SSブログ

フレッシュ第24話『せつなの苦悩 私は仲間になれない!』 [フレッシュプリキュア!]

連休中、イベント出展のための出張が入り、フレッシュシリーズが始まってから
初めてリアルタイムで視聴することが出来ませんでした・・・
昨晩遅く、打ち上げ等を終えて帰宅した時、録画できていなかったらどうしよう、
と気が気ではありませんでしたが、無事に録画できておりFUKOにならずに済んだようです。
本日は代休のため、日付の変わった深夜から未明にかけて視聴し、
興奮と感動が冷めないうちに、こうして記事を書ける事は幸いです。

格好良すぎるパッションの変身シーンとハピネスハリケーンはもちろんのこと
優しさに溢れたストーリー展開、せつなの心が和らいでいく描写。
出張で疲れた心を癒してくれた、珠玉のエピソードでした。
  
シロツメクサ(クローバー)の丘に、一人座り込んでいるせつな。
仲の良さそうな親子を寂しそうに見つめるその姿を見て、
『こんにちわ』と声をかけるのはラブの母、桃園あゆみさん。
深刻そうな様子を心配したあゆみさんが優しく話しかけても
顔を曇らせてしまうせつなに、困ったことがあれば
クローバータウンストリートへいらっしゃい、と勧めます。
『優しくて、暖かくて、幸せになれる町だから』
雲の影だったクローバーの丘に日が刺し、照らされるクローバーの葉。

ラブ、美希、ブッキーの三人はラブの部屋でせつなの行方を案じていました。
せつなは住むところも無いのでは、というブッキーの一言で急に心配になったのか、
思わず飛び出していくラブは玄関で帰宅したあゆみさんと鉢合わせし
『聞いて欲しいことがあるの。今日の約束のことなんだけど・・・』
と、あゆみさんに持ちかけていました。

美希、ブッキー、そしてタルトとシフォンを交えて夕方6時までにせつなを探すために
町中を探す一同。せつなの行きそうなところとして、いままで縁のあった場所、
ボウリング場(普通一人では来ないと思いますが・・・)や病院などを当たるも
残念ながら空振りに終わり、肩を落とすラブはかつてせつなと待ち合わせをした
町の女神像で、第7話のお嬢様風せつなに良く似た後姿を見かけますが、
お約束どおり人違いでした。(同じ人違いでも、この子は割と可愛かったです。
MHでひかりと間違われた子はあんまりな顔していましたから・・・)
陽が西に傾いた頃、せつなはクローバーの丘で、「三つ葉のクローバー」を見つめていました。

イース様がいなくなり、男2人と華の無くなった洋館で、
対照的な反応を見せるウエスターさんとサウラー。
『ラビリンスを裏切りやがって』と怒りを露にするウエスターさんと、
『むしろせいせいしたよ』と至極冷静なサウラー。
『ええいイース!絶対に俺が連れ戻してやる』と出撃したウエスターさんが退出した後、
『ラビリンスに生きた者はラビリンスを捨てて、どこかで生きていける筈がないよ、イース・・・』
そう呟くサウラーは、今まで見せたことがないような寂しさを伺わせるような、
イース様に憐れみをかけるような口調でした。

6時を告げる鐘の音が鳴り、夕焼けの中、せつなを見つけることができずに
クローバータウンストリートの入り口で無念そうなラブ、美希、ブッキー。
その頃、せつなは暗いビルの谷間を歩いていました。

灰色の町。没個性的で無表情なラビリンスの人々が歩く人波の中、
流されるように歩くイース様
モノクロで繰り広げられる、旧東側陣営のような光景。
メビウスにひざまずくイース様。そして今までのイース様としての人生の回想がモノクロで繰り広げられます。
スイッチオーバーナキサケーベに蝕まれるイース様ピーチとの激闘
2枚の葉に光が刺すクローバーのペンダント
『この命が尽きても』踏みにじられたクローバーのペンダント
そして人の流れの中、立ち止まるイース様
『私にはもう帰るところは無い。私はラビリンスを捨てた・・・』
そう呟くイース様が目を落とすと、砕け散ったクローバーのペンダントが・・・
「今さら、私がプリキュアになんて・・・なれるわけない』
泣き声もしゃくり上げる声もなく、ただ静かにイース様の目から溢れる涙。
砕けたペンダントに滴るイース様の涙。
灰色の世界の中に光が刺し、イース様がその方向へ足を進めていくと・・・

