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ハピネスチャージプリキュア!第36話 『愛がいっぱい!めぐみのイノセントバースデー!』 [ハピネスチャージプリキュア!]

 約10日ぶりの更新となりました。四半期決算絡みで忙しくなると予告したとはいえ、それ以上に仕事上で予想外のトラブルが重なり、この数日は、正直かなり心折れたのも事実です。
 自分のアイデンテティともいうべき「人助け」について壁にぶつかってしまうめぐみの姿は私自身にも重なり、なぜ私が今の職に就いているのか、改めて初心を考えさせられました。
  
 めぐみはお手伝いをさせてもらえず、ご機嫌斜め。それもその筈、今みんなが準備しているのはめぐみの誕生パーティです。そりゃあ、手伝わせてもらえる訳がありません。
 少々不貞腐れ気味だっためぐみですが、今日はお父さんが久々に帰ってくる日だと誠司に指摘され、笑顔を取り戻しました。

 その夜、帰宅した愛乃勝お父さんに、めぐみは幼子のように飛びつきます。勝さんの仕事は海外協力隊。途上国の村へ食料や蚊帳を届けた時の写真を、めぐみは尊敬の面持ちで見つめます。
 勝さんに、かおりさんは最近の体調について、良くもなっていないけれど悪くもなっていないと報告しました。それを聞いためぐみは急に深刻な顔で立ち上がります。
『大丈夫だよ!お母さんの病気は私が直してあげるから』
 ところがかおりさんは、めぐみの気持ちにお礼を言いつつ、大丈夫だと答えました。その気持ちを知る勝さんも、かおりさんの病気は完治させられずとも、薬をきちんと飲んでいれば日常生活に支障はないと補足します。
『それで、お母さんは大丈夫なの?』
『ありがとう。お母さんは幸せよ。素敵な旦那様がいて、可愛い娘がいる。お母さんの事を想ってくれる、めぐみのその気持ちだけで十分よ』

 めぐみはベランダで思い悩みながら、勝さんに胸の内を明かしました。
『私ね、少し気が抜けちゃった。私は何とかしてお母さんを助けたいと思っていたけど、必要なかったのかな・・・』
 勝さんはめぐみに余計な心配を差せないために詳しく説明していなかった事を謝ります。
『親は誰よりも子供の幸せを願うものだ。めぐみの幸せがお父さんとお母さんの幸せなんだ』
 勝さんの言葉に、めぐみも微笑を浮かべます。が・・・

 そしてめぐみの誕生パーティ当日。大使館に沢山の人が集まって来ました。ひめにドレスアップ&メイクしてもらっためぐみの姿に、誠司も思わず赤くなって見とれてしまいますが、当のめぐみは心ここにあらずといった感じです。それでも務めて明るく振舞って、パーティーの主役を演じます。バースデーケーキのろうそくを消すと、宴席は一層盛り上がりました。しかし主役のめぐみは少し疲れている様子で、少し休んでくると館内へ入ります。窓に映る自分の顔を見てため息をついていると、追って来た誠司が気遣われて、めぐみは昨日から引っかかっている悩みを打ち明けました。。
『なんかね、よくわからなくなっちゃった。私ね、プリカードが全部集まったら、お母さんの病気を治してって願うつもりだったの。でもお母さんは今のままでも幸せだって。私、人助けに自信がなくなっちゃった』
 思いがけない発言に、誠司は戸惑いを隠せません。
『何言ってんだよ。自信も何も、お前はいっぱい人を助けて来たじゃないか』
『そうかな・・・?』
『それに、お前はプリキュアじゃないか。サイアークと戦って、大勢の人をいつも助けてるだろ。だからその・・・落ち込むなんてお前らしくない。今日はお前の誕生日だし、暗い顔してたらみんなが心配するぞ』
『そうだよね。ブルースカイ王国を元に戻さなきゃいけないしね』
 誠司の励ましを受けためぐみは、元気を取り戻したようですが、どこか空元気にも見受けられます。誠司が立ち去った後、めぐみの顔は再び曇りました。鏡に映る自分の顔を見て、暗い顔をしては駄目だと言い聞かせた時、鏡の中からブルーの声が聞こえてきます。めぐみはクロスミラールームに引きこまれ、ブルーと対峙しました。

 ところで今日はオレスキー将軍も誕生日のようです。もちろんホッシーワさんやナマケルダさんが祝福する筈もありません。ディープミラーにめぐみの誕生パーティの様子を見せられたオレスキー将軍は、俺様の誕生日に他の奴を祝うとは許せん!という妙な理由で出撃して行きました。

