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第13話『ご用心!年下の転校生』 [ふたりはプリキュア]

前回出撃のポイズニーに続き、本格的に動き出したダークアクアキリヤ。
フレッシュ第7話のレビューを執筆した際、似た境遇のイース様と対比して
イース様の方が常識がありそうな感想を書いていました。
私の中では、この後の農作業サボりサッカーのラフプレー、ラブレター破りの印象が強く
思っていたよりも礼儀正しく物腰も柔らかで気さくという、キリヤの第一印象は
最初から冷徹と思っていただけに新鮮でした。

前半は謎の転校生・キリヤを中心に描きますが、
今回の主役はむしろ研究発表会に情熱を燃やす科学部のユリコです。
この二つで十分ボリュームがあり、製作時まとめるのが大変だったのでは?と感じました。
  
ラクロスの練習を一時休憩し、いつもの回想に入るなぎさの独白
『プリズムストーンを奪うために人間の姿になって近づいて来た。どこから狙ってるかわからない』
は、当然ポイズニーを指しているのですが、暗にキリヤを指してるとも解釈できる
興味深い独白でした。

グラウンドではサッカー部の練習中で、大勢の藤Pファンが黄色い声を張り上げる中、
華麗に抜いてシュートを決める藤Pに見とれるると共に、ファンの多さに驚くなぎさ。
そんな時、こぼれ球が見学中とおぼしき制服姿の男子の下に。
謝りつつボールを取りにくるサッカー部員を他所に、
こぼれ球を丁寧に受け止め、突如ドリブルを始める謎の男子。
怒って向かってくるサッカー部員を巧みにかわし、タックルもよけてあっさり二人抜き、
さらにその先の藤Pも抜いてシュートを決める、華麗なプレイを披露します。
『練習の邪魔をしてすみませんでした。今日転校してきた、入澤キリヤです』
失礼を素直に謝り、微笑で返すキリヤ。

この話題は瞬く間に全校を駆け巡り、科学研究発表会の準備中の科学部まで届きます。
藤Pを負かした転校生を見に行こうとする部員達を
『サボってる場合じゃないでしょ』と制するユリコ。
発表会でナンバー1を取ると、気合が入っています。

女子の間ではキリヤの話題で盛り上がっていました。
編入試験満点、1年にして藤Pと並ぶサッカー部のエースになるかも、おまけに可愛い。
藤P一筋のためか、あまり関心のなさそうななぎさを他所に、
志穂・莉奈までも『彼女にしてくんないかな?』『今の時代、将来性のある年下よ』
と、黄色い声援を送る二人。そんな志穂・莉奈に向け、手を振って応じるキリヤ。
その頃なぎさは、『彼氏ねえ・・・』と、藤Pと二人で歩く姿を妄想し、
我に返って照れ隠しのためか、柵に何度も頭を叩きつけていました。
そんななぎさを、意味ありげに振り返るキリヤに、三人とも気づいていません。

昼休みに弁当、カレーパン、やきそばパンを平らげ、まだ物足りないというなぎさ。
次の数学の授業で当てられる番と知り、ほのかを頼ろうとしますが、教室にはいませんでした。
ほのかはユリコと二人きりで発表会の準備に励んでおり、そこになぎさが訪ねてきます。
なぎさが不用意に半球に触れると、一斉に髪が逆立ちました。
これは静電気を発生させる装置で、雷と大気の循環をシミュレーションする実験装置の
作成中でした。それにしても、中学生レベルの科学力と設備で作れる物なのでしょうか・・・
ほのかに数学の事を聞きに来たはずのなぎさですが、研究の話を聞くうちに
当初の目的をすっかり忘れ、まだ手をつけられていないほのかの弁当が気になります。
昼食返上で作業していた二人。結局ユリコの弁当も提供してもらい、
ほのかが『二つも食べられないわよね』と言っているうちに
二つ完食しているなぎさ。目が点になるほのかとユリコ。
丁度チャイムがなり、『もうこんな時間』と我にかえるほのか。
ということは・・・結局なぎさは数学の授業で答えられず、居残り補修になりました。

