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マックスハート第20話『ナミダのお別れ!?莉奈のポンポコ物語』 [ふたりはプリキュアMax Heart]

志穂の苗字が「久保田」なのは覚えていたのですが、
莉奈が「高清水」さんだったとはすっかり忘れていました。
もしかして前作スタートから1年半、莉奈の苗字が出たのは初めてかもしれません。

それはさておき、サブタイトルどおり「あらいぐまラスカル」の最終回を髣髴とさせる今回。
出会いがあれば別れがあるのもまた必然で、
それを肯定的に受け止められるかで、別れが悲しいだけのものではなくなります。
既にメップルたちと2度の別れを経験しているなぎさとほのかの心境にも影を落としつつ、
莉奈と志穂の信頼関係も印象的なエピソードを
明日のフレッシュプリキュアでも描かれるらしい「別れ」の前に視聴しました。
  
なぎさは珍しく机に向かい、明日の実力テストに向けて数学の問題と格闘中ですが、
空気を読まずにメップルがうるさくからんできます。
『なぎさ、怒った顔もとってもチャーミングだメポ』
前にもこんなやりとりがありましたが、テスト前で苛立つなぎさはそっけなく、
『お願いだから、もうどっか行ってくれない?』
本心ではないと思いますが、そんななぎさにメップルも
『行けるもんなら、なぎさのいない世界に行きたいメポ』
そしてにらみ合う二人。ケンカするほど仲がいい、とはいいますが・・・

試験監督の教頭が舟を漕いでいる中、なぎさは当然苦戦して頭を抱えていますが、
ふと、後ろの席の莉奈がずっと窓の外を見ている事に気付きました。
そして、その莉奈を気にしている志穂の事にも。

なぎさとほのかは珍しく志穂を交えてタコカフェでテストの結果報告をします。
このままでは期末も危ういというなぎさはさておき、志穂が同席しているのは、
志穂が相談に乗って欲しいと持ちかけたからのようです。
志穂によると、最近莉奈の様子がおかしく、
話しかけても上の空で、いつも窓の外を眺めているとの事。
それを聞いたほのかは何か悩みでもあるのかと心配し、
アカネさんはもしかして恋の悩みではないかと推測します。
しかし志穂に言わせれば、恋が理由ならなんとなく分かるので
一体どんな悩みを抱えているのか見当が付きません。
『気が付くと必ず教室の窓から遠くを見てるのよね』

同じ頃、洋館の窓から遠くを見ている少年は、
執事たちがおもちゃを持ってきても見向きもせず、ただ外を眺めています。
『僕は、いつまでここにいればいいの?』
振り返った少年は、執事たちに疑問を投げかけます。

翌日、なぎさ、ほのか、志穂は莉奈に直接事情を聞いてみましたが、
『悩みなんか別に無いよ』と、サバサバした様子で返されて、取り付く島がありません。
それでも志穂が窓の外を見ている事を持ち出し、そして
『今まで私たちの間に隠し事なんて無かった』と疑問を投げかけると、
『別に悩みなんて無いってば。一人でちゃんと面倒見られるもん。もうほっといて!』
莉奈はムキになって出て行ってしまいました。
しかし、莉奈がつい口を滑らせた「面倒見られる」という発言が気になり、
下校の時、校門で待ち伏せして尾行を試みました。
『この私にすら言えない程の悩みを抱えているに違いないわ』
尾行するという行為に二の足を踏むほのかを押し切る志穂は、
どことなく美々野くるみのような発言です。(どちらも仙台エリさんが演じておられるので)

結局ほのかも尾行につきあう形になりますが、
家とは反対方向に向かい、途中八百屋でリンゴを買って山道に向かう、
莉奈の不審な行動に疑念を抱きつつ山道を追う3人。
莉奈はあたりを伺った後、うち捨てられた小屋の中へ入っていきました。
志穂たち3人もそっと小屋に入りますが、お約束どおり木を踏む音を立てて
莉奈に気付かれてしまいます。
焦る莉奈が抱いていたのは、右前足に包帯を巻いた子ダヌキでした。

一週間前、スケッチの宿題でこの森を訪れた際、怪我をした子ダヌキを見つけた莉奈は、
その時は持っていた菓子を与えて帰ったものの、
翌日再び様子を見に来てみたらまだここにいたため、
小屋にかくまって手当てをするうちに、すっかり懐かれてしまったようです。
(獣医志望のブッキーなみに手際がいいですが)
子ダヌキには「ぽんたの介」と名前をつけてエサを与えて可愛がっていました。
志穂にも黙っていた理由は、ぽんたの介の事を知られてしまうと、
森に還さなければならなくなると懸念したからのようです。
できれば飼ってあげたいけれど、あいにく莉奈の家はペット禁止のマンションです。
それでも怪我も治っていないから心配で仕方が無いと語る莉奈に対し、
ほのかをはじめなぎさ、志穂も気持ちはわかるけれど、自然に還すべきだと諭します。
『嫌、絶対離れない。一生一緒にいる。ね、ぽんたの介。ずっといっしょにいようね』
顔を舐めるぽんたの介を優しく抱きしめる莉奈ですが、
言葉とは裏腹に、その表情にはえも言えない寂しさが伺えます。

