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第17話『ハートをゲット!トキメキ農作業』 [ふたりはプリキュア]

かつて少女向けアニメの主人公の恋話の舞台が農業という展開があったでしょうか?
5シリーズでは主人公たちが第一次産業体験をする話が思い当たりませんが、
無印~マックスハートではこの後「栗拾い」「梨もぎ」
スプラッシュスターでは「キャベツ収穫」「漁船乗船」があります。
社会科の番組のような視点でも見ることができるのが面白いです。

もっとも、今回の主軸になるのは、なぎさと藤Pではなく、ほのかとキリヤの関係。
丁度今週のフレッシュプリキュアでせつなとラブの関係に関わる話だっただけに、
敵側と味方側の間に揺れる、同世代の敵キャラ描写はフレッシュではどうなるでしょうか。
その原点ともいえるキリヤとほのかのエピソードの再視聴レビューです。
  
ラクロスの練習後、練習中の藤Pに気づき、うっすらと頬を染めて『・・・がんばれ』と囁くなぎさ。
突然背後から『もっと大きな声で応援したら?』とほのかが現れ、
慌てて取り繕うなぎさに、明日知り合いの農家の収穫を手伝ってほしいと持ちかけます。
快く応じたなぎさにそれとなく事情を明かすほのか。
サッカー部で藤Pの友人でもある木俣の祖父母が農家で、収穫を手伝って欲しい事。
そして当然、藤Pも来るという事を。
なぎさと藤Pの関係に対しての、ほのかの巧みなアシストでした。

自室で、明日何を着ていくか迷うなぎさ。
無断で入ってきた亮太に例の如くコブラツイストをお見舞いしますが、
『農家のお手伝いに、なんでそんな熱心に服選んでんだよ?』
という亮太のまっとうな意見に、自分の世界に入るなぎさ。
(藤Pと一緒に農作業するなぎさ。畑で手が触れ、ハート型の芋を掘り当てる姿を想像)
妄想に勝手に照れて、床を転げ回るなぎさ。
『お母さーん、お姉ちゃんが大変だー』
『最近このままなぎさにお世話されていいのか悩むメポ』
亮太とメップルがそう感じるのも最もです。

翌日、列車で向かうなぎさ、ほのか、藤P、木俣と、なぜか同伴のキリヤ。
サッカー部の後輩とはいえ、この特別待遇はやや疑問ですが、
一人だけ離れたボックス席に座って、お菓子を見つめて困り顔。
そして、4人が談笑するにぎやかなボックス席を見て微笑する描写が意味深です。

たどり着いた木俣の田舎。
木俣の祖父が肩を痛めたため、祖母がピンチヒッターを頼んだようです。
強がったり、医者が嫌いだったり、頑固な祖父に閉口気味の木俣でした。
収穫する畑はかなりの面積で、3組に分かれて収穫することになります。
当然木俣と祖母のペアになりますが、
『藤村君となぎさは、運動部同士でいいんじゃない?』
と提案するほのかと、快諾する藤P、戸惑うなぎさ。
そしてほのかはキリヤと組みます。そして出発前、
『言いたい事は、はっきりとね』と、なぎさの背を押すほのかです。

藤Pと共に大根を収穫するなぎさですが、何を言えばいいのかわからず、
悶々と収穫を進めていました。気づいたら藤Pが驚くほどの手際の良さ。
藤Pに褒められて、一気に真っ赤になり、
『(うわぁ褒められた?私今先輩に褒められた?きゃー)』と、
さらに舞い上がってポンポン大根を抜いて行くなぎさでした。

ほのかは対照的に、キャベツの植物としての特徴、由来などを説明しながら
丁寧に作業していました。麦藁帽子、首にタオルと、完璧な農作業ルックです。
ところが、ペアを組んでいるキリヤは手を休めて空を見ていました。
キリヤに注意するほのかですが、頑張ったって無駄。出来る訳無いと
消極的に返答するキリヤに対して、
『一人じゃ無理だから、みんなで力を合わせて頑張るんじゃない?』と諭します。
そんな人間を弱く、力を合わせないと何も出来ない、と嘲り気味のキリヤを
『力を合わせるから、人間は強いんじゃない?』とさらに諭すほのか。
そして戸惑うキリヤを『やれば解るわ。ほら、手伝って』と、収穫に向かわせます。

