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第15話『メッチャ危ない家族旅行』 [ふたりはプリキュア]

皆様、連休はいかがでしたでしょうか?
私も家族ぐるみの付きあいの友人連中と近場に1泊行ってきたばかりのため、
今回のエピソードに重ね合わせて楽しむ事ができました。

今回は旅先での言い伝えを基にしたエピソード。
ですが、まだ顔出し程度でしかなかったなぎさの父、美墨岳さんの本領発揮。
その魅力を余すとこなく描写した「父」が主役の話でもあります。
フレッシュシリーズでは桃園圭一郎さん山吹正さんの活躍が華々しく描かれています。
5シリーズでは影が薄かった「父」の存在を、少女層たちに伝える格好の話です。
  
志穂・莉奈とお弁当を食べながら、家族旅行に行く事を話しているなぎさ。
「レイクサイドなんとか」というホテルを勝手に父が予約したとのことですが、
「お洒落そうなホテル」「超リッチな感じ」とはしゃぐ志穂・莉奈にまんざらでもない様子。
ほのかもさなえさんと二人で湖畔の和風旅館に行くとのこと。
その湖の伝説、不思議な現象に一人想いを巡らすほのかを、
ちょっと疎ましそうなやりとりで真似する志穂・莉奈。
この時ほのかは一人で弁当を食べているのと、志穂、莉奈の態度から、
未だに「雪城さん」はクラスでまだ浮いた存在なのかもしれません。

『本当に今度の相手は、何をするかわからないよね』
と回想しつつ宿に向かうなぎさと美墨一家。
回想でぼんやりしていたのか、宿を通り過ぎて岳パパに呼び止められた前にあるのは
「旅館 れゐくさゐど」純和風旅館でした。確かに「れいくさいどなんとか」ですが・・・。
ご満悦の岳パパ、ちょっと引き気味の理恵ママ、亮太、なぎさでした。

よく言えば趣のある旅館を案内される美墨一家の向こうから、
ほのかとさなえさんも現れます。お約束どおり偶然にも同じ宿でした。
早速家族ぐるみの歓談を始める美墨、雪城両家ご一行様。
岳パパが高校時代科学部で現在研究職に就いている事に興味を持つほのかですが、
岳パパ名物のオヤジギャグが炸裂して、目が点になる雪城一家と
「ブッ」「ガッ」「やってしまったよ」のように一斉に頭を抱える美墨一家。
また一見胡散臭い宿ですが、部屋からのレイクビュー、温泉付、静かな環境と、
なかなか趣のある雰囲気に満足そうな一同です。
岳パパの提案で、夕食を雪城家と一緒にとることに。
『亮太良かったねぇ、憧れのほのかさんと一緒にお・しょ・く・じ』
姉も姉なら弟も弟で、亮太をからかうなぎさと、真っ赤になる亮太。

初対面の岳パパを明るくて楽しそうな人と評するほのかですが、
なぎさはオヤジギャグを連発する父をちょっと恥ずかしく思っているようです。
しかし、二人とも今日の偶然の出会いを手放しで喜べませんでした。
『これって絶対あいつらが出てくる展開だよね。例えばこんなトコに』
なぎさはそう言いつつ適当に近くの戸棚を開けてみましたが、
本当にその戸棚に隠れているポイズニー姐さんが?
再び開けてみたら誰もいない。反対側も同じく。
・・・とりあえず、見なかった事にする二人でしたが、確かにポイ姐さんが潜んでいました。

旅先ということで、オムプの料理も凝っていました。
「海の幸と野菜の盛り合わせ」「カルパッチョ風サラダ」「洋風巻寿司」
「薄塩仕立てのお吸い物」「鹿肉のソテー」「伊勢海老、毛蟹も食べ放題」
私達がリアルで連休中に食べた物よりも豪華です。
旅館の浴衣のようなものを着ているメップルとミップルもご満悦でした。

