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第46話『サイアク~!石の力が奪われた~!』 [ふたりはプリキュア]

実に緊張感のない、ギャル語っぽいサブタイトルですが、
話をとことん要約すると、このような内容の今回。
すぐ近くにあるのに手が届かない日常との距離感と、
そんな何気ない日常を守るための最後の戦いに赴くなぎさとほのかの決意。
同様に背水の陣で臨む闇の三戦士の覚悟。
そしてベルゼイのキュートなパジャマ姿(笑)。
これらが奪われた石の力と絶妙に絡み合い、来るべきクライマックスに向けて
武者震いがするほど(by庵原之政)格好いいラストで締めくくる、熱い展開です。
  
『忌まわしい呪縛を断ち切る時が来た。もはや我々に戻る道は無い。突き進むのみだ』
夕暮れや夜の光景が多い三人組の洋館の光景ですが、今回は珍しく朝。
結城先生の決意と覚悟を伺わせる台詞から始まります。
そして鳥かごから番人を出し、闇の力で縛り上げて不敵に笑う結城先生。
・・・一連のやりとりは結城先生の可愛いパジャマのせいで
いまいち緊迫感に欠ける(良い意味で)のですが・・・

いよいよ今日から三学期。
「あけまして、おいしそー」ローストチキンを頬張るなぎさが描かれた
なぎさの酉年の年賀状を微笑ましそうに見つめて登校するほのか。
通学中のなぎさは、いつになく長い回想で前回の合唱コンクールに思いを馳せ、そして
『自分の居場所がある、帰れるところがあるって凄く安心だって思っちゃった』
これから起こる事を暗示するような独白で回想を締め、
途中出あった志穂、莉奈そしてほのかと共に登校します。
が、後ろから迫ってくる邪悪な気配に振り返ると、後を尾けるように姿を見せる
ジュナ、レギーネ、ベルゼイの姿がありました。
志穂と莉奈にはその姿は見えず、他愛のない話で盛り上がる中、
なぎさとほのかに高まる緊張。そして通学路の途中で人気のない公園に駆け込み、
変身して迎え撃つ二人。

プリキュアにもベルゼイたちの焦りが感じられるようですが、
彼らの思い通りにするわけには行かないと迎え撃ちます。
しかし一筋縄ではいかず、素早い攻撃で二人を一瞬で蹴り飛ばすベルゼイの動きは
目にも留まらない速さでした。
今こそ石の力を手に入れるとき、とホワイトに狙いを定めて攻撃してくるベルゼイ。
ホワイトを援護すべく向かおうとしたブラックの前にはレギーネとジュナが立ちはだかります。
やはり勝負を急いでいる観がある三人。そして、彼らの懸念していた
体内の闇の力が体を蝕んでいるようで、戦いの途中胸を押さえて顔をしかめるジュナを
気遣うレギーネ。そしてもう少しで宿命から逃れられると励ますベルゼイ。
彼らも彼らなりの理由と互いのチームワークを持っている事が伺えます。

『あなたたちの好きにはさせない』『もう、いいかげんにして』
ともすればプリキュアが敵に見えかねないほど、
この時点での闇の戦士たちに感情移入しかける中、
相変わらずベルゼイに歯が立たない二人。それでもベルゼイの息も上がってきています。

ドツクゾーンではその戦いの様子を高みの見物といった風情で見守るジャアクキングが
もう少しで全てを生み出す力が手に入り、完全な者になると豪語していました。
時を同じくしてクィーンと長老も、光が闇に飲み込まれようとしている事を不安視していました。

『もう後戻りはできない』ホワイトを吹き飛ばしたレギーネが、
『もはや、躊躇しているヒマはない』ブラックを弾き飛ばしたジュナが決意を固め、
『邪魔はさせん』と倒れた二人に迫るベルゼイ。
そんなプリキュアの危機に、ポルンはたまらず隠れていた茂みから飛び出し、
いつもの叫びを披露しようとしますが、これこそがベルゼイの狙いでした。
プリキュアを追い詰めれば石の力を宿したポルンが現れる筈で、
狙い通りポルンを捕らえ、油汗を浮かべながら高笑いするベルゼイ。
そして同じく油汗を浮かべて見守るジュナとレギーネ。

