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マックスハート第10話『パニック寸前!甘くて危険な見学実習』 [ふたりはプリキュアMax Heart]

闇の戦士たちは基本的に真面目で、「あのお方」と呼ぶ少年への忠誠心も厚いのですが
真面目ゆえに笑いを誘う場面が多々あります。仲が良いのか悪いのか、
前回から登場のビブリスを交えた寸劇が楽しい今回は
女子なら黙っていられないケーキ工場見学&試食会を描くものの
語られるテーマは調和、すなわち「ハーモニー」。
同じく前回から登場したハーティエル、ハーモニンの司る志です。

いつになく張り切って登校するなぎさ。
それもそのはず、午後の家庭科はケーキ工場見学で、
授業の一環だと釘を刺すほのかも呆れるほど楽しみに登校しています。
通学路でひかりに会い、その楽しそうな様子を指摘されたなぎさは
ケーキの作り方を覚えて、ひかりにケーキを作ってあげると約束。
『私とほのかからの激励のケーキってとこかな』『え?私も』
勝手にペースに引き込まれるほのかでしたが、それでもひかりの為に
二人で腕を振るおうと乗り気です。
『なぎささんとほのかさんが私のために・・・』
先に登校して行った二人を見送り、ひかりは嬉しそうに呟きました。

登校中は楽しそうななぎさでしたが、楽しみにしていたはずの
ケーキ工場へ向かうバスの中では深刻な顔で新たな敵、ビブリスの事を案じていました。
それでもほのかも部長としての悩みを抱えていた事を思い起こし、決意を新たにします。
『お互い頑張るしかないよね。ラクロスのリーグ戦も近いし、私も何とかチームを纏めなくちゃ』
工場に着くや否や、立ち込めるいい匂いに歓声を上げる生徒達。
本日はこういった行事にいつもついて来る校長と教頭も理事会のために邪魔者?もおらず、
『今日はおもいっきりケーキを食べまくるぞー!』
と気合を入れるなぎさ、志穂、莉奈のラクロス部三人娘です。

なぜか洋館でも「あのお方」こと少年が苺のショートケーキを食べていました。
・・・と思いきや、ビブリス、ウラガノス、サーキュラスまでもケーキを持っています。
自信満々に出撃していった前回の事を皮肉られ、苦々しげなビブリスの後ろで
ウラガノスはケーキを一口で平らげ、ビブリスのケーキを物欲しそうに見つめていました。
『食べないのか?ならくれ』『いいよ、ただ・・・』
ビブリスが言い終わらないうちに、ビブリスのケーキも同様に一口で平らげるウラガノスに
『ちょっと!誰が苺まで食べていいって言った?』と声を荒げるビブリス。
仲裁に入るサーキュラスに、『じゃああんたの苺を頂戴』と言うものの、淡々と
『いや、それはダメだ』と苺だけをこれ見よがしに食べるサーキュラス。
この怒りをバネに、とばかりに『新しいの買って来る』と出撃して行くビブリスを見送る
男二人の声。『ミルクレープなんてどう?』『いいね』
強面の彼らが実は甘党?なのが妙に笑いを誘う迷シーンでした。

工場オーナーの甘井さん(偶然にもシロップと同じ苗字ですが、苗字が職業を物語っています)
の説明を聞き、見学の最後には作りたてのケーキを用意しているという事に、沸く生徒達。
まずは生地を作る行程を見学する最中、早速志穂の質問が飛びます。
家で生地を作る時の注意について、やけに熱心な志穂曰く
「いつの日かきっと誰かのために作る時のために」
らしいですが、その志穂の発言を聞いて妄想モードに入るなぎさ。
当然お相手は藤Pで、なぎさのケーキを美味しそうに食べる藤P。
花火が打ち上げられる中、幸せを噛み締めるなぎさ、でしたが
妄想に耽っている間に説明は次の行程に進んでおり、一人取り残されていました。

『何だかとってもいいにおいがしますわン』
その頃、町を飛ぶハーモニンも導かれるようにケーキ工場に向かっていました。
次の行程は生地を型に入れて焼く作業。
オーブンから出てくる焼き立てのケーキの香りに、再び生徒達の歓声が響きます。

