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フレッシュ第45話『4人はプリキュア!クリスマスイブの別れ!!』 [フレッシュプリキュア!]

「アンヌ、僕は、僕はね・・・」「西の空に明けの明星が輝く頃・・・」
こんな展開を予測していましたが、似て非なるものとなった今回。
世間は楽しいクリスマスイブ。それでも重い物を背負った4人が
ラビリンスに向けて出陣する前の、親と子の。見守ってくれた人たちとの
しばしの別れを展開しました。
  
「ねんがんの インフィニティを てにいれたぞ!」(←意訳)
とうとうラビリンスの手に落ちたインフィニティ。シフォンとしての意識を残しており、
ラブの名前を呼ぶシフォンでしたが、容赦なく草笛で自我を奪うノーザ「さん」。
初めて視聴者の前に姿を見せたメビウスの前に跪き、
功績を褒められて『全てはメビウス様のために』と一様に返答する
ノーザ「さん」、ウエスターさん、サウラー。
インフィニティが巨大な球体状のメモリースロットルに収められ、
これで全パラレルワールドは私の物だと、メビウスの高笑いが響きました。

クローバータウンストリートはクリスマスの準備で賑わっています。
ツリーの飾りつけに興じる商店街の皆さんですが、毎年手伝いに来る筈の
ラブ、美希、ブッキーの姿が見えない事を、それぞれの母親達が心配しています。
娘達4人は、ラブの部屋でまだシフォンが奪われたことを気に病んでおり、
プリキュア失格とまで思いつめていました。
『あんさん達はようやったで』『そんな事・・・言わないで!』
この場合、生半可な慰めはかえって逆効果になってしまいます。
今もまだ、そこにシフォンがいるような気がしますが、シフォンはやはりいない。
それが現実です。

『時は来た。全パラレルワールドを制圧せよ』
メビウスの号令で、遂に放たれるインフィニティの力。
ラビリンスの建物が動き、巨大な塔を形成します。。
塔から放たれた電線のような物は様々な世界を侵食して行き・・・
各世界の住人たちはなす術も無く逃げ回るものの、支配は確実に広がっていきます。

ラブは顔を叩いて一念発起。いつまでもこうしていても仕方が無い、
これからの事を考えようと前向きに立ち上がります。
そしてタルトはスィーツ王国に事情を報告しに行くことにして、
それならば長老を交えて今後の事を相談しようと
4人そろってタルトと共にアカルンでスィーツ王国へ向かいました。

が、着いた所はかつて訪れたスィーツ王国とは似つかない灰色の風景が広がる世界。
そして目の前に長老がいるものの、どうも様子がおかしいです。
タルトの呼びかけにも反応せず、振り向いた長老の口からは
『我が名はティラミス。総統メビウス様がしもべ』
との抑揚のない言葉が発せられ、額には黒い菱、そしてうつろな目に愕然とする一同。
無事だったアズキーナが飛び出して事情を説明しようとした矢先、
スィーツ王国の兵隊に取囲まれてしまった事に気付きます。
『我が名はワッフル。総統メビウス様がしもべ』
現れた父王の変わり果てた姿を嘆くタルトでしたが、
とりあえず兵に囲まれた状態を脱するため、一端ラブの部屋へ引き上げました。

アズキーナの証言では、どこからともなく現れた怪物によってたちまち国土が、
そして人々も蝕まれ、アズキーナにも怪物(電線)が迫った時、長老が助けてくれました。
長老に促されて逃げるアズキーナの背後で響く長老の悲鳴・・・
その後アズキーナは例のほこらに隠れていたために無事だったようです。
遂にメビウスの野望が始まった。かつてイース様だったせつなが察し、
国を奪われた事に涙するタルトをラブが力づけ、そして立ち上がります。
『行こう!ラビリンスへ!』
呼応するようにシフォンを助けるため、メビウスの野望を打ち砕くため、
ブッキーも、美希も立ち上がりますが、せつなはいつに無く不安を隠せません。
かつての故郷であるラビリンスに戻ったら、またイース様になってしまうのでは・・・
『心配ないよ、せつな』『そう、せつなはもう一人じゃない』『私たちが付いてるわ』
震えるせつなに一人一人手を添えて、ようやくせつなも立ち上がる勇気が沸いたようです。
そうと決まればすぐにでも。ラビリンスに向かおうというタルトですが、ラブに制されます。
『今回ばかりは今まで通りに行かないと思う。だから・・・お母さん達に内緒で行きたくないよ』
他の皆も、同じ考えでした。

