フレッシュ第22話『せつなとラブ あなたがイースなの！？』 [フレッシュプリキュア！]
とうとう来るべき時が来ました。
放送前から、このような異様な緊張感を持って視聴に臨んだのは
SSの『超オドロキ！満と薫の衝撃告白！！』以来で、奇しくもこの話も第22話でした。
自分を大切にするとは。心配してくれる人がいる事とは。幸せとは。
ラブとせつな、ピーチとイース様がついに相対する
中盤の山場となるであろうエピソードです。
まずは冒頭、プリキュアについての約束事や、リンクルン、ピックルンなどを
ミユキさんに説明する3人。まだ4人目の可能性を捨て切れていないようです。
プリキュアの正体については口止めするようお願いする3人。
ミユキさんからも条件があり、しばらくダンスレッスンを中止することでした。
ダンスに本気なのはよくわかるけれども、そのために体を壊しては何もならない。
夢をかなえて幸せGETするには、自分を大切にしなければ、と諭され、
かつ本心からミユキさんが心配してくれていた事に、
最初は不本意そうだったラブも納得しました。
ともあれ、4人目がミユキさんだとして、アカルンはいつ現れるのか。
ラブがプリキュアになったときはナケワメーケに襲われた時、
美希がプリキュアになったときもナケワメーケに襲われた時、
ブッキーも以下同文。・・・と、略されたことにブッキーは不満げでしたが、
ミユキさんがラビリンスに襲われればアカルンが現れるのでは？と推測するタルト。
少々危険ですが、コンサートをラブたちがばっちりガードする、ということになりました。
残り一片となってしまったカードを手に、
FUKOのタンクで前でぐったりとしているイース様。
メビウスからカードを受け取ったときのことを思い出し、一人呟きます。
『もう一度このカードを使って、私は無事でいられるだろうか・・・』
焦点が定まらない視界の中に現れる人影に、思わずメビウス様！と呼びかけるも
現れたのは久々の、2回目の登場となるクラインでした。
「監視」するのが役目のクラインはイース様が役目を果たせるのか
監視しにやってきたようで、改めてイース様に釘を刺しに来ました。
『あなたの任務はそのカードを使ってプリキュアを倒す事。
メビウス様がそうお決めになったのです。あなたはその通りに動けばいい』
『任務を成し遂げたら、メビウス様に直接お会いしたい
メビウス様にお伝えしろ。このイースが必ずプリキュアを倒すとな！』
泡立つFUKOタンクをバックに、クラインに言い放つイース様。
モノクロの画面に浮かぶイース様の赤い瞳をバックにサブタイトルが流れました。
トリニティの公演当日、美希、ブッキーそれぞれ配置につき、
互いにリンクルンで連絡をとりあい会場の警備に励んでいます。
もちろんラブも・・・ですが、「サングラス」「コート」「帽子」とあからさまに怪しいいでたち。
SPを気取ったコーディネートのようですが、会場のガードマンに怪しまれ、
ミユキさんのとりなしで事なきを得ますが、美希たちからも『それってスパイじゃ・・・』
と言われる始末。全くの余談ですが、このやり取りを見守りつつ水を飲む
レイカの後姿が妙にセクシーだと思ったのは私だけでしょうか・・・
会場前に出店したカオルちゃんの店は、「フェレットタルやんのイリュージョンショー」と
トリニティ効果で大賑わいでした。
『夏休み！トリニティのコンサート！タルやんのショー！そしてカオルちゃんのドーナツ！』
いちいち衣装変えしながら売れ残りを心配するタルトに説明するカオルちゃんが
いい味出してます。当のタルトは苦笑していましたが・・・
ここまでのやりとりは、一服の清涼剤のようでした。
ここからはハードな展開がラストまで続き、見ている方も緊張を強いられました。
トリニティの会場に現れたせつな。いつものクールな無表情ではなく、
明らかに憔悴しきった顔をしていました。
炎天下、会場へ向かう人ごみの中を進むせつなでしたが、その様子は
管理国家ラビリンスの光景を思い起こさせたようです。
全てが灰色の街。淡々と流れる人の波。
せつなのはるか前方にはメビウスが鎮座し、人ごみを掻き分けてメビウスのもとへ
