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第38話『ガッツでGo!亮太のおつかい大作戦』 [ふたりはプリキュア]

なぎさの弟、亮太はちょくちょく顔を出し、なぎさにちょっかいを出しては
コブラツイストの餌食にされたり、とばっちりで理不尽に怒られたり・・・と
勝気な姉を持ってしまった悲哀を感じることができますが、
本当は姉として、心から弟を想うなぎさの気持ちは実にしっかりしています。
第11話以来の、亮太がメインとなるエピソードは「はじめてのおつかい」
姉弟愛だけでなく、父娘愛も根底に流れている、暖かい美墨家のエピソードです。
  
歯磨き中、岳パパからの電話を受けたなぎさ。
岳パパは日曜なのに「新製品開発のための緊急会議」で休日出勤していたのですが
大事な書類を忘れてしまったので、なぎさに届けて欲しいというものでした。
そこにほのかが訪ねてきて、開口一番、謝るなぎさ。
本当はほのかと一緒に買い物の約束だったのですが、
緊急事態なので仕方が無いと、軽く受け流すほのか。
そんなやり取りを見ていた亮太は『僕が行く』と言い出し、
なぎさとほのかに買い物に行ってもらおうとします。
本当はなぎさの言うとおり、ほのかにいい所見せたかったのかもしれませんが、
もう5年生になるという亮太は、心配するなぎさを押し切って一人で行くと決意を固めます。

会社最寄の駅は「港橋」、駅から会社までの道順について、
なぎさは亮太に先程から3回も続けて亮太に説明していました。
いい加減亮太は鬱陶しそうですが、本当は心配でたまらないなぎさの心境が伝わってきます。
それでも強がっている亮太は、なぎさの説明をしつこいと感じているのか
『わかってるって!』と反抗しますが、
『間違えないようにね、亮太君』『はーい、ほのかさん♥』
ほのかの言う事は素直に聞いていました。
態度の違いが面白くないなぎさですが、最後に亮太にノートを渡します。
もし困った事が起きたらこれを開くように、とノートを渡すなぎさから逃げるように
駆けていく亮太を、なぎさは心配そうな目で見つめていました。
『ついていってあげたら。本当は心配なんでしょ?亮太君の事』
結局ほのかにも付き合ってもらい、亮太の後を二人で追って電車に乗りました。
西急電鉄「小泉学園駅」・・・やはり元ネタは「大泉学園駅」でしょうか?

場面は変わって、洋館コントの時間です。
いつもの大広間でお茶を飲む結城先生と、読書に耽る翔子さん。
『あいつはいったい何だ?』『え・・・?あいつって』
『あのちょこまかと動き回る小さな生き物だ』
ここ数回、彼らはポルンの存在が気になるようです。
ジャアクキングから生まれた三人は、前半戦の敵が持っていた記憶や
ジャアクキングの記憶を受け継いでいるのですが、ポルンのことは当然記憶にありません。
『光の園の生き物は、みんなあんな力を?』
そう問いかける翔子さんに、あれは特別な力ではないかと自らの仮説を述べる結城先生。
『私・・・確かめてくる・・・』『え?』
『確かめてくる・・・』『何?』
『確かめてくるって言ってんの!』
毎度お約束の流れで、翔子さんが出向くことになりました。

亮太は無事に電車に乗ったと思いきや、逆方向に向かっており
それを心配する、連結面に身を潜めて後を尾けてきたなぎさとほのかですが、
メップルとミップルに「愛の語らい」をさせて気づかせるという迷案を思いつきます。
『ねえ、今日はどこに連れてってくれるのミ・・・』
『港橋なんかどうかなメ・・・』
『うれしい♥でも港橋は反対の方向じゃないミ・・・』
『どうしよう間違えちゃったよメ・・・』
『次の駅で降りて、乗り換えて戻ればいいじゃない・・・』
メップルとミップルにとって、語尾に「メポ」「ミポ」無しで喋る喋るのは凄く疲れるとのことですが
その会話で逆方向だと気づく亮太。次の駅で反対側の電車に乗り換え、
なぎさとほのかも後を追って隣の車両に乗り込みました。

隣の車両から亮太の様子を伺うなぎさとほのかでしたが、
『隣は闇ポポ』
突然実態化して呟くポルンに車内の注目を集めてしまい、誤魔化す二人。
でも「隣は闇」発言を受けて隣の車両の亮太の事が気がかりになり、
いつのまにか亮太の隣に怪しいサングラスの男が立っていました。
まさか・・・?張り詰める緊張感。でしたが・・・
それを打ち破るサングラスの男のくしゃみで、飛んだサングラスの下の目はタレ目。
苦笑いする男を見て、気が抜けてる二人。
『他人のソラマメ二つ・・・』『それを言うなら他人の空似。瓜二つと混ぜないで』
この状況でもなぎさの間違ったことわざと突っ込むことを忘れないほのかでした。

