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第5話『マジヤバ!捨て身のピーサード』 [ふたりはプリキュア]

ピーサードがなぜ愛されるのか、数ある敵幹部キャラクターの先鋒であること、
登場回数が少ない事、「かませ犬」扱いされる事、「カブキマン」ルックス
色々ありますが、意外にもキントレスキーのように戦いに誇りを持っていること、
そして最後の戦いが印象的であることかもしれません。

もう後がないピーサード。
2~4話までの良好な関係が、ぎくしゃくしてきた二人の関係。
そして、激しく論じ合いながら戦うプリキュアとピーサードの戦い。
語りどころの多い、ピーサードの最終エピソードです。
  
冒頭の回想シーンは、なぎさの夢の中でした。
前回の事件や、虹の園と光の園の時間の違いなど、
悪夢にうなされるかのようななぎさ。
そして夢の中で『なぎさ・・・なぎさ・・・』と呼ぶピーサード・・・
ですが、その声はメップルの声に変わり、目を醒ますなぎさ。
相変わらず朝食のおねだりですが、
『今日のなぎさ、なんか微妙に可愛い』『ボッサボサでもなぎさは十分可愛いメポ』
などとおべっかも上手くなり、さらにオムプを出してもらう直前に
『扱いやすい奴メポ』などとますますタチが悪くなりました。
もっとも、なぎさが可愛いのは確かですが・・・

朝食でもメニューにダメ出し続き。ワガママ放題のメップルですが、
自称『男の中の男、亭主関白』だそうです。
そして未来の妻、ミップルに会いたいがために泣き落とし・・・
どこが男の中の男、選ばれ勇者なんでしょうか。
もっとも、今後の展開を見る限り、「亭主関白」よりは「尻に敷かれるタイプ」
だと思いますが・・・

舞台はドツクゾーンに変わり、ジャアクキングに最後のチャンスを頼むピーサード。
前回のやられ方だと、あのまま敗れたようにも見えましたが、
どうやら九死に一生を得たようです。
もう後がなくなったピーサードの次に誰が行くか、話し合う闇幹部たち。
ポイズニー曰く、ピーサードは『策を弄して術に溺れるタイプ』だそうですが、
もっと変な策を毎回披露してくれた貴女に言われては、ピーサードが気の毒です。
『誰が行ってもピーサードよりマシな仕事をするのは間違いない』
いうポイズニーらのやり取りを、屈辱に耐えつつ立ち聞きしているピーサード。

そのころメップルはミップルに会いたい一心で、なぎさをほのかの元へ向かわせます。
『世界はミップルとメップルの二人を中心に回ってる』
『恋人のいないなぎさにはわからない』とまで言い放つメップルに対し、
『私だってその気になれば・・・』と言い掛けたところで、
向こうから走ってくる藤Pに気づき、黙ってしまうなぎさ。
『なるほどね・・・頑張るメポ』
普段からラブラブなせいか、こういう時の空気は察してくれるようです。
が、当のなぎさは緊張し、やっと挨拶を交わす程度。
『ただの同じ学校の男子部の先輩。まだ名前もちゃんと知らないんだから』
と、自分が抱いている恋心にも気づかない純真な乙女心でした。

雪城家の屋敷に着く二人。早速ミップルに会いたがるメップルに対し、
『あなたとミップルはそうでも、私と雪城さんはそうじゃないの』
と、何だかよそよそしい感じのなぎさですが、丁度そこにほのかも登場。
『私も美墨さんに会いたかったんだ』と、同じく朝からミップルにせがまれていたようです。

公園でいちゃいちゃ仲良く遊ぶ二匹をベンチで見つめる二人。
そのラブラブぶりに、ほのかは
『美墨さんは?ボーイフレンドとかいないの?』
『良くそんなストレートな・・・』と、なぎさが戸惑うくらい直球で切り出します。
お互いにボーイフレンドのいない二人。
『一ヶ月に一度か二度くらい』ラブレターをもらっているほのかに対し、
女子からしかラブレターをもらったことが無いと肩を落とすなぎさ。そんななぎさに
『同姓にもてるっていうことは、素敵な女性である証拠じゃない』
と、さりげなくフォローし、さらに『気になる人とかいないの?』となぎさに聞くほのか。
一瞬藤Pのことがよぎるなぎさですが、逆にほのかに聞いてみると、
『どうせお付き合いするなら、お互いに尊敬しあえる関係が理想じゃない?』
このやりとりで、ほのかを「まだクラスメイト」程度の認識であるなぎさと、
なぎさを既に「友達」だと思っているほのかとのズレが感じられます。
中学生の恋話は、ある程度親しい間柄でないと、切り出せないところもある筈。
ほのかの語り口や、さりげなくなぎさをフォローしているところを見ると、
ちょっと天然で、世間知らずな面がありますが、悪気があるようには感じません。

