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第12話『悪の華・ポイズニー参上!って誰?』 [ふたりはプリキュア]

本格的に動き出した初の紅一点幹部、ポイズニー。
彼女も前任者に負けず劣らずの強烈な個性の持ち主です。
その初出陣!なのですが・・・決して今回の彼女の存在が薄いわけではありません。
むしろ、初回にして性格、戦法がわかる程しっかりと描かれていたのですが、
もっと強烈なインパクトを残す「さなえお婆ちゃま」に持っていかれてしまいました。

後に様々な憶測を招くほのかの祖母、さなえさん伝説?はここに幕を開けます。
  
練習後のラクロス部。水道で一息つくなぎさと、志穂、莉奈。
前回の回想は珍しく、志穂と莉奈の会話で行われました。
事故があったという噂、水槽が割れたという話。
なぎさは『避難させられてたから、何があったかよくわからない』と誤魔化しますが、
『もし本当に水槽が割れて魚がドバーって飛び出して着たら、3Dみたいで面白くない?』
『いえてる×3』
当事者のなぎさは当然『・・・ありえない』
この志穂莉奈の楽しそうな会話は、もしかしたら視聴者の子供達の代弁
「一度プリキュアの世界で事件に巻き込まれてみたい」かもしれません。

とりあえずゲキドラーゴの脅威は去ったけど、プリズムストーンはあと3つ残っている。
こちらが持っている以上、また襲ってくるんだろうか・・・
帰り道、不安にかられてため息をつくなぎさですが、交差点の一角に目を奪われます。
新発売のチョコレートの試食ブース。メイド姿の娘が愛想よく応対していました。
チョコレートに目がないなぎさは『好きなだけ取って下さい』ということで、
すっかり我を忘れて目の前のチョコレートの山に夢中になり、
『これこそ本当に、棚から尻餅ね』『それを言うなら棚からぼたもちじゃないでしょうかぁ?』
チョコ娘にも突っ込まれる始末。
当然、「計画通り」のように悪人面になるチョコ娘や、
チョコ娘がこっそり出したザケンナーにメップルが奪われたことも気づかず、
『お姉さん、どうもありがとう!』『いいえ、たっぷり味見して下さいね』
意気揚々と帰るなぎさの後姿を、再び悪人面で見送るチョコ娘。
『美墨なぎさ。ベローネ学院ラクロス部所属、スポーツ万能、学園の人気者。
 好物チョコレート、短所おっちょこちょい。私にかかればこんなものよ』
下調べといい、手の込んだブース設営といい、営業スマイルといい、
きのこの山みたいな「チョコの山」 ハーシーズみたいな「CALORIES」
をわざわざ作ったり、このまま行けば十分な戦果が期待できそうですが・・・

奪ったメップルを尋問しようとするポイズニーですが、
あいにくと熟睡中。激しく揺すっても起きる様子がないメップルに苛立ち、
『あとでゆっくり料理してやるわ!』この時点で短気な事が伺えます。

自室で先ほどのチョコレートを食べようとする前に、
『私ばっかり食べてるとメップルがうるさいから、先にご飯あげとこう』
とメップルを出そうとするなぎさですが、ポーチから出てきたのは小型ザケンナー。
そしてチョコレートもザケンナーに変わって行き、クロスでザケンナーを追い払うなぎさ。
ですが退散前に空中でモジモジ君のように「バーカ」と形を作るザケンナー。
思わず『うるさーい!』と反応するなぎさですが、メップルが奪われたということは
ほのかが危ない、と気になります。

公園で読書中のほのかの背後に現れるポイズニー。
『雪城ほのか。ベローネ学院科学部所属、頭脳明晰、成績は常に学年トップ。
 尊敬する人物、世紀の物理学者ブレキストン博士。
 幼い頃から両親は不在がち。現在祖母と二人で暮らす』
下調べは実に的確です。もっとミップルとメップルの事を調べてさえいれば・・・

