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フレッシュ第28話『大切な記憶!おじいちゃんとの思い出!!』 [フレッシュプリキュア!]

「ふたりはプリキュア」では終戦記念日に
終戦直後の風景をからめたエピソードが放映されたことがあります。
今回の放映日は「お盆」の最終日。
亡くなった家族の思い出を甦らせ、そしてまた消えていく日。
遠い記憶の中にのみ存在している「おじいちゃん」への思いと
「おじいちゃん」から孫へ伝えたメッセージ。
甘美な思い出に浸るのではなく、そこから先へ受け継いでいく。
郷愁を誘う描写に彩られた、優しくも前向きなストーリーです。
  
冒頭、ラブとせつなは二人でクローバータウンストリートを散策中。
ウエスターさんパン屋さんに声をかけられて新作のパンを試食したり、
「ツンデレばあさん」の駄菓子屋で色とりどりのお菓子を見たり、
元気な蕎麦屋の兄さんに声をかけられたりと、色々なお店の人と出会いました。
クローバータウンストリートには色々な店がありますが、桃園家はなぜ店ではないのか。
桃園家は10年前までは畳屋だったのですが、
祖父の死をきっかけに店を畳んだ事をせつなに説明するラブ。
そしてラブの部屋のベッドは実も畳敷きで、畳を知らないせつなに畳とは何かという事と、
このベッドも祖父の手作りということを教えていました。

いつに無く不気味な空の下の洋館で、いつものように読書に耽るサウラー。
今回は写真についての記事を読んでおり、写真に残る思い出について考えを巡らせ、
『おかしな奴らだよな?ウエスター・・・』
そう西さんに尋ねようとしたサウラーですが、
西さんは先日の海行きスタイルでカキ氷作りに夢中でした。
『サウラー、何か用か?』『・・・いや、なんでもない』
『さてはカキ氷を狙っているな?ダメだ!欲しけりゃ自分で作れ!』
そして凄い勢いでカキ氷をかきこむ西さん。そんな勢いで食べたら駄目ですよ・・・
と思った矢先に、西さんを襲う頭痛。
そんな西さんをほっといて『だが、これは・・使えるかもしれない』とサウラー。
例によってえげつない策を思いついたようでした。

さて、次にラブとせつなが訪れたのは写真屋です。
壁には商店街の人たちの家族写真が飾られ、「桃園畳店」の写真も掲げられていました。
今も写真の中に残っているラブの祖父の姿。
このおじいさんはどんな人だったのかせつなに尋ねられ、答えに窮するラブ。
写真屋の店主の話では、おじいちゃん子でいつもくっついていた筈だったのに、
祖父の事を良く知らない自分に気づいたのか、
幼いラブを囲んで圭太郎パパ、あゆみママ、そして源吉爺さんが写る写真を
少し寂しそうな目で見つめるラブでした。

カオルちゃんの店で美希、ブッキーを加えた4人になるも、ラブは元気がありません。
大好きだった祖父の事を良く覚えていない事、何を話したのか、何をしたのか・・・
美希もブッキーも子供の頃の事を忘れたからといって気にすることは無い、と励ましますが
『凄く大切なものを置き忘れてきたような気がして・・・』
心ここにあらず、といった感じのラブです。

先ほどの写真屋に現れる南瞬ことサウラー。
思い出がいっぱい詰まっている、という店のカメラをナケワメーケ化し、
カメラのナケワメーケで町を荒らし始めます。
ひょっとして4人をおびき寄せるために派手に暴れたのか、早速駆けつけた4人は
まだストーリー前半にもかかわらず、早くも変身します。

が、いきなり隠れるナケワメーケ。『コッソーリ』と様子を伺ったり、
見かけによらず素早い動きで、まるでプリキュアを翻弄するかのように動き回り、
素早い動きについていけず決め手に欠くプリキュアたち。
ところがベリー、パイン、パッションの死角になる位置から
ナケワメーケが見ている事に気づいたピーチが単身立ち向かいますが、
『ハイチーズ』ピーチを包む、カメラのフラッシュの光・・・

気づいた時、目の前には妙にレトロな商店街が広がっていました。
『四つ葉町商店街?』
目の前の看板を見て驚くラブ。10年前まで「クローバータウンストリート」は
そのように呼ばれていました。
ガラスに映る自分の姿を見て、自分が4歳になっていることに気づき
『これが私?』と驚くラブに声が掛けられます。声の方向を見ると、そこには・・・
『おじいちゃん・・・』
『探したぞ、ラブ。一人で外に出ちゃダメだって言っただろう』
そう微笑む祖父に、涙を浮かべてうれしそうに飛びつくラブ。
『私、おじいちゃんに凄く会いたかった』『いつだってラブの傍にいるじゃねぇか』
『うん!』祖父の言葉に、ラブは涙を拭いて力強く頷きました。

