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フレッシュ第46話『サウラーとウエスター 最期の戦い!!』 [フレッシュプリキュア!]

―ひとりでドーナツを食べている時、ちょっと思ったことがある。
 お前達と一緒に食べたらもっと美味いかもって・・・―

―みんなで助け合っていけば、笑顔になれる、か。
 一緒に笑いあう時間が無いのが、残念だ・・・―
  
『シフォンちゃん、待っててね。今助けに行くから』
『管理された世界を戻すには、私たちの手で止めなきゃ』
『私たちの町を、メビウスの管理化には置かせない。これ以上好きにはさせない』
『みんな、必ず帰るからね。私たち、がんばるよ。みんなとしあわせGETするために』
それぞれの決意を胸にラビリンスへ向かう4人と2匹は、とうとうラビリンスへと到着。
眼前に広がるのは灰色の町。無機質な町。
久々の故郷の風景を前に身を固くするパッションを案じるようにピーチが手を取ると、
みんなが一緒だから大丈夫。パッションの返事は明るいです。
一行の前に建つメビウスの城。それはパッションの知る姿とは異なり
果てしなく天高く聳える高い高い塔でした。
メビウスの野望は順調に進み、全てがメビウスの物になるまで、あと3時間27分57秒。

城に通じる道は大勢のラビリンス国民がいるため、
一目につかぬよう様子を伺い、一時変身を解きラビリンス民に成りすまして後を行く4人。
ラビリンス国民は目に生気が感じられず、淡々と、皆が同じ様に同じ方向へ歩み続けています。
『ここでは国民が全員命令されたとおりに動いているわ』
そのためか、余計な会話も無く、静かな、どこか異様な光景。
ふとラブが脇を見ると、重い荷物を抱えてよろめく老人の姿がありました。
思わず手を貸そうとするラブを留めるせつな。
ここの人々は誰かを助けるよう命令されておらず、列が乱れてしまうと見つかってしまう、と。
そうは言っても既に優しさを知るせつなも心配そうですが、
何とか持ち直す老人を見て安心する2人。人を助けるのも駄目。それが、ラビリンス。
この人たちは何も疑問に思わないのかという気持ちに応えるかのように、
件の老人が呟き始めます。『全てはメビウス様の為に』
周りの人々から一様に起こる声。『全てはメビウス様の為に』
異様な空気に違和感を感じるラブたちですが、その時、食事の時間を告げるアナウンスが流れ
皆一斉に回れ左。あの老人も荷物を抱えたまま食堂へ向かっていきました。
人の流れから離れ、城へ向かう4人。流れからの離れ際、ラブは一人の少女に声をかけました。
『気をつけてね』
城へ向かう4人を振り返る少女の目は、怪訝そうですがどこか生気が感じられる気がします。

列を乱す者がいる、という事でクラインに見つかる4人。
ウエスターとサウラーはプリキュアが乗り込んできたと気を吐くも、
ノーザに出撃を命じるメビウスに我らも行かせて欲しいとばかりに懇願します。
2人に対するメビウスの評価は冷たく、何度もプリキュアを倒すよう命じたにも拘らず
ここまで乗り込まれてしまった事を責められますが、
それでも訴える2人にメビウスの指示が下りました。廃棄物処理空間で迎え撃て、と。
『お互い頑張りましょう』思わせぶりに笑うノーザを
振り返って睨む2人を背景に、読み上げられるサブタイトル。
"サウラーとウエスター 最期の戦い!!"

城の前まで来た4人の前、城に通じる一本橋の向こうではねる奇妙なボール。
それはソレワターセの実で、姿を現すソレワターセを前に再び変身し、
まさに速攻で奈落の底に突き落とすプリキュア達。
そのまま勢いに任せて城内に駆けて行く4人と後に続くタルト、アズキーナでしたが、
壁を這い上がり、その後を追いかけてゆくソレワターセ。相変わらず醜悪な姿と動きです。

まっすぐ進めばメビウスの部屋の筈。パッションの先導の元突き進むものの、
道は曲がりくねり、かつては無かった分かれ道までが一行を翻弄します。
パッションも知らない内部構造に変わっているため、
とにかく上を目指して駆け上がった筈が、いつの間にか下っています。
見れば壁が動き、刻々とその姿を変えていた通路。
いつしか前後を壁にふさがれて閉じ込められ、さらに遠くからソレワターセの声が迫ってきました。
身構える4人。ですがベリー、パッションが異空間に引き込まれ、続けてピーチ、パインも。
取り残されたタルトはアズキーナと共に迫るソレワターセに怯えつつも
アズキーナを庇うかのように立ち、そして壁の隙間から入ってくるソレワターセ。
絶体絶命!と思いきや、ソレワターセはなぜか引き返していきました。
プリキュアとはぐれた今、タルトたちは自分達のできる事、
シフォンを見つけて元に戻そうと互いを見つめあいます。