向かおうとするも、その距離は縮まらず、せつなの叫びが響き渡ります。
『見て！私を見て！メビウス様・・・・・・！』
場内が騒がしいことに気づいた美希が振り返ると、
そこには倒れたせつなを心配する人垣が出来ていました。
倒れているのがせつなだと知って駆けつける美希でしたが、
持っている残り一片のカードに気づき、以前から抱えていた疑念が膨らんだのでしょうか。
丁度そこに、特にせつなと関係が深かったラブが現れ、せつなの介抱に努めますが、
美希はラブに、せつなに対する疑念を口にしようとします。
が、丁度ブッキーから空気を読まないシフォンが迷子、という連絡が入り、
せつなの面倒は私が見る！というラブに、心配そうにうなずく美希でした。
医務室のベッドの上でせつなが気づいた時、傍らにはラブが寄り添っていました。
『凄く疲れているみたいだし、ここで少しゆっくりしていきなよ』
『ゆっくりなんてしてられないわ！私には、やらなきゃいけないことがあるの！』
普段から「せつな」としてラブの前にいる時は冷静なせつなですが、
今回は今までに無く強い義務感と焦りが感じられます。
そんなせつなの気持ちが良くわかる、とせつなの手を取り、諭すラブ。
『私もさ、ダンスをしたくて無理しちゃったんだよ。
そうしたら、自分の体を大事にしなさいって怒られちゃった。
せつなも自分の体を大切にしなきゃ。まわりの人たちが心配するよ』
そう微笑むラブに目をやり、すぐに目をそらすように顔を上げるせつな。
ラブの心からの笑顔を直視する事がまぶしかったのか、
クラインとのやりとりや前回のサウラーの冷たい発言を思い出したのか、
しばし間を置いた後、『そうね・・・』と呟いた声は、
心なしか寂しそうで、憧憬が込められているようでした。
トリニティのステージが始まり、医務室内のモニターで観るラブとせつな。
『私もいつか、こんな風に踊りたいな』率直に夢を口にするラブに、
『残念だったわね、ダンス大会。中止になったんでしょ』
夢を口に出来るうらやましさか、自分がダンス大会を台無しにした事の後ろめたさか
ラブに目を合わせずに答えるせつなは、
『自分を心配したり、応援してくれる人がいる。それってすごく幸せな事だと思わない？』
という中止になったことを土台に大切な事を見つけたラブの発言に、
徐々に心の動揺が募ってきているかのように見えました。
『行けば・・・あなたを心配してくれる人たちのところへ・・・』
でも、ラブにとって今はせつなが心配。そうラブが水を差し出したところ・・・
『やめろ・・・やめろッ！！』
ラブを振り払い、医務室を飛び出して駆け出すせつな。
『私は・・・私はラビリンス総統メビウス様がしもべッ！！』
迷いを断ち切るかのように、己に言い聞かせるかのように呟きながら
走るせつなの胸元で、あのクローバーのペンダントが光りながら揺れていました。
カードが使えるのはあと一度。イースも使い物にならなくなるかもしれない。
冷酷な報告をするクラインに、『構わん・・・』と言い放つメビウス。
そんなメビウスの考え方を知ってか知らずか、スイッチオーバーして
換気扇と思われるものをナキサケーベに変えるイース様。
『代わりはいくらでもいる・・・』やはりメビウスは冷酷な総統でした。
せつなを追って来たラブが見つけたのは、凄まじい気迫で
『プリキュア！お前を倒す！』と叫び、ガラスを割って現れたイース様でした。
そして風圧で会場を壊し始めるナキサケーベ。
『ラブ。あの子は・・・』駆けつけた美希は何か言いたそうでしたが、
『さあ変身しろッ！！』と凄むイース様を前に、変身する三人。
会場を壊し、プリキュアを攻撃するナキサケーベ。
『そうだ・・・プリキュアを倒せ・・・』そう呟くイース様は
今回は左手から蝕まれて行きました。
逃げ惑う観客でパニックになる会場を、舞台の上から呼びかけて整理するトリニティ。
プリキュアが戦っている、それだけで会場の人々に安堵が広がり、
『落ち着いて避難してください』『スタッフが誘導します』と、
自分達が誘導しているレイカとナナ(笑)。久々に危機管理のなっていない会場運営を見ました。
