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フレッシュ第29話『謎だらけの男!カオルちゃんの正体!?』 [フレッシュプリキュア!]

普段はヘラヘラしているけれど、いざという時には誰よりも頼りになる男。
謎の過去を持つ男。決して弱みを見せない男。そして誰よりも強く、誰よりも優しい男。
埠頭で始まり埠頭で終わる、男の過去を知る女との邂逅。倉庫街での戦い。
今回のエピソードに妙に懐かしさを感じたのは、
私が「ジョジョの奇妙な冒険」と共に大きな影響を受けた作品
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「シティーハンター」を思い出させたからでしょうか。
そんな冴羽さんに通じるような所が魅力でもある、カオルちゃんが主役の一編でした。
  
冒頭から別の作品かと思うような場面。
『お久しぶりねジェンマ・・・いえ、その名前はもう過去のものね。
 今はこう呼ぶべきかしら?コードネーム、カオルちゃん』
かつてパートナーだったと思しき美女「ジュリアーノ」と出会い、
霧の立ち込める埠頭に姿を見せたのは、不敵な笑みを浮かべるカオルちゃん。

そのカオルちゃんは四つ葉町から姿を消し、ドーナツを楽しみにしていたラブたちは
ドーナツカフェが営業していないことを不思議に思っていました。
その頃カオルちゃんとジュリアーノは遊園地の観覧車内でなにやら密会中。
観覧車内は完全に二人きりになれる場所なので、
こうした秘密の打ち合わせには古くからおあつらえむきの場所です。
ジュリアーノによれば、来日中のメクルメック王国一家のジェフリー王子が
父王とケンカして家宝の「ポセイドンの冷や汗」を持ち出して行方不明との事。
そしてその宝石を狙って「ゲットマウス」と言う組織が暗躍している事を打ち明け
ジュリアーノはカオルちゃんに助力を求めていました。

とうとうカオルちゃんの店は4日連続の休業。
ドーナツを4日食べていないためにドーナツ禁断症状に陥ったタルトを
シフォンは同じ穴の開いている食べ物ということで、「ちくわ」で慰めていました。
が、ラブたちはカオルちゃんの行方やドーナツカフェの今後を気にしており、
ひょっとして店を閉めたのでは?ドーナツを作っているカオルちゃんはいつも真剣に・・・
そう意見をぶつける美希とラブの脳裏に浮かんだのは、
『グハ』『グハ』『グハ』あれ・・・?ドーナツ真剣に作ってたかな・・・?
カオルちゃんを弁護しようとしたラブが思い出すカオルちゃんの営業中の姿は
いつも冗談ばかり言っていた姿しか浮かんできません。
ともあれ、公園の空いたスペースを有効利用しようとベンチを置こうとする役所の人たちから
カオルちゃんの店のスペースを守ろうとするラブに、最初は及び腰だった3人も追随。
役所の人たちも本当はカオルちゃんのドーナツのファンだったらしく、
しばらく様子を見ようと融通を利かせてくれました。

クローバータウンストリートを行く4人は道の片隅に佇んでいる外国人の少年を見つけました。
『は、はろー。でぃすいずあ、ぺーん。はうどぅゆどぅー?あーゆーあ、すちゅーでんつ?』
『あの、ここ四ツ葉町ですか?』
がんばって「ある意味凄い」英語で声をかけたラブに、少年は流暢な日本語で返しました。
しかしそれから、「お父さんかお母さんは?」「名前は?」と何を聞いても答えませんでしたが、
『おなか空いたの?』と言うラブの問いに暫し押し黙った後、
『・・・うん』と返事をする少年のために、何か食べに行くことになりました。
ところでこのやりとりの間、『ラブの日本語よりずっと上手ね』『そこは返事するのね』と
イース様時代から的確だったせつなの鋭い突っ込みが冴えていました。