桃園圭太郎、あゆみ夫妻。蒼乃レミ、一条和希親子。山吹正、尚子夫妻。
そして大輔、裕樹、健人。ラブたちに公園に呼び出された皆の前で、
タルトに了解を得た上でプリキュアへと変身する4人。
『マジかよ・・・』変身を目の当たりにした大輔の言葉からは複雑な思いが伺えます。
4人はプリキュアである事、ラビリンスと戦っている事、シフォンを奪われた事、
そしてこれから助けに行く事を告げて、その前に皆に話しておこうと思ったと告げますが
娘をそんな危険な所に行かせるなど納得できません。母たちは一様に反対します。
なぜもっと早く話してくれなかったのかという圭太郎パパの質問には、
タルトが皆の前で口を開き、口止めをしていた事を告白しました。
そして世界の危機が迫っている。必ず戻るから心配しないで。それじゃ、言ってきます。
そう言い残して今にも旅立とうとする娘達を、一斉に母達が押し留めました。
そんな危険な事をさせられない。あゆみさん、レミさん、尚子さんは皆泣いています。
『諦めるまでこの手を離さないから』
そう涙ながらに訴えるあゆみさんの姿を目の当たりにして、変身を解くラブとせつな。
同様に美希も、ブッキーも変身を解きました。

が、事態は深刻です。ニューヨーク、パリ、ギザ・・・
世界各地にラビリンスの魔の手が忍び寄り、各局はニュースでこれを報じています。
いずれこの町も・・・ニュースを見る圭太郎パパが呟く後ろで、
あゆみさんはレミさんと電話会談中でした。
これから桃園家、山吹家の大人たちと共に蒼乃家で話し合うとのこと。
ラブとせつなに家にいるよう念を押して家を出る桃園夫妻でしたが、
ラブの横顔を見るあゆみさん、何か思うところがあるようです。

『娘の事分かっているつもりで、何も分かってなかったんですね』
『仕方ないわよ。娘がプリキュアなんて普通思わないもの』
『はっはっは、そりゃそうだ』『ちょっと笑い事じゃないでしょ』
『でもこれからどうしたら・・・』『それをみんなで話し合いましょう』
親たちの話し合い中、あゆみさんだけが終始無言で俯いています。
その頃美希はラブに電話をかけ、ブッキーとも既に相談したうえで
内緒で行くしかないと持ちかけていました。
ラブとせつなも同じ事を考えていたようで、置手紙を残して公園に向かいます。
「お父さんお母さんへ ごめんなさい」
美希も家を出る前に話し合う親たちを見て顔を曇らせ、一言『ごめんね』と
出て行こうとしますが、その前には和希が。
和希は『姉さんの味方だよ』と告げて、美希の出陣を見送ります。

公園に向かう前に、ラブには会っておきたい人がいました。
心境を察したせつなは皆に説明すると告げて先に公園へ向かいます。
会っておきたい人とは、大輔でした(な、なんだってー!!)
クリスマスツリーの前、既に待っていた大輔は、ラブに対して毒づきます。
プリキュアだったことを隠していた事、ミユキさんも知ってたのに大輔には教えてくれなかった事。
そして、今までそうとは知らずピーチに「ラブが好き」だという事を話してしまった事。
その全てにただ「ごめん」と返すしかないラブ。
しばし無言の時が流れた後、大輔の自分に対する想いへの返事を告げようとしますが、
『ちょっと待った。返事は帰ってから聞く』
大輔はその返事を遮り、そして絶対帰って来いとラブに告げました。
いつしか雪が降り始め、ホワイトクリスマスになりそうな空の下、
戦地に赴くラブを励ますように見送る大輔。
『悪い奴ら、ババーんとやっつけてこいよ』

保護者会は紛糾しています。特にレミさんは危険なら行かせられないと主張しますが、
正パパが話をまとめるかのように意見しました。
子供達の意思を尊重してみてはどうか、見守る事も親の役目ではないか、と。
『もし今引き止めてしまえば、あの子達きっと後悔する。後悔だけは、させたくないわね』
今まで無言だったあゆみさんが口を開き、場の方向性が定まりました。
『だったら、私たちにできる事は・・・』
保護者会は結審しました。

雪が降る中、四つ葉町公園のステージに揃う4人。
黙って出てきた後ろめたさはあるものの、帰ってきてから怒られればいいという美希の発言で
少し和やかな雰囲気となり、いよいよ出発。
という時にあゆみさんの声、そしていつのまにか親たちが勢ぞろいしていました。
娘に迫る母、思わずたじろぐラブ。ですが・・・
『行きなさい、自分の信じる道を。但し約束よ。必ず全員で帰ってくる事。みんな待ってるからね』
そして駄菓子屋のツンデレ婆さん、魚屋、蕎麦屋の兄ちゃんなど
商店街の皆さんも見送りに駆けつけました。
涙ぐむラブが母に抱きつき、涙もろい魚屋がもらい泣きをする中。
『世界を頼んだぞ、ラブ』
圭太郎パパの言葉で、親子のしばしの別れ。そして変身する4人。

