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マックスハート第25話『ひかりの夏の日 さなえの思い出』 [ふたりはプリキュアMax Heart]

控えめにもかかわらず凛とした佇まいと穏やかな笑顔で
大きな存在感を持つ雪城さなえさんですが、
意外なことにマックスハートではさほど目だったエピソードはありませんでした。
いつも助けられてばかりで、無力ではないかと悩むひかりを、
1年前と同じく欅の坂のエピソードで後押しする
暑い夏の日の優しいエピソードを、寒い冬の日に再見しました。
  
蝉の声が響き渡る、暑い夏の陽射しの下を一人歩くひかり。
いつになく思いつめた表情で、珍しくひかりが回想を担当します。
プリキュアの二人は新しい力を手に入れて戦っているのに、
自分は二人に守られてばかり、助けられてばかりの事を気に病んでいました。
木陰のベンチに腰掛けたひかりは、心配するポルンにカラ元気を振り絞るように
空を見上げて今日も暑いねぇ、と空を見上げました。

さなえさんは玄関先に打ち水をしています。
風鈴が軽やかな音を立てる雪城家に、なぎさがほのかと一緒に宿題をするため訪れていますが、
なぎさはただ暑さに身を任せてボーッとしているだけです。
まだ夏休みはたっぷり残っていると余裕を見せ、「急いては事をしじみ汁」
などと、相変わらずの間違えたことわざにほのかも呆れ顔です。
そんな折、ひかりが雪城家を訪ねてきました。
『今日、お店が休みになって。アカネさんが、急用ができたからって・・・』
聞かれてもいないのに、妙に言い訳っぽく答えるひかりを中に招き入れるほのか。
その一部始終を、さなえさんはいつものように笑顔を絶やさず見守っています。

その頃、洋館では外に出たがる少年を引き止めるべく、
あの手この手を駆使する執事達ですが、少年は屋内で出来る事にもう飽きており、
執事たちの体を張った手品などにも無関心です。
そんなやり取りを横目に、ビブリスは占いのようにトランプをめくると、
出たカードはシャイニールミナスを象徴するかのようなハートのエースです。
キャンディーズとは一切関係ありません(古)
続けて出るカードはジョーカー。「切り札」プリキュアを象徴するかのような占い結果に
ビブリスはなにやら不吉なものを感じていました。

宿題の途中なのに来てしまった事を気にするひかりを気遣い、
ほのかも一休みしようと思っていたと小休止を提案します。
丁度さなえさんが手作りの水羊羹を持ってきたため、一息入れることになりました。
羊羹に舌鼓を打つなぎさを微笑ましそうに見守り、ひかりはふと風鈴に目を留めて考えました。
外は暑いのに、クーラーもつけていない家の中がなぜか涼しい事に気付き、
言われてみればなぎさも疑問を抱きます。
さなえさんは先ほどの打ち水、雪城家の日本家屋の建築構造、
そして風鈴といった昔の人の知恵かもしれないと語りました。
『気温を下げる力は無くても、風を知らせてくれる事で涼しく感じるんでしょうね』
その言葉に、ひかりは何かを察したような雰囲気です。
そしてさなえさんの勧めでもっと涼しいところ、池のほとりの公園へ皆で外出しました。

なぎさは池に貸しボートがあるのを見て、張り切って乗り込みます。
なぎさとは当然ほのかが一緒に乗ることになりますが、
ひかりは誘われるままさなえさんと一緒に乗ることになりました。
ひかりの腰掛ける下にハンカチを敷き、元気に漕ぎ出したなぎさを見送った後
私たちはゆっくりいきましょう、と焦らないようひかりに語りかけます。
漕ぎ出したひかりの腕を上手だと褒めるさなえさんに、
ひかりは少しずつ胸の内を打ち明け始めました。
『いつも私が助けられてばかりで、何だか自分ばかり甘えてるみたいで・・・』
『それで、つい遠慮してしまって、話したい事も中々言い出せない』
ひかりはさなえさんに心を見透かされたようで驚きました。
『そう顔に書いてありますよ。ひかりさん』

さなえさんの優しい物腰にも、ひかりは何をどう話せばいいのか戸惑いますが、
自分でもよく分からない漠然とした不安の事だと察したさなえさんは、少し昔話を始めます。
父と一緒に登った、あの欅の坂。父の背越しに見た坂の向こうの景色。
六根清浄。そう言いながら子供達を連れて登った先から見えた焼け野原の事。
『自分は何をすればいいのか、自分に何が出来るのか。全く分からない言いようの無い不安。
 でもそんな時、そこに立って思い出すんです。今がどんなにつらくても、どんなに苦しくても、
 たった一つ希望だけは忘れちゃいけないって』
そう語る記憶の中のさなえさんは、おかっぱの少女の姿から、美しく成長した女性の姿に。
その手には「希望の姫君」が握られています。
『希望さえ失わなければ、明日はきっと良い日になるんだって・・・』
『希望だけは・・・失わずに・・・』

