フレッシュ第9話『美希の夢 私プリキュアやめる！！』

初めて、本放送の当日にレビューを書くことができました。
今回は美希の夢とプリキュアの使命とに揺れるエピソード。
昨年も『うららの台本を届けろ』という類似したエピソードがありましたが、
レビューを書くようになって見方が変わってしまったのか、
色々と考えさせられてしまいました。
　　
冒頭は写真撮影中の美希と、見守るラブとブッキー。
モデルポーズも板についており、ラブの言うとおりプロのモデルさんみたいです。
突如アシスタントカメラマンに声をかけられ、
美希と一緒にモデルになれると大喜びのラブ。
『幸せゲットだよ！』→『ゲット・・・できなかった・・・』
ラブは大方の予想どおり、気ぐるみでした。
一応、タヌキの気ぐるみ（顔出し無し）で美希と写真に収まったことですし・・・

撮影が終わり、『超格好良かった』『思わず見とれちゃった』
と称えられる美希ですが、『ティーンザッシノドクモ』なんてまだまだ、と
専門用語で返す美希。「ティーン雑誌の読者モデル」の意味のようで、
私もわかりませんでした。「デルモのちゃん姉」ならわかるんですが、
そんな事はどうでもいいですね。
美希の夢はもっと大きく、「海を越えて世界をかけめぐる、トップモデルになる事」
だそうです。そしていつも通り『私、完璧！』とキメる美希

また今回のオープニングも映画版仕様でした。
ランドマークタワー、大観覧車、グランドインターコンチネンタルホテルなどが背景でしたが
舞台は横浜なんでしょうか？
毎度の事ですが、ますますジレンマが（以下略）

OP後、管理国家の恐ろしい実態が明らかに。
『出産予定とのバランスを考え、今月は寿命終了数も10％アップしております』
と、淡々と報告するメビウス側近と思われるクラインの報告。
『全てはメビウス様のために』と、退出するクラインの背後から、
『インフィニティはまだか』というメビウスの声・・・
「クライン」という名前は「メビウスの輪」に対する「クラインの壺」でしょう。
こういった話、藤子F先生のSF短編集にありそうで、朝から正直ぞっとしました。

場面が変わり、カオルちゃんの店でメビウスがインフィニティを求める理由を
タルトに尋ねるラブたち。
インフィニティとは「無限の容量の記憶メモリー」で
全パラレルワールドを管理下に置くために必要とのことです。
もし管理下に置かれたら、全ての世界が管理国家ラビリンスのように
学校、仕事、恋愛、結婚、全て決められてしまう世界になってしまうようです。
その割には館の三人組はかなり個性豊かだと思いますが・・・

この場面も、笑い事ではないと感じました。そうなりつつある現状。
お受験、婚活など、一部そうなっている現状が、今リアルにあるので・・・
私の時は超就職氷河期でしたので、仕事を選ぶ余裕もありませんでした。
（現在の会社は、一度転職してついた職場です）

そんな空気を払拭するかのように、久々に和希が登場します。
『彼氏とデート』と冷やかすラブですが、
『探したよ、姉さん』という和希の一言で美希の弟だと判明し、
それどころか小さい頃ラブとブッキーも「泣き虫和ちゃん」と一緒に遊んでいました。
すっかり彼氏だと思い込んでるから面白くなっちゃって、と
美希はずっとラブやブッキーたちをからかっていたようでした。
今回和希が訪ねて来た理由は、父（離婚して和希と生活中）の
知り合いの芸能関係の人がファッションモデルの
オーディションの話を持ってきてくれたとのこと。
決まれば海外という、とても大きなチャンスのようです。

その晩、美希の家での前祝いに集まる桃園家、山吹家の一同。
どうやら家族ぐるみのお付き合いのようです。
親たちの話では、美希の母レミさんは昔人気アイドルだったとか、
ラブの母あゆみさんはミス四つ葉町商店街だったとか、色々あったようです。
でも、オーディションに合格したら世界中を回ることになるので、
ラブやブッキーともお別れ、ダンスやプリキュアもできなくなると、
やや浮かない表情の美希です。

美希の部屋では、ちゃっかりついてきていたタルトがサンドイッチを頬張ってました。
シフォンのお世話をするラブのもとにやってくる美希ですが、
何か言いたそうな雰囲気です。でも
『後の事は任せて』『私達が美希ちゃんの分まで頑張る』
というラブとブッキーの応援を受けて、涙ぐむ美希。
ですが、『プリキュアやめるなんて、絶対ありえへん』とつぶやくタルト。

何気ない一言かもしれませんが、このタルトの発言にも引っかかりました。
「プリキュアであること」から逃れる事が出来ない事を匂わせるような発言。
一年を念頭に置いたシリーズで途中脱退はまずありえないのですが、
「プリキュアである運命」に管理されているような、
裏を返せばそう解釈できるようなタルトの発言でした。