カオルちゃんも兄弟として付き合ってきたタルトにドーナツを渡し、
皆に背を向け、アカルンで戦地に赴くプリキュア達。
『それじゃあ、行って来ます!』
『必ず戻って来るんだぞ』『約束よ』
パパ、ママの声がかけられる中。いざラビリンスへ向けて旅立ちました。

クリスマスは例年恋の話題になる事が多く、重い展開になりにくいのですが、
今までも満と薫の運命を暗示したり(SS)、ココとの別れを意識したり(プリキュア5)
今後の展開を匂わせる描写はありました。
今回クリスマスである事を感じさせるのは冒頭の飾りつけと
クリスマスツリー前での大輔との会話のみです。
今回ここに大輔を持ってくることで、(大輔にラブを任せたくないという私の本音は置いておき)
一年間ラブに対して抱き続けた大輔の想いをラブがどう返すかという興味をかきたてました。
図らずも本人とは知らずにキュアピーチにラブへの想いを打ち明けていた大輔にとって
不本意な形での告白となってしまいましたが、それを毒づきつつも
結果的に出陣するラブへのエールのように、大輔らしい受け止め方になったと思います。
前回私の中で急落した大輔株は少々持ち直しました。

子供を危険に晒す事を納得する親はおりません。
戦地に赴くというのは極端ですが、これを困難に立ち向かう事と置き換えれば、
正パパの発言は包容力のある良き大人の発言に思えます。
親が心配する以上に、子供達はいつしか成長していて、いつかは親を越えて行くもの。
ならば子供達が出した結論を見守るのが親の務めではないか。
子離れできずモンスターペアレント化する親には、こういう視点が必要だと思います。

今までのプリキュアは、人知れず戦ってきました。
そのため最後の戦いに赴く時の決意は内に秘めており、
シリーズによってはそれが葛藤として描かれることもありました。
フレッシュシリーズが他シリーズと異なるのは、プリキュアという存在が
作品世界内で認知されている事です。
それ故にその正体を知った皆の反応は、冒頭少し引用した「アンヌ、僕は、僕はね・・・」
だったのですが、二度と戻る事のない戦いに赴くのではなく、必ず戻ってくると約束して
戦地に赴く。それまでの一時的な別れという展開が悲壮感を和らげています。
初代シリーズ後半での決意シーンがあまりに悲壮だったために、
個人的にはこのくらいの重さが丁度いいと感じました。
たまたま昨日、「別れ」をテーマにしたエピソードの感想を執筆したため、
別れについて色々考えさせられた回でもありました。

戦闘が全く行われないストーリーでもあり、この点でも極めて珍しいものと思います。
思い出せる限りでは、レミさんポイズニー姐さん初出陣の回くらいしか思い当たりません
また、前回ソレワターセに飛び移った後に離れた描写が無く、
その後姿を見せなかったためにグランドフィナーレの巻き添えを食らってしまったのではと
一部で心配されていたミユキさんが見送りに駆けつけていたため、
無事で何よりでした(笑)

今年のプリキュア放送は本日で終わり、来年までお休みとなりますが、
新年最初のエピソードがまた気がかりです。
サウラー、そしてウエスターさん。この2人との「別れ」は不可避なのでしょうか・・・
彼らもまた、クラインの手紙の犠牲にならなければいいのですが。
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コメント 2

通りすがりの人

> 結果的に出陣するラブへのエールのように、大輔らしい受け止め方にな> ったと思います。
> 前回私の中で急落した大輔株は少々持ち直しました。
こんばんは
大輔とラブの仲の行方ですが、ラブはどちらかというと男らしい人柄なので、この時期ボーイフレンドを求めている感じではない、ような気も見ていてします。まー本人らも今後成長して変わるかもしれませんしどうなるか分かりませんが。この作品では異性との恋愛部分はあんまり前面に押し出して語るほどのものではないかなーという気もします。ともかくラブさん本人の選択に任せるしかないですね(w
by 通りすがりの人 (2009-12-21 00:42) 

スティクス

>通りすがりの人さん
コメントありがとうございます。
なるほど、そういう見方もありますね。
お仕着せではなく、いろいろな解釈ができるというのは
見る側にとって想像力を膨らませられて楽しいものです。
おっしゃるとおり、ラブさん本人の選択に任せたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。


by スティクス (2009-12-22 07:55) 

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