『せつな!』嬉しそうに振り返るラブ。
イース様は東せつなとして、町の入り口にたどり着いていました。

ラブに連れられて、丘の上のレストラン「グリル・クローバーヒル」にやってきたせつな。
そこで再びあゆみさんに会い、軽く会釈を交わすせつなに、二人が会っていた事に驚くラブ。
レストラン店内は落ち着いた雰囲気の店で、テラス席にかける桃園一家とせつなの4名。
ラブは事前に「桃園家恒例、月に一度の外食デー」に、せつなを招待しようと
あゆみさんと6時に待ち合わせをしていたため、6時までにせつなを探していたのでした。
改めて自己紹介をする圭太郎パパとあゆみさん。
ラブに紹介されて、戸惑うように『東せつな・・・です』と名乗るも、この場にいていいものか、
席を立とうとするせつなを引き止めるラブ。
せつなの境遇、家族がいなくて四ツ葉町に来た事を説明すると、
『ようこそ、四ツ葉町へ』と暖かく迎えるあゆみさんは、せつなの浮かない態度を察したのか
せつなと二人きりでケーキ選びに連れ出しました。
ただ美味しいケーキを選ぶ。それだけのシーンなのですが、ささやかな幸せが描かれています。
圭太郎パパは場を盛り上げるのが苦手なようで、ラブに促されても
やはりカツラの話じゃないとダメなのでしょうか。
『3つもケーキを食べるなんて、随分景気がいいなぁ・・・』と、微妙に外したオヤジギャグ。
そして運ばれてくる料理に舌鼓を打つ桃園一家。
相変わらずステーキの付け合せのニンジンを残すラブを注意するあゆみさんでしたが、
そのあゆみさんもほうれん草が苦手なようで、残したらケーキは抜きという圭太郎パパの注意で
嫌々食べる姿は似たもの親子です。

『これが・・・家族』
黙々と配給食のようなものを口に運んでいたラビリンス世界の食事とは違う食卓の風景。
そしてスープを一口すすり、『おいしい・・・』と漏らすせつな。
『お母さーん!ご飯おかわり!』家と間違えておかわりをお願いしたラブに、
みんなが笑ってる。せつなも笑ってる。
そして、せつなは自分が壊してきたものを改めて自覚してしまいます。

でもノリスケウエスターさんは笑っていません。町の鐘に姿を現した夏服の西さんは、
『イースがプリキュアなら、ナケワメーケを倒しに来るか・・・
 それとも目を覚まし、一緒に不幸を集めるか』
と、スイッチオーバーして鐘をナケワメーケ化し、
『さあ出て来いイース』と、高笑いする夜神月のような顔で宣言します。

町の異変に駆けつけたラブとせつな。せつなに『行くよ』と促すラブでしたが
浮かない顔のせつなを見て、一人で戦うことを決めて変身。
ナケワメーケに立ち向かうも、一人ではやはり苦戦し、
鐘が放つミサイル攻撃に沈んでしまいました。そして戦闘機のように飛び回るナケワメーケ。
ピーチを案じて駆け寄ろうとしたせつなの前に立ちはだかるウエスターさん。
その後ろで、町を爆撃し、破壊行為を繰り広げるナケワメーケ。
『聞こえるかイース。不幸がどんどんたまっていくぞ!』
そんなウエスターさんに、先程までの楽しかった胸の内を語るせつな。
『私、あんなに楽しい気持ちになったの初めてだった。
 家族がいて、みんなでおしゃべりをして、ご飯を食べて、
 すごく幸せな時間だった。それを・・・』
拳を握り締め、『それを奪う権利なんて、誰にもないわ!』
と、リンクルンを構えて初めてプリキュアへの変身を行うせつな。

一度水中に潜り、海を泳ぎまわる人魚のような変身シーン。
変身が完了し水面へ姿を現して、
『真っ赤なハートは幸せの証!熟れたてフレッシュ!キュアパッション!』
美しく格好良く優雅。待った甲斐のある、素晴らしい出来の変身バンクでした。

『イース・・・!』『パッション!』
その姿を見て、嬉しそうな声を上げるピーチと対照的に、
ウエスターさんの呟きが凄く残念そうに聞こえたのが印象的です。
前回のピーチ対イース様思わせるように、
ウエスターさんとパッションの一騎打ちが繰り広げられました。
『幸せ?笑わせるなイース!』とウエスターさんが放つパンチ、回し蹴りを受け止め、
『人を不幸にすることがいかに愚かなことか、わかったのよ!』とパンチを返すパッション。
『愚かだと?我らが総統メビウス様のご命令だぞ。目を覚ませイース!』
『私はもうイースじゃない。キュアパッションよ!』
ウエスターさんを弾き飛ばしたパッションにナケワメーケの爆撃が迫りますが、
遅れて登場したベリーとパイン、そしてピーチによって弾道が反らされ、
4人で一斉にナケワメーケに攻撃を叩き込みます。