ほのかを気遣い、雪城家を訪れたなぎさですが、図書館に寄ると言っていたため
まだ帰宅しておらず。応対したさなえさんに、
『ほのかが帰って来たら、伝えてください。チョコ娘はマジヤバだって』
『チョコがまじ?はぁ?』怪訝そうなさなえさん。そりゃあ無理もありません。
が、なぎさが去った後、スクッと立ち上がり、
『これはどうも、只事じゃなさそうですね・・・』
只事ではない気配を察したさなえさんも只事じゃありませんでした。

ほのかの前に、唐突と現れる老婦人。
妙に親しげに話しかけるので最初困惑気味のほのかですが、
「中学生?」「孫娘と同じ」「孫と似ている」「あなたにも私くらいのお婆ちゃんが?」
と、巧みにキーポイントを付く会話のペースに乗せられてしまいます。
が、突然メップルの気配を感じる、と反応するミップル。
一瞬、老婦人の目も鋭くなっていました。
ミップルをなだめるため、一度老婦人の下を離れるほのか。
すごく近くにメップルを感じる、と不審がるミップル。
なぎさが近くにいるのかしら?とあたりを見やりますが、なぎさの姿は無く、
再び老婦人の下へ。

実はなぎさもほのかが図書館にいない事を知り、既に公園に来ていましたが、
                  |ベ ン チ |
 ほのか・ミップル          老婦人
      [噴    水]
           なぎさ
と言う風に、ほのかからもなぎさからも気づきませんでした。
なぎさはあくまで「チョコ娘」がほのかを狙っていると考えているので、
目の前の老婦人が怪しいとは気づきません。
思わず『チョコは駄目!』と叫ぶなぎさに、近くでチョコレートを食べていて驚く子供達。

再び老婦人のペースに巻き込まれるほのか。
『どんな花がお好き?』という当たり障りの無い会話から、
『コスモスなんかが』と言った途端、あたり一面コスモス畑に。
夢を見ているような光景を当然不思議に思うほのかですが、
『お花畑はどこまで続いているのかね』
老婦人の言葉と、いつの間にか宙を浮いているベンチ。
非現実的な世界に戸惑ううちに、ほのかの尊敬するブレキストン博士が目の前に。
ブレキストン博士直々に『待っていたのだよ、雪城ほのかさん』と言われ、
『私は何でも知っているさ。あらゆる真理に最も近づいた男じゃからな』
さすがのほのかも、この異様な状況に飲みこまれつつありました。
博士は何十年も前に他界しているはず、とかろうじて問いかけるほのかですが、
『それ(ミップル)があれば、私の研究は完成する。あらゆる世界の真理がわかる』
追い打ちをかけるように老婦人も『博士もああおっしゃってますよ、お譲ちゃん』
かろうじて理性を保とうとしています。が、
『二人で宇宙の真理を見てみようではないか』
ついにミップルを渡してしまいそうになるほのかと、薄笑いを浮かべる老婦人・・・

『ほのか』さなえさんが呼びかける声で、我に返るほのか。
いつのまにかさなえさんがほのかの許に来ていました。
老婦人と挨拶を交わし、互いに微笑み会うさなえさんと老婦人。
穏やかな沈黙。小鳥のさえずりが、かえって緊迫感を感じさせます。
『あなた、誰です?』あくまで穏やかながら、唐突に切り出すさなえさん。
『あなたが本物のお婆ちゃんか、偽者のお婆ちゃんか、
 本物のお婆ちゃんが見れば解るんです。ほのかに何をしようとしてたんです?』
うつむき、表情が険しくなり、目が赤く光る老婦人。
『その持ってるものを素直に差し出せば、なんにもしやしないわよ!』
既に先ほどの老婦人の優しい声ではありませんでした。
老婦人が指を弾くと、公園にいた人達が一斉に青ざめた顔、うつろな目で
まるでゾンビのように、ほのかとさなえさんの周りに群がってきます。