すっかり遅くなった帰り道、突然足をひねって転ぶなぎさの前に現れるにキリヤ。
『大丈夫ですか?』と手を差し伸べますが、
『ありがとう』と自力で立つなぎさ。
『どういたしまして、美墨先輩』『何で私の名前知ってるの?』
『知ってますよ。2年生にしてラクロス部のエースだって評判ですから』
『いやー、エースなんて偉そうなもんじゃないけど』
『大事な体ですから、気をつけてくださいね、それじゃあ』
照れるなぎさに、一礼して去るキリヤ。
『へえ、結構いい子じゃない』なぎさも好印象を持ったようですが、
当のキリヤは『フン』と冷笑。ちょろいもんだぜ、という感じでしょうか。

放課後も作業中の科学部員たち。
もうすぐ完成する実験装置の名前を「ほのか1号」に決まってるでしょ、
と言うユリコに、一瞬意外そうな表情のほのか。
『ほのか1号で絶対グランプリ取るぞ』と気を吐くユリコに応える科学部員達。

キリヤはなぎさに続き、今度は駅で電車を待つほのかに声をかけます。
『あの・・・』『え?なにか?』
今までの女子とは違うほのかの反応に、あっけに取られたようで
『あ、すいません・・・つい。先輩はひょっとして、女子部科学部の』
『ええ、雪城ほのかです。あなたは?』
逆に聞かれて戸惑い、頬を染めて照れくさそうに目をそらすキリヤ。
『え・・・僕は・・・男子部一年の、入澤キリヤと言います』
『それで?何か用?』『え・・・?』
ほのかの反応が意外なのか、キリヤはそれ以上何も言えずに、
そこに現れたユリコとほのかの会話を呆然と聞いていました。
ホームに入ってくる電車。乗ろうとする直前、ユリコはキリヤの事に気づき、
意外にも『せっかくだからお話させてよ』と言いますが、
『じゃ、やる事があるので』とほのかに押し切られて電車に乗る二人。
呆然とホームに取り残されたキリヤ。

『珍しいんだワン』突如掛けられた声に振り返り、ぎょっとするキリヤ。
そこには二本足で立つ巨大な犬が。
『あんたがあしらわれるとはね、キリヤ。ヘッヘッヘッヘ(犬の呼吸)』
巨大な犬は当然ポイズニーの変身した姿でした。
『わかってないなあ、ポイズニー姉さん』『ワン?』
『僕はあの二人に興味があるのさ。ピーサードとゲキドラーゴを倒したのは事実だからね。
 簡単に始末しちゃ、面白くないだろ?』
『フフ、言い訳も上手ね』
『そういう姉さんはどうなのさ。それより、名誉挽回の方法を考えた方がいいんじゃないかな』
『フン、あんたに言われなくたってわかってるわよ』
『良かった、頑張ってね、ポイズニー姉さん』と、皮肉っぽい表情で見上げるキリヤ。
『ありがとう、あたくしのかわいい弟キリヤ』と、見下すようなポイズニー。
『・・・ところで、その姿もかなり目立つと思うよ』突然忠告するキリヤ。
ポイズニーはいつもの闇の姿のため、周囲から浮いていつの間にか囲まれていました。
『・・・ウソ・・・マジ?』戸惑うポイズニー。
いままでもドツクゾーン内での闇幹部そろい踏みはありましたが、おそらくこのシーンで
初めてポイズニーとキリヤが姉弟だと描かれたと記憶しています。
このやりとりでは姉弟の仲はドライな印象を受けますが、さりげないギャグ描写で楽しめます。
『ワン?』という返答はひょっとしてポイズニー役の雨蘭さんのアドリブかもしれません。

その頃電車の中では、しきりにほのかを評するユリコ。
『科学部に入って本当に良かった。ほのかに出会う事ができたから。
 ほのか一号で絶対にグランプリを取りましょうね』

いよいよ発表会当日。科学部員ではないクラスメイトの夏子と京子も見学に来ています。
『ユリコいつになく頑張ってたもんね』『取れるといいね、グランプリ』
ユリコの努力は、科学部員以外にも知られているようです。
『ほのか、緊張しないで。大丈夫、私がしっかりサポートするから』
そう言っているユリコのほうが緊張気味です。
客席では、なぎさが一人でほのかの応援に来ていましたが、そこに現れるキリヤ。
キリヤはキャプテンと一緒に来た、と言います。ということは・・・
『ちょっとほのかの応援にね』と、現れる藤P。
なぜか唐突に『急用を思い出しました、すみません。失礼します』と退出するキリヤ。
なぎさと藤Pを二人きりにしようという粋なはからいか、
それともポイズニーが仕掛けてくることを予測したか・・・
どちらにも取る事ができますが、なぎさは二人きり無論ガチガチでした。

