SSブログ

第22話『ウッソー!忠太郎がママになる!?』 [ふたりはプリキュア]

重く、悲しい前回と変わって、ほのかの愛犬・忠太郎と子犬の微笑ましいエピソード。
ですが、辛かったことを拭い切れないほのかを七夕や出会いと別れを絡み合わせて描いた、
前回の後日談としても見ることができる話です。

もっとも、「しゃべる忠太郎」のインパクトがあまりに強いため、
再見するまではそのような構成があったことを忘れておりましたが・・・
あと、サブタイトルは別に「パパになる」でも良かった気がします。
  
夕暮れの河原。元気に走り回り、川の水を飲む忠太郎の耳に、子犬の鳴き声が届きます。
見ると、木箱の陰で心細そうにしている子犬の姿が。
一度は忠太郎を怖れてか、隠れる子犬ですが、微笑みかけるかのような忠太郎に
気を許し始めたところ、忠太郎を呼ぶほのかの声が。
後ろ髪を引かれるように、ほのかの許へ向かう忠太郎でしたが・・・

忠太郎の散歩中は快活なほのかでしたが、
自室に戻るとキリヤを想い、遺していった石を見つめていました。
なぎさも同じ頃、番人のカードを見つめて、闇に還って逝くキリヤを思い出していました。
辛い思い出から優しい現実に戻すかのように、
七夕飾り用の良い笹が見つかりました、とさなえさんの声。
そこに現れた忠太郎の頭には、なぜか蜘蛛の巣が。
さなえさんも忠太郎の様子が変で、エサのお代わりをしても
まだ足りないような食欲を訝しがっていましたが、
言ったそばから食器を持ってきて、エサをねだるかのように『ワン』と忠太郎の一声。

翌日、笹飾りを済ませた雪城家で番人を呼び出す二人。
相変わらずマイペースな番人でしたが、今回は浮かない表情の二人が気になる様子。
『今回の事は二人にとってはちょっと・・・』『だから、二人は心から喜べないメポ』
『なになに・・・?詳しく話してみよ』という番人にも無言の二人を気づかい、
二人ともそんな気分ではないから、今回は帰って欲しいというメップルとミップル。
前回フォローが無かった分、今回にちゃんと気づかっていた二匹ですが、
番人は『一刻も早く集まるよう祈っておるぞ』などとしっかり煽って帰っていきました。
まあ、番人には次回以降たっぷり苦労していただくので、大目にみましょう。
その番人は虹の園と光の園の狭間の世界で石を守っているので、
石は番人の居場所さえわからなければ安全とのことです。
もっとも、これが後々裏目に出る事になるのですが・・・

『それにしても大きな七夕飾りだね』
浮かないほのかを気にしたなぎさが切り出すと、
そこに空のエサの器をくわえて現れる忠太郎。
エサをねだるかのように、空いた器を前足でたたいていました。
そのエサを食べずにどこかへ持っていく忠太郎の後をつけると、
床下にもぐりこんで行き、床下では冒頭の子犬がエサを食べていました。
『あ!忠太郎が子供産んだ!』『忠太郎はオスよ』
床下から連れ出した子犬には「モコ」という名前の首輪がついていました。
『そうかそうか、モコちゃんでしゅかー』乱暴に頭をなでるなぎさに、嫌がるモコ。
そして背後からなぎさにのしかかる忠太郎。すっかり保護者気分のようです。
そして首輪には住所も記されていました。

早速住所の団地にバスでやってきた二人と、忠太郎とモコ。
・・・モコはともかく、ゴールデンレトリバーの忠太郎を連れてバスに乗ったのでしょうか?
ともあれ、首輪の住所を訪ねてみると既に空き家となっており、
隣の家主も引っ越した先は知らない、近所の人に訪ねてみてもわからない、
と、残念な結果になりました。
寂しそうに、誰も乗っていない公園のブランコを見つめるモコ。
『さっきの家と同じ匂いがする』
あまりもに唐突にイケメン声で喋りだす忠太郎。ブランコの匂いを
『アキオちゃんのかなあ』と返事するモコ。
『アキオちゃんか。きっと心配してるぞ。お前がいなくなって』
『そんな事言ったって、知らないところへ連れて行かれると思ったんだもん』
と、引越しの車から抜け出したときの事を思い出すモコ。
これらの会話は「犬同士」のコミュニケーションなのですが、
忠太郎のイケメンお兄さんぶりがインパクト抜群です。