ミユキさんも自分が危機に晒されたらアカルンが現れると思い逃げませんでしたが、
駆けつけたタルトに、怪我をさせられないと説得されて、避難に応じました。
体を回転させ、風攻撃で襲ってくるナキサケーベ。
いつしか左腕だけでなく、イース様の体をも蝕まれていました。
ナキサケーベの起こした竜巻で空が暗くなり、どんどん壊れていく会場に
不安を募らせるベリーとパインでしたが、ピーチは別のことを気にしていました。
『ねえ、何か変だよ。あの子、苦しんでる』
ピーチが気づいたイース様は、油汗を浮かべて苦しみ、
もはや立っていられない状態でした。それでも
『プリキュアを倒せー！！！』と叫ぶイース様に、
『もうやめて！どうしてこんな事をするの』と、聞き返すピーチ。
竜巻の前にふらつきながらも立ち上がったイース様は、
『メビウス様のご命令だからだ・・・メビウス様のためなら他の者がどうなろうと構わない・・・』
遂に顔まで蝕まれ、再び倒れこんでしまうイース様。
『たとえ・・・この命が尽きても・・・ッ！』
竜巻を正面から消すピーチ。その頃イース様は苦しみのあまり絶叫していました。
そしてナキサケーベも制御できなくなっていました。
気合一閃、突っ込んでいくピーチ。風攻撃に耐え、上からナキサケーベを攻撃して沈め、
イース様の前に、天使のように舞い降りるシルエット・・・
遂にイース様のもとへたどり着き、左手を掴むピーチ。
走る衝撃に思わず顔をしかめたものの、『何を・・・離せッ！』
戸惑うイース様を、厳しく、そして優しく叱るピーチ。
『離さないよ。私、すっごく怒ってるんだからね。
みんなを怖がらせて、コンサートも台無しにして、こんなの絶対に許せない。
でも・・・あなたが泣いているから！』
『泣く？私はどんな痛みにも耐えられる。泣いたりなどしない！』
『泣いてるじゃない・・・』
ピーチが目をやった先には、苦しそうな叫びを上げるナキサケーベが。
心なしか、泣き声のようにも聞こえる叫び声を上げていました。
『あれはあなた自身でしょ？あなたの心が泣き叫んでるんじゃないの？
本当は、命が尽きてもいいなんて、思ってないんだよね！？』
イース様の目から溢れる涙。それでも・・・
『うおおおぁあああ！！！』『やめて！！』
己の使命を果たそうとするイース様を抱きしめるピーチ。
イース様は初めて見せたような、安らいだ表情をしていました。
その隙に、シフォンの力でカードの力を封じ込められたナキサケーベを
ピーチ一人のピーチロッドの力で撃退し、燃え尽きる最後のカード。
体を蝕んでいたツタが消え、傷だらけのイース様に手を差し出すピーチ。
その手を払いのけるイース様に一瞬戸惑ったような間を空けるものの
まだそんな気力が残っている、と安心したのか、
『無事でよかったね』と語りかけるピーチ。
イース様からもすすり泣くような声が聞こえますが・・・
『黙れ・・・黙れ！黙れ！黙れ！』迷いを振り払うように後ずさりし、
『スイッチオーバー！』逆スイッチオーバー。
ラブの目の前で、「東せつな」の姿になったイース様。
『え？・・・せつな・・・どうして、せつなが・・・』さしものピーチも動揺を隠せません。
『ピーチ、彼女は敵よ。せつなはラビリンスだったのよ』
薄々気づいていたものを打ち明けたベリーの言葉に状況を飲み込んで・・・
『うそ・・・だって、せつなは私の友達で・・・』
占いの館での出会い、クローバータウンストリートでの再会、ドーナツ半分こ、
プリクラを撮ったこと、四つ葉のクローバーを取った時のこと、ボウリング場のロッカー・・・
せつなとの様々な思い出が脳裏をかすめて行くピーチの前で、
『私の目的はただ一つ。お前達を倒す事だ！』
友情の象徴だったクローバーのペンダントを、せつなはかかとで踏み潰し・・・
飛び散る破片。暗転。
ここ数回のハードな展開以上に、またしてもしんどい展開でした。
冒頭で触れたSSの満と薫のエピソードも前後編で、次回予告を見る限り
来週がSSでの満と薫との別れの話に繋がるような、
イース様との別れが描かれるようで、また一週間、気が気ではありません。
予告で気になったのはクラインです。以前登場したときに寿命の管理について話していたので