急に嫌な気配を察し、隠れるメップルとミップル。
すわピーサードか?と身構えるなぎさとほのか
・・・ですが、現れたのはイケてないナンパ君二人でした。
『良かったらドライブでもどう?』『俺らのスーパーママチャリで』
・・・この二人、本気でナンパする気あるんでしょうか(笑)?
あろうことかなぎさの腕を組み、ほのかの肩を抱く二人。
大人の男性視聴者をほぼ100%敵にしたクソガキナンパ君を
適当にあしらおうとするなぎさですが、
『離れなさい!何の権利があって連れていこうとするんですか?』
『人に名前を聞くときは、まず自分から名乗るもんでしょ?』
と、真剣に怒ってしまうほのかに、ナンパ君もちょっと引いてしまい、
釈然としない表情のまま、なぎさに連れ出されるほのか。

何か食べようということになり、
「たい焼き」「焼きソバ」「お好み焼き」というなぎさと、
「パスタ」「ピザ」というほのか。
更に「鍋焼きうどん」というなぎさに対し、
『焼きがつく食べ物が好きなの?』と、やや引き気味のほのか。
結局「タコ焼き」に落ち着き、ここでアカネさんが初登場。
最初からさっぱりとした姉御肌で、頼れるお姉さんという印象を与えます。
が、『なぎさにしては珍しいタイプの友達』と評するほのかの
礼儀正しい挨拶で、ペースにのせられてしまうアカネさんでした。
今回は顔出し程度ながら存在感を示し、マックスハートでは欠かせない存在になりますが、
この時はまだ屋台村にありそうな移動式屋台を切り盛りしていました。
自分でお店持ちたくて、勤めていた会社を辞めて、と
マックスハートで明らかになる伏線?もこの時ちょっと出ていました。
タコ焼きの食べ方も対照的で、投げて口で受け止めるなぎさは
口の周りソースだらけ、歯に青海苔だらけです。
そんななぎさに、さりげなくハンカチを渡すほのか。
今回は活発で庶民派のなぎさと、お嬢様風のほのかの対照を示す描写が多いです。

次に行くところとして、図書館を提案するほのかですが、
いまいちピンとこないなぎさに合わせて、
『どこか美墨さんの行きたいところ』に行く事になり、
服選びになりました。今回はお金がないので見るだけ。
なぎさの選ぶ服に対し、『もっとキュートな感じが似合うんじゃない?』とほのか。
『なんで大人っぽいのが似合わないんだろう』というなぎさを
『そんな事ないわよ。せっかくだから試着してみたら?』
と、相変わらず自然にフォローしているほのか。
試着室では、こっそり密会中のメップルとミップル。
そんな二匹とやりあうなぎさ。
『美墨さんて面白いわね。一緒にいると凄く楽しい』
『なんか無理してない?』『・・・?全然』
そして別れる二人ですが、まっすぐ家にむかうなぎさを、
ちょっと振り返って名残惜しそうな顔をするほのか。
そしてそれを見つめる、なぜかサングラスをかけて登場の人間形態ピーサード・・・

帰り際、「住む世界が違う」「趣味が合わない」「無理して合わせてもらってる」
と、居心地の悪さをメップルに漏らすなぎさと、
素直に「楽しかったね」とミップルに語るほのか。
昼食や行き先など、自分に「合わせてもらった」と感じているなぎさと、
なぎさに気を遣いつつも素直に楽しんでいたほのかでした。
活発で人付き合いの良さそうなイメージのなぎさですが、
居心地の悪さを感じ、先にちょっと壁を作ってしまいました。

そのほのかの帰り道に、突如現れるカブキマン形態のピーサード。
・・・さっきのサングラスはなんだったんでしょう(笑)
ピーサードに追われ、逃げるほのか。
その頃、ほのかに借りたハンカチを返していないことに気づいたなぎさは
雪城家に返しに行きますが、ほのかがまだ帰っていないとのこと。
ハンカチをさなえさんに渡し、帰ろうとするなぎさですが、
メップルは嫌な予感がしているようです。
図書館に寄り道しているのかもしれないと念のため行ってみますが、
図書館にもいないほのか。行き違いだと思うなぎさですが、
メップルはミップルが心配でたまらないようです。