木漏れ日の中下校中のひかりは、仲良く下校する生徒達を見て、ふと立ち止まりました。
目の前の木の枝に停まる、中睦まじいつがいの鳥。見つめるひかりは、一人。
『不安なのですね?自分が何者か。まだ掴みきれていない自分に』
そんな心境を察するかのようにクィーンの声が響きました。
『あなたは一人ではありません。あなたには、既にもう居場所があります。
 そこには大切な人がいるはずです。そしてそこから調和が生まれます』
『調和・・・』
寄り添う鳥を見つめて、呟くひかり。
「居場所」の一つであるタコカフェに帰り着くと、アカネさんは店を開けるでもなく
なにやら準備に励んでいました。これから「出張」するようです。
常連のお客さんを相手にするだけでなく、初対面のお客様との阿吽の呼吸や間合いを感じる事、
お客様との空気を調和させる、いわばハーモニーが大切と説くアカネさん。
『調和・・・ハーモニー・・・』アカネさんの言葉に耳を傾け、再び呟くひかりでした。

ケーキにクリームを塗る作業行程を見学中、一人500個も塗るという仕事について
大変さとやりがいを語るケーキ職人の発言を甘井さんが補足しました。
(どうでもいいですが、食品を扱ってる最中なので会話するならマスク着用すべきでは?)
『ここではケーキを作る人と人とのハーモニーがとっても大切なんです』
いよいよケーキの仕上げに。各班の代表がデコレーションを行ったケーキを試食となりました。
手本に従って張り切るなぎさでしたが、「ブリブリビチャァア」と食事中に聞きたくない音を立てて
ホイップクリームがブチ蒔けられ、志穂と莉奈の苦言が飛ぶものの
『大丈夫だってばぁ』と根拠の無い自信を持つなぎさ。もうすぐ楽しみにしていた試食会。
ですが、工場の外にビブリスが姿を現して・・・

『心がこもってるから味は同じだって』
見た目があまりに悪いため食欲半減だと酷評されるものの、自信満々のなぎさ。
苦笑しているほのかの隣で、先ほどの甘井さんや職人の発言の受け売りで
『ケーキ作りもラクロスも、一番大切なのは仲間同士のハーモニカなんだから』
いい事言った、と言わんばかりに得意そうななぎさに『それを言うならハーモニーでしょ』
と突っ込むほのかの耳に、試食会場を飛び回るハーモニンの、少しのんびりした声が入ります。
『大切なのは、調和ですわン。みんなで力を合わせて、美しいハーモニー』
ほのかがなぎさにこっそり伝え、廊下へ出て行くハーモニンを追いかけて飛び出すなぎさ。
後を追おうとするほのかは先生に見つかって席に着くよう注意され、
一方なぎさはハーモニンを追って廊下を行きます。(結局ケーキ食べられず仕舞いです)

『確かに見た目は悪いけど』『味は最高最高最高!』
満足そうにケーキを堪能する志穂莉奈をよそに
ミップルとメップルは邪悪な気配を感じていました。
その頃アカネさんが臨時出店した公園とは、かつてアカネさんもケーキ工場見学の時に
目をつけていた公園でした。そんな偶然もあってたまたま二人の近くにいたひかりも
邪悪な気配を察したポルンに促されて工場へ向かっていました。
ンモー、またアカネさんに無断でいなくなるー(by植田まさし)
せめて声をかけていけば良いのに、と思いますが・・・

突如として突っ伏す生徒達。あろうことか志穂と莉奈は皿の上に顔面から倒れこみます。
工場内でなぎさを探すほのかの前にオーブンが姿を変えたと思われるザケンナーが現れ
青い炎を吹いて攻撃して来ます。扉を溶かして襲ってくるザケンナーに
追い詰められそうになるほのかですが、駆けつけたなぎさと共に変身。

『世の中ね、ケーキみたいに甘くはないの』
地味にケーキの恨みを引きずっているビブリスに啖呵を切るブラック、ですが・・・
『二人のハーモニカで絶対負けないんだから!』『だからハーモニーだって!』
『わけのわかんない事言ってんじゃないよ!』
ビブリスに蹴り飛ばされるブラックにザケンナーのケーキ型飛ばし攻撃が迫りますが、
ホワイトが弾き返し、そして続く迫るビブリスの攻撃を
回転するケーキ型を利用して避けるホワイトは相変わらずいい戦闘勘を持っています。
業を煮やしたビブリスはザケンナーをけしかけ、
青い炎攻撃、泡立て器の回転パンチ?などが迫るものの
『待って』と駆けつけたひかりの声に、本当に待ってあげるビブリスとザケンナー(笑)
そしてその隙をついてひかりも変身。
シャイニールミナスになった直後にエキストリームルミナリオの体勢に入り、
あっさりとザケンナーは撃退されてビブリスも引き上げていきました。