 めぐみはブルーに不安な胸の内を打ち明けます。 人助けに自信が無くなった事、プリキュアなのにこんなことで悩んでいる事、それが申し訳ないと思う事、色々考えていたらさらに自信が無くなった事・・・。そんなめぐみに、ブルーは悩んで構わないと諭します。
『そうやって悩むのはいいことなんだ。辛かったり苦しかったり、時には自分に自信が無くなったりする。でもそれは、めぐみの心が成長するのに必要なことなんだよ。君はそのままでいいんだよ。そのままでいて欲しい』
 ブルーの言葉はめぐみの琴線に優しく響いたようです。不意に浮かんだ涙に戸惑い、涙を拭うと、めぐみに笑顔が戻って来ました。
『ありがとう、ブルー。私の話を聞いてくれて』
『僕はめぐみにも幸せになって欲しいんだよ』

 大使館に愛乃夫妻もやって来ました。こんなに大勢の人がめぐみの誕生日を祝ってくれていることに、勝さんも驚いています。
 と、そこにオレスキー将軍が襲来。自分の誕生日こそがメインイベントだとのたまい、愛乃夫妻ともども参列者たちを鏡に閉じ込め、サイアークを作り出しました。館内から戻って来ためぐみも加わり、4人で変身、立ち向かいます。

 リボンやびっくり箱、クラッカー等、パーティグッズを用いてバラエティに富んだ攻撃を仕掛けてくるサイアークに、4人は押されています。
『俺様以外の誕生日など、祝うからだ!』
 勝ち誇るオレスキー将軍ですが、ラブリーの呼びかけが彼を戸惑わせました。
『じゃあ一緒にやろうよ。あなたと私の誕生日パーティ、一緒にやろうよ』
『ふざけるな!何故貴様と一緒にパーティなどしなければならんのだ』
 反発しつつも、オレスキー将軍に動揺が見られます。
『戦うより、笑い合った方が楽しいよ。だから一緒に楽しいバースデーにしようよ』
 手を差しだすラブリーに、オレスキー将軍は拳を握りしめて言い返します。
『何が一緒だ!俺様は信じない!絶対後から裏切られるに決まっている!貴様に俺様の何が分かる!』
『わからなくても、わかりたい!だってわからないから』
 自分の弱い部分、悩める部分に寄り添われたと自覚しているのでしょうか。オレスキー将軍は明らかに感情的になっています。
『この世界は最悪だ。助ける価値など無い。誰かを助けたところで感謝ひとつされん!』
『この胸に愛がある限り、私はみんなの幸せを願いたい。役に立たなかったり失敗してしまうかもしれないけれど、私はみんなのために頑張りたいの。みんなに幸せになって欲しいから、みんなに笑顔になって欲しいから』
 そのラブリーの想いは、ついに彼女をイノセントフォームへと目覚めさせました。
『悩み苦しみながらも、みんなの幸せを願う。それがラブリーのイノセントな想いだ』

 反撃開始。サイアークの攻撃を軽々とあしらい、ラブリーパワフルキッス、いわゆる「投げキッス」で動きを止めます(俺にもお願いします)。そして四人揃ってのハピネスビックバーンでサイアークを撃退しました。改めて、ラブリーはオレスキー将軍に手を差し伸べます。
『私と一緒に、お誕生日しよう』
『俺はだまされんのだ!』
 その手に背を向けて、オレスキー将軍は引き上げていきました。

 パーティは無事に再開。主役のご挨拶が行われます。
『今日は本当にどうもありがとう。沢山の人たちにお祝いしてもらえて、すごく嬉しいです。みんなから貰ったこの愛を、私なりに返して行きたいです。愛乃めぐみはこれからも、世界にビッグな愛を広げていきます!』
 めぐみのスピーチに拍手が巻き起こり、自信を取り戻した娘の姿を見た愛野夫妻も安心そうです。

 宴が終わった後、めぐみは改めてブルーにお礼を言いました。
『僕は何もしてないよ。君自身が成長したから、新しい力を得る事が出来たんだ』
 プリカードも手に入れ、めぐみは新たな目標を語りました。
『私、プリカードが全部集まったらみんなが幸せになるお願いをしたい』
 そしてブルーに抱きつくめぐみ。誠司が見ているとは知りません。誠司の心が激しく揺れ動きます。

 その二人の姿を、ディープミラーがミラージュ様にも見せつけていました。
『さすが愛の名を持つプリキュア。地球の神をたぶらかすのもたやすいようで』
『キュアラブリー。あなたは何もわかってないわ。愛から生み出されるのは幸せじゃない。それは、不幸よ』
 紅く輝く瞳と共に、ミラージュ様は冷たく言い放ちました。