宿に面する湖は乙女ヶ池、小島は響島、という名前のようです。
主人によると、この地に伝わる伝承では、
「むか~しむかしのことじゃったぁ。響島にはそれは美しい娘が住んでおったそうじゃぁ。
 娘には二人の幼馴染がおったんじゃが、年頃になると二人とも娘に恋をし、
 遂には果し合いをして、相打ちで死んでしもうたそうじゃぁ。
 二人を失った娘は悲しみのあまり松の木に姿を変えてしまったそうじゃぁ。
 若武者が着ていた赤と青の鎧は松の木の横の祠に祭られたのじゃが、
 娘の吹く悲し~い笛の音が、今でも湖に響くと言われておってのぉ。
 争いを悲しむ想いが、今でも、松の木に宿っておるそうじゃぁ(常田富士男さん風)」
一部意訳ですが、この昔話と、「二つの祠の間に沈む夕陽を拝むと願い事が叶う」
という主人の話に興味を持ち、島に渡ろうとするなぎさ。
亮太も行きたい様子で、二人だけで行くなんてずるいとゴネますが、
『明日はたーっぷりほのかが遊んでくれるって』と勝手な約束をするなぎさ。
なぎさのペースに巻き込まれたほのかは呆れ気味ですが、期待を膨らませる亮太。

さて、島に向かおうとしたなぎさとほのかですが、霧が出ていて舟は出ません。
そこにタイミングよく島まで乗せてあげる、と渡し舟のおじさんが現れ、
島へ向かう二人。・・・ですが、このおじさん、時代劇の船頭のような格好で、
二人とも少しは警戒したほうがいいのでは?島に上陸した二人を見送った後、
案の定正体を現し、おじさんはポイ姐さんの変身と分かります。

そうとも知らず祠に向かう二人。小島かと思いきや、それなりに広く起伏もあります。
そしてお目当ての松の木と祠にたどり着き、
まずは祠に納められた鎧を覗き込んでその迫力に感心していましたが、
突如巨大化して二人の背後に立つ鎧。
『今、ドーンって音した?』『うん。その前にゴトッとも』
『ザケンナーって聞こえた?』『うん、なんとなく』
『って事はこれって・・・』『多分・・・』
こわごわ振り返る二人の前に、刀を構えた武者姿のザケンナー二体が・・・
『嫌あぁぁぁ』『来ないでえぇぇぇ』
思わず逃げ出す二人。なぎさはあられもなく涙を流し、ほのかも意外と怖がっています。
動く人体模型の時もそうでしたが、一見幽霊等を信じなさそうなほのかは
「動く筈がないのに動く無機物」に弱いのかもしれません。
そうこうしているうちに挟み撃ちになり、容赦なく振るわれる刀を
まさに紙一重で避け、切られたほのかの髪が舞い飛びます。
珍しく変身を促すのではなく、逃げる事を促すメップルとミップル。
そして逃げ回るだけで変身しようとしない二人。
これはおそらく岳パパの活躍の場を与える為だと思われます。

その岳パパを含め、料理を前になぎさとほのかがいないことを気に掛ける両家一同。
亮太はバツが悪そうに、二人が島へ行ったことを白状します。
すっかり煮えた鍋を前に、『もう、これから夕飯だっていうのに』
と理恵ママ。かつて東西新聞で究極のメニューを担当しただけあります(CV荘真由美さん)
ここで立ち上がる岳パパ。暗くなる前に二人を連れて戻ってくると、
理恵ママ、さなえさんを安心させ、単身島に向かいます。
船着場に駆けつけるも、霧だから船は出ないという事で、
目に付いた貸しボートで島に向かう岳パパ。
バランスを崩して頭が水に浸かったり、必死にオールを漕ぐも一本落としたり、
一本でなんとか進もうとするも、当然前に進まずグルグル回ったりしますが、
熱いお父さんです。