一方手がかりがつかめずにいるなぎさとほのかですが、
モコとアキオ君の事を知る男の子に、アキオ君はプラネタリウムが好きだったと教えられ
早速向かおうとしますが、忠太郎とモコがいない事に気づきます。
忠太郎が手がかりを見つけてモコと行動している、というほのかに
忠太郎への厚い信頼感が感じられます。
ところで男の子によると、アキオ君はモコと一緒に遊べる広い庭がある家に引っ越した
とのことですが、その事で離れ離れになってしまうとは皮肉なものです。

忠太郎は匂いを頼りにアキオ君の行方を辿っていました。
『こっちのほうに続いてる』『わかるんだ!忠太郎って凄いね!』
『お前が呼び捨てにするな』『じゃあ忠太郎君』
ほのかが信頼するように、良いお兄ちゃんぶりを発揮して追跡する忠太郎ですが、
当のモコは焼き鳥屋の前に座り込んで、愛くるしさ攻撃で一本もらおうとしていました。
モコをくわえて一目散に走り去る忠太郎。
『そんな事やってる場合じゃないだろう』『もうちょっとだったのに・・・』
残念がるモコですが、よく見たら焼き鳥屋さんがあげようとしていたのは「ネギマ」。
ネギは犬にとっては毒なので、危ないところでした・・・(笑)

その犬達より少し遅れて同じ道を行くなぎさとほのか。
焼き鳥屋に忠太郎の目撃情報を聞くほのかですが、
モコ同様、なぎさが犬顔&瞳ウルウル攻撃で一本もらおうとしていました。
なぎさを引きずって連れ去るほのか。飼い犬同様、飼い主もしっかりしています。
そして二人がたどり着いた先は、プラネタリウムでした。
手がかりが得られるかもしれないと、プラネタリウムへ入る二人。

『どうしたモコ。疲れたのか?』座り込むモコを気づかう忠太郎ですが、
『もうアキオちゃんに会えないんだ。こんなに探しても見つからないんだもん』
と弱気になるモコ。そしてこのまま再会できなければ、僕のお兄ちゃんになって欲しい、
と言うモコを元気づけるかのように、
『見つかるよ。絶対見つけるから』と、どこまでも頼もしい忠太郎でした。

プラネタリウム館内にも、子供達の願い事が書かれた短冊をつけた笹がありました。
「パパが人前でおならをしませんように」などといった短冊を微笑ましそうに見ていますが、
頭をスッキリさせていい考えが浮かぶ、というなぎさが押し切るように
プラネタリウム内部へ入る二人。
二人の近くには、見落としていた「モコがかえてきますように」の短冊がありました。
なぜか誰も客がいない、無人の館内に腰掛ける二人。
『小学生の時、ここで七夕の話聞かなかった?』
『七月七日になると、彦星が織姫に会えるように、天の川に何とかって橋をかけるんだよね』
『かささぎっていう鳥よ』

『何でこんなところに二人のにおいが?』
忠太郎が嗅ぎつけたなぎさとほのかのにおいが続く目前のプラネタリウムは
黒雲に包まれていました。不穏な空気を察し、駆け出す忠太郎。
のん気に館内の天井を見上げていた二人でしたが、突如閉まるドア、暗くなる館内。
そして邪悪な気配を察するメップルとミップル。ですが・・・
その直後に星空が浮かび上がる館内に、みんなそろって『わぁー♪』
・・・なぜか今回、妙に呑気な気がしますが・・・
浮かび上がる星座に目を輝かせていましたが、突然うみへび座のヘビと、
さそり座が実体化。ザケンナーとなって襲い掛かってきます。
サソリが最終形態スコルプさんにそっくりだったのですが、それはさておき変身する二人。

攻撃しようとすると実体から星空に戻り、責めあぐねるプリキュア達。
そしてヘビに追い詰められ、危機一髪のホワイトですが、
ホワイトが追い詰められた後ろの扉を開けて駆けつける忠太郎。
ホワイトを庇うかのようにヘビに向かって吠え続け(犬の声で)
反撃する機をもらったホワイトは再び立ち上がります。
そして忠太郎はモコとともに安全なところへ自ら引き上げていきました。
一方ブラックもサソリ相手に苦戦していましたが、映写機がザケンナーの本体と気づき、
映写機に向かってマーブルスクリュー。ひとまずザケンナーを撃退しました。

