マックスハート第3話『これって運命？ポルンとひかり接近遭遇！！』

アカネさんとの出会いに続き、ひかりにとって重要な意味を持つポルンとの出会い。
まるで使い物にならない長老と番人のコミカルなやりとりや理恵ママとのかくれんぼ、
小野小町の歌を詠む「後の秋元こまちことよし美先生」など随所に小ネタをちりばめつつも
謎めいた無表情が続いていたひかりが、
畏れや戸惑い、そして少しずつ表情を現してくる一編です。
　
明け方から長老と番人はトランプに興じ、
ポルンはシークンを騙してなぎさの臭いと定評のある靴下の中を覗かせようとしています。
少し騒がしい4人を注意するメップルですが、その声も含めて
うるさい室内に機嫌悪そうに寝返りを打つなぎさ。
『これは何デス？暗くて何も見えないデス！』（臭くてって言わなくて良かったです・・・）
『騒いだら家の人に見つかるメポ！』
『うるさーい！！！』
そんななぎさの声に静かにするよう注意する5人。
主客転倒の有様にため息を付くなぎさでした。

なぎさは目の下にクマを作り、通学路でほのかに朝の一件を語っていました。
ポルンとシークンの見張りを長老と番人に任せて出てきたものの、
ちゃっかりなぎさのカバンに隠れているポルン。
まるで役に立っていない長老と番人に先が思いやられますが、
一つ気がかりなのは『目覚めるポポ』と繰り返すポルンです。
そんな折、通学路のわき道からひかりが現れてなぎさとほのかに挨拶を交わし、
ひかりはクラスメイト達にベローネの有名人である二人と知り合いである事を
うらやましがられつつ登校していきました。
その際一寸立ち止まって振り返り、なぎさとほのかに会釈をして
クラスメイト達と通学の途に付くひかり。そしてなぎさのカバンの中のポルンは・・・
『目覚めるポポ・・・』

洋館に転がる開封済みの宅配便の箱。その陰からは少年が
今届いたばかりとおぼしき三輪車を組み立て、楽しそうに館の中を走り回ります。
そしていつしか階段のほうへ向かってしまう少年。
あわてて追いかける執事ザケンナー二人ですが追いつかず、
無残にも階段から転落する三輪車。
しかし少年はサーキュラスがしっかりと受け止めていて事無きを得ました。
『お気をつけ下さい。あなたはいずれ闇の世界を支配する重要なお方なのですから』

待ちに待ったお弁当タイム。ところがカバンの中にポルンが紛れている事に
ようやく気が付いたなぎさはほのかと共に屋上へ行き、
メップル、ミップルと共にポルンを問い詰めますが、
相変わらず「目覚めるポポ」と繰り返し泣き出してしまうポルン。
長老と番人が全く役に立っていない事をこぼしつつ、
ひょっとして以前のような予知ではないかと疑いを持つ二人。
その頃、見張り番をしていたはずの長老と番人は、トランプタワーの建造に夢中でした（苦笑）
クィーンの下に行きたいと繰り返し続けて飛び回るシークンにタワーを崩され、
一応そんなシークンを「ポルンを見習って静かに」と諌める二人でしたが・・・
『静か過ぎる・・・』『・・・ポルンが・・・』『・・・いない・・・』
今頃気づく鈍すぎる二人（笑）

なぎさの部屋を掃除しに来た理恵ママから隠れ、ベッドの下に潜り込む番人と長老。
その隙に部屋から飛び立ってしまうシークンを見て、
またシークンを逃がしてしまったら「まなみさんとほなみさん」に顔向けが出来ないと長老。
誰それ？という的確な番人の突っ込みに「ありささんとはるかさん」
久々に名前間違いのボケを炸裂させる長老ですが、
とにかくシークンを逃がさないよう、理恵ママに見つからないように
家の中を追跡する二人は、理恵ママから隠れ続けるうちに居間に釘付けにされてしまいました。

『はなのいろは　うつりにけりな　いたつらに　わかみよにふる　なかめせしまに』
三年桜組では小野小町の歌を詠む秋元こまちよし美先生に当てられ
ぼんやり考え事をしていたなぎさのトンチンカンな返事に沸く教室。
その頃一年桃組では理科の授業中、
「小学生の頃遠足でプラネタリウムに行きませんでしたか？」
という先生の発言から、小学生の頃の記憶が無いことに気が付くひかり。
『みんな知ってるのに、どうして私だけ・・・？』
校庭でこの事に気を病むひかりに声が響きます。
『あなたは誰よりも知っています。遥か遠い昔から未来までも。
　だから何も心配する事はないのですよ』
たびたび響く声に疑問を感じつつも、ひかりはその声に安心感を覚えていました。

居間に釘付けになっている番人、長老、シークンですが、
理恵ママが洗濯物を取り込もうと窓を開けた隙に飛び出して行ってしまうシークン。
慌てて後を追おうとするも玄関のノブに手が届かず、
挙句に帰って来た亮太から隠れたために外に出られない長老と番人。
再び使えなさを披露し始めました（笑）