その頃ザケンナーに追いつめれられた二人は尺の都合が付いたので変身します。
が、今回の相手は大きいため、捕まって投げ飛ばされたり、
刀で切り付けられたりと苦戦します。
見事な真剣白刃取りを披露するホワイトですが、力が強く耐え切れず、
体勢を崩した際に後ろの木が割れ、ザケンナーを投げ飛ばす事は出来ましたが
ホワイトも足が割れた木に挟まって動けません。

ようやく島にたどり着いた岳パパは、『なぎさー、ほのかちゃーん、どこだー返事しなさーい』
と声を上げますが、ポイ姐さんに『邪魔するな』と遮られ、斜面を転落する岳パパ。
そしてブラックを捕まえた赤ザケンナーと、ブラックを一文字に斬ろうとする青ザケンナー。
このままでは日曜の朝っぱらから凄惨なシーンをお茶の間に晒す事になってしまいます。
ですがブラックに迫る直前で止まる刃と、どこからともなく聞こえてくる笛の音。
頭を抱えて苦しむ鎧ザケンナーたちに戸惑うポイズニー。
『きっと、娘の魂が悲しんでるんだわ』『美しい伝説を汚すような奴は許せない』
と、三回目のセラピーを放ち、元の姿に戻す事に成功しました。
先日無機物にはセラピーが効かない?と書いた私ですが、記憶とは曖昧なものでした。

ザケンナーを撃退したところに、這い上がって駆けつける岳パパ。
なぎさは心配して『お父さん大丈夫?』と迎えますが、
『馬鹿者!!どうして黙って出ていったんだ。みんながどれだけ心配したと思ってる』
と厳しく叱り、そしてなぎさに背を向ける岳パパ。
『自分勝手な事をするんじゃないぞ!・・・帰るぞ』

無事に宿へ戻り、素直に謝るなぎさとほのか。
なぎさはあんなに怒った岳パパに戸惑っていましたが、当の岳パパは照れ隠しか、
後ろで口笛吹いて知らん顔しています。そんななぎさにさなえさんが声を掛けます。
『響島の伝説には、実はもう一つの言い伝えがあるんですって』
懐中電灯を下から照らして現れた主人によると
『その話では、赤い鎧の若武者と青い鎧の若武者は
 娘を奪い合って戦ったのではないそうな。戦に巻き込まれた娘を守るために
 力を合わせて戦って、共に命を落としてしまったそうな(市原悦子さん風)』
一部意訳ですが、この伝承でさなえさんが伝えたかった
「この世で、一番大切な物」が岳パパにとっての自分だ、と理解するなぎさです。

風呂上り、なぎさは亮太と共に出て来る岳パパを待っていました。
父に面と向かって改めて謝るなぎさを、優しく諭す岳パパ。
『無事だったから良かったけど、何かあったんじゃないかと思って気が気じゃなかったよ
 何たってお前達は父さんにとって、この世で一番大切なものなんだからな』
そこまで言って急に照れ隠しのように、オヤジギャグで誤魔化し始める岳パパですが、
なぎさが父を見る目は少し変わっていました。

帰り道でのなぎさは、岳パパにベッタリくっついていました。
岳パパの持つお土産を全部持つ、と張り切るなぎさに負けじと、
ほのかの荷物をお持ちします、と張り切る亮太。
そして重さのあまり転倒する亮太と、ガニ股で鼻の穴全開で踏ん張るなぎさ。
『何やってんだか、うちの一番大切なものたちは・・・』と理恵ママが締めました。