その気になればその場でイース様の粛清も出来るのではないでしょうか。
ゴーヤーンに連れ去られ、アクダイカーンに粛清された満と薫のように・・・
イース様＝せつなはこれまでのラブとの触れ合いで
徐々に管理国家への疑問と、自分の幸せ、ラブとの友情についての
戸惑いが描かれていましたが、追い詰められた事、そして心配してくれる人がいる
ラブと、誰も心配する人がいない自分との比較。
メビウスに仕えるという事。いろいろな事が一度に去来して、珍しく取り乱したのでしょう。
今回のラストの「逆スイッチオーバー」をラブの前で見せたことは、
もしかしたらラブに倒される事を望んでいるのでは？と思わせました。
美希が以前からせつなについて不審を抱いていた描写はありましたが、
欲を言えばもっとこの点を有効活用できたら、と感じました。
そしてブッキーは「出演するだけで」ファンにとっては存在感があるのですが、
ストーリーに絡まない話が最近続いているので、少し残念です。
せつなとラブだけでなく、せつなと美希、ブッキーと言う点で描くのは
難しかったかもしれませんが、もしもウエスターさんやサウラーをこの二人と絡めて
描く展開が今後あれば高望みしてみたいと思います。
重い話だったためか、主に前半部にちりばめられたギャグ描写が多少息抜きになりました。
前回のエンドカードでも描かれた、あんまりな表情のイース様、
角砂糖山盛りのお茶を飲んでいるサウラー、頭からお花が生えてるウエスターさん。
先述した怪しげなラブのボディーガード服。カオルちゃんのコスプレ3態もそうですが、
個人的に一番ツボだったのは、シフォンの力でカードの力が抑えられた事を驚く
メビウスとクラインでした。赤く点滅する照明と鳴り響くサイレンとは、
私世代のロボットアニメにありがちで、なんて古典的な・・・と
管理国家の技術水準に笑わせて頂きました。
次回までに、少し軽い展開が続く「ふたりはプリキュア」シリーズ再試聴をして
来週に備えたいと思いますが、来週から大相撲名古屋場所が・・・orz
しばらく忙しい日曜になりそうです。
放送前から、このような異様な緊張感を持って視聴に臨んだのは
SSの『超オドロキ！満と薫の衝撃告白！！』以来で、奇しくもこの話も第22話でした。
自分を大切にするとは。心配してくれる人がいる事とは。幸せとは。
ラブとせつな、ピーチとイース様がついに相対する
中盤の山場となるであろうエピソードです。
まずは冒頭、プリキュアについての約束事や、リンクルン、ピックルンなどを
ミユキさんに説明する3人。まだ4人目の可能性を捨て切れていないようです。
プリキュアの正体については口止めするようお願いする3人。
ミユキさんからも条件があり、しばらくダンスレッスンを中止することでした。
ダンスに本気なのはよくわかるけれども、そのために体を壊しては何もならない。
夢をかなえて幸せGETするには、自分を大切にしなければ、と諭され、
かつ本心からミユキさんが心配してくれていた事に、
最初は不本意そうだったラブも納得しました。
ともあれ、4人目がミユキさんだとして、アカルンはいつ現れるのか。
ラブがプリキュアになったときはナケワメーケに襲われた時、
美希がプリキュアになったときもナケワメーケに襲われた時、
ブッキーも以下同文。・・・と、略されたことにブッキーは不満げでしたが、
ミユキさんがラビリンスに襲われればアカルンが現れるのでは？と推測するタルト。
少々危険ですが、コンサートをラブたちがばっちりガードする、ということになりました。
残り一片となってしまったカードを手に、
FUKOのタンクで前でぐったりとしているイース様。
メビウスからカードを受け取ったときのことを思い出し、一人呟きます。
『もう一度このカードを使って、私は無事でいられるだろうか・・・』
焦点が定まらない視界の中に現れる人影に、思わずメビウス様！と呼びかけるも
現れたのは久々の、2回目の登場となるクラインでした。
「監視」するのが役目のクラインはイース様が役目を果たせるのか
監視しにやってきたようで、改めてイース様に釘を刺しに来ました。
