山口勝 (2017-05-26 22:41) 

スティクス

>山口勝さん
なるべく肯定的に、また優劣をつけないように心がけたつもりですが、私も「好き嫌い」で言えばプリンセスプリキュアの30話~31話の方が好みだったりします。

>みらいが、リコ達と離れたことが原因で絶望に満ちている
この点も初代42話と似た展開と言えるのですが、あえて記事内で比較することは避けました。現在の作品を過去の名作と比べすぎるのも良くないかと思いまして・・・

>ここまで積み上げた日々とそれを送るきっかけになった魔法の数々
原点はシンプルに「魔法」というところは良かったと思います。プリンセスプリキュアで絶望に追い込まれたはるかが立ち直ったのも、「キラキラして可愛いから」というシンプルなものでしたから。

>実はトパーズで戦闘することなく終わった唯一の眷属
なるほど!言われてみれば、最近のトパーズはあの「モフデレラ」でしたから(笑)

>リンクルストーンの精霊
私はあんまりこれに対する思い入れが無く、もう一度観返して行くうちに考えが変わるかもしれません。
by スティクス (2017-05-27 21:34) 

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