その頃帰宅した理恵ママは、残っていたなぎさのメモを見て
亮太が書類を届けに行ったと知り、不安そうに岳パパに電話していました。
亮太だってもう5年生なんだし、と心配する理恵ママを諭す岳パパでしたが、
『本当にアイツで大丈夫かなあ・・・』と、電話を置いた時に本音を漏らしていました。

岳パパが危惧したとおり、亮太は港橋駅に到着するも、ホームのジュースバーに目を奪われ
会社の住所を書いたメモを無くしてしまい、途方に暮れていました。
その様子を陰から見守るなぎさは一計を案じ、
『えー、美墨岳さんの会社へ行かれる方は東口三番出口へお進み下さい・・・』
大胆にも駅のマイクを拝借して案内放送を繰り広げ、亮太に出口案内をする事に成功しました。
が、当然駅員に咎められ、亮太を追ってバツが悪そうに退散する二人。

その後も大荷物を持ったお婆さんを郵便局に案内したりと、
なかなか会社に向かえない亮太をやきもきしつつ見守る二人でした。
そして、会議の時間が近づいた岳パパも、さすがにそわそわし始めます。
亮太は郵便局にお婆さんを案内するも、会社の住所を無くしているため途方に暮れていました。
が、なぎさが出発時に渡してくれたノートの事を思い出し、開いてみるとそこには、
『お姉ちゃんの貯金じゃん。いつも金欠金欠って言ってるのに』
びっしりと貼り付けられた小銭がありました。そしてページをめくると、
「このお金でタクシーを呼んで、運転手さんにこの住所まで連れてってもらいなさい」
という姉からのアドバイスが。とても嬉しそうに『お姉ちゃん・・・』と呟く亮太は
タクシーを呼び止めますが、運転手に道を聞いただけでそのお金を使おうとせず、
元気に駆け出して行きました。

その行く手には二本のビルが建ち、迷った挙句に隣のビルに入ってしまう亮太を追って
ビルへ入ってゆくなぎさとほのか。
日曜なので人気のないオフィスビルは、
無機質で閑散として、どこか不気味な雰囲気を漂わせています。
エレベーターで27Fに向かった亮太を追って、隣のエレベーターで27Fへ向かう二人ですが、
『隣は闇ポポ・・・』再びポルンが口を開き、隣とは現在いるこのビルのこと、
とほのかが解釈したところ、突如として止まるエレベーター。
『いらっしゃいませ・・・』
開いた扉の向こうには、翔子さんが待ち受けていました。
『知りたいの・・・あの・・・知りたいの・・・教えて欲しいのよ!
 そこにいる光の園の生き物が出すパワーの秘密をね!』
話の途中でレギーネ化した翔子さんに、変身して立ち向かう二人。

無人のオフィスのパソコンがザケンナーとなって襲い掛かり、
コードに拘束されるホワイトと、マウスに弾き飛ばされるブラック。
そして物陰に隠れているポルンに興味を示すレギーネですが、
その前に立ちはだかるブラックとの戦いを繰り広げます。
が、ホワイトを投げ飛ばして手が空いたパソコンザケンナーによって追い詰められ、
20数階の窓から外に落ちそうになり、両手で窓際にしがみつくブラック。
その2階上のフロアを一人さまよう亮太は、向かいのビルの窓越しに岳パパの姿を見つけ、
1Fに向かいます。

その頃、2階下のフロアでは、姉が絶体絶命の状況に追い込まれていました。
なんとか這い上がったブラックの前に立ちはだかるレギーネによって
片手を振り払われ、今にも突き落とされそうです。
『残念ね。もうちょっと一緒に遊びたかったのに』
この状況を冷酷に楽しんでいるかのようなレギーネ。
そこにホワイトが凄まじいスライディングで壁を破って飛び込み、
体勢を立て直す二人でしたが、再びパソコンザケンナーをけしかけるレギーネによって
二人とも縛られ、パソコンから発する放熱攻撃に苦しみます。

『ザケンナー、もっと光を・・・』
・・・冒頭で翔子さんが呼んでいたのはゲーテだったのでしょうか。
レギーネにとって皮肉にも、
『二人をいじめちゃダメポポーーーーーーーーーー!!!!!!』
虹色の光が降り注ぐことになり、毎度恒例になりつつある
ブレス装着→レインボーストーム→レギーネ撤退
の流れで片がつきました。