が、本当の脅威はこれからでした。撃破した映写機の跡に立つイルクーボ。
既にその実力の程を知っているために、イルクーボが手を向けると反射的にすくんでしまう二人。
『どうした・・・怖くて動けないか?』
思い切ってイルクーボに挑みかかるも、あっさりと返り討ちにされてしまいます。
『強い』『やっぱり今までの奴らとは全然違う』
そんな二人をじりじりと追い詰めるイルクーボ。
万事休すとばかりに、カマをかけるプリキュアとメップル。
『無理だわ。あなたなんかに(石を)見つけられっこない』
『そうよ、私達だって近づけないところにあるんだから』
『そうメポ。プリズムストーンは石の番人が守ってるから絶対安全メポ!』
『石の番人・・・ウィズダムか?』
イルクーボが番人の名前を知っている事にうろたえるメップルとミップル。
そしてウィズダムから石を手に入れるには準備が必要、と
この場は引き上げるイルクーボ。当面の脅威は脱したものの、
得体の知れない不安感が込み上げてくる一同でした。

『あれって忠太郎君のご主人?何か凄くない?』
『ご主人というより、マブダチかな。
 こっそり何かやってるとは思ってたけど、まさかこんな事・・・』
そうプリキュアを評す二匹。
忠太郎は先ほど二人が見逃した、アキオ君の短冊をくわえて持ってきました。
短冊の裏には写真と新しい住所が。これでモコの問題も解決です。

無事に再会を果たし、大喜びのモコとアキオ君。
そして出会いがあれば別れもあります。忠太郎とモコもお別れ。
『バイバイ、忠太郎君』『バイバイ、モコ』
・・・これ以降、二度と忠太郎が喋ることはありませんでした・・・
モコがいなくなって寂しいのでは?と気づかわれた忠太郎は、
ほのかの顔をなめまわし、まるで心配無用、と言っているようです。

気づかいといえば、もう一件。それは、キリヤのこと。
『こうなったら頑張るっきゃないよ。プリズムストーンを遺していってくれたキリヤ君のためにも』
『そうね・・・』帰り道に、なぎさに励まされたほのかですが、
そのとき脳裏に浮かんだのは、キリヤの最期の姿と、見送るしかできなかった自分の姿。

そしてほのかの部屋では、机の上に開いたままのプリキュア手帳。
一人夜空の下。縁側でうつむくほのかを見上げる忠太郎。その先には笹飾り。
『その夜、ほのかは泣いたんだって。
 涙が涸れるまで泣いたんだって。ほのか・・・ガンバ・・・』
なぎさの独白のような台詞で幕となりました。

最近のフレッシュプリキュアでも見た目と裏腹に思いもよらない台詞を吐く動物が登場。
また、SS終盤のコロネも、渋い美声で喋りだし度肝を抜いたものですが、
そのさきがけはこの忠太郎でしょう。
予想だにしなかったムカーディア置鮎龍太郎さんのお兄さん声。
おそらく人間換算の25~30歳、ゴールデンレトリバーの3~4歳と見受けられましたが、
ほのかを「マブダチ」と評した後になめまわす等、声のイメージとのギャップが楽しいです。

もう一つのテーマは「出会いと別れ」でした。
前回のキリヤとの別離、忠太郎とモコの出会い、
モコとアキオ君の再会、そして忠太郎とモコの別れ。
随所に挿入される「七夕」を意識した展開は、別れを悲しむ彦星と織姫の話を根底に
ほのかとキリヤの別れを象徴しているような演出でした。
年に一度カササギの橋がかかってお互いが会える日。だけどほのかとキリヤは・・・
そう考えて、抑えたものが一気に出たのが、ラストのほのかの描写でしょうか。
最終版に起きる奇跡か偶然か、はたまた運命の気まぐれか、その日まで。
ほのかを見守るように、忠太郎が傍にいるのも効果的だと思います。

イルクーボの圧倒的な強さと威圧感は前回登場時同様際立っており、
全く手抜かりがなく三枚目になることも無いため、とにかく畏怖の対象として描かれます。
追い詰められたプリキュアがカマをかけたことで、石の入手を具体的に模索し始めるなど、
隙のない敵であると伺えます。
そんなイルクーボがおどけて見える時は、EDの闇幹部5人行進の妙な動きと、
声を担当する二又一成さんのモブキャラ(その他キャラ)担当でしょうか。
今回モコ&なぎさの瞳ウルウル攻撃に合う焼き鳥屋さんの声も担当しておられ、
イルクーボと声質は同じながら全く異なるキャラを担当する事が他の話でも多く、
名バイプレイヤーとしての存在感を感じました。

次回はシリーズでほぼ恒例の夏合宿ですが、話の都合上
最も緊迫感のある夏合宿に・・・前半の展開も山場を迎えます。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。