マックスハート第6話『気をつけて！ひかりのお使い危険がいっぱい』

中学一年にしてひかりの「はじめてのおつかい」
そしてブンビーさんウラガノス(CV：高木渉さん)初登場の今回。
ようやくひかりのキャラクター性が確立し始め、無印以来久々の日常描写が描かれ
気楽に観る事が出来ますが、2話後のエピソードへの伏線
悩めるアカネさんの描写が少しずつ現れ始める、色々な意味でMHシリーズの
日常パートが描かれる「はじめての」回となりました。
　　
洋館から始まる今回。いつもどおり大広間の掃除をしている執事ザケンナーの傍ら
庭を見つめつつ前回の戦闘を思い起こしているサーキュラス。
不意に地響きが起こり、怯える執事ザケンナーたち。
徐々に近づいて来る地響き。そしてドアを破って現れたのは巨躯の持ち主ウラガノス。
『何者だあいつは。プリキュアの他にあのような者がいようとはな』
『ウラガノス。扉を壊すな』
『細かいことを言うな。それよりあのお方は？』『上だ』
2階でラジコンに興じている少年は操作を誤り、落ちてくるラジコンカーを
拾い上げるウラガノス。強面ながらもにっこり笑って少年に渡し、
『このお方のために、今度は俺が確かめに行って来よう』

穏やかな昼下がり。ひかりはタコカフェでテーブルを拭きつつ
前回の変身のことを思い起こしていました。
どうやら前回ラストの歯切れの悪い戦闘はあのままサーキュラスを退けたようです。
そのあたりの細かい経緯が描かれず、なんとも残念ではありますが、
ひかりの掃除に合わせて『お掃除お掃除キュッキュッポポ～♪』
と頬を染めて歌いながらひかりのポケットに収まっているポルンが妙に愛らしいです。
そこになぎさとほのかも合流し、たこ焼をつまみながらひかりの仕事姿を眺めていました。
二人にはひかりの様子は何事も無かったかのように見えますが、
何か無理しているのではないかと心配そうです。
そこに訪れた来訪者に、アカネさんの心にも波風が立ち始めます。
『中尾君・・・』

ほのかの部屋で初めて変身した時の事、懐かしのカブキマンピーサードとの戦いを
思い出してひかりを気遣う二人ですが、そこにさなえさん登場。
さなえさんを手伝って縁台でぼた餅作りを始めます。
久々に「うんちく女王」が炸裂し、ぼた餅とおはぎの違いを語りつつ餅を丸めるほのか曰く。
牡丹の咲く春に作るのが牡丹餅で、萩の咲く秋に作るのがおはぎ、らしいです。
（というより「ぼたもち」を変換したら、一発で牡丹餅って出るのに驚きました）
あんこときなこと黒ゴマで味付けをして、それぞれ3種3個ずつ平らげるなぎさも
ほのかに負けじと久々に食欲旺盛っぷりを炸裂させます。
『せっかくだから新しいお友達にも持って行ってあげたらどうですか？』
さなえさんに促され、残りをひかりへのお土産として持っていくことになりました。
・・・が？さなえさんはなぜひかりの事知っているのでしょう・・・？

それはさておき、タコカフェを訪れてひかりに牡丹餅を渡す二人ですが、
アカネさんの姿が見当たりません。
見るとタコカフェの屋台の裏で、深刻な顔で話し合ってるアカネさんと中尾の姿がありました。
なにか中尾に頼みごとをされ、それを受けるかどうかという内容ですが、
こっそり様子を伺っている3人に気付いて、急遽3人に買い物を頼むアカネさん。
妙に取ってつけたように歯切れが悪く、何を買ってくるのかを少し考えて
3人で遠くのスーパーまで行かせるところを見ると、
少し3人に外してもらおうというアカネさんの考えが伺えます。

『おっつかーいおっつかーい楽しいポポ～♪』
掃除の時と同様、ひかりのポケットで歌うポルンに合わせて一緒に歌ってあげるひかり。
一方でなぎさとほのかはアカネさんの様子が気になっていました。
何か二人で大切な話があるのではと推察し、もしかして彼氏？と浮き足立つなぎさですが
彼氏だったら深刻な顔をしないと思うほのかはひかりに様子を聞いて見ると
アカネさんは最初中尾が来た時にはとても嬉しそうな顔をしていたとのことです。
（な、なんだってー！？全国1億3千万のアカネさんファンを敵に回した中尾君）

やって来た大型スーパーで案内板を見て食品売り場を探すなぎさとほのか。
その後ろに控えていたひかりは、子供が風船から手を離してしまうのを見て
エスカレーターに飛び乗り、風船の後を追っていきます。
見事風船をキャッチするひかりですが、ひかりが突然いなくなったために
探しに行ったなぎさとほのかと入れ違いで、はぐれてしまいます。
1階に戻ったものの先ほどの子供もおらず、あてどもなく風船を手に店内を彷徨うひかり。
なぎさとほのかはエスカレーターを上っていく、ひかりに後姿が似た子を追いかけるものの
追いついた子が振り返るとまるで別人、というお約束の展開に。
その頃ひかりは1階の案内板の前で一人佇んでいました。