さて、オーディション当日、気合を入れて出発する美希
ダンスレッスンの場では、二人で準備運動していました。
現れたミユキさんに、三人でダンスできなくなるけれど
『私達応援したいんです』『美希の分までがんばります』という二人。
そして二人のレッスンを遠巻きに見守るカオルちゃん・・・
やっぱりカオルちゃん、只者じゃなさそうです。

オーディションは一時審査が既に行われ、無事通過する美希。
その頃、「さくら名所　お花見公園」というベタな名前の公園
（桜の以外の季節はどうするんでしょうか・・・）では、
なぜか花見の宴席に紛れ込んでいる西隼人ことウエスター。
卵焼きを「アーン」して食べるなど、相変わらずお茶目ですが、何やってんでしょう。
絵に描いたような「ネクタイ鉢巻の酔っ払い」など、盛り上がる花見を見て、
そんなに楽しいなら不幸に落ちた時の度合いも大きい筈、とスイッチオーバー。
桜をナケワメーケにしてしまいます。

CM後、オーディション中の美希を気にしつつ街を歩くラブとブッキー。
ちょうど通りがかったオーロラビジョンで、
お花見中継の現場にとんでもないものが現れたとニュースが。
パニックになる花見会場。着実に上がるFUKOのゲージ・・・
ですが、「お花見中継」ってそんなものわざわざ中継してたんでしょうか(笑)

ニュースを見たラブとブッキーは変身します。
そのころオーディションでは、美希が二次審査を通過し、
結果が出るまで控え室で待機となりました。
が、ピーチとパイン二人ではナケワメーケに苦戦しています。
『ナケワメーケは密かにパワーアップしている』と、相変わらず強気なウエスター。
ダブルプリキュアキックも効かず、つい
『やっぱりベリーがいないと』と漏らすパインに
『弱音を吐いちゃダメ、これからは私達ふたりでプリキュアなの。
もう、ベリーはいないんだよ』と叱咤するピーチ。
そして、二人でずっと戦い続けることを、決心したかのようなパイン。

そのころ控え室ではニュースを放映しており、
『あーっと！プリキュアがピンチだーっ！』と報道するアナウンサー。
・・・そんなにプリキュアって、この世界で知名度あったんですね(笑)。
そんな時に、最終審査の発表をすることになり、
最後に『ごめん』と言って部屋を駆け出す美希。

前回手にした新武器「キュアスティック・ピーチロッド」での攻撃も
『悪いの悪いの』『飛びません！』と一蹴されます。
この『飛びません』はウエスターを演じる松本保典さんのアドリブでしょうか？
重く考えながら視聴していただけに、笑わせてもらいました。

オーディションは審査発表が行われており、美希も合格していましたが、
美希はラブたちのところに向かって走っていました。
そこにドーナツ屋兼の車で現れ、『乗りな、嬢ちゃん』と決めるカオルちゃん。
凄まじい運転テクニックで疾走する自称昔F1チャンピォンだったらしいカオルちゃん。
プリキュアの事も薄々気づいているようですので、本当に只者ではなさそうです。

ナケワメーケによって締め上げられるピーチとパイン。
『プリキュア敗れたり！』と高らかに宣言するウエスターですが、
美希がそこに現れ、変身。ベリーの一撃で二人は窮地を脱します。
『どうしてここに？』と気にするピーチですが、
ベリーは『話は後』と制し、トリプルプリキュアキック→
パインとベリーで『悪いの悪いの～』→『ラブサンシャイン・フレッシュ』
のコンボでナケワメーケを撃退します。

戦闘後、オーディションのことを気にするラブとブッキーですが、
テレビで大ピンチの二人を見て、途中で抜け出してきたと苦笑する美希。
でも、ラブとブッキーは心底申し訳なく思ったようで、
美希の夢を潰しちゃったと泣き出してしまうラブとブッキー。
ですが、『プリキュアは、私達は三人でなきゃダメなのよ』と諭す美希。
『チャンスなんてこれからいくらでもあるわ。私、完璧だもの』と言う美希を
『春だねェ・・・』と見守るカオルちゃんで、終了となりました。

本当はそんなに深読みしなくても良いのかもしれません。
が、「プリキュアである運命」から離れて「自分の夢」を手にしようとした美希が
「強制されずに自分の意志で」プリキュアであることを選んだと
良い方向に解釈しました。そこが、管理国家ラビリンスとの違いなのかもしれません。

余談ですが・・・今回一言もイース様と書いていませんでした(笑)
2週連続出番無しなので、蛇足ですがあえて宣言させていただきました。