渋々キャベツの収穫始めるキリヤですが、延々と広がる未収穫の畑を見てうんざり気味。
『キャベツキャベツ、何でこんな物ばっか植えるんだよ。
 ねえ先輩。こんな事して何になるんですか?』
ほのかはキャベツの流通、そして食卓に上るまでを易しく説明しますが、
『面倒くさ。人間っておかしいよ』『ほら、口より手を動かして』
嫌々ながらほのかのペースに乗せられるキリヤです。
その頃木俣から昼食の誘いが来ますが、さっきサボった分をやってから、
とキリヤに注意して断るほのか。

中途半端が嫌いでちょっとおっかない、とほのかを評している藤Pと木俣に、
まっすぐにほのかの良さを主張するなぎさ。
そんななぎさの事を、ほのかを理解してくれている友達として、
幼馴染の立場から嬉しいと評する藤P。
なぎさは例によって真っ赤になり、お茶を取ってくる、と照れ隠しで退散します。

その頃メップルとミップルは当時の新商品の宣伝中プリズムラブチェッカーで
愛を確かめ合っていました。二人で触り、点灯するランプが多いほど、
お互いを好きだとわかるという販促商品の営業光の園の道具でした。
早速借りようとするなぎさですが、
『藤Pとか言う男と使うのかメポ?』『なぎさは藤Pのことが好きなのねミポ』
図星を付かれ、慌てて弁明しつつも
『(これを使えば、先輩が私の事どう思ってるかわかるわ)』
と期待を膨らませて藤Pのところに向かいます。
が、いざ面と向かうと緊張してなにもできず、触らせることもできず、
例によってムーンウォーク?で退散するなぎさでした。

なぎさはプリズムラブチェッカーの効果が本物かどうか、木俣の祖父母を試そうとします。
囲炉裏端でうたた寝しているお爺さんに、上着をかけるお婆さん。
『いらん!』『わしゃ遠慮しとく』と、頑固一徹、不器用な高倉健のようなお爺さんですが、
お婆さんに促されて渋々試すことに。結果は全部点灯。
意外な結果に驚くなぎさですが、
『下らん!』『下らん物に下らんといって何が悪い』と、相変わらず頑固一徹なお爺さんと、
非礼を詫びるお婆さんです。
なぎさの目からはラブラブに見えないということで、あんまり当たらない、と
プリズムラブチェッカーをメップルに返すなぎさ。

その頃ほのか、キリヤ組では、収穫して箱詰めしたキャベツを
ほのかに言われるがままキリヤが一輪車で運んでいましたが、
一輪車がつまづいて転倒し、散らばるダンボール。
『せっかく詰めたのに』と、残念そうなキリヤは右手親指を少し切っていました。
かすり傷だと問題にしていないキリヤを、急いで手当てをするほのか。
キリヤはこんなの傷のうちに入らないと言うますが、化膿する事もあると手当てするほのかに、
『何で人の怪我の手当なんてするんですか?』と問いかけます。
『怪我してる人を放っとける訳ないでしょ』『人間ってみんなそうなんですか?』
『え?』ほのかは一瞬間を置きますが、『ええ、そうよ』と絆創膏を貼って答えます。
キリヤの代わりに、運搬を担当するほのか。そして、絆創膏を見つめるキリヤ。
懸命に働くほのかの姿を見て、軍手をはめて収穫を始めるキリヤでした。

そして日が傾き、収穫を終えた畑を見て『全部、終わった・・・』と呟くキリヤ。
再び絆創膏に目をむけ、『力を合わせるから、人間は強いんじゃないかしら?』
というほのかの言葉を思い出していましたが、
『キリヤらしくないわねぇ、隙だらけよ。私がその気だったら、あなた命が無いわよ』
キリヤの背後に現れるポイズニー姐さん。
『人間に取り入るつもりが、逆に取り入られるなんてことは無いわよねぇ』
と釘を刺しますが、ムキになって『奴らをやるんだろう?手伝うよ』と返すキリヤ・・・

農家の裏山に姿を現し、ミミズをザケンナーにするポイ姐さん。
地鳴りと地響き、そして姿を現す巨大なミミズは、農家の壁に体当たりを繰り返します。
その反動で倒れる戸棚から、身を挺してお婆さんを庇うお爺さん。
ですが、家の壁を破って巨大ミミズが侵入してきます。
囲炉裏の火箸を手に取り、お婆さんを庇い『化け物め!』と一喝するお爺さん。
そして木俣と藤Pが石を投げて巨大ミミズの気をそらした隙をつき、
プリキュアに変身する二人。
『とっととお家に帰りなさい』・・・カラスの鳴き声。
ミミズは藤P達を追っていったため、誰もいませんでした・・・