ベリーとパッションがたどり着いたのは、壊れた機械が乱雑に積み重なる空間。
ここは・・・。ベリーに問われたパッションが言いかけた時、上から落ちてくる巨大な塊。
落ちてきた方向には、ウエスター、サウラーの姿がありました。
『ここは廃棄物処理空間。別名ゴミ箱。お前達の墓場となる場所だ』
『今日ここでお前達とのケリをつける!』
運命の戦いの火蓋が切って落とされました。

パッションVSウエスター。
『効かねえよ!』パッションのパンチを受け止め、蹴り飛ばすウエスター。
サウラーVSベリー。
素早いサウラーの猛攻を受け止め続けるも、同じく蹴り飛ばされるベリー。

『イース!これが最後のチャンスだ。ラビリンスに戻ってメビウス様に従え!』
彼なりの誠意か、猛攻を加えつつもラビリンス民として説得するウエスターの攻撃を受け止め
『私はもう、イースじゃない!』再びウエスターに宣言するパッション
『あなたの気持ちはわかる。私もそうだったから。でもメビウスはあなた達の事を大事にしない。
 いいように使われてるだけなの。目を覚ましてウエスター!』
『起きてる!俺はばっちり起きてるぞ!イース!』
良くも悪くも真面目なウエスター。彼らしく論点のズレた反論をぶつけて左パンチを繰り出し、
その隙を突きパッションが反撃します。

『全てはメビウス様のために。みんなそう言っていたわ。このラビリンスの人たちみんな』
サウラーの左を受け止め、腕をつかむベリーに彼らしい反論が。
『そうだよ。僕達ラビリンスの者はメビウス様のためにいるんだからね』
『幸せの形はみんな違う筈。
 全員が同じ事を言う世界なんて、おかしいわ!あなたの幸せは何?』
『決まっているだろう。僕の幸せはメビウス様のお傍にお仕えすること』
良くも悪くも融通が利かないサウラー。ベリーの腕を払いのけて反撃します。

ウエスターの連打を受け止めつつ、なおも説得するパッションは、
彼がドーナツを食べていた事を指摘し、このまま全ての世界が支配されたら
好きなものを自由に食べられなくなると突きますが、
密かに作り方を覚えたというウエスター。心配ご無用、一人で食べまくると言い放ちます。

分からないのは君達の方。君らは何のために戦うのか。君の幸せは何か。
ベリーを追い詰めたサウラーが逆に問いかけます。
それに対するベリーの答えは、笑顔。
何度不幸に陥れてもいつのまにか笑顔になっていたクローバータウンストリートの住民達を
全くおめでたいと思い返すサウラーに反論するかのように立ち上がるベリー。
それはクローバータウンの人たちが、一人ではないから。
『どんな困難に遭っても、みんなで助け合っていけば笑顔になれるの。
 みんなと一緒に笑う事が、私の幸せよ』
下らないと言われても、下らないのはそちらではないか?何でもメビウスの為にとは
言いなりではないのか?操り人形ではないか?問い続けるベリーに
『おしゃべりは終わりだよ。プリキュアを倒せ。メビウス様のご命令を今果たす』
苦々しげに言い放つサウラーによって、ベリーは再び窮地に立たされます。
その背後では、崖っぷちに追い詰められるパッションの姿が。

『やれ、消去だ』突如、淡々と命じるメビウス。廃棄物処理空間には赤黒い球体が現れました。
『あれは・・・!』『デリートホール・・・!』
球体を恐れるかのように見つめるサウラーとウエスター。
その物体の正体を知るパッションはベリーに逃げるよう叫びます。
あそこに吸い込まれたら「消去」される、と。
デリートホールは既に周りの廃棄物を飲み込み始めました。
『メビウス様・・・まさか』『プリキュアと一緒に、僕達も消去しようとしているのか?』
廃棄物処理空間で迎え撃てという指示の意図は、
最初から捨て駒にするつもりだったのかと薄々察しつつも、
サウラーはそんな疑念から目を背けるように首を横に振りました。そんな筈はない、と。