夕焼けの中、志穂と共に家路に着く莉奈は、
本当は森に還さなければならない事は分かっていると打ち明けます。
だけど・・・未練を捨てきれない莉奈が言葉に詰まりますが、
『例え何があっても私は莉奈の味方だから。莉奈が決めた事に賛成するし、ずっと応援するだけ』
支えてくれるのは、良き友人。莉奈は志穂にお礼を言います。

一方、タコカフェ裏の木立で遊ぶメップル、ミップル、ポルンを見守りつつ、
ひかりもその話を聞いて莉奈に同情していました。
せっかく仲良くなったのに、別れるなんて。
『私たちも、いつかまた・・・』
さりげないほのかの呟きでしたが、なぎさはその意味を理解しています。
またいつか、メップル達との別れの時が訪れる事を・・・
『あのぅ・・・誠に申し上げにくいんでございますが・・・』
そんな心配を他所に、新たなハーティエル「ウィシュン」が唐突に現れ、
妙にモジモジしながらも、真実が近づこうとしています、と警告します。

夕陽に染まる洋館で、執事達は再びビブリスとサーキュラスに
少年に外の世界を見せてやりたいと進言します。
頭ごなしに断られた以前とは異なり、そこに少年本人も現れて訴えます。
『外に出たい・・・僕、外に出たいよ』

『住む世界、違うのかな・・・?』
ぽんたの介と撮った写真を眺めて悩む莉奈。
同じ頃ひかりは自室で玉乗りに興じるポルンを微笑ましく見守り、
なぎさはベランダで眠っているメップルを手に抱き、
『いつまで今のままでいられるんだろう・・・』
そしてほのかも縁台で眠るミップルを抱き
『いつかは、それぞれの世界へ・・・』
莉奈の辛さが痛いほど分かる経験をしているなぎさとほのかは、
いつか再び訪れるその日を想いめぐらせていました。
まだ、別れの経験がないひかりを除いて・・・

翌日、莉奈は皆の前で、ぽんたの介を自然へ還す決心を告げます。
素直にその決断を褒める志穂ですが、なぎさとほのかは
複雑な表情で顔を見合わせて歯切れ悪く応じました。
そんな二人の懸念を知る由もない志穂は、莉奈の決意を涙目で聞きます。
屋上で莉奈の決意に想いをめぐらせたなぎさとほのかは顔を見合わせ、
『私たちも、いつか・・・』
その先は口に出しませんが、抱いた想いは同じようです。
『あのぅ・・・お話中申し訳ありませんが・・・
 はっきりとはわからないのですが、やはり何かが近づこうとしているような・・・』
そんな空気を断ち切るかのように、遠慮がちに現れるウィシュン。
何かが近づくとは?
その頃、屋敷では少年に執事たちが外に出られるらしい事を告げていますが、
果たしてその関連があるのでしょうか。

放課後、莉奈が来る前にひかりも山を訪れて、ぽんたの介と会いました。
そしてポルン、メップル、ミップルと一緒に遊ぶぽんたの介を微笑ましく見守る3人。
そんな姿を見て、そして「別れ」について考えを巡らせていたなぎさが切り出しますが、
『考えたんだけどさ・・・何が幸せかなんて、そんなのずっとずっと先になって
 振り返ってみないと分かんないって思うんだ。だからさ、何て言えばいいのかな・・・』
言葉が続かなくなり、ほのかが補足するかのように続けます。
『今のままが良いのか、それぞれの世界で別々に生きる事が良いのか、
 どっちが幸せかなんて簡単には決められない、とか?』
『そう、そうなのよ。だから今、この瞬間に目の前にいる・・・』
ほのかの補足を受けて、言いたかった事を口にし始めたなぎさですが、
そのタイミングで目の前に現れたビブリスによって台無しに(笑)
小屋をザケンナー化して襲い掛かってきます。
『何を言おうとしてたか続き忘れちゃったじゃない』
愚痴りつつもぽんたの介をひかりに任せて走りつつ、
メップル、ミップルたちと合流すべく斜面を滑り降りて
空中でメップル、ミップルをキャッチして着地する2人は
なかなか格好良いです。そして、変身。