藤Pと隣の席に座り、肘がほんのちょっと触れただけで胸が高鳴るなぎさ。
この後、なにか話さなきゃ、と百面相で考えを巡らせるなぎさが楽しいです。
『どどどどうしよう、何か話さなきゃ共通の話題は、ゴクリ。落ち着けー私。
 そうだ、ほのかよ。ほのかは先輩の幼馴染で、私の友達。立派な共通点だわ。
 えっとえっとー、まず最初の台詞は、ほのかの実験、成功するといいですよね。
 おお自然でいい感じ、よしっと。あー心臓が・・・』
気が付くと異常に大きく聞こえる心臓の音。
これはメップルが口で言っていたもので、メップルに怒鳴るなぎさ。
『いらんことすなー!』『ん?』『あ、あの、ほのかの実験・・・』開幕ブザー。
結局、何も言えずでした。

いよいよベローネ学院の発表。
『ほのか1号で、グランプリを取るわよ』息巻くユリコと、
意味ありげに他の部員を見回し、うなずくほのか。
見物に来ていた夏子と京子は、元々科学発表会に興味がないのか、居眠りしていました。
ほのかが演台に立って説明し、ユリコがOHP(懐かしい代物です・・・)で映写、という役割。
ほのかの発表は雷の発生のメカニズムとして教育テレビ並みにきちんと解説していたので、
お子さんに「何で雷が起きるの?」と聞かれた親御さんの助けになりそうです。

そんなほのか達の発表中、舞台袖で「会場係」の腕章をつけて見つめる女性。
結構美人ですが、これは例によってポイズニーの変装でした。
ポイズニーが指を鳴らすと舞台照明が割れ、実験器具からスパークが。
会場の配電室のメーターも振り切れ、館内のところどころに小さな雷が。
「只今、電源が制御不能のため、場内の設備の電圧が不安定になっています」
・・・水族館といい、またパニックを誘発しそうな場内アナウンスです。
なぜか会場内に係員がおらず率先して避難誘導をしている藤P。
宝石店といい水族館といい、相変わらず危機管理の甘い施設が多いです。

舞台でも撤収する科学部員ですが、ユリコは「ほのか1号」が気になって二の足を踏んでいます。
が、照明がユリコの直近に落下し、これ以上は危険です。
ほのかはユリコを『とにかく外へ』と促しますが、ドツクゾーンの仕業ではないかと察します。

場内の避難は済んでいました。―居眠り中の夏子・京子を除いて―
本当に係員安全確認ができてないです(笑)
突如ホールの扉が閉じ、裏口も封鎖されていました。
実験器具が覆いを取ると、やはりザケンナーが姿を現しました。
スパークを撒き散らすザケンナー。その勢いで天井の足場が落下。
目を醒ました夏子・京子の真上に落下してきますが、椅子の隙間に助けられる二人。
夏子・京子が館内にいる事を知らず、変身するなぎさとほのか。
隙間から変身直後の光景を見てしまう夏子と京子・・・これは次回の伏線になります。

裏口から逃げる事が出来ず、再び舞台に戻ってきたユリコ。
異様な姿の実験器具に驚きつつも、「ほのか1号」が姿を変えたと察し、
『やめて、壊さないで!みんなのために、ほのかのために作ったんだもん。
 みんなでグランプリ取るために、一生懸命作ったんだもん!
 だからお願い、壊さないで!』
ザケンナーを庇うかのように立ちはだかるユリコに、胸を打たれるホワイト。
ですがザケンナーにそんな思いが通じる筈はなく、ユリコに攻撃を仕掛けるザケンナー。
ブラックがユリコを庇いますが、気を失う直前まで『や・・・やめて』と呟くユリコ。

『何てことするの、絶対に許さない!』『どこかで見てるんでしょ、出てきなさいよ!』
怒るプリキュア二人の声に
『そーんな事言われると、出て行きたくなくなるのよねー』
などと言いつつもなぜか律儀に出てくるポイズニー(笑)
身軽な動きと、壁抜けなどで二人を軽くあしらいます。
ポイズニーを追いかけて壁にぶつかるブラックなど、古典的な描写がコミカルで楽しめます。