廃棄物処理空間の外部へ通じる穴が次々と閉じられてゆき、
パッションはベリーを促して脱出を呼びかけますが、コードが絡みつき足をとられました。
正面からは室外機のようなものが飛んできて、思わず目を閉じるパッション。
目を開くとそこでは、ウエスターさんがパッションを庇っていました。
室外機を受け止め、投げ捨て、絡みついたコードをちぎるウエスターさん。
『イース・・・目が覚めたぜ。メビウス様にとって俺はゴミのようだ。ハハハハ・・・』
悲しく自嘲気味に笑うウエスターさんの本質を、かつての仲間、パッションは理解していました。
『違うウエスター。あなたはゴミなんかじゃない。だってあなたには仲間を思う心がある』
『・・・んなもんねえよ』
少々照れたようなウエスターさんに、謝り、そしてお礼を言うパッション。
『あなたは私をイースと呼び続けた。裏切り者の私を、ずっと仲間だと思い続けてくれた。
 ごめん・・・でも、ありがとう』
そんなパッションに、ウエスターさんも心の奥を少し覗かせました。
『ひとりでドーナツを食べている時、ちょっと思ったことがある。
 お前達と一緒に食べたらもっと美味いかもって・・・』
そう笑顔を見せたウエスターさんでしたが、そこに巨大な塊が飛来。
パッションを庇うかのように受け止め、そのまま流されるようにデリートホールへ・・・
『ウエスターーー!!!』
目の前で飲み込まれて行くウエスターさんをなす術も無く見つめ、そして目を背けるパッション。

『メビウス様!私はここにいます!これは何かの間違いですよね?』
今にも吸い込まれそうなのをこらえ、なお訴え続けるサウラー。
『メビウス様!何故ですか?お答え下さい!メビウス様!』
それに対するメビウスの答えは無く、足場が崩れて飲み込まれて行くサウラーでしたが、
その腕をベリーが掴みます。敵をなぜ助ける?そう問うサウラーにベリーの答えは
『戦うより、笑いあう方がいいじゃない。言ったでしょ?みんなと一緒に笑う事が私の幸せだって。
 みんなの中にあなたも入ってるんだよ』
何か胸を打たれたようなサウラー。どんどん周りの廃棄物は飲み込まれて行く中、
サウラーを引き上げようとするベリーですが、思うように行きません。
『今日まで自分の生き方が正しいと信じてきたが、このザマだ』
自嘲気味に語るサウラーを必死に力づけるベリーですが、
このままではサウラーもろともベリーも飲み込まれそうです。
『みんなで助け合っていけば、笑顔になれる、か。
 一緒に笑いあう時間が無いのが、残念だ・・・』
そう呟き、右手でベリーの足元を砕くサウラー。ベリーは手を離してしまい・・・
『サウラーーーー!!!』
反動で穴の外へ飛んでゆくベリーを満足そうに見つめつつ、飲み込まれていくサウラー・・・
共に穴の外へ飛ばされたパッションと2人、
閉じてゆく穴に向かってサウラーの、ウエスターさんの名を叫ぶ前で、無情に閉じられる扉。

『廃棄物処理空間に集めた「ゴミ」を消去しました』
あろうことか彼らを「ゴミ」呼ばわりして淡々と報告するクライン。
ただしキュアベリー、キュアパッションが脱出し、
サウラーとウエスターの力で助かった旨を聞いたメビウスにとって、
彼らは道具でしかありえませんでした。もっと早く消去すべきであったと
眉一つ動かさず、淡々と述べるメビウス。

その少し前、ピーチとパインは森のような空間に招きいれられていました。
罠かもしれないけれど、行くしかない。そして暗い森を進んでいた二人に
蔦が襲い掛かり、絡みつかれた二人が連れて来られた先にはノーザが待ち構えていました。
『ようこそ、キュアピーチ、キュアパイン』
そしてタルトとアズキーナはベルトコンベアの上に迷い込んでおり、
前から迫る荷を避け、誤って側溝に滑り落ちます。
落ちた先の空間には巨大な球体。
そしてその中には、インフィニティ・・・シフォンの姿が。