『まだポセイドンの冷や汗とジェフリーの行方はわからんのか』
苛立って声を荒げる国王に謁見し、状況の報告をするジュリアーノ。
その隣にはカオルちゃんも随伴していますが、国王夫妻の前でも平伏せず
ひざまずいて釈明しているジュリアーノと対照的です。
ジェフリーの事よりも「ポセイドンの冷や汗」を案じているかのような国王夫妻に
『お二人がもっとお優しい言葉をジェフリー様にかけて下されば・・・』
と進言し、『今頃どこでどうされているかと心配で・・・』と涙を拭う執事ゴードン。
それに耳を貸さないような、一刻も早く家宝を取り戻せという態度を取る国王夫妻を
「果報は寝て待て」という冗談を交えつつも厳しく叱責するカオルちゃん。
「ポセイドンの冷や汗」は国中の人を幸せにする力があるかもしれないけれど、
ジェフリー王子の笑顔は世界中の人を幸せにする。
王妃からはジェフリーに会った事も無いのに何が分かる?と反論されても、
『本当に大切な物は何なのか、よく考えやがれ!』
と国王夫妻を前に物怖じせず言い放ったカオルちゃんの後を慌てて追いかけた
ジュリアーノに、カオルちゃんはちょっと別行動を取ると告げていました。
『何か心当たりでも?』ジュリアーノの質問に答えず、立ち去るカオルちゃん。

その頃ジェフリーはラブたちと共にハンバーガー屋に居ました。
おそらく初めて目にしたであろうハンバーガーを手にとって戸惑いつつも、一口頬張って
『美味しい♥』
とても愛らしいジェフリーの笑顔にラブ、美希、ブッキーの3人はメロメロになっていました。
『わ、わたしは別に・・・』そうジェフリーに背を向けたせつなでしたが、
横目で王子の笑顔を見て密かに『かわいい・・・』と、ツンデレっぷりを披露していました。
ボーリング場ゲーセン、輪投げ、魚屋、駄菓子屋、そしてクレープ屋と巡り、
口のまわりにクリームをつけて満面の笑顔でクレープを頬張るジェフリーは
四つ葉町を訪れた経緯を話し始めました。昔庭園で話していたという、名前は分からないが
「先生」と呼んでいた人にみんなが幸せになれる町だと教わった事。
ところが身分を隠した「ローマの休日」のような時間は臨時ニュースによって断ち切られます。
街頭モニターに流れたニュースによって目の前の少年が「行方不明の王子」である事を
4人に知られてしまい、駆け出して行くジェフリーを追いかける4人。
一方そのニュースでは「人々を幸せにすると言うポセイドンの幸せを所持している」
という事も報じられており、姿を見せた西さん。何か企んでいました。

『僕は、嫌われてるから・・・』
両親が欲しいのは、国王の後継ぎとしての自分で、ジェフリー本人ではない。
乗馬の稽古や勉強が思うように行かず、両親から叱られていたジェフリーは
そう思い込んで、落ち込んでいました。
そんなジェフリーを励ましたのは優しい言葉ではなく、せつなの厳しい指摘。
『甘えないで!必要とされない人間なんていない。あなたが勝手にそう思ってるだけ・・・』
そして目線の高さををジェフリーに合わせたせつなは、
あなたは自分が悪い事をしたと認める勇気を持っている。
それ以上に良い事をする勇気もきっと持てる筈、と付け加えて優しく励まします。
『何たってジェフリーの笑顔は、みんなを幸せにしちゃうんだから』
そうラブが返した矢先、元イース様が成せる業か、不穏な気配を察するせつな。
ウエスターさんか?と思いきや、現れたのは黒服の男達でした。
そしてたちまち4人とジェフリーは取囲まれて・・・

『どうしたの?兄弟』『おお兄弟・・・!』
タルトは4人とジェフリーが連れ去られるのを、ただ見ているしかできなかったようで
突如現れたカオルちゃんにすがるように事情を説明していました。
そして、ジェフリーだけでなくラブたちも拉致された事を知るカオルちゃん。
その目はドーナツ屋の目ではない、鋭い眼光を湛えていました。

方法は分かりませんが5人が監禁されている倉庫を突き止めたカオルちゃんは
タルトに中の様子を見に行かせた後、呼び寄せていた執事ゴードンと落ち合っていました。
先ほどゴードンだけが本気でジェフリーの心配をしていた姿を見て、
一人先に呼び出したのですが、これが裏目に出てゴードンに隙をつかれ
昏倒させられてしまうカオルちゃん。
『そうか・・・おまえが・・・ゲット・マウス・・・』
薄れ行く意識の中、カオルちゃんが気づいたゴードンの正体は、暗躍する組織のボスでした。
カオルちゃんを抱えて倉庫内に入り、無造作にカオルちゃんを放り投げて
ジェフリーを連れて逃げようとするゴードンと手下たちを天井の鉄骨から見下ろすタルトは
またしても手が出せずに見守るしかできません。