群集に取囲まれるほのかと、人の群れからはじき出されるさなえさん。
人々はほのかの手の中のミップルを執拗に狙ってきます。
怯えるミップルを、なんとか高く持ち上げるほのか。
さすがに異常に気づき、人々の頭上をまたぎ、駆けつけるなぎさですが、
間に合わず人々の頭上をつたって転げ落ちるミップル。
落ちたミップルは、偶然かさなえさんの足元に。
ミップルを手に取るさなえさん。不思議な感覚。
一瞬、戦時中と思われる風景、幼少時のさなえさんの画が交錯し、
ミップルもなにか懐かしさを感じていました。

そして、ミップルを求めてさなえさんのもとに迫る群衆を
『おやめなさい!』と一喝するさなえさん。
本当に立ち止まる群集と、戸惑うポイズニー。
そりゃ、相手はスーパーサイヤ人ですし機械の体を求めて宇宙を旅した少年ですから
業を煮やし、正体を現したポイズニー自らが、直接さなえさんから奪おうとします。
が、『これは渡せません。これは・・・これはほのかの大切なものです。絶対渡せません』
強い意志で跳ね除けるさなえさんを庇うように立ちはだかるなぎさとほのかですが、
ポイズニーの放つ衝撃波で飛ばされる二人。
遂にポイズニーはさなえさんの腕を掴みますが、まさかのさなえさんの投げ技が炸裂。
さすが亀仙人のもとで牛乳配達しただけの事はあります。
たまりかねて衝撃波をさなえさんに放つポイズニー。
直撃し、思わず『お婆ちゃま!』と叫ぶほのかですが、
まさかまさかの無傷のさなえさんに、唖然とするポイズニー。
さなえさんは『この子(ミップル)に助けられた』と言っていますが、
さすがにご老体には堪えた様子。ちょっと疲れました・・・と倒れこんでしまいます。

怒りを燃やす二人。特にほのかですが、メップルを奪われている以上変身できません。
ポイズニーの手の中で、目を醒ますメップル。
当然状況を把握しておらず、『あ、なぎさ、おはようメポー』
『何呑気な事言ってんのよ。後ろ後ろ』
『ん?んな゛ーーーーーっ!これはどういうことメポ』
メップルを人質に取り、ミップルをよこせと迫るポイズニー。
万事休す、と思った矢先、さなえさんの呟く声が。
『信じて・・・信じるの。自分を信じて、友達を信じて、仲間を信じて・・・』
一瞬だけ、ぬいぐるみ形態になって必死に駆け出し、
かろうじてなぎさの所までたどり着くメップル。そして変身する二人。

『闇の力のしもべたちよ!』『とっととおうちに帰りなさい!』
いつもの変身台詞ですが、なんと本当に帰っているポイズニー。
当の二人も意表を突かれたらしく、
『おうちに帰ったのかしら?』『・・・みたい』
振り返ると、人々はまだ青い顔、うつろな目で、
指揮していたポイズニーがいなくなった今、互いにぶつかり合っていました。
そこで、2回目の披露となるレインボーセラーピーを放ち、元に戻す二人。

一件落着し、夕陽差す公園で少し前の事を回想するなぎさとほのか。
さなえさんはすっかり元気になり、晩御飯の支度するために先に帰ったようです。
そのさなえさんの様子を思い出し、プリキュアの事を見られたのでは?
人々の異様な姿に何か感じたのでは?と心配するなぎさ。
さなえさんは、「夢を見ていた」と言っていたようですが
そういうほのかも気にしていました。
『私達がこんな事になってるなんて回りにバレちゃったら、何か変わるのかな』
『今のままでいたい、みんなとも、お婆ちゃまとも、今の・・・ままで』
そんな空気を払いのけるかのように、なぎさに噛み付くメップル。
『そもそもなぎさがチョコレートに目が眩むからこんな事になったメポ』
『あんなにてんやわんやだったのに、グーグー寝てたのは誰よ!』
騒がしいいつものやり取りを、収めようとするほのかですが、
『メップルはなぎさの事信じてるメポ。』『え?』
『メップルは、なぎさの事信じてるから、あんなに必死に走ったメポ、
 あの時は何も考えてなかったメポ、メップルはなぎさの事信じてるメポ!』
その言葉に、さなえさんの言葉を思い出すほのか。
『自分を信じて、友達を信じて、仲間を信じて』