ピーチは呼吸はしており、脈もありますが、意識がありませんでした。
『キュアピーチは今、思い出の世界にいるよ。この世界の人間は
 思い出をとても大切にしているようだ。だから、彼女が一番戻りたい
 思い出の中へ送ってやったのさ。もう目覚める事はない。永遠に・・・』
相変わらず人の不安を煽るサウラーの弁に驚き、ピーチを起こそうとする3人ですが、
まるで目を覚ます気配はありません。
そしてプリキュアさえ眠らせてしまえば、いくらでも不幸を集められると、
残る3人に標的を定めるサウラーの指示で再び動き出すナケワメーケ。
相変わらず素早い動きについていけず、苦戦を強いられる中
駆けつけたタルトとシフォンもピーチの意識が無いのに気づきました。

思い出の中のラブは源吉爺さんの仕事ぶりを眺めていました。
丁寧に一針ずつ縫っていく姿を見て大変そうだ、と聞きますが
機会を使わずに手作業にこだわり、畳を使う人に喜んでもらえるように、
一針一針愛情こめた仕事をしている、と誇らしげに自分の仕事について語る源吉爺さん。
そしてひと段落つき、ラブと一緒に出かけようという源吉爺さんに
うれしそうについていくラブ。

意識の無いピーチは微笑んでいます。
いくらタルトが必死に起こそうとしても、三人が苦戦していても、
甘美な思い出の世界に浸っている「ラブ」は目の前の現実が見えません。
そんな中、シフォンの超能力が発動・・・

源吉爺さんがふと目を留めたガラスにシフォンが映っていましたが、
すぐに消えてしまい、お目当ての駄菓子屋へ行くラブと源吉じいさん。
「四つ葉駄菓子屋」現在は(CANDY SHOP)という店名になっていますが、
駄菓子屋のツンデレばあさんは10年前も今も全然変わっていませんでした。
実世界でもなぜか駄菓子屋のおばちゃんってそういうものですよね。何故でしょう?
ともあれ、ラブがお菓子を選んでいる間、源吉爺さんとおばちゃんの会話から、
桃園畳店の事情がうかがい知れます。
源吉爺さんが最近疲れ気味に見える事から、隠居を勧めるおばちゃんでしたが、
婿養子とはいえ、既にサラリーマンである圭太郎さんには
無理に畳屋を継がせるつもりが無いことを話す源吉爺さん。
そのやり取りを、幼いラブははっきりと聞いていました。

仕事場に戻った源吉爺さんはたびたび映し出される、
苦戦するプリキュア、ラブを呼ぶ声に気づいていました。
でも、ラブは小さいながら一生懸命畳を持ち、祖父の手伝いをしたがっている様子。そして、
『私、畳職人になる。そうすれば、お爺ちゃんと一緒にいられるでしょ?』
全てを察した源吉さんは、残念そうな目でラブを見ていました。
『私、この四ツ葉町商店街でお爺ちゃんとずっと一緒にいたいもん』
10年ぶりに会った、優しいお爺ちゃん。尊敬できる畳職人のお爺ちゃん。
それでも、ラブを案じるからこそ厳しく言い放つ源吉爺さん。
『駄目だ。ここはお前のいる所じゃねえ。
 ずっと一緒にはいられねえって、本当は分かってんだろう?ラブ。お前の世界へ帰るんだ!』
帰るべき場所があり、そこでやるべき事がある。それを思い出したためか、
ラブも苦戦しているプリキュアたちに気づきました。

倒されても倒されても、何度も立ち上がるプリキュア達。
サウラーに否定されても、ラブが、ピーチが帰ってくると皆信じて戦っていました。

『仲間がお前を待っている。だろ?ラブ』
『でも、あたし何も出来てない』
ラブがずっと心残りだった事。それはお爺ちゃんのために、何もしていないと思っていた事でした。
けれども孫がいる事はそれだけで祖父にとってはかけがえの無い事。
そして源吉爺さんが愛情をこめて畳を作ってきたみたいに、
将来愛情を持って何かを成し遂げる子になって欲しいと願いをこめて
「ラブ」と命名した事を語ります。
孫から祖父へは、産まれてきた事が。祖父から孫へは、名前に託した想いが
それぞれの大切な物でした。
『すんごく愛情こもってるだろ』そう笑う源吉爺さんに、
『うん。愛情一杯だよ』と涙をふいて笑顔を返すラブ。でも「愛」「愛子」でもいいのでは?
という視聴者の疑問は、すぐに源吉爺さんが答えてくれました。
『愛って言葉もいいが、ラブって言葉の方が、もっと広い世界で通用するんじゃないかと思ってな』

とうとうナケワメーケに捕まってしまい、身動きがとれない三人。
必死にラブを呼ぶタルト、シフォン、そしてベリー、パイン、パッション。
『私、行かなきゃ。みんな、私の大切な仲間なの』ラブが戻ることを決心した時、
14歳のラブの姿になっていました。
見ることの出来なかった14歳のラブの頭を撫で、
『元気でな・・・』と送る源吉じいさん。
『うん、ありがとう。お爺ちゃん、大好き』『ワシも、大好きだ』