藤Pと木俣に襲い掛かろうとする巨大ミミズに追いつき、攻撃する二人ですが、
ミミズだけでなく巨大ムカデのザケンナーも現れ、
ムカデの巣穴に引きずりこまれるホワイト。
そして穴の入り口はキリヤによって塞がれてしまいます。
プリズムストーンを渡すよう迫るポイ姐さんですが、当然断るホワイト。
そして巨大ムカデに締め上げられるホワイトを、後ろでキリヤが見つめていました。
外のブラックがいくら攻撃しても岩戸が開かず、何かで封印されているようです。
プリキュアの致命的な弱点は、一人では何も出来ない事だと言い放つポイ姐さん。
そして石を渡すよう最後勧告をしますが、もちろん断るホワイト。
その様を見つめるキリヤの瞳に映るホワイトは、断固として『渡すもんですか』
と断り続けます。痺れを切らし、とどめを刺そうとするポイ姐さん。
戸惑うキリヤ。そして・・・キリヤが封印した筈の壁が突如崩れ、現れるブラック。
『ヒーロー登場ってね!』 『ヒロインでしょ』
顔を赤くするブラックと共に、マーブルスクリューを放つ二人。

そして、ミミズとムカデも元の姿に戻ったようです。
セラピーとどう違うのかは解りませんが、無益な殺生はせずに済んだようです。
ミミズを手にとり、『可愛いわよ、ほら』とブラックに見せるホワイトですが、
普通の女子にはちょっとキモいもの。逃げ出すブラックをよそに、
ミミズを撫でて『さっきはごめんね、さあ、気をつけてお帰り』と自然に帰します。
その様子を、再び絆創膏を眺めながら見ているキリヤでした。

老夫婦達は、お爺さんが身を挺して守ったためお婆さんは無傷。
お爺さんも大したことはありませんでした。
『仲の良さって、見た目だけじゃ解らないものね』
長年連れ添った夫婦の愛情を目の当たりにするなぎさとほのか。
そして、勇気を出して藤Pに一歩踏み出そうとしたなぎさですが・・・
『あの・・・お、お疲れ様でした』と言うのが精一杯。
肩を落とし『前途多難ね』というほのかと、嘆くなぎさで幕となります。

奇しくもフレッシュプリキュアでせつなの転機となり得るエピソードの直後なだけに、
今回と次回のキリヤの描写は興味深いです。
科学研究発表会のエピソード以降、キリヤが表立った話が無かったので
前回登場時と急に人が変わったような性格になっているという疑問点はありますが、
「こんなことをしても無駄」「人は弱い」と言うキリヤを
「力を合わせるから人間は強い」と諭すほのかは、
チームは弱い物の馴れ合いと蔑むインフィニティ三人組みと、
力を合わせて立ち向かったフレッシュ三人組みのぶつかりあいがあった
先々週のフレッシュプリキュアにも通じるものがあります。
そして収穫の達成感と、人(ほのか)の怪我人を放っておけない事を実感した直後、
現れるポイズニーによって闇の現実に引き戻されるキリヤですが、
目の前で苦戦するホワイト=ほのかを見て表情は変えずとも迷いが生じました。
おとといのせつなの状況もこれと近いため、フレッシュシリーズの展開も気になります。

また、藤Pのことを想うなぎさを応援するほのか、というものも、
これが原因でケンカになってしまった8話以来なのですが、
当人同士にわだかまりは無くなったのでしょうか。
ほのかは純粋になぎさをフォローしていましたし、
なぎさもそれを知りつつもガチガチで結果を出せませんでしたが、
ほのかに対して「おせっかい」などとは思っていませんでした。
そしてこのままマックスハート後半部までこの展開が続くことになります。

ミミズを可愛いと言い放つほのかのセンスは、
トカゲを可愛いといっていたこまちに受け継がれていました。
いずれもなぎさ、かれんと、それぞれの友人には引かれていましたが・・・

最後に助演男優賞、ツンデレお爺さんが魅力的です。
中学生には長年連れ添った老夫婦の心境を理解するのは難しいかもしれませんね。
大人の恋愛観に触れた話は、主人公たち、脇キャラの両親達を含め、
夫婦関係を描いた話が他シリーズで思い当たらないので、
忘れている話があるかもしれませんが、もしかしたらこれが唯一ではないでしょうか。
(アカネさんと中尾君は、個人的には中尾君の片思い、と考えています)

次回もキリヤとほのかの心理描写が光る佳作だったと記憶しています。
せつな回の印象が深い、今週中に視聴できれば良いのですが・・・
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