ビルの下で待っていた岳パパに書類渡すことができた亮太。
亮太を褒めるパパの目線の先に、こっそり後を尾けてきたなぎさとほのかが目に入り
事情を察した岳パパでしたが、
『気をつけて帰るんだぞ』何も触れずに亮太を見送っていきました。

その日の美墨家の夕飯では、亮太を褒め続ける岳パパに
面白くない様子のなぎさでした。
すっかり機嫌を損ね、食事の途中で席立ったなぎさに
こっそりと『きょうは、ありがとな』と伝え、ウィンクする岳パパ。
少し嬉しくなったなぎさが部屋に戻ると、机の上には
「おねーちゃんのためたお金なんてこわー!くてつかえるかヨ!
一瞬むっとするなぎさでしたが、
「でもうれしかった。ありがとう。亮太」
という亮太からのメモも残っており、父の、弟のお礼に気をよくして、
再び食卓へ戻るなぎさでした。
『乙女の美貌を保つには、やっぱりもっと食べないとね』
『そうやってまん丸になってくんだよね』
『おだまり!』
『ひだまり!』
『・・・・・・・・』
『さあ、明るく笑って』
姉の言葉に反発する弟。オヤジギャグをぶちかます父。
美墨家の夕食は、楽しく?流れていったようです。

今回はサブタイトルどおり亮太がメインなのですが、
残念なのは亮太を演ずる高橋直純さんがこの時体調不良だったそうで、
声に若干の違和感を覚えてしまう事ですが、
途中からはそれを気にさせない程不安そうな亮太、姉の気遣いに嬉しくなる亮太、
毒づくもお礼を言う亮太が生き生きと表現され、
第11話に通じる姉弟の関係を堪能することが出来ました。

亮太は小学5年生という設定のようですが、首都圏在住の小学校高学年ともなれば
電車で乗り換え無しのお使いくらい出来そうなものです。
それも途中でメモをなくしたりと危なっかしく、5年生という設定ながら、
中学2年のなぎさの目線から見て、危なっかしく幼いイメージを強調させるために
あえて頼りない描写を増やしているのかもしれません。
そして陰から見守る弟がお婆さんを手助けしたり、姉の貯金に手をつけなかったり、
ちょっとした弟の「気配り」を見守ることが出来て、なぎさとしても良い経験だったと思います。

なお今回は話の都合上、都市の看板が背景に映る事が多いのですが、
「うっちゃり・・・」「大熊猫信用金庫」「つるかめ酒造 猿酒」「ちくちくローン」「マメシバ銀行」
なんともいえないセンスの看板が妙に印象に残った話でもありました。

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Saig Hira

 スティクスさんこんばんは。相変わらずのユーモアーたっぷりの文章を楽しませて頂いています。

 今回私が最も印象に残ったのは亮太くんに渡したなぎさの貯金。小銭がテープで貼り付けてあるところはなぎさの金欠を想像させて痛々しく、姉の弟に対する思いを感じさせます。まるで風邪で寝込んでいた寅さんが妹のさくらの手紙の中から一万円札を見つけるシーン(第41作)のようにジーンとくる場面ですね(私だけ?)。

 なぎさ達の亮太くんやポルンといった小さい子供に対する思いやりや責任感は、この作品を見る子供たちにも大切なメッセージとして伝わるでしょうし、やはり良質なアニメだな、と思うところです。
by Saig Hira (2013-06-18 02:34) 

スティクス

>Saig Hiraさん
私自身、この頃の記事の文体には今では失ってしまった勢いが感じられ
久々に読み返して当時は相当乗って書いていたんだなと思いました。

>なぎさの貯金
なぎさの亮太に対する想いが良く伝わって来ましたね。
確かにケンカばかりですが、互いを案ずる気持が良くわかります。
ゲキドラーゴ最終戦や、MHのバドミントン等
なぎさと亮太のエピソードの数々を思うと、良い姉弟だと思います。

あいにく寅さんは全てを見た事が無く、
例に挙げていただいた41作も未見なのですが、
なぎさと亮太の関係を逆転させたようなシーンですかね?
尤も寅さんのような兄を持つさくらの苦労も分かりますが(笑)
何だかんだ言っても兄妹でなければわからないものも確かにあると思います。

>子供たちにも大切なメッセージ
子ども達には血沸き肉躍る物語を通じて夢と教訓を与え、
同時に手抜きせずに作っているからこそ本気のメッセージが大人にも伝わる、
本当に素晴らしいシリーズだと思います。
これまで観続けてきて本当に良かったです。
by スティクス (2013-06-18 21:42) 

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