 何のために人助けをするのか。今まで何度もめぐみが向き合わされた問題です。近いところではアンラブリーに自分の暗部を見せつけられ、深大寺まみさんの時にはありがた迷惑になってしまう等、この問題は都度彼女を迷わせ、悩ませてきました。
 しかし彼女はまだ若いからか、今回の冒頭部分で、自分の誕生パーティの手伝いをしたいと言うところでは、これらの経験を経て学んだ事が活かしきれていないように見受けられます。
 誰のための手伝いなのか。ここで手を出せば、ひめ、ゆうゆう、いおなの気持ちを尊重しないことになると、ちょっと落ち着いて考えれば分かる筈です。しかしこの時のめぐみからは「手伝いをしている私が素敵!」というようなナルシシズムが見受けられます。
 ただしナルシシズムは悪い意味ばかりではありません。「自助」という言葉は、自分を助けられない者は人を助けることができないという解釈ができます。めぐみは手伝いをしたい、人助けがしたいという気持ちと行動で、今まで何より自分自身を助けて来たのだと思います。
 前述のまみさんの時のように、それが裏目に出ることもありました。しかし一連のめぐみの行動は、悪い結果ばかりではありません。手伝いがしたい→結果が良い方向に転ぶ→相手も自分も嬉しい、という好循環も多数あります。何より自分の心と気持ちに嘘をつかないことこそが、今までのめぐみの強みだったと思います。

 だからこそ、「お母さんを治したい」という自分が目標を見失った時に、なんのために頑張って来たのか見えなくなってしまったのでしょう。しかし裏を返せば、ここで愛乃夫妻が病気に向き合う姿勢を知れた事は、めぐみの今後のために良かった筈です。
 めぐみは今までかおりさんに、「病気を治したいのか」と訊ねたことは、おそらく無かったのだと思います。かおりさんは病気が治るに越したことはありませんが、どうしても治したいとまでは思っていなかったように感じます。病気が治らなくても、娘がいつも元気な姿を見せてくれれば、それで十分幸せを感じていました。
 健康な人にとっては、病弱な人、障がいを持つ人は不幸だと思ってしまいがちです。しかし当の本人は多少制約がありながらも、普通の生活を送れている場合、それを「不幸」とは思いません。過度の同情は、逆に相手を侮辱する事にも繋がります。病気は不幸であり、だから治さなければならない。その思考から解き放たれたからこそ、ラストでめぐみは「みんなが幸せになるお願い」という新たな目標を持てたのだと思います。もしここで壁にぶつからなければ、めぐみは「かおりさんのため」ではなく「自分のために」かおりさんを治すという思考に囚われたままだったことでしょう。

 目標を見失ったといえば、自分語りになってしまいますが、ここ数日の私自身もそうでした。かなり大きなトラブルに見舞われ、
『色々頑張って来たけど、実は全然助けになってなかったのかも。それどころか迷惑かけていたかもって、色々考えてたら私、自信がなくなっちゃって』
 というめぐみの台詞の通りに、40代にもなって年甲斐も無く思い悩んでしまいました。それでも様々なきっかけがあり、再び初心を取り戻せたような気になる出来事もあって、なんとか立ち直る事が出来ました。めぐみ=ラブリーも、なぜ人助けがしたいのかという事よりも、「戦うより笑い合う方が楽しい」とオレスキー将軍に対して素直な気持ちを向ける事で、改めて自分自身を見つめ直しています。
 この「戦うより笑い合う方が~」という台詞といえば、ベリーがサウラーに手を差し伸べた時の事が記憶に残っています。あの時もベリーはこの言葉と行動で、サウラーの「心」を結果的に救った事を思い出しました。

 オレスキー将軍の本来の職業(=警察官)を既に知っている身からすれば、「誰かを助けたところで感謝ひとつされん」という台詞が、彼の嘆きを伺わせています。彼も人を助け、人を守ることに誇りを持って、あの警察官としての職務に励んでいたのでしょう。そこには自分に感謝して欲しいというような気持ちが多少はあったかもしれませんが、そればかりでは無かったはずです。しかし志が純粋であるほど、時に突き付けられる醜いものに絶望してしまいやすいもの。おそらくオレスキー将軍も、誰よりも真面目で純粋だったからこそ、迷い、屈折し、今のような自己愛が過剰に噴出した姿になってしまったのでしょう。これはめぐみが陥る可能性があった姿でもあります。
 ひょっとしてオレスキー将軍も、めぐみと自分に似た部分を感じ取ったのかもしれません。だからこそ、ラブリーの呼びかけにいつになく動揺し、感情的になったのだと思います。彼が再び自己を見つめ直すことが出来た時には、立派な警察官として立ち直れることでしょう。(最終回で確認できますが)