ポルンを人質に取られ、プリキュアが手出しできない中、今度は番人を呼び寄せるベルゼイ。
番人はベルゼイの手の内に置かれながらも「私以外石の力を動かすことは出来ない」と
心配そうなプリキュアに応えますが・・・
『お前を捕まえて鳥かごに入れておいたのは何故だと思う?』
余裕たっぷりとベルゼイが言い放ちます。
『私がお前と同じ部屋に一緒にいて、ただ漫然としていたと思うのか。
 お前の能力は読み取らせてもらった』

番人が戸惑いを隠せない中、ベルゼイは己の知略を満を持して語ります。
『散らばっている知識の欠片、力のありか、その断片を繋ぎ合わせて
 意味のある形にするにはかなりの手間がかかったがな。ようやく呪文のような物が見えてきた』
実に粘り強く、辛抱強いベルゼイの作戦ですが、それを実行するところに彼の凄みを感じます。

『もしも私がお前だったらまずこう言うだろう。"全てを生み出す力よ。我が声に応えよ"』
図星を突かれている事に恐怖を隠せない番人の前で、ポルンの体が光り始めます。
ポルンの反応を見て確信したのか、自信満々に続けるベルゼイ。
『その次にこんな言葉を唱えるだろうな"七つの石と共にその与えられた場所を離れたまえ"』
番人の必死の懇願も空しく、思い通りに事が運んでいることにご満悦のベルゼイは続けます。
『そして最後はこんな言葉で締めたいものだな
 "プリズムホーピッシュの番人の名において、七つのプリズムストーンの力、あった所へ戻れ"』
遂にポルンの体内から七つの光が飛び出し、番人の周りに再び収まるのを見て、
やっと呪縛から逃れられると喜びを露にして、番人と共に引き上げる三人。
後に残されたポルンの泣き声が響く中、不安そうに顔を見合わせるブラックとホワイト・・・

その夜、重い空気の中ほのかの部屋に集まるなぎさとメップル、ミップル、ポルン。
沈黙を破るのは、なぎさの静かな決意でした。
『何が起きるかわからない。どうすれば良いかもわからない。
 だけど・・・だけどさ、このまま諦めるなんて、そんなの絶対嫌だよ』
『そうだね、何かできるとしたら、私達だけなんだし』
『どんな事が待ち受けてるか本当に想像もつかないけど、
 何が何でも私達が取り返すしかないんだよ』
『そうだよね、やるしかないんだよね』
次第に決意を固めていく二人。そして両手を握り合い
『どんな事になっても、私となぎさは一緒だよ』
『そうだね、どんな事があっても一緒だよね』
戦いに赴く悲壮な決意。そんな中みんな一緒だと盛り上がるポルンにミップル、メップルを
遊びに行くんじゃないと言いつつも、優しい目で見つめるなぎさが印象的です。

翌日、学校の渡り廊下では合唱コンクールの写真を見て
志穂、莉奈、夏子、京子が盛り上がっていました。
目を閉じて大口開けて歌っているなぎさの写真写りの悪さに沸くクラスメイトたち。
『シャッターチャンスばっちりって奴?写真は正直だね』
そう言う志穂も、別の写真では変な顔で写っていたらしく、志穂をからかう莉奈、夏子、京子。
そんな楽しそうなやり取りを見つめていたなぎさとほのかは、次第に深刻な顔になって行きます。
笑いあう4人はすぐ近くにいるのに、その間には遠い距離が横たわっているような感覚。
二人の深刻な様子に何かを察したような志穂でしたが、
なぎさが返した笑顔に安心したのか、いつしか再び志穂も輪に戻り
当たり前の日常を、遠くから見守るなぎさとほのか・・・