そして早速披露される、パッションの技は
『歌え、幸せの狂詩曲(ラプソディ)、パッションハープ』
変身バンクといい、おそらくモチーフはセイレーンなのでしょう。ハープを奏でて、
『吹き荒れよ、幸せの嵐、プリキュア・ハピネスハリケーン!』
ハートの嵐に包まれて撃退されるナケワメーケ。
ついに4人そろった。感慨深げな3人は手を合わせ、
『4人いつも一緒の仲間』と促されて、戸惑っていたパッションも手を添えました。
象徴的に描かれる四葉のクローバー。

レストランからの帰り道、ラブは以前から考えていた事をせつなに提案します。
このまま桃園家で一緒に住もう、と。すでにあゆみさんも事情を聞いており、
圭太郎パパも含めて桃園家に暖かく迎え入れるつもりでいました。
『きっと、いままで沢山苦労してきたのよね』
あゆみさんの優しい誘いを、背負っている己の罪の重さから受けていいのか躊躇するせつな。
『私は幸せになってはいけない気がするんです・・・』
『一つ一つ、やり直していけばいいのよ。私達の町でなら、きっと出来るわ』
人々が楽しく語らい暮らす、町の風景が流れ、せつなは今日一日の事を振り返ります。
そして溢れ出す涙。泣きじゃくるせつなの背を優しくさするあゆみさん。
あゆみさんの手料理は美味しい、そしてラブのハンバーグも、圭太郎パパの肉じゃがも。
『全部食べられる?』そう聞くラブに、せつなが返した返事は
『精一杯、がんばるわ』でした。

『ゆうごはーん♪ ゆうごはーん♪ みんなでおうちでゆうごはーん♪』
元気に歌いながらせつなの手を取って駆け出すラブ。
『・・・みんなでおうちでゆうごはーん・・・♪』
つられるように口ずさんでいたせつな。
せつなは少しずつ幸せを手に入れていけそうな気がする。
そう思わせる優しいラストの描写でした。

前回までの緊張感に満ちたイース様の描写から一転、
せつなを思うラブとあゆみさんの優しさがにじみ出るエピソードで、
この優しい語り口は全シリーズ見返しても秀逸の出来栄えだと感じました。
しかも鼻につくようなお仕着せの優しさではなく、母としてあゆみさんを絡めることで
同年代のラブ目線だけでなく、親目線からのせつなを想う気持ちが伝わってきました。
ところでこんなことを言うのは野暮なのですが、桃園家に空室はあるのか、
扶養家族がもう一人増えて家計は大丈夫なのか、ちょっと余計なことを考えてしまうのは
30代サラリーマンの悲しい性でしょうか・・・

イース様が回想するラビリンスでの暮らしは、
旧東側陣営を思わせる灰色のタッチと流される人々。
優れた指導者により人民全てを平等に管理、というのは社会主義の理想でしたが、
我々は既にそれが幻想であることを知っています。
しかし壁の向こうの世界を知らない者からすれば、疑うことも無い生活。
それを知ったために亡命したイース様を連れ戻そうとするウエスターさんは
彼の主張はラビリンスの人間として正論なので、
ウエスターさんなりにイース様を想っての発言と行動でしょう。
狂言回しのような役が続いていたウエスターさんでしたが、
その誠実ともいえる性格をうまく利用して久々に格好いいウエスターさんを見ることができました。
そしてサウラーの寂しそうな一言は、憎まれ口を言いつつも
サウラーなりにイース様を案じているようにも、イース様を羨むようにも解釈でき
今後この二人の描かれ方も気になります。

キュアパッションの変身シーンと必殺技は、
スタッフもかなり気合を入れたのか、とても見栄えのいいもので思わず興奮してしまいました。
「悪いの悪いの~」はパッションのキャラに合っていないと思っていたので、
この台詞が無いのも考えられています。

あえて難点をあげるとすればやはり美希とブッキーの影の薄さが残念です。
一連のイース様編が始まってからずっとなので
今に始まった事ではないですが、前回と今回ともに変身シーンすら無く、
技は3回続けて放っていません。このままパッションに食われてしまい
「ふたりはプリキュア」状態にならなければいいのですが、今後の巻き返しを期待したいです。
nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 4

サンカルロ

休日出勤お疲れさまでした。
更新を心待ちにしておりました。

というのも、プリキュア系の感想サイトで
テキストー一本で、今ここまで真摯かつ丁寧な論評を
展開しているところは珍しいからです。
他サイトでは「六畳半の過ごし方」さん、くらいじゃ
ないかしら。上質のプリキュアレビュー
いつもありがとうございます!