まんまとジェフリー、そして「ポセイドンの冷や汗」を手にしたゴードンは
長いこと国王の執事として潜り込んで機会を伺っていたようです。
そんな気の遠くなるような回りくどい計画・・・
ところが逃走用のヘリの到着が遅れて計画が狂い始めたのか、
さらに現れるウエスターさんによってポセイドンの冷や汗をナケワメーケされます。
『こいつで蹴散らしてやる。お前達も何もかも』
・・・ウエスターさん今回はたまたま誰の味方でも敵でもない立場になっていますが、
ともかく「人々を幸せにすると言う宝石で、不幸のゲージを上げる」腹づもりのようです。

意識が戻るラブたちに、ジェフリーは?カオルちゃんがなんでここに?と質問され、
とりあえずかいつまんだ説明「ラビリンスが外で暴れている」とだけ告げるタルト。
カオルちゃんの前で変身する事に躊躇しますが気を失ってると判断し、変身。

今回のナケワメーケは元が宝石のために固く、各々の攻撃も効かず
4人同時の攻撃「クアドラプルキック」も効果がないようで、決め手に欠くプリキュア達。
そして倉庫内で意識を取り戻したカオルちゃんに、タルトはは恐る恐る変身を見たかどうか
探りを入れてみますが、どうやら見ていないっぽい様子?です。
それよりも、本気モードに入ったように立ち上がるカオルちゃん。
『仕方ない。久々に、暴れますか・・・』

『どうだ、固いだろ!強いだろ!』
手も足も出ないプリキュアに、相変わらず嬉しそうに言い放つウエスターさん。
その頃ジェフリーを連れて逃げるゴードン一味の前にも、ようやくヘリが到着。
ヘリから下ろされる縄梯子(またえらく古典的な・・・)でジェフリーを脇にかかえ
飛び立つゴードンに気づいたプリキュアですが、ナケワメーケの宝石攻撃に固められて
助けに行くことができません。

そんな時、ジェフリーを救出すべく向かっていったのはカオルちゃんでした。
『あんなにいっぱいいたの?』と軽口を叩きつつも、ゴードンの手下達を
次々と投げ飛ばす姿を見て、動けないプリキュアも驚く強さを披露します。
そして駆けつけた警察、国王夫妻、ジュリアーノの前からジェフリーと共に
ヘリで逃げ去ろうと高笑いするゴードンの口に目掛けて
「タバスコ&マスタード味」のドーナツを投げつけるカオルちゃん。
ゴードンはあまりの辛さに空中でジェフリーを離してしまい、落下するジェフリーを
人間離れしたジャンピングキャッチで抱きとめるカオルちゃんこそが、
ジェフリーが慕っていた「先生」でした。

ジェフリーの方はこれで一安心。あとはナケワメーケを倒すだけ、と
力をこめて束縛を解くプリキュア。あとは固い相手をどう責めるかですが、
『宝石は一箇所一定方向から力がかかると割れやすくなる』
とカオルちゃん。今度は宝石カッティング職人が持つようなルーペでポイントを見極め、
人間離れした飛び蹴りでウィークポイントを攻撃し、ヒビが入ったところを
ピーチのラブサンシャインフレッシュで撃退しました。
しかし元の姿に戻ったものの、割れてしまうポセイドンの冷や汗・・・

無事に救出されたジェフリーのもとに駆け寄る国王夫妻は、
王族である前に親としてジェフリーを迎えました。
ジェフリーを抱きしめて泣く王妃、そして父王は家宝を割ってしまった事を謝るジェフリーを
『お前の命に比べれば宝石など少しも惜しくは無い』と慰めていました。
「国王一家」ではなく「ジェフリー親子」を見守るカオルちゃんとジュリアーノ、
そしてプリキュアにジェフリーはお礼のような「天使の笑顔」で応えました。