放課後の理科室。科学部長として1年生を指導しているほのかをドア越しに見つめ、
続けてグラウンドでラクロス部の練習を見ているひかり。
ふと近くに来た蝶を追ってコートの近くに迷い込み、
そこにシュートコースを外れた球が迫るものの
蝶を追ってかがんだところをボールが通過。事なきを得て胸を撫で下ろすラクロス部の一同。
その頃、メップルが寝ているのをよい事に目覚めたポルンがいずこかへと立ち去り、
続いて学校まで飛んできたシークンも何かの気配を感じていました。
練習が終わって帰ろうとしたなぎさですが、ポルンがいないのに気づいて
部活終了後のほのかと合流して探し回ります。
思わず「なぎさ、ほのか、後ろー！！」と言いたくなる位置関係で
その後ろを飛び回るシークン。

ひかりも既に下校しており、タコカフェの手伝いをしていましたが、
アカネさんが買出しに出かけて一人で店番中、足元に触れた気配に気づきました。
そこにはひかりにぶつかって転倒しているポルンの姿が。
ぬいぐるみ？と思わず尋ねるひかりに
『ぬいぐるみじゃないポポ。未来へ導く光の王子、ポルンだポポ！』
と主張するポルンは、暫し見つめ会ううちに前から知ってるような気がする、と感想を漏らします。
そこに財布を忘れて戻ってきたアカネさんにこの事を報告しようとしたひかりですが、
既にポルンの姿はどこにも見当たりませんでした。

『何だかすっごくドキドキしたポポ』公園を駆け回るポルンの後ろを横切るなぎさとほのか。
またしても行き違いですが、ポルンがふと下を見下ろすとシークンの姿が。
『シークン！お留守番してなきゃダメポポ』
・・・勝手に抜け出したポルンに言われたくはありませんが、
シークンを追うポルン。そしてその後を追うひかりですが、なにやら不穏な空気が立ち込めます。
探し疲れてベンチで休むなぎさとほのかも邪悪な気配を察し、
たちまち暗くなる空。そして薔薇のアーチがザケンナー化して襲ってきました。
『あれは、何？』
その様子をひかりが物陰から伺っていると知らず、変身する二人。

蔦を伸ばし、まるでイース様を蝕むカードのように攻撃してくるザケンナーVSプリキュアの戦いは
当人たちが知らぬ間に2人の傍観者がいました。
ひかり。そして木陰でストーカーのように見物しているサーキュラスです。
蔦に絡め取られたりしますが、さほど強い相手ではなく
蹴りをお見舞いして体勢を崩した隙を突いてマーブルスクリューＭＡＸによって
押し切られるザケンナー。サーキュラスも倒れたザケンナーを見て引き上げて行きました。
『ふん、伝説の戦士か。これからが楽しみだ』
そして一部始終を目撃していたひかりも、顔をこわばらせて立ちすくんでいました。
『一体何が？何が起こったの？』

ようやくシークンを捕まえたポルン。そしてポルンを見つけたなぎさとほのか。
その頃番人と長老はといえば・・・
服を脱ぎ散らかして風呂に向かう亮太のシャツの下にこっそりと潜んでいました。
どこかに行ってしまったひかりを探すアカネさん。
そして池のほとりで『出会いが待ってるって、あの人たちの事なの・・・？』
と問いかけるひかりの独白で幕となります。


新キャラクターのひかりをどのように既成の枠組みに取り込むかが見える一編でした。
今までの超然としたような雰囲気と一変し、
過去の記憶が無い事や聴こえてくる声。そしてプリキュアの戦いを垣間見ることで
初めて戸惑いや畏れといった表情を見せるひかり。
おそらく製作側もひかりのキャラクター作りに試行錯誤していたのだと思わせますが、
今後戸惑いつつも運命を知り、運命に立ち向かい、運命を変えていくひかりの姿を
既に知っているだけに当初の戸惑いぶりが感慨深いものがあります。

今後ひかりのパートナーともいうべき存在になるポルンとの出会いは
今回は一瞬だけであっさりしているものの、随所に「目覚める」と口走るポルンを挿入することで
ポルンもこれからひかりとともに目覚めて成長していく、ということが予測されます。
それにしてもポルンが片耳で目を隠す仕草が妙に可愛いく、
あまり意識していませんでしたが今までこんな仕草があったかどうか見返してみたくなりました。

第1話で説明役としての存在感を如何なく発揮した長老と番人ですが、
まるで駄目っぷりを如何なく発揮し、ストーリーに彩りを加えています。
理恵ママや亮太とのかくれんぼや脳天気に遊んでいる様など
なぎさとほのかに重大な使命を託した割には危機感の無さが目立ちますが
久々に披露される長老の名前間違いなど、適度なギャグ描写が
ひかりの不安と対比を成すように描かれており、互いを引き立てていると思いました。

キュアパッションやミルキィローズほどではありませんが、
シャイニールミナスが現れるまであと2回。まだまだ引っ張るMHシリーズです。