『あなたの任務はそのカードを使ってプリキュアを倒す事。
メビウス様がそうお決めになったのです。あなたはその通りに動けばいい』
『任務を成し遂げたら、メビウス様に直接お会いしたい
メビウス様にお伝えしろ。このイースが必ずプリキュアを倒すとな！』
泡立つFUKOタンクをバックに、クラインに言い放つイース様。
モノクロの画面に浮かぶイース様の赤い瞳をバックにサブタイトルが流れました。
トリニティの公演当日、美希、ブッキーそれぞれ配置につき、
互いにリンクルンで連絡をとりあい会場の警備に励んでいます。
もちろんラブも・・・ですが、「サングラス」「コート」「帽子」とあからさまに怪しいいでたち。
SPを気取ったコーディネートのようですが、会場のガードマンに怪しまれ、
ミユキさんのとりなしで事なきを得ますが、美希たちからも『それってスパイじゃ・・・』
と言われる始末。全くの余談ですが、このやり取りを見守りつつ水を飲む
レイカの後姿が妙にセクシーだと思ったのは私だけでしょうか・・・
会場前に出店したカオルちゃんの店は、「フェレットタルやんのイリュージョンショー」と
トリニティ効果で大賑わいでした。
『夏休み！トリニティのコンサート！タルやんのショー！そしてカオルちゃんのドーナツ！』
いちいち衣装変えしながら売れ残りを心配するタルトに説明するカオルちゃんが
いい味出してます。当のタルトは苦笑していましたが・・・
ここまでのやりとりは、一服の清涼剤のようでした。
ここからはハードな展開がラストまで続き、見ている方も緊張を強いられました。
トリニティの会場に現れたせつな。いつものクールな無表情ではなく、
明らかに憔悴しきった顔をしていました。
炎天下、会場へ向かう人ごみの中を進むせつなでしたが、その様子は
管理国家ラビリンスの光景を思い起こさせたようです。
全てが灰色の街。淡々と流れる人の波。
せつなのはるか前方にはメビウスが鎮座し、人ごみを掻き分けてメビウスのもとへ
向かおうとするも、その距離は縮まらず、せつなの叫びが響き渡ります。
『見て！私を見て！メビウス様・・・・・・！』
場内が騒がしいことに気づいた美希が振り返ると、
そこには倒れたせつなを心配する人垣が出来ていました。
倒れているのがせつなだと知って駆けつける美希でしたが、
持っている残り一片のカードに気づき、以前から抱えていた疑念が膨らんだのでしょうか。
丁度そこに、特にせつなと関係が深かったラブが現れ、せつなの介抱に努めますが、
美希はラブに、せつなに対する疑念を口にしようとします。
が、丁度ブッキーから
せつなの面倒は私が見る！というラブに、心配そうにうなずく美希でした。
医務室のベッドの上でせつなが気づいた時、傍らにはラブが寄り添っていました。
『凄く疲れているみたいだし、ここで少しゆっくりしていきなよ』
『ゆっくりなんてしてられないわ！私には、やらなきゃいけないことがあるの！』
普段から「せつな」としてラブの前にいる時は冷静なせつなですが、
今回は今までに無く強い義務感と焦りが感じられます。
そんなせつなの気持ちが良くわかる、とせつなの手を取り、諭すラブ。
『私もさ、ダンスをしたくて無理しちゃったんだよ。
そうしたら、自分の体を大事にしなさいって怒られちゃった。
せつなも自分の体を大切にしなきゃ。まわりの人たちが心配するよ』
そう微笑むラブに目をやり、すぐに目をそらすように顔を上げるせつな。
ラブの心からの笑顔を直視する事がまぶしかったのか、
クラインとのやりとりや前回のサウラーの冷たい発言を思い出したのか、
しばし間を置いた後、『そうね・・・』と呟いた声は、
心なしか寂しそうで、憧憬が込められているようでした。
トリニティのステージが始まり、医務室内のモニターで観るラブとせつな。
『私もいつか、こんな風に踊りたいな』率直に夢を口にするラブに、
『残念だったわね、ダンス大会。中止になったんでしょ』
夢を口に出来るうらやましさか、自分がダンス大会を台無しにした事の後ろめたさか
ラブに目を合わせずに答えるせつなは、
『自分を心配したり、応援してくれる人がいる。それってすごく幸せな事だと思わない？』