とうとう工事現場に追い詰められるほのか
一人では変身もできないため、逃げ回るしかないのですが、
ピーサードと激論で応酬。
この後最後まで台詞と描写ををそのまま書いた方が雰囲気が伝わるので、
以下、ほぼそのようにします。
『おとなしくプリズムストーンを差し出せば、命だけは助けてやろう』
『どうして人が大切にしている物を無理矢理奪おうとするの?あなたにそんな権利があるの?』
『ジャアクキング様の永遠はドツクゾーンの永遠。ドツクゾーンの永遠は俺の永遠だ』
『自分達さえ良ければそれでいいってことでしょ?そんなの、絶対間違ってる!』
『言ってる意味が解らんな。ただ俺は俺がやるべきことをやるだけだ。プリズムストーンを渡せ!』
『渡さない・・・渡すわけないでしょ!』
『ならば仕方ない』と、素手でロードローラーを引き裂くピーサード。
逃げ回るほのかに対し、
『お前が正しいと言うなら、それを証明して見ろ。力の無いお前に何が出来る!』
ブルドーザーを投げるピーサードと、全く避けようともしない肝の据わったほのか。
『違う!あなたは間違ってる!』
『ほざけ!』と今度はクレーンを落とすピーサード。
衝撃で飛ばされるほのかと、手放されてピーサードの手に落ちるミップル。
『どうだ、これが現実だ。もっと素直になるんだな』
『認めない・・・私は絶対に認めない!』
『ならば楽になるか?』
と、ここでなぎさが登場。
『雪城さん、愛の力って凄いわね』と妙に思わせぶりななぎさですが、
ミップルが心配で居場所をつきとめたメップルの事でした。

そしてなぎさとピーサードのやりとりに。
『あんたさあ、どんなに偉そうな事言ったって、
人の物を勝手に取ろうとしているあんたたちの方が間違ってるに決まってるでしょ!』
『良く来たな。感心な奴だ。しかし・・・変身できない今、お前達にこの俺が倒せるか?』
と、なぜかミップルをほのかに返すピーサード。
『全力で来い!プリズムストーンは必ず奪ってみせる』
そのままミップルを持って帰ればいいものを、闇の戦士としての誇りか、
ジャアクキングに叱責され、同僚に馬鹿にされた屈辱を晴らす為か、
あくまで戦って奪い取ることにこだわるピーサード。
これもピーサードの人気の一因かもしれません。
そして、変身する二人。

『面白くなってきたなぁ!』とピーサード。
激論を交えた戦闘は壮絶です。
工事現場の隣は線路で、電車の屋根の上に着地する二人と、
電車を全力疾走で8マンのように追いかけて飛び乗るピーサード(笑)
戦いの舞台は走る電車の屋根から、さらに河川敷へと移ります。
そして肉弾戦で戦うプリキュアとピーサード。
ブラックになんと「ジャイアントスイング」をかけ、
投げ飛ばしたブラックをホワイトにぶつけるピーサード。
『どうした、お前達の力はそんなものか!』
と、今度は川の水を飛ばしてくるピーサード。
『偽善者ぶって他人をいたわってどうなる!命乞いをしろ!自分だけ助かりたいと言え!
 先にそう言った方だけ助けてやろう』
『冗談じゃないわよ!』
『そんなの・・・そんなの絶対に間違ってる!』
『だったらどうする?』
『こうするに・・・』『決まってるでしょ!』と手をつなぐプリキュアを前に、
前回で威力を知っているためか、一瞬たじろぐピーサード。

そして放たれるマーブルスクリューを、正面から受けて立つピーサード。
『全ての世界は二つに一つ。勝つか負けるか。さあ、俺様の力の前にひれ伏すんだ。
そしてプリズムストーンをおとなしく差し出すんだ!』
『そんな事できるわけないじゃない』
『力でねじ伏せて、自分の思い通りにしようとするなんて。
 そんなの、そんなの絶対に認めない!』
『まだ良く解っていないようだな。どんなに抵抗しようと、
 所詮お前達はドツクゾーンに飲み込まれるだけの存在なのだ。
 黙ってジャアクキング様の意思に従っていればいい!』
『馬鹿にしないで!みんな一生懸命に生きているのよ!
 理解し合って、尊敬し合って生きてるんじゃないの!
 力ずくでみんなを支配しようとするなんて、そんなの・・・そんなの絶対に間違ってる!』
そう言ったホワイトが強くブラックの手を握ると、勢いを増すマーブルスクリュー。
そして、直撃を受け
『そんな、馬鹿な・・・何故だぁあああああ!』と、遂に倒されるピーサード・・・