真実は闇の中にあると言い放つビブリスに、
真実は私たちの未来に光り輝いている筈だと反論しながら戦う2人。。
もっともこの台詞もブラックが言おうとしたもののホワイトが代弁し、
ブラックは何か今回そういうのが多いよね、と戦闘中にも拘らず突っ込みます。
緊張感が緩んだせいか、案の定ザケンナーに捕まり、木々に叩きつけられる2人。
その状況を見て思わず立ち上がってしまったひかりに気付き、
向かってくるザケンナーからぽんたの介を守るべく、ひかりも変身します。

今度は3人で戦うものの、ザケンナーの放つ突風に決め手に欠きます。
「あのお方のため」と口にしたビブリスの言葉で、初めて
「あのお方」という存在を知ったプリキュア達。
それでも今は戦闘中です。巻き添えを食ったぽんたの介に危害が加えられそうになり、
怒りに任せて3人で放ったエキストリームルミナリオでザケンナーを撃退しました。
ぽんたの介もどうやら事なきを得たようでブラックの顔を舐め回し、
くすぐったそうなブラックの動きがコミカルで楽しいです。

そして、莉奈とぽんたの介のお別れの時が来ました。
『元気でね、ぽんたの介・・・』
最後に名残惜しそうに抱きしめ、そして森へ下ろす莉奈は、山に還るよう促します。
丁度迎えに着たように親狸が姿を見せ、莉奈を振り返らずに森の奥へ消えるぽんたの介。
『ぽんたの介ー!元気でねー!さようならー!
 ・・・これでよかったのよね・・・』
別れの言葉を叫んだ後、目を潤ませる莉奈を皆で慰めるべく、タコカフェへ向かいました。
たこ焼をつまんで少し明るくなった莉奈を見て、志穂も一安心です。
『今度莉奈が困った事があれば絶対に教えてね』『志穂もね』
彼女達もまた、強い信頼関係で繋がれている事を感じさせます。

唐突に、先ほどビブリスに邪魔された台詞の続きを思い出したなぎさは
ほのか、ひかり、そしてメップルミップルポルンを前に熱弁しました。
『私達は今一緒にいる。それは間違いなく真実でしょ?
 全ての幸せはここからスタートするんじゃない?
 だから今目の前にいる人たちと一生懸命に生きる。それだけだよ。
 とにかく、私たちに出来るのは今を精一杯に生きて目の前にいる仲間と仲良く暮らす事』
ほのかとひかりもなぎさの弁に共感し、そしてポルン、ミップルも。
だけどメップルは・・・なんかいつものなぎさと違い、格好良すぎる、似合わないと毒づき
口げんかを始めるなぎさとメップルを、ほのかとひかりが慌ててなだめます。
またまたケンカするほど仲が良いとは言いますが、
そんな光景を打ち消すかのように、ウィシュンはまたも言いにくそうに警告しました。
『いよいよ真実が近づいています』
その頃、少年は一人館を後にして・・・


一度目は光の園と虹の園で離れ離れに二度目は永遠の眠りに
これだけではなく、キリヤとの悲しい別れも経験した前作で、
別れの辛さを知っているからこそ、なぎさとほのか2人とも莉奈を責めることは出来ません。
そして応援するにも少々苦しい心境になってしまったため、
莉奈を引っ張り、支え続けたのは志穂でした。
莉奈と志穂。ストーリーを彩る名脇役として記憶に残る2人を中心に展開するエピソードは、
昨年、志穂が悩みを抱えた時に叱咤激励した莉奈のストーリーが印象に残っています。
互いに相手の様子から悩みの種類まで察することが出来るほどの間柄で、
なにがあってもお互いの味方になると言い切れる信頼関係。
主人公ではないにも拘らず、ここまでしっかりとした絆で結ばれた脇役を中心に添えつつ、
「別れ」という事実でまたいつかメップル、ミップル、ポルンと別れる事を
意識してしまったなぎさとほのかを絡める事で、少し切ないエピソードを演出しています。

人は生きているうちに何度と無く出会いと別れを経験します。
その中には知らず知らずのうちに疎遠になるものもありますが、
心に深い悲しみを負わせる別れを避けることは出来ません。
そんな別れをいかに受け止めて、過去に縛られずに前を見ることが出来るか。
今回いつになく雄弁ななぎさ(ほのかの補足もありますが)は
少々キャラが違う感がありますが、
作中で語られるなぎさの長い熱弁には製作側の想いが感じられます。
今この時を仲間達と楽しく過ごす事。それが別れが来たとしても、
思い出として記憶に残り、糧になるという事。
そして、いつかはなぎさとほのか、ひかりの活躍も終わる事・・・

明日のフレッシュで描かれる「別れ」がどのようなものなのか、
この文を書いている今はまだ分かりません。
そして、フレッシュプリキュアという作品とも、もうすぐ別れの時期が迫っています。
その折に、今回のエピソードに込められた想いを見る事が出来、
私個人としても良い経験になりました。
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