メップルに謝るなぎさ。微笑むミップル、夕焼けの空を見つめるほのか。
『みんなずっと、このままよね。』
そして、家に付いたさなえさん。駆け寄る忠太郎に
『よしよし、忠太郎のも、今こしらえてあげますからね』と言った直後、ポーズを決めて
『とっととおうちに帰りなさい!・・・なーんてね、ふふふふ、ただいま』

冒頭にも記した通り、最後までさなえさんが圧倒的な存在感を発揮する話でした。
今までも鋭い洞察力、適切な助言など、只者では無い雰囲気を醸し出していましたが、
・穏やかかつ厳しくポイズニーが化けた老婦人の正体を見破る。
ミップルと過去に何かあったのを伺わせるような描写。
・群集を一喝、ポイズニーを投げ飛ばす、攻撃を受けても無傷。
・プリキュアに気づいているような気づいていないような、微妙な空気。
演じているのが声優界の大ベテランである野沢雅子さんと言うこともあり、
先代のプリキュアではないか、など当時様々な憶測を呼んだと言われます。
今後少しだけ明らかになる過去や、さなえさんの人間性は、
なぎさ、ほのか、そしてマックスハートではひかりの支えとなりますが、
素性が最後まで謎、というのが想像力を膨らませる事ができるので良かったと思います。

今回はプリキュアが変身するにも関わらず、全く戦闘を行わない珍しい話です。
この後の各シリーズの日常話で、変身して戦わなかったのはこれが唯一です。
本来なら無理に変身させる必要がなくても、テレビの前の子供達のために
変身シーンを入れざるを得ない。かつ自然に事後処理をさせるための
レインボーセラピーと、理にかなう作りになっていました。

ポイズニーは実戦でも強さを発揮するのですが、心理攻撃を得意としています。
既に今回もかなりの下調べや、ほのかの心を丹念に説き崩していく語り口など、
確かに「策に溺れるタイプ」と酷評していたピーサードより上を行っています。
しかし本当におうちに帰っていたり、今後も妙な魅力を発揮していき、
どんどん三枚目路線になっていく濃いキャラでした。
が、今回は本当に相手が悪かったと言わざるを得ません。
今後の活躍を思い返し、久々の再視聴が楽しみです。
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コメント 2

恒男

どうも初めまして。私もこのお話が地味に印象に残っていてストーリー的に初めは意味わかんなかったんです。でも今になってみると、さなえがミップルと関わっていてた影響と自身の過酷な人生経験を経てとてつもなく強い心を持ったのは確かでしょうね・・・。
でも個人的には「さなえがプリキュアだったという説」は考えにくいですね。野沢さんが起用されたのは偶然かもしれないだろうし、なによりそもそも初代のプリキュアはふたり一緒じゃないと変身できない設定でしたからそれはぶっちゃけありえなーいか思います・・・。
by 恒男 (2015-01-25 07:53) 

スティクス

>恒男さん
1年半もレスを返せず、失礼いたしました。
確かにこの話、独特のインパクトがありますね。
さなえさんの不思議さだけでなく、「チョコ娘」や「ブレキストン博士」なども記憶に残ります。

>さなえがプリキュアだったという説
実は私もこれは違うかと思っています。おっしゃるとおり、ふたり居ないと変身できませんし。
作中ではっきりと結論を出さないことでファンそれぞれの想像にお任せする、という意図かもしれませんね。
by スティクス (2016-08-28 22:05) 

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