極度の緊張感から開放され、気が抜けたのか、座り込むホワイト。
『終わったの?』『・・・うん』
『本当の、終わりの終わり?』『・・・多分』
『まさか・・・まさか私達あの人の事・・・』
と、両手で顔を覆い、「殺してしまったの?」と口には出しませんが
そう考えて激しく動揺するホワイト。
『安心するメポ あいつは元の闇に戻っていっただけメポ』
『もう二度とあんな恐ろしい姿には戻れないミポ』
となだめるメップルとミップル。

そして、ピーサードが遺していった石がプリズムストーンだというところで、
今回は幕を下ろします。

前半は居心地の悪さを感じるなぎさ目線で描かれているようにも見えますが、
基本的にほのか=ホワイトの心理描写だと思います。
ほのかの「親しい人には相手を立てて、ちょっと遠慮する」
対立するもの(ナンパ君、ピーサード)には自分の考えを貫き通す
といった態度から受けるなぎさのぎこちなさ。
親しい人に対する態度も、受け止める人によっては
上から目線、お高くとまっている風にも捕らえられます。
それに気づけないままほのか本人に悪気がないだけに
数話後に二人が正面衝突することになってしまいます。

そして後半の激論・戦闘そしてピーサードを倒した後の描写。
今まで撃退してきたザケンナーは、意思の疎通ができず、
暴れ回る怪物を退治する感覚でした。
しかし今回は人間に近い姿ということもありますが、
口論をし続けた相手。話し合えば分かり合えたかもしれない。
でも、「俺がやるべきこと」を一生懸命に果たし、生きようとしたピーサードを
「理解し合って、尊敬し」合うことができなかったホワイト。
結果、ピーサードの主張する「勝つか負けるか」の通り、
「力でねじふせて」ピーサードを消し去ってしまったホワイト。
当初変身して戦うことを「なんだか楽しそう」と言っていたほのかですが、
「命のやりとり」の壮絶さと空しさ、悲しさといった現実に直面し、
自分がピーサードに言った発言と結果との矛盾にやりきれなさが伺えました。

そんなホワイトを案じるミップルとメップルの台詞も
私達が言うところの「お星様になる」「土に還る」といった風に、
子供に「死んだ」という直接表現を避けて言うのと同じ事だと思います。
もう二度とピーサードとしての自我が形成されないのであれば・・・
後のシリーズ、特に5~GoGoでは容赦なく撃破しているだけに、
今回の表現がシリーズを通じて特に印象的でした。

ちょっと重くなってしまったので、予告の漫才を。
『ある日のこと、美墨さんと私は、山へプリズムホーピッシュを探しに行きました』
『すると、川上からドンブラコ、ドンブラコと大きなモアイが・・・って、ありえない』
(中略)
『熊より、ドツクゾーンの怪物より怖いものって何?』
『お母さん。怒ると超怖い!』
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横浜学園都市部

こんにちは。横浜学園都市部です。

このお話では、ドツクゾーン最初の幹部:ピーサードの最期が描かれていましたね。

度重なる失敗に後がないと踏んで、命を削る覚悟で挑んだピーサード。

対して狙われたほのかは、命をその様な事で縛っちゃだめだという教えが対極に成っていましたね。

後のゲキドラーゴの戦いにも、なぎさとゲキドラーゴの激突に似通うものが有りました。

スーパー戦隊には、このような事例は「超獣戦隊ライブマン」にも描かれていますね。
by 横浜学園都市部 (2011-11-02 10:58) 

スティクス

>横浜学園都市部さん
私がプリキュアを作品を見る目が変わったのは、この話がきっかけでした。
最初、女の子たちの派手なアクションに目を奪われ、
斬新な番組だと軽く流しながら見ていたのですが、
ピーサードを倒して激しく狼狽するホワイトにやられました。
この作品はただの勧善懲悪ではなく、激しいアクションが売りでもなく、
戦いを通じて何かを訴えかけてくると、戦慄したものです。
ゲキドラーゴも含め、惜しまれながら去って行く悪役を描く事は
難しいものだと思いますが、初期の時点でこれだけ血が通った敵を
描き出したプリキュアシリーズ、恐るべしです。

そしてライブマン、懐かしいですね・・・
あの最終回、死を待つばかりのビアスに対する
ガッシュの暖かい心遣いは未だに忘れる事ができません。
by スティクス (2011-11-02 21:16) 

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