という中止になったことを土台に大切な事を見つけたラブの発言に、
徐々に心の動揺が募ってきているかのように見えました。
『行けば・・・あなたを心配してくれる人たちのところへ・・・』
でも、ラブにとって今はせつなが心配。そうラブが水を差し出したところ・・・
『やめろ・・・やめろッ！！』
ラブを振り払い、医務室を飛び出して駆け出すせつな。
『私は・・・私はラビリンス総統メビウス様がしもべッ！！』
迷いを断ち切るかのように、己に言い聞かせるかのように呟きながら
走るせつなの胸元で、あのクローバーのペンダントが光りながら揺れていました。
カードが使えるのはあと一度。イースも使い物にならなくなるかもしれない。
冷酷な報告をするクラインに、『構わん・・・』と言い放つメビウス。
そんなメビウスの考え方を知ってか知らずか、スイッチオーバーして
換気扇と思われるものをナキサケーベに変えるイース様。
『代わりはいくらでもいる・・・』やはりメビウスは冷酷な総統でした。
せつなを追って来たラブが見つけたのは、凄まじい気迫で
『プリキュア！お前を倒す！』と叫び、ガラスを割って現れたイース様でした。
そして風圧で会場を壊し始めるナキサケーベ。
『ラブ。あの子は・・・』駆けつけた美希は何か言いたそうでしたが、
『さあ変身しろッ！！』と凄むイース様を前に、変身する三人。
会場を壊し、プリキュアを攻撃するナキサケーベ。
『そうだ・・・プリキュアを倒せ・・・』そう呟くイース様は
今回は左手から蝕まれて行きました。
逃げ惑う観客でパニックになる会場を、舞台の上から呼びかけて整理するトリニティ。
プリキュアが戦っている、それだけで会場の人々に安堵が広がり、
『落ち着いて避難してください』『スタッフが誘導します』と、
自分達が誘導しているレイカとナナ(笑)。久々に危機管理のなっていない会場運営を見ました。
ミユキさんも自分が危機に晒されたらアカルンが現れると思い逃げませんでしたが、
駆けつけたタルトに、怪我をさせられないと説得されて、避難に応じました。
体を回転させ、風攻撃で襲ってくるナキサケーベ。
いつしか左腕だけでなく、イース様の体をも蝕まれていました。
ナキサケーベの起こした竜巻で空が暗くなり、どんどん壊れていく会場に
不安を募らせるベリーとパインでしたが、ピーチは別のことを気にしていました。
『ねえ、何か変だよ。あの子、苦しんでる』
ピーチが気づいたイース様は、油汗を浮かべて苦しみ、
もはや立っていられない状態でした。それでも
『プリキュアを倒せー！！！』と叫ぶイース様に、
『もうやめて！どうしてこんな事をするの』と、聞き返すピーチ。
竜巻の前にふらつきながらも立ち上がったイース様は、
『メビウス様のご命令だからだ・・・メビウス様のためなら他の者がどうなろうと構わない・・・』
遂に顔まで蝕まれ、再び倒れこんでしまうイース様。
『たとえ・・・この命が尽きても・・・ッ！』
竜巻を正面から消すピーチ。その頃イース様は苦しみのあまり絶叫していました。
そしてナキサケーベも制御できなくなっていました。
気合一閃、突っ込んでいくピーチ。風攻撃に耐え、上からナキサケーベを攻撃して沈め、
イース様の前に、天使のように舞い降りるシルエット・・・
遂にイース様のもとへたどり着き、左手を掴むピーチ。
走る衝撃に思わず顔をしかめたものの、『何を・・・離せッ！』
戸惑うイース様を、厳しく、そして優しく叱るピーチ。
『離さないよ。私、すっごく怒ってるんだからね。
みんなを怖がらせて、コンサートも台無しにして、こんなの絶対に許せない。
でも・・・あなたが泣いているから！』
『泣く？私はどんな痛みにも耐えられる。泣いたりなどしない！』
『泣いてるじゃない・・・』
ピーチが目をやった先には、苦しそうな叫びを上げるナキサケーベが。
心なしか、泣き声のようにも聞こえる叫び声を上げていました。
『あれはあなた自身でしょ？あなたの心が泣き叫んでるんじゃないの？
本当は、命が尽きてもいいなんて、思ってないんだよね！？』
イース様の目から溢れる涙。それでも・・・
『うおおおぁあああ！！！』『やめて！！』