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
新年早々、見事に打ちひしがれました。ウエスターさん、サウラーの最期の戦いに。
中盤のイース様編とはまた違った視聴後の印象で、
昨年のアナコンディさんの最期の戦いを観た時のような後味を残した今回。
心配したとおり彼らは捨て駒として、イース様より酷い扱われ方で消されてしまいましたが、
ストーリーとしてはこれで良かったのかも知れない、と思いたいです。
いくら彼らが愛される敵役だといっても、安易に生き延びてしまっては
ブンビーさんの二番煎じとなってしまいますので。
「ああ、復活の前に死があるね」(ロマン・ロラン)
戦いが全て終わり、メビウスの管理下から解き放たれた世界で、
西隼人として、南瞬として彼らが再び生まれ変われる事を願いたいです。

ウエスターさんの最期の言葉を聞くまで気付きませんでした。
彼が今まで楽しそうにしていたシーンは、全て「一人」で楽しんでいたことに。
仲間想いで、馬鹿がつくほど真面目で正直。まあ、実際馬鹿でしたけれど(苦笑)
遊園地でパンダに乗ったりお花見でも打ち解けずカオルちゃんの店の裏でドーナツ食べても
ヤキソバ焼いたりしてお祭りを楽しんでもカキ氷を作って食べても
呑気に少年野球を観戦してもたこ焼を独り占めにしても
沖縄旅行を楽しんでも豪華客船パーティを満喫しても
サウラーやイース様、また他の誰かとも楽しんでいませんでした。
みんなと一緒に楽しむことは、彼の望みだったのではないでしょうか。
普段馬鹿にされていたイース様やサウラーにしっかりお土産を持って帰っていたり
沖縄でも「サウラーも連れてくるべきだった」と発言するなど、
4人一緒のプリキュアが、かつてのイース様同様羨ましかったのではないかと思います。
最後の最後までメビウスの影響下から脱することが出来なかったのが、
イース様とウエスターさんの違いかもしれません。
捨て駒にされたと気付き、かつての同僚パッションに見せた乾いた笑いは、
今まで見たウエスターさんの中で一番悲しい顔だと感じました。
なお、私は普段"ウエスターさん"と意識的に記述していますが、
今回は彼の戦士としての姿勢に敬意を表し、
あえて途中まで"ウエスター"と書かせて頂きました。
(ついでにノーザ「さん」もですが)

ウエスターさん以上に盲目的なサウラーは、もっと孤独でしたが
孤独を苦痛に感じないだけベリーの説得が最後の最後まで理解できません。
だからこそ、最後の瞬間に大切な事を教えてくれたベリーの言葉が
直前まで信じていたメビウスに裏切られた事と相俟って胸を打ったのでしょう。
裏切られたとは分かっている、けれどそれを認めたくない。
訴え続けるサウラーの姿は実に痛々しく、そして悲しいです。
そこに差し伸べられた救いの手、けれど相棒は既に消去され、
このままでは共倒れになる。そう思ったときの行動は不器用ながら彼らしく、
ベリーを巻き込まない為に自らの命を犠牲にする。それもそのように見せないように。
サウラーは笑顔を見せなかったわけではないですが、今までのものは全て「冷笑」でした。
素直に笑う事が出来なかった男が最期に見せた笑顔は、
同じようなテーマを背負ったダークドリームのように儚くも印象的でした。

メビウスはこれでもかと言うほど冷酷に、実に憎らしく描かれています。
彼が無表情かつ感情が無いかのように何の戸惑いも無く振舞うからこそ、
この男を倒したときのカタルシスがありそうです。
そのためにも、実は本当の目的があったとか、頂点を極めた孤独な内面を描いてしまうとか、
考える余地なく、徹底的に悪役を貫いていただきたいと思います。
あとノーザ「さん」も。廃棄物処理空間へ行けとの命令の意図を読み取っており、
捨て駒にされるであろうウエスターくんとサウラーくんに向ける冷笑。
一緒に働いた者に対して実に冷たいですが、
もしかしたら彼女も次に捨て石にされるかもしれません。
どうせなら、ここまできたら憎まれ役を貫いて頂きたいと思います。

明日から日常が始まります。会社勤めと、その前後の通勤。
東京は冒頭のラビリンスのようかも知れません。
でも私が生活しているこの東京はこうではありません。
確かにラッシュの人の流れは一方向で、余計な会話もありません。
でも、困った人を全員が放っておくほど、この世の中は荒んでいませんし、
会社のため、仕事のために他のものを犠牲にする人が全てではありません。
その中で自分らしく生きる、皆と共に生きるというテーマを見出して
明日からの新年、初出勤を乗り切って行こうと思います。
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