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魔法つかいプリキュア!第41話『ジュエリーな毎日!魔法学校へ放課後留学!』 [魔法つかいプリキュア!]

「駅前留学」なんてものもありますが、放課後留学なる言葉があるとは(笑)
 二つの世界を行き来しながら物語が進む、魔法つかいプリキュアらしい発想です。
 図らずもふたつの世界が近くなったことによる恩恵を享受し、楽しい時を過ごすみらい達。
 未だ彼女達には、このことが及ぼす事態など知る由もありません。
  
 元気に下校したみらい達は、そのまま元気に出発しました。向かった先は津成木駅。カタツムリニアに乗り込んで、魔法界へと向かいます。
 リズ先生の「あっという間だった」という証言が半信半疑だったリコですが、本当にあっという間に到着。隣町並みの近さです。

 その事をチクルンはオルーバに報告しています。みらい達が両方の学校に通ってはしゃいでいるという内容が主ですが、オルーバは二つの世界が近くなった事について関心を抱いています。

 教頭による魔法界の地理、アイザック先生の交通史?、そしてリズ先生による実技。魔法界の授業を受けた後、こちらの夕暮れと共にナシマホウ界へ戻り、朝日奈一家団欒の夕食の後、就寝。翌日も津成木一中の授業を受けた後、魔法界へと向かいます。
 二つの世界を行き来する疲れなどなんのその、みらい達は元気いっぱい。明日は休日のため、魔法界に泊まりで出発します。

 ところが寮のリコの部屋はジュンの物置と化していました。そのため今夜はジュンの部屋に泊まることになります。楽しげに騒ぐ様子を見て、教頭は騒がしくなりそうだと懸念していますが、校長は理解を示しています。
『友と賑やかな夜を過ごす。その楽しみも人生を豊かにする貴重な経験じゃ』
 校長はかつてクシィと共に過ごした日々を思い浮かべました。
 空を飛び回った少年時代、そして共に語らった青年時代。
 しかしクシィの使命感は力を求める執着心へと変わり、その研究の果てに手にしたのが「闇の魔法」。その消失と共に、クシィ自身も彼が生涯を賭けたものも、この世界に何も残さずに消えてしまったのでした。楽しい記憶と共に、悲しい想いも甦ってきます。

 ジュンの部屋にケイとエミリーもやって来ました。シングルベッドもことはの魔法で、超キングサイズに早変わり!6人乗っても大丈夫!なサイズでバッチリです。
 みんなで持ち寄ったお菓子をお供に、楽しい夜は更けていきました。
 ところが・・・寮の廊下に教頭の足音が響き渡ります。
 ジュンは端のこの部屋で騒いでも聞こえないとたかをくくり、消灯時間が早すぎるとボヤいて、寝るどころかモノマネを始めました。
 アイザック先生のモノマネは大ウケで、触発されたケイも教頭のモノマネを披露し、ジュンの部屋は大爆笑に包まれます。その笑い声は廊下まで漏れており、教頭の足音が次第に近づいて来ます。ノブに手を掛け、そして・・・扉が開きました。
『あなた達!いつまでもうるさくしてると・・・』
 叱りつけようとした教頭ですが、全員静かに寝ています。素早い(笑)
 出ばなをくじかれた教頭が立ち去ると、みんな一斉に飛び起き、今度はカードゲームで盛り上がります。
 そしてジュンはリコのためにちょっと遅い誕生日プレゼントを用意していました。開けてみるとそれはびっくり箱。まさにサプライズプレゼントです。
 ジュンを追い回すリコの声が再び廊下に漏れ聞こえ、今にも扉が開きそうです。
 案の定、ドアをノックする音が・・・教頭がドアを開けると、やっぱり全員寝ています。素早いw
 教頭をやり過ごして明かりをつけるジュン。すると、不意打ちで教頭が戻って来ました。慌てて寝たふりしても、もう遅いです。しかし教頭はみんなに一瞥をくれただけで、叱りもせずに立ち去りました。
『人生を豊かにする、ねぇ・・・』
 そう呟いて立ち去る教頭を、みんなはかえって怖いと恐れています。

 ジュンは先程リコに追い回された事に触れます
『ちょっと前までは澄ました優等生だと思ってたけどな』
 そういうジュンも、かつては「泣く子も黙るジュン」と恐れられていました。内気だったエミリーも、みんなでお泊りすることは想像もできませんでした。そのきっかけはみらいだと、ジュンは言います。
『みらいが私たちにワクワクを運んでくれたのかもね』
 ジュンに同意するケイの言葉に、みらいは少し戸惑っているようです。
『私が、運んだ・・・』

 その夜更け、ふと目を覚ましたリコとことはは、窓の外を見ているみらいに気づきました。
『なんだか寝るのが勿体なくて』
『そうね、こんなお泊りも悪くないわね』
 リコが改めてジュンのプレゼントに目を向けると、びっくり箱の底に、リコを象った手作り人形が入っていることに気付きました。それを見て、ジュンの心遣いに感謝します。
『私、思うんだ。ワクワクは私一人で運んできたんじゃない。みんなと出会って生まれたんだって』
『あの春休み、リコと魔法の勉強することになって、そこでたまたまジュンたちとも一緒になって、そんな出会いだけでもそこから思ってもみないワクワクが生まれる。こんなに楽しい毎日が、ずっとずっと続くといいな』
 想いを馳せつつ窓の外を眺めていると、校長がじゅうたんで飛んで行くのが見えます。
 こんな時間に一体どこへ・・・?