己の使命を果たそうとするイース様を抱きしめるピーチ。
イース様は初めて見せたような、安らいだ表情をしていました。
その隙に、シフォンの力でカードの力を封じ込められたナキサケーベを
ピーチ一人のピーチロッドの力で撃退し、燃え尽きる最後のカード。
体を蝕んでいたツタが消え、傷だらけのイース様に手を差し出すピーチ。
その手を払いのけるイース様に一瞬戸惑ったような間を空けるものの
まだそんな気力が残っている、と安心したのか、
『無事でよかったね』と語りかけるピーチ。
イース様からもすすり泣くような声が聞こえますが・・・
『黙れ・・・黙れ！黙れ！黙れ！』迷いを振り払うように後ずさりし、
『スイッチオーバー！』逆スイッチオーバー。
ラブの目の前で、「東せつな」の姿になったイース様。
『え？・・・せつな・・・どうして、せつなが・・・』さしものピーチも動揺を隠せません。
『ピーチ、彼女は敵よ。せつなはラビリンスだったのよ』
薄々気づいていたものを打ち明けたベリーの言葉に状況を飲み込んで・・・
『うそ・・・だって、せつなは私の友達で・・・』
占いの館での出会い、クローバータウンストリートでの再会、ドーナツ半分こ、
プリクラを撮ったこと、四つ葉のクローバーを取った時のこと、ボウリング場のロッカー・・・
せつなとの様々な思い出が脳裏をかすめて行くピーチの前で、
『私の目的はただ一つ。お前達を倒す事だ！』
友情の象徴だったクローバーのペンダントを、せつなはかかとで踏み潰し・・・
飛び散る破片。暗転。
ここ数回のハードな展開以上に、またしてもしんどい展開でした。
冒頭で触れたSSの満と薫のエピソードも前後編で、次回予告を見る限り
来週がSSでの満と薫との別れの話に繋がるような、
イース様との別れが描かれるようで、また一週間、気が気ではありません。
予告で気になったのはクラインです。以前登場したときに寿命の管理について話していたので
その気になればその場でイース様の粛清も出来るのではないでしょうか。
ゴーヤーンに連れ去られ、アクダイカーンに粛清された満と薫のように・・・
イース様＝せつなはこれまでのラブとの触れ合いで
徐々に管理国家への疑問と、自分の幸せ、ラブとの友情についての
戸惑いが描かれていましたが、追い詰められた事、そして心配してくれる人がいる
ラブと、誰も心配する人がいない自分との比較。
メビウスに仕えるという事。いろいろな事が一度に去来して、珍しく取り乱したのでしょう。
今回のラストの「逆スイッチオーバー」をラブの前で見せたことは、
もしかしたらラブに倒される事を望んでいるのでは？と思わせました。
美希が以前からせつなについて不審を抱いていた描写はありましたが、
欲を言えばもっとこの点を有効活用できたら、と感じました。
そしてブッキーは「出演するだけで」ファンにとっては存在感があるのですが、
ストーリーに絡まない話が最近続いているので、少し残念です。
せつなとラブだけでなく、せつなと美希、ブッキーと言う点で描くのは
難しかったかもしれませんが、もしもウエスターさんやサウラーをこの二人と絡めて
描く展開が今後あれば高望みしてみたいと思います。
重い話だったためか、主に前半部にちりばめられたギャグ描写が多少息抜きになりました。
前回のエンドカードでも描かれた、あんまりな表情のイース様、
角砂糖山盛りのお茶を飲んでいるサウラー、頭からお花が生えてるウエスターさん。
先述した怪しげなラブのボディーガード服。カオルちゃんのコスプレ3態もそうですが、
個人的に一番ツボだったのは、シフォンの力でカードの力が抑えられた事を驚く
メビウスとクラインでした。赤く点滅する照明と鳴り響くサイレンとは、
私世代のロボットアニメにありがちで、なんて古典的な・・・と
管理国家の技術水準に笑わせて頂きました。
次回までに、少し軽い展開が続く「ふたりはプリキュア」シリーズ再試聴をして
来週に備えたいと思いますが、来週から大相撲名古屋場所が・・・orz
しばらく忙しい日曜になりそうです。
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