『それじゃあ先輩、お願いします。いい返事待っていますから』
あまり期待しないで、と中尾の背中に声をかけ、ため息をつくアカネさん。
ふと時計を見ると、やけに3人の帰りが遅いのに気付きました。

『ポルン・・・手伝うからお使いしようポポ』
そうポルンに後押しされてお使いをする小さな勇気をもらったひかりは、まず化粧品売り場へ。
『お嬢さん、何かお探しですか？んまぁー綺麗なお肌ね。
　うちは今キャンペーン中で買って頂いた方全てに素敵なプレゼントも付くの』
妙に押しの強い店員（普通風船を持った中一に声かけないと思いますが・・・）に
タコ下さいと訪ねるひかりですが、「そんなの売ってるわけ無いじゃん」などと
店員に捨て台詞を吐かれてしまいます。
他の売り場でも『タコと鰹節とコーンフレークありませんでしょうか？』と聞くものの
なぜか店員みんな食品売り場へ案内しない、社員教育がまるでなっていないスーパーです。

『私ダメね。おつかいもちゃんとできないなんて・・・』
落ち込みかけたひかりですが先ほど風船を飛ばしてしまった子供の声が聞こえ
風船を渡してあげます。子供に、そして母親にお礼を言われたのを契機に
母親に食品売り場の場所を聞いたようでした。

その頃なぎさとほのかは屋上遊園地を探していましたが
先ほどから屋上のアドバルーンで遊んでいたシークン曰く
『クィーンは近くにいるデス。シークン見つけられるデス』
地下の食品売り場をシークンに導かれるまま進むと、やっとひかりと合流できました。
ひかりの買い物カゴには既にコーンフレークと鰹節が入っており、
一人でのお使いができている事を褒めるなぎさとほのか。
あと残るはタコだけです。鮮魚売り場でタコ下さい、と言うと
イキの良い生きているタコを出されて引いてしまうひかり。
生きてるのじゃなくて・・・ということで、ようやくタコを手に入れることが出来ました。
それにしても先日のフレッシュプリキュアといい、活きタコに縁のある作品です。

屋上遊園地にはタコさんの遊具が置いてあるのですが、その目が不気味に輝き
帰路に着いた3人に邪悪な気配が忍び寄っていました。
タコさん遊具がザケンナーとなり襲って来るのを見て、まず先に変身する二人。

タコさんと戦うプリキュアをトラックの陰から伺うひかり。
タコさんの足に絡め取られつつも足を攻撃して救い出したり、と善戦しているものの
『何だ？お前虹の園の住人ではないな？』
突然ひかりの隣にウラガノスが現れ、ひかりに気を取られたプリキュアは
タコさんに絡め取られてしまいます。
タコさんの足は8本なので到底二人では太刀打ちできない(byウエスターさん)のでしょうか・・・

『お前は一体何者だ？プリキュアの仲間なのか』
迫るウラガノスから後ずさりするものの、ウラガノスに掴まれるひかりですが
ポルンが飛び出してウラガノスの顔に突撃。
あまりに体格差が違いすぎてウラガノスに軽くあしらわれるポルンでしたが、
『ひかりと一緒なら頑張れるポポ。怖いけど頑張るポポ。みんなと一緒に頑張るポポ』
そのポルンの後押しを受けるかのように、ひかりもルミナスに変身します。

ルミナス登場と共に瞬く間に形勢逆転。
早速エキストリームルミナリオを放ってタコさんを撃退し、
見届けたウラガノスも引き上げていきました。

いつしか日が暮れて、心配そうな顔で佇んでいるアカネさんはひかりの姿を認めて駆け寄り
『ひかり遅いよ！一体何やってたのよこんなに心配させて』
アカネさんの心配そうな様子に戸惑いつつも謝るひかり、そしてなぎさとほのか。
いつの間にか現れた新たなハーティエル、パッションもといパションが見下ろす中
買ってきたタコで焼いてくれたアカネさんのタコ焼きを頬張る三人の姿で幕となります。


今回はひかりのはじめてのおつかいがメインで描かれるのですが、
その根底に流れているのはひかりとポルンとの距離感が縮まったという描写だと思います。
冒頭の掃除、中盤のお使いの2つの歌や、
一人になってしまったひかりをポルンなりに励まして買い物を促したり
ウラガノスに立ち向かう勇気を与えたりと
ひかりと共にポルンも歩んで成長していると伺わせます。

そのせいか、今回は残念ながらなぎさとほのか二人とも印象が薄く、
そのために牡丹餅のシーンがあるのかもしれません。
このシーンが無くてもストーリー構成上何事も無いのですが、
うんちく女王のほのか、食い意地が張っているなぎさを印象付けるためのシーンかもしれません。

一方ウラガノスは初登場ながら強引に扉を破る、話を聞かないなど
後々まで繋がる設定を見せて強烈なインパクトを残します。
演じているのが高木渉さんということもあり、
後のブンビーさん程ではありませんがアドリブを交えた怪演と相俟って、
真面目すぎるがゆえに笑いを誘うサーキュラス、力押しで単純なウラガノスと
近いうちに合流するビブリス、バルデスと共に敵側にも個性的な面子が揃い
役割を分担して魅せてくれます。