フレッシュプリキュア#24、つくづく良い話でしたねー。
無印8話に匹敵するくらい。#23からつづくメッセージ
「きっとやり直せるよ、ひとつひとつやり直していけばいい」が
日々の業務処理や会社内での立場に拘泥され、時には
家庭の在り方。そして自らの健康や生命の大切さを
見失いがちになるアラフォー勤め人の心を、強く激しく捉えました。
自分の生き方を考えさせられちゃいますよね、思わず。

いまや、就寝前にキュアパッションのバンクを
ひとしきり見てから床に就く毎日です。もう、病みつきですね。

私も、愛して止まない「なぎほの」が活躍する
無印とMaxHeart、ちょうどDVD借りて見返してる最中です。
積算して何周目だろ。いま無印は#29~32話、MaxHeartが
#41~#44話のところですね。この後のスプラッシュスタ-
プリキュア5のテキストレビューも楽しみにしています(当然「MaxHeart」は
レビューされるでしょうから ^ ^)。もちろんフレッシュプリキュアのレビューも毎週
期待してますよ。

「精一杯、がんばるわ!」で、お互い明日もガンバリましょう!
酷暑の折、お体には十分ご自愛ください。
by サンカルロ (2009-07-23 01:42) 

スティクス

>サンカルロさん
再びのコメントありがとうございます。
私の拙いテキストをお褒め頂き、大変光栄です。
仕事の合間、決してレビューの執筆は楽ではないのですが、
こういったご意見が何よりの励みになります。
お互い勤め人とお見受けしますが、プリキュアシリーズの面白さは
魅力的なキャラクターもさることながら社会の荒波に揉まれる大人が見ても
元気付けられる肯定的なストーリー展開にあると思っています。
(もっとも5シリーズのブラック企業には苦笑させられましたよね・・・)
仰るとおり、MH、SS、5そして5GoGoと、順次レビューを進めていく事を
目標に頑張ってまいりますので、今後ともご愛顧の程、お願い致します。
「精一杯、がんばるわ!」で、お互い明日もガンバリましょう!
by スティクス (2009-07-24 23:32) 

幸下人(しあわせげっと)

累計150万アクセス時点でも、このお話はフレッシュではレビュー閲覧数1位をキープですね。
私の大のお気に入りのエピソードです。

ケーキ選びのシーンは見るたびごとにドキドキしてしまいます。
自分も幼いころ、よそ様のお宅にお呼ばれになったときの気まずい記憶が、おぼろげに残っているからでしょうか。

さびしげなサウラー、ガチのウエスター。

帰り道の口ずさみと、輝く四葉のクローバー。

何度見返してもいいですね。

スティクスさんのレビューも「若さ全開」で、イイですよ!
by 幸下人(しあわせげっと) (2013-03-14 23:21) 

スティクス

>幸下人さん
早速のコメント、ありがとうございます。
そして今見返すと懐かしい記事・・・「若気の至り」感がありますね(汗)
やっぱりこの「イース様」強調表記がとっても恥ずかしく感じる今日この頃です。

とはいえ、このエピソードは中盤のイース様編の締めくくりとして相応しく
何度見返しても都度新たな発見がある優れたエピソードですね。

サウラー、ウエスター、桃園夫妻、美希、ブッキー、そしてラブ、せつな、
街を見下ろす夜景、口遊むフレーズ、クローバー・・・
全てが完璧に調和しており、フレッシュのベストエピソードに相応しく
いつまでも色あせない名作だと思います。

>ケーキ選びのシーン
私としてはせつなの固さをほぐすあゆみさんの優しさが
全開に感じられたのですが、なるほどそういう見方もあるとは・・・
確かに、ちょっと緊張する場面かもしれませんね。

久しぶりにじっくり記事を読み返し、「原点」を思い出したような気がします。
今後ドキドキ!視聴にあたり、この当時の気持ちを思い出しながら
再び「道」を歩みたいと思います。
by スティクス (2013-03-15 22:25) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。