 ところで、めぐみの父、勝さんの貴重な登場回でもありました。勝さんの「ただやりたい事をやっているだけ」という発言は、めぐみの人助けと本質は同じです。そこに途上国支援という結果が伴っている事で、めぐみは多少負い目を感じたのかもしれません。しかしめぐみも、やりたい事が時に裏目に出ても、人を救っている事は事実です。

 誠司とブルーの、アドバイスと距離感の差も目を惹きました。
 まず冒頭で不貞腐れているめぐみの元気を取り戻したのは、ブルーではなく誠司の「お父さんが帰ってくる日」という指摘です。誠司はごく自然にこの話題を出したように見えますが、裏にはめぐみへの気遣いがあったと思います。後のブルーの励ましが年の功、経験の差だとすれば、こちらの誠司は幼馴染ならではの距離感が感じられました。
 一方、パーティ途中で退席しためぐみを、誠司はフォローしきれていませんでした。彼にとってもめぐみがこんな悩み方をするとは予想外だったのでしょうか。励ましの言葉をかける際に、誠司の表情はコロコロ変わっています。彼の励ましがめぐみにイマイチ届かなかったのは、誠司も戸惑いがあったから適切な言葉をかけきれなかったのかもしれません。
 そのため、次のブルーの言葉の方が、めぐみを元気づけてしまったのでしょう。ブルーは特に良い事を言ったわけでは無く、ただめぐみの話を聞いて、悩んでもいいと、気持ちに寄り添っただけです。しかし時には励ましの言葉を掛けられるよりも、ただ話を聞いてもらう事の方が、励みになることもあります。だからこそめぐみは今回の立ち直りがブルーのお蔭だと感じたのでしょう。

 彼女にはもちろん他意はありません。そしてブルーにも変な下心はありません。ただ、状況が悪すぎました・・・(苦笑)
 誠司の心に影が差していることに気が付くのは、もう少し先の話となります。

 そしてその前に、いおなにとっての試練が待ち受けています。
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MP

久し振りです。

いよいよめぐみのイノセント化。そして今回はめぐみの誕生パーティーと父・勝の帰宅、いろいろな事が有る中、めぐみにもあんな悩みがあるとは。

今回登場しためぐみの父・勝、演じてたのは小川輝晃さん。「カクレンジャー」のニンジャレッドや「ギンガマン」の黒騎士を演じた(レッドは「ニンニンジャー」、黒騎士は「ゴーカイジャー」でも出てた)、戦隊ではお馴染みの人です。主人公プリキュアの父が戦隊レッドとは。
(その戦隊、今年の秋にテレビ朝日で日曜朝にヒガシの報道番組「サンデーLIVE」が開始する事になり、放送時間が9:30に、そしてライダーも9:00に移動。プリキュアはどうなるかと思われたが、結局そのまんま。よかったものの視聴者は面食らうな。今年のテレ朝は徹底的に報道番組責めだ)

これでイノセント編は終わり、そしてこの後の1クールが怒濤の展開、OPにも出てるいおなの姉、ファントムとQミラージュ、ナマ・ホシ・オレと次々に戦い、そして末期はあの衝撃の展開に!!
by MP (2017-07-06 23:57) 

悩める父メフィスト

順調そうなご視聴・ご投稿 何よりです。
いやー当初は なんだか誠めぐの婚約発表か?というような絵かと思いきや、最後に あの場面ですよ・・当時は めぐみが風邪引いたときの 妙なヒヤヒヤを思い出して ますますヒヤヒヤしたものです。
by 悩める父メフィスト (2017-07-08 20:24) 

スティクス

>MPさん
めぐみだからこそ、ああいった悩みを得たのだと思います。私はむしろ、めぐみの気持ちに良くも悪くも共感したので、今回の感想でもやけに自分語りを書いてしまいましたが。

最近の特撮の事はよく存じ上げません。リプライを返せずすみませんが、ご了承ください。
by スティクス (2017-07-10 22:23) 

スティクス

>悩める父メフィストさん
>最後に あの場面
ブルーがいろいろややこしくしてくれますから(笑)。
だからこそのハピネスチャージとも言えますね。
私としては、なるべくブルー叩きにならないよう注意しているつもりですが、時折ぽろっと出てしまいそうで・・・
by スティクス (2017-07-10 22:25) 

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