昇降口でなぎさ宛のラブレターを拾う志穂
ラクロス部の練習風景調理実習での一コマ
教育実習生が来る前に美容院いこうかと相談している志穂と莉奈
香水を調合している科学部社会見学での美術館での一コマ
浅い川で溺れる校長を呆れた目で見るユリ子
アカネさんと月を見ながら語り合った合宿所の夜体育祭のフープダンス
劇の衣装合わせで照れるほのかのジュリエット
夕陽の河川敷で、まるで走馬灯のようにこの一年の学校生活の思い出が駆け巡ります。

『ねえなぎさ。これから先、本当にどうなっちゃうのかな?』
初めて不安を口にしたほのか。なぎさはそれには答えません。
『私達、また今までみたいに普通に学校に行ったりできるよね?』
『あたりまえじゃない。例えば、ちょっとした旅行に行くのと同じ事よ
 すぐにまた、全てが元に戻ってみんなと一緒に笑ったり、勉強したりできるって』
おそらく自らにも言い聞かせるような口調で返すなぎさに、
『そうだよね、そう思えばなんてこと無いんだよね。
 私達、本当にどんなことが会っても、一緒だよね?』
ほのかも言い聞かせるように、そしてなぎさと一緒だということを強調します。

『もしかしたら、クラスのみんなの笑顔。あれが最後かもしれないね』
『そうなるかもしれない、だけど、行かなきゃいけない』
中学2年の少女が背負うには、あまりにも重いものがのしかかっています。
でも、行かなきゃいけないんだよと決心し、
前半戦のクライマックス、ジャアクキングとの戦いにクィーンが参戦した時に流れたBGM
「SHINING STAR」のインストゥルメンタルが流れる中、力強く頷く二人。

執事ザケンナーが準備を進める中、番人から溢れる光を満足そうに見つめる闇の戦士たち。
光の園のクィーン、長老も只事ではない気配を察していました。

突然インストゥルメンタルから歌詞が入り、同時にプリキュアに変身する二人。
『闇の力のしもべたちよ!』『とっととお家に帰りなさい!』
二人が指差す先には森の中、洋館から伸びる光がありました。
その光に向かって駆け下りていく二人で幕、となります。

本来ならば戦いに赴く前の前フリに位置づけられるエピソードなのですが、
個人的にはこの後繰り広げられるプリキュア、ジャアクキング、闇の戦士の
三つ巴の戦いよりも、ラストに向けて徐々に盛り上げられる演出が秀逸で
興奮が収まらないほど燃える一編です。
闇の戦士たちの描写も印象的で、冒頭のナイトキャップ、ネグリジェ姿の結城先生に
絶句する角澤、翔子さんがいい味を出しており、いたって真面目な結城先生の言動が
かなり浮いている(良い意味で)迷シーンとなっています。
ただ残念ながら、この短いシーンが、彼らが人間の姿を見せる最後となりました。

以前にも闇の戦士たちに肩入れしたくなるという感想を書きましたが
今回も前半の戦闘部分は闇の戦士たちの妨害をするプリキュア、
と捕らえられかねない描かれ方です。
これがほのかの部屋での決意表明の後180度転換し、
一気になぎさとほのかが前面に出てくる構成は見事としか言いようがありません。

ふと訪れた学校での平穏な日常、今までの回想、そして決戦に向かうプリキュア。
ラストの変身の前後でタイミングがバッチリと歌のサビに重なるよう計算された
BGMとの相乗効果も相俟って、まさに武者震いがするほど(by庵原之政)
ラストの展開が素晴らしいです。

回想や効果的なBGMを配しての決戦直前シーンという展開は
「ドラゴンボール」で悟空が単身レッドリボン軍本部に乗り込む直前のシーンを思い出しました。
(古いシーンなので、この表現がわかる方がいらっしゃれば幸いです)

いよいよ「ふたりはプリキュア」シリーズも後3回。
初代シリーズのラストバトルを刮目して見届けて行きたいと思います。


(脚注)私は最近の大河ドラマでは2年前の「風林火山」が大好きで
「庵原之政」とはこのドラマ中、やたらと空気を読まない「武者震い」発言で
一部の視聴者の人気者になった、今川義元の家臣のことです。
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