実験器具に攻撃を仕掛ける事に。
『ユリコとほのかには悪いけど、いい?』念を押すブラックに、
『大丈夫。わかってる』と、苦渋の表情を浮かべるホワイト。
そして放たれるマーブルスクリュー。同じく電撃で反撃するが、押し切られるザケンナー。
苦々しく撤収するポイズニー。
今回もセラピーを使えばいいのでは?と思いましたが、無機物には効かないのか、
それとも2回連続では面白くない、という事情が働いたためか解りません。
が、実験器具を破壊せずに済ませる事ができて、とりあえず良い結果に終わっています。

無事に再開される発表会。
科学部員の努力の結晶である実験器具は、本当に雲から雨が降るミニ地球です。
雷まで光っています。こんなすごい物、どうやって作ったのでしょう。予算とか・・・(笑)。
『・・・以上が私達の研究成果です』と、弁論を終えるほのか。
変わってユリコがマイクを持ち、
『私達はこの発表会のために一生懸命この装置を作りました。
 この装置は、科学部全員の努力の結晶です。みんなよく頑張ったと思います。
 でも、ある人がいなかったら、ここまで上手くいかなかったと思います。
 そこで、私達はこの装置に、その人の名前を付けました。ほの・・・』
序幕された装置の名前には「YURIKOI号」の文字が記されていました。
再びマイクに立ち『ユリコ1号です』と発表するほのか。そしてユリコに向けて、
『みんなでそう決めたの。ユリコ頑張ってたもんね。ユリコがいなかったら、出来てなかったよ』
そして再度マイクに向かい、『以上で私達の研究発表を終わります』
感極まり、涙ぐむユリコ。いつの間に戻ってきたのか、キリヤも会場の隅で見守っていました。

冒頭で触れたとおり、今回はキリヤ転校、科学発表会と、
2回に分けてもいいくらいのボリュームでした。
まず、キリヤですが、なぜわざわざポイズニーの作戦行動中に出てくる気になったのか、
「興味があったから」と本人の口から言われていますが、やや説得力に欠ける気がします。
今回見る限りでは(今後も)特段姉弟仲が良いようには見えませんので、
姉が心配、という感じではないと思います。
似た境遇のキャラクターでは
満・薫:ドロドロンの作戦行動中にもかかわらず気まぐれで転校
せつな:メビウスの密命を受けて接触。それを知らないウエスターさんが誤爆(笑)
こうみると、むしろせつなが異色の設定のようです。
頭脳明晰、運動神経抜群、容姿端麗、いずれもキリヤと満・薫の共通点です。
せつなは転校生ではないので「容姿端麗」以外はミステリアスな占い師で通っています。

逆にこの時点でのキリヤとせつなにあって、満・薫にないのは人当たりの良さでしょうか。
これを利用してプリキュアに揺さぶりをかけようとしたのなら、キリヤとせつなは
目的の共通点が見え、満・薫は目的がはっきりしない設定に思えてきます。
その人当たりのよさを利用してなぎさには上手く接触したキリヤですが、
ほのかには完全にペースを乱され、戸惑っていました。
なおかつ頬を染めて目をそらす、などという仕草があるため
後の21話までのほのかとの関係を考えると
「作戦が通じないことの戸惑い」よりも「一目惚れ」と解釈した方が適切かもしれません。

ユリコはおそらく1話以来の登場だったと思いますが、今回特に感じるのは
殆どの人がほのかを「雪城さん」と呼んでいるのに対し、「ほのか」と名前で呼んでいる事。
逆にほのかも殆どの人を「さん」付けで呼ぶのに「ユリコ」と呼んでいる事。
そして、目標に向かって突っ走り、ともすればプリキュア5の増子さんのように
周りを置き去りにしかねない強引な印象を与えるユリコを
うまくバランスを取りつつサポートしているほのか。
二人の信頼関係と、科学部での立場を上手く描写していると思います
増子さんにも良きパートナーがいたらどうなったでしょうか・・・
しかしユリコも孤立している訳ではなく、科学部員たちはその気持ちを理解していた。
だからこそ「ユリコ1号」という名前にすることに異論がなかったのでしょう。
また、科学部員でないクラスメイトにもその努力が伝わっていること、
「自分の研究発表」のためでなく、「ほのかという逸材のため」「科学部のため」
に努力している、献身的ともとれる姿が、増子さんとの違いかもしれません。
増子さんには気の毒なですが、決して私、マスコミカさん嫌いではありません。
むしろ好きな部類なので、一応フォローしておきます。

次回はこれもプリキュア史上珍しい「痛い」偽プリキュア。
あまりに「痛い」ためか、今のところ最初で最後?の試みになっています。
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