今回は何といても美墨岳さんの活躍が光ります。
中二の女子ともなると、ちょっと父に対して接し方が変わる年頃。
オヤジギャグを臆面もなく放ったりする父を疎ましく思ったりするものです。
『かつてはノーベル賞を目指していたけれど、今はお酒が呑ーめる賞くらいかな?』
『何度も言わせるなーまビール呑みたいなーなんちゃってナハハハ』
『美墨一族はみすみす隅におけないな、なーんちゃって、父さん絶好調』
・・・確かにギャグセンスは微妙ですが、なぎさ達の捜索に向かうと決心した時の背中、
空回り気味でも娘達のために懸命な姿。
そして真剣に想うからこそ真剣に叱る姿。
少女視聴者層にも父とは何かを伝えるための良いキャラクターです。
また、初対面で岳パパの本質を見抜いたほのかの人を見る目も優れています。

次点はポイ姐さんでしょうか。私の中では「珍キャラクター」のイメージだったのですが、
ここ数話を見る限り、巨大な犬化などがありましたが、思ったよりまともに活躍していました。
ですが今回、冒頭での『本当に今度の相手は、何をするかわからない』との回想どおり、
戸棚の狭い隙間に曲芸師のような姿勢で潜んでいたり、
仲居さんに変身してこっそりなぎさたちの様子を伺うも、
『ポイ子さん何してるんですか、お膳運んでください』(ポイ子さんというセンスがまた・・・)
と怒られてお膳を崩すも大道芸人のように器用に受け止める点が面目躍如。
ブラックを追い詰めた時の極悪人のような高笑いも流石です。

古い旅館にお約束の、不気味な主人もいい味出していました。
突然背後に現れたり、振り返り様に般若の面をつけていたり、
懐中電灯を下から照らして現れたり。これで接客業が成り立つのかは微妙ですが・・・

また、よく見ると凝ってる背景にも目が止まりました。
2年桜組の教室に掲示してある「清く正しくたくましく!」
旅館のお土産コーナーの「銘菓『しまモナカ』お目覚めスッキリ」
お目覚めスッキリとは、果たしてどんなお菓子なのか、空恐ろしいです(笑)

ちょっと残念なのは、風呂の外観、浴槽、たらいを写し、
『とてもいいお湯でしたね』『本当ですね』という
悟空とチチさなえさんと理恵ママの台詞だけ、という入浴シーンですが、
これは放映時間的にも対象年齢的にも仕方がないでしょう。
それだけにフレッシュ第2話のシャワーシーンが実に意外でした。

次回はミユキさん学園のマドンナ、友華先輩のエピソード
『友華先輩って、本当マドンナって感じよね』
『まあ、どんな?なんちゃって』
『・・・また来週・・・』
美墨家の血は争えないようです。
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Saig Hira

スティクスさん
 文章お上手ですね。
 最近プリキュアを知り、毎日一話ずつ見た後にスティクスさんのブログで復習(?)するのですが、読ませて頂きながら物語が生き生きとよみがえる感じがします。楽しませて頂いてありがとうございます。
 プリキュアは主人公を取り巻く大人たちが素晴らしいのですが、今回の岳パパの一喝にもグッと来てしまいました。大人になるにつれだんだんと叱ってくれる人が少なくなって行くんですよね。だから愛情を持って叱ってくれたことは子供時代の大きな財産であり、私も懐かしく思い出すことがあります。
 とても良いアニメですので、これからもブログでの応援をよろしくお願いします。
 
by Saig Hira (2013-05-29 01:08) 

スティクス

>Saig Hiraさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
最近プリキュアに触れた方から、このように指針として頂く事は
大変光栄で嬉しく思います。
以降のストーリーを紐解くきっかけになれば幸いです。

この話はご指摘の通り、「大人」の描写が光りますね。
普段オヤジギャグを連発している岳パパが叱るシーンが印象的ですが、
理恵ママも、もちろんさなえさんも暖かく子供たちを見守っている感が伝わり、
民話調の抒情的な展開と相俟って、地味ながらも光る一編だと思います。

今後も過去のシリーズ、過去の記事だけでなく、現在進行中のシリーズにも
ご意見を頂けると嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。

by スティクス (2013-05-30 21:51) 

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