 校長は羅針盤を手に、海へクシィが残したものを探しに向かっています。ところがそこで出会ったのはクシィの忘れ形見ではなく、オルーバでした。
 後を追って来たみらい達は、校長がオルーバに襲われているのに気付いて駆けつけ、羅針盤と船を合わせたドンヨクバールに対し、ルビースタイルで立ち向かいます。

『そろそろ余興は終わりだよ。もうじき訪れる終わりなき混沌が、君たちの世界を滅茶苦茶にしていくんだ』
 オルーバはまるで何かに憑かれたような目で、雲がかかる月を見上げ笑っています。
『めちゃくちゃになんて、させない』
 ミラクルは唇を噛み、先ほどみんなで過ごした楽しいひと時を思い出しました。
『ベッドで食べるお菓子も、先生のモノマネも』
『びっくり箱の奥の本当のプレゼントを見つけた事も』
『そのすべてが友と出会って生まれたかけがえのないもの』
 『きっとこんな毎日がいつかキラキラの宝物になる。だから、めちゃくちゃになんてさせない!』
 改めて挑む三人に、オルーバは目もくれず、後をドンヨクバールに任せて立ち去ります。ドンヨクバールのオールを掴んで回すミラクルとマジカル。相手が目を回したところをピンクトルマリンで弾くフェリーチェ。そして仕上げのエクストリームレインボー。
 プリキュアとドンヨクバールが戦っている間、オルーバは海の底でクシィの本を見つけていました。愕然とする校長を他所に、オルーバはこれからの準備に必要なものだと言い残して立ち去ります。
 オルーバが去った後の夜空に、言い知れぬ不安を抱く校長、ですが・・・

 学校に戻ったみらい達を、ジュン達がほうきで迎えに来ます。ナシマホウ界に帰ったのではないかと心配している補習メイト達に、ちょっと散歩していたと弁解。
『行こうぜ、あの月まで』
 ジュンに促され、月を目指して飛ぶ6人の姿を、校長が窓から見つめています。
『クシィよ。わしの隣にもおぬしがおれば・・・』
 

 今のところ、プリキュアシリーズで最後に修学旅行が描かれたのはスマイルプリキュアでの京都・大阪が最後です。そのため、今回のお泊りは修学旅行のような高揚感が楽しめました。
 見回りの先生をやり過ごして遅くまで遊んだりするのは、誰しも持つ記憶でしょう。その時何を話し、何をして遊んだのか、細かいことは覚えておりませんが、確かにそんな事をした、という記憶だけは残っています。もっとも、100円入れるテレビで学生が見てはいけないものを観ようとした記憶もありますが(笑)
 
『友と賑やかな夜を過ごす。その楽しみも人生を豊かにする貴重な経験じゃ』
 この校長の言葉を聞いて、そう言えば社会人になって以来、そういう経験がほとんどない事に気付きました。思い出されるのは大学以前の記憶ばかり。社会人になってからの賑やかな夜といえば、せいぜい飲みすぎて終電逃して結果オールで酒飲むか雀荘行くかといった、生々しい記憶ばかりが蘇ってきます(笑)。まあ、それも人生の貴重な経験かもしれませんが・・・

 騒いでいる現場を抑えたにもかかわらず、咎めなかった教頭の姿が気にかかりました。
 今でこそ堅物の教頭ですが、彼女自身にも当然若い頃の思い出はある筈。当初みらい達がお泊りすることを厄介者のように感じていたものの、校長の言葉によって、自身の若き日を思い出したのかもしれません。一日くらい、こんな日があってもいいのではないかと大目に見たのだと思います。

 現在進行形のみらい達の描写は、実に明るく楽しいものです。先生のモノマネや、リコへのサプライズプレゼント等、今が楽しくて仕方がないという感じが伝わってきます。
 対して校長からは、戻りたくても戻れない、取り戻したくても取り戻せない、二度と戻らぬ友との日々と、青春の思い出を述懐する切なさが感じられます。
 私も人生の秋に差しかかった今、校長の気持ちが分かるようになってきました。10年ほど前にこれを観ても、こんな感傷は抱かなかった事でしょう。青春の思い出は美しく儚いもの。あの頃にはもう戻れないからこそ、あの頃を踏まえて今を生きていこうという気持ちになります。

 一方で、リコやジュン、ケイ、エミリーが、みらいとの出会いで変わった事がクローズアップされたのは、この事実をシリーズが佳境に入る前におさらいしたように思えます。確かに彼女達は大きく変わり、特にエミリーの成長は著しいものがありました。
 もし、みらいと出会わなかったら彼女達は落第していたのか、それとも他の方法で補習を乗り切ったのか。その答えは、今となっては見る事の出来ないパラレルワールドとなっています。ほんの些細な出会いが人生を大きく左右するものだということが伺え、人生における出会いは偶然の連続だと実感します。

 と、切ない話は置いておいて、純粋に「お泊り会」を楽しむべきかもしれません。
 やたら緊張感のある教頭巡回シーンと、それを都度やり過ごすみんなの描写には笑わせてもらいました。
 そしてジュンのおふざけ炸裂と思いきや、その裏にあった暖かい心遣いに、「番長」ジュンの優しさと友情の深さが感じられました。おそらくケイとエミリーも手伝って作ったのでしょう。
 強い個性で物語を彩って来た補習メイト達が前面に描かれるのは、最終版まででは今回が最後です。彼女達の成長物語と仲間関係を、楽しく、そして少し切ない気持ちで観返しました。
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