生徒達の意識も戻り、先ほど危惧したとおり起き上がった志穂と莉奈は
見事に顔面にクリームと皿を貼り付けていました。
ひかりもアカネさんの元に戻って謝り、ケーキの差し入れと共になぎさとほのかも
臨時営業中のタコカフェを訪れました。

後日、ひかりに約束の物、とケーキを持ってくるなぎさとほのか。
「二人で作った」とはいうものの、仕上げの一歩手前まではほのかが担当し、
『最後のデコレーションは私の自信作』と得意気ななぎさ、殆ど何もしていない気がしますが・・・
ともあれ、その「自信作」を胸を躍らせて開けてみたひかりでしたが、
そこには、あまりにヒドいひかりの似顔絵?と思われるデコレーションが描かれたケーキの姿が。
さすがのひかりも思わず顔を引きつらせ、
『これはヒドいポポ』『誰の顔ミポ』『せっかくのケーキが台無しメポ』
容赦の無いメップルたちの酷評が飛び交いますが、ほとんどほのかが作ったので
当然味は良いらしく、欲しがるメップルたちを
さっきはあんな事言っといて、と突っぱねるなぎさ。
『仲が良いんだか悪いんだか、でも呼吸だけはぴったりね』
そんななぎさとメップルたちのやり取りを微笑ましく評するほのかに、
『これって調和・・・』『ハーモニーですわン』
ひかりの呟きに応じるハーモニン。
『みんな、ここにいる・・・』
美しい花をつけた藤棚を見上げるひかりの台詞で幕、となりました。


プリキュアとケーキ、といえば5GoGoシリーズきっての珍エピソード
「名探偵こまち」が思い浮かびます。この時はケーキをきっかけに妙な諍いが起きるのは
主役ののぞみ達側ですが、今回は敵側、それもいたって真面目そうな
サーキュラスとビブリスのやりとりが楽しく、印象に残ります。
彼らは人間に近い姿をしているものの「瞳」が描かれないので強面に見えるのですが、
そんな彼らのコミカルな一面が伺え、洋館での三人のコントは
前作のジュナ、レギーネ、ベルゼイ組。
そしてフレッシュシリーズでのウエスターさんと愉快な仲間達を思わせます。

一方で描かれるテーマは「調和」と「ハーモニー」。
今回繰り返し用いられて多少くどく感じるところがあるものの、
皆でケーキを作るという目的に向かって仕事をする工場の人々、
人と人との調和についてひかりに言い聞かせるアカネさん、
そして、その何たるかをラストで目の当たりにするひかり。
日常のパートにテーマ性を絡める手法は他のエピソードでも見られますが
日常性を損なわずにテーマを伝える点は今回かなり説得力がありました。

そしてひかりの成長がマックスハートシリーズ通してのテーマでもあります。
下校途中、仲良く帰宅する生徒やつがいの鳥を見たひかりは
特に真情を吐露することもなく、表情も暗くなく何を感じているかは描かれませんが
直後のクィーンの声からは「孤独」を意識したのは間違い無いでしょう。
そんなひかりにも既に居場所があり、守るべき者「ポルン」がいて
家族の「アカネさん」、そしてなぎさとほのかがいます。
キーポイントとなる15話だけでなく、ひかりの成長を
少しずつ、確実に描いている点を改めて今回で感じることが出来ました。
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横浜学園都市部

このお話ではケーキ工場の見学を軸に、ハーモニーをテーマにしていましたね。

まさかどっちもスイートで掘り下げるであろうことは、誰が想像したかって感じです(前者は奏のカップケーキ関連程度で、後者が本当のテーマ)。

この先も工場見学シリーズが続きますが、いずれもあんまり工場やお店の中でどういう感じで商品が仕上がるのかを、なぎさ達が体験していく姿には、感心させられますね。

それにしてもケーキ工場で実際ケーキのデコレーションまで出来る工場というのも、大変興味深い物です。

by 横浜学園都市部 (2012-03-27 12:49) 

スティクス

>横浜学園都市部さん
ハーモニン、懐かしいですね。
今思えば「ハーモニーパワー」の元祖?でしょうか。

>工場見学シリーズ
この社会科見学シリーズは少々多いかなという気もしましたが、
なぎさが中盤で「夢」が無いと悩んだ事を想うと、
いろいろな働く大人達の姿を見せている事で、
暗に将来の可能性は無数にあるというメッセージかもしれません。

ところで私はこの話では、
ビブリスとサーキュラスのやり取りが大好きだったりします。
今週のスマイルプリキュアのバッドエンド組にも
これと通じるものが感じられました。
by スティクス (2012-03-28 23:24) 

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