『撮影準備ができたようだ。君たち、もう苦しまずにすむからね。お休み、プリキュア』
サウラーの言葉が三人に投げかけられ、今にもシャッターが焚かれそうな瞬間、
意識を取り戻したピーチの攻撃で間一髪、体勢を立て直すプリキュア。
思い出の世界から帰って来た事を驚愕するサウラーに
『お爺ちゃんのおかげで目が覚めた。この世界で皆と一緒にやらなきゃならない事がある』
そして同じ手はもう食わないとばかりに三人でナケワメーケの動きを封じ、
ピーチの蹴りで倒れたところをラブサンシャインフレッシュで撃退。
『苦い思い出になってしまった・・・』
ちょっと上手い事言えるようになったサウラー、苦々しげに立ち去っていきました。

無事にカメラが戻った写真館で、自分の名前の由来を語るラブ。
ラブという名前に込められたお爺ちゃんの想いを忘れない。
そして、いつか世界中のみんなの心を、愛情一杯にしてあげられる人になりたい。
それまでお爺ちゃん、私の事、見守っててね、というラブの独白が語られる中、
見つめる「桃園畳店」の家族写真で幕となりました。

記憶の片隅に残る祖父への想いと、孫に託した想い。
サウラーの姦計とはいえ、結果的にラブにとっては良い結果に終わった今回、
お盆ということを意識して作られたのか、故人の思い出というテーマで描かれていました。
「いつだってそばにいる」という源吉さんの台詞は、
4歳のラブのそばにいつもいるじゃないか、という意味の他にも、
いつでも草葉の陰から見守っている、と言う風にも解釈できると思います。
作中のラブは辛い戦いの現実から逃れ、大好きなお爺ちゃんがいる
優しい世界のぬるま湯に浸る心地よさを覚えてしまいます。
が、祖父の後押しがあったとはいえ、そこから立ち上がることが出来るのが
ラブの強さでもあります。
確かに私達も辛い現実から逃れ、甘美な夢を見ていたい。
夢を見続けられるなら、ずっと眠っている方を選ぶ。そう思うこともあります。
しかし作中で源吉さんが語るとおり、大変だからこそ得られるやりがいや、
充実感があるからこそ、我々は現実を生きて行けるのだと思います。
明日から仕事、という現実を前にしたお盆休みの会社員へのエールだったかもしれませんが・・・
(もっとも私は先週、今週ともに月~土まで毎日出社ですが・・・)

ラブと源吉さんにスポットが当てられている以上、ベリー、パイン、パッションが
極端に弱いのは仕方ないと思いますが、エピソードによってあまりに
強さにブレがあるとシリーズとしての統一感が・・・という懸念を少し感じました。
でもピーチがいないのに3人で事件を解決してしまっては元も子もありませんので、
そこは仕方ないと割り切ることにします。
それにしてもベリー、パインはともかく、パッションが思い出の世界に飛ばされたとしたら
やはり幼いイース様時代なのか、それとも「一番戻りたい思い出」のとおり、
少し前の「東せつな」として生きる道を選んだ日なのでしょうか・・・
どちらにしろあまり効果は無さそうですが、もし前者だとしたら
舌足らずで「わがなはイーチュ!ラビリンシュしょうとう、メビウシュさまがちもべ!」
などとやっている幼いイース様を想像してしまい(以下自粛)

10年前といえば、1999年。そう昔のことではないのですが、
作中の四つ葉町商店街が昭和の香りがするようなレトロ調なのは、
あえて「過去」に戻っていることを強調するためでしょうか。
「駄菓子屋の婆ちゃんは何十年前からずっと婆ちゃん」という
現実世界の七不思議もからめてありましたが、蕎麦屋の兄さんも、
写真の中に写る圭太郎さん、あゆみさんもあまり変わっていないような・・・?

ただ、気になったのはウエスターさんのカキ氷シーンです。
先週はお笑い芸人とのコラボ、ウエスターさん出撃回、お祭りということで
ヨーヨー釣ったりヤキソバ焼いたりもろこし食べたりしてもさほど違和感がなかったのですが、
無理にカキ氷を食べさせておバカキャラを出さなくても・・・
ウエスターさんは個人的に好きなキャラクターで、カキ氷も予想通り笑わせてくれましたが
蛇足、と言われても仕方が無い気がして、少し残念でした。
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レモネード

おじいちゃんはラブのおじいちゃんですのに状態変化がありましたね。ロリなラブちゃんは大魔王なのだといえば地球を壊しにやってきたのですがね。
by レモネード (2017-03-29 17:27) 

スティクス

>レモネードさん
はじめまして、でしょうか?コメントありがとうございます。
「ラブ」というちょっと意表を突かれる名前に込められた
おじいちゃんの想いが印象的な一編でしたね。

ただ私の読解力が足りないのか、「状態変化」や「大魔王」「地球を壊しに」の意味が分かりませんでした。気の効いた返信ができずに済みません。

by スティクス (2017-04-01 07:27) 

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