再び埠頭。今度はタルトとカオルちゃんが話し合っていました。
ちくわもいいけれど、カオルちゃんのドーナツが必要だと。
カオルちゃんの過去を詮索するつもりは無い、と。
そこに現れたジュリアーノはゴードンが逮捕された事を告げ、そして
カオルちゃんに戻って欲しい、あなたの力がきっと必要になる、と告げますが
『俺を必要としてくれる場所へ、帰るのさ』
と、カオルちゃんはジュリアーノの前から立ち去ります。
『ミスターカオル・・・いえジェンマ。あなた・・・尻尾がはえてるわよ?』
カオルちゃんの背中にタルトが隠れていましたので・・・

再びドーナツカフェが再開し、店に集う4人を前に相変わらず飄々としてるカオルちゃんですが
『ドーナツハートはうまさのしるし。挽きたてフレッシュ!コーヒーとセットだよん』
そうドーナツを出すカオルちゃんの言動に、変身を見られた?と勘繰る4人。
なんでいきなりお礼を?と冷や汗を流しつつ恐る恐る訪ねるラブに
この場所を守ってくれた事のお礼を言うカオルちゃん。ラブたちがほっとしたのもつかの間、
次から次へとカオルちゃんに電話がかかって来て・・・
『え?難しい手術?明日?OK、手を貸すよ』
『宇宙飛行士が足りない?あ、俺行くよ』
『ハロー。ワールドツアーのボーカル?任せてよポール』
結局カオルちゃんって何者なの?と4人がマサルさん状態になる中
カオルちゃんの車に貼られた、両親に囲まれて笑顔のジェフリーの写真、で幕となりました。

今までもカオルちゃんは只者ではないオーラを醸し出しており、
無印~MHのほのかのお婆ちゃま「雪城さなえさん」のような謎と雰囲気を持っていました。
そしてこれでもかというくらいカオルちゃんが活躍する今回。
話としては面白いのですが、残念ながら「今朝はプリキュアを観たのか?」と
何となく釈然としない感想を抱いてしまいました。
さなえさんも只者ではないオーラを醸し出し、謎は謎のまま残るという共通点はありますが
プリキュアを食うほどの活躍を見せることはありませんでした。
その意味で完全にプリキュアがカオルちゃんのフォローに回ってしまった今回。
「外伝」のような意味合いで観れば面白いと思いますが、「本編」としては少し疑問を感じました。
「プリキュア的展開」にまた注文をつけてしまうと、今に始まったことではない
ベリーとパインの影の薄さが気になるのと(たまにはベリーの技も見たいです)
ウエスターさんの存在意義の薄さ。
何も考えずに不幸を集めるという意味では、ラビリンスに貢献しているとも言えるのですが・・・

そんな中、プリキュアであることを意識させるのはせつなのジェフリーに対する言動でしょうか。
かつてイース様としてメビウスに「必要とされない人間」として切り捨てられたからこそ
「必要とされない人間などいない」と、ラビリンスとは異なる人間関係を
この世界の人々の間に見出し、そう確信しているが故の励ましでしょう。
また真面目なシーンだけでなく、せつなの突っ込み、ツンデレ描写は楽しませてもらいました。

しかしジェフリーを巡る親子間の関係、カオルちゃんの活躍、美人のエージェント等
冒頭で触れた「シティーハンター」を彷彿とする展開は素直に楽しめます。
またジェフリーの作画も良く、笑顔は本当に愛らしく描かれており、
まさに視聴者を幸せにする笑顔だったと思います。言うは易く行うは難し。
実際に絵に起こすのは大変だったと思いますが、おそらく難しい要求を見事に表現されていました。
ジェフリーの母、そしてジュリアーノといったゲストキャラクターの造形も魅力的で
一話限りの登場になるのが惜しいです。

ただ、もう一つ注文をつけることをご容赦ください。残念なのはゴードンの描写です。
ジェフリーを心配したときのあの涙は本心ではなかったのか?
ずっと執事として仕えた間、常に偽りだけで過ごしてきたのか。
カオルちゃんをも欺いたあの涙が演技だったとは、どうしても思えなかったため
ゴードンがナケワメーケからジェフリーを守る、あるいは自ら出頭する等があれば
さらに深みが出たように思いました。

今回王妃を演じた今井由香さんはSSで途中まで「霧生薫」を担当していたのですが、
残念ながら途中で病気降板となってしまいました。
その「薫」を演じた声優さんが「カオルちゃん」が活躍する回のゲストで登場とは
ちょっとしたファンサービスでしょうか?EDのクレジットを見て、そう感じました。
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