少し離れた場所からひかりとさなえさんのボートを見守るなぎさとほのかは
今日のひかりが元気が無い事を心配していました。
だからこそ、さなえさんが付いているから大丈夫。
見守る二人の前で、ひかりが漕ぐボートは再び動き出します。
『何だか時間が優しく流れていく。こんな気持ち久しぶり』
そのゆったりとした穏やかな夏の日を噛み締めるひかりですが・・・

そんな優しい時間も暗転。池の中央から闇が広がって行き、倒れ込むさなえさん。
池からはビブリスが現れ、さらにザケンナーがモーゼの十戒の如く池を割り、
2艘のボートはその裂け目に向かって流されていきます。
なぎさもひかりも懸命に漕いで抗いますが力及ばず、
ひかりとさなえさんのボートが裂け目に吸い込まれて行き、
なぎさとほのかは変身して後を追います。

ひかりがたどり着いた先は湖底ではなく、
下は水面で鍾乳石のようなものが林立する奇妙な空間でした。
自分はともかく、さなえさんを巻き込まないようビブリスに申し出るひかりも、
たまたま近くにいたのが不運と言い放つビブリスから
さなえさんを守るために立ち上がり、変身。

『お前にはもう、ひとかけらの未来も無い』
ルミナスはビブリスが放つ衝撃波からさなえさんを守り、砕かれたボートを飛び出します。
『帰る船も無く、あるはずの無い希望と一緒に消えてしまえ』
追い打ちをかけようとするビブリスでしたが、船が壊された際に宙に舞った
先ほどのハンカチと、さなえさんの日傘がビブリスを妨害します。
そして湖上から駆けつけるブラックとホワイト。現れた「切り札」です。
あのお方に災いが降りかからないうちに始末するというビブリスに向かって行くブラックですが、
ビブリスが放つ衝撃波で鍾乳石が砕けてさなえさんに降り注ぎ、
ホワイトはそれらを弾いてさなえさんを守ります。
その後衝撃波に弾き飛ばされる2人ですが、
ここでルミナスが立ち上がりました。
『私たちは絶対に諦めない。希望だけは絶対に失わない!』
ルミナスの強い意志に呼応するかのようにブラックとホワイトも立ち上がり、
そしてブレスを手中にしてマーブルスクリューMAX、そしてスパークで
ビブリスを撤退させました。

戦いが終わり、元に戻った池のほとりでさなえさんをベンチに休ませる3人。
ひかりはただ無我夢中だったようですが、結果としてさなえさんを、
そしてプリキュアを守った事になりました。

夏の陽が傾く頃、再び玄関に打ち水をするさなえさん。
風鈴が鳴り、忠太郎と遊ぶミップル、ポルンを見守りながら、
結局宿題は1ページも進まなかったなぎさは
希望さえ持っていれば宿題もきっと終わると履き違えた発言で
ひかりを言いにくそうに呆れさせるものの、
「希望」を司るハーティエル、ホープンが結果的に引き寄せられてきたようです。
『でも、希望だけじゃ宿題は終わらんぞ』
しっかりと締めて、再びホープンはどこかへ飛び去って行きました。


昨日のフレッシュプリキュアでも語られた、辛くても苦しくても諦めない。
マックスハートでは「希望を捨てない」という表現ですが、
根本的には同じ。というより初代~MH~SS~5~5GoGO~フレッシュと
表現は変われど本質的に受け継がれているテーマが語られる今回。
自分は守られてばかりと気に病むひかりをさなえさんが諭す展開は
激闘の中で主張をぶつけ合う昨日の展開とは異なり、
夏の風景描写とも相俟って優しい印象を与えます。
さなえさんの言葉だけではなく、さりげなく語られる風鈴の効果は
「風鈴には温度を下げる力は無いけれど清涼感を与えてくれる」
「ルミナスには強力な戦闘力はないけれど希望を与えてくれる」
とそのままひかり=ルミナスを象徴しているようです。

昨年の夏の日のエピソードに登場した欅の坂の話は、
絶望の中でも希望を失わないというさなえさん自信の体験と
なぎさとほのかが抱えた言い知れぬ不安を拭いました。
今回、絶望という視点は描かれない分、より希望に重きを置いて語られます。
焼け野原に涙しても希望を失わなかった少女時代のさなえさんは、
後姿だけですが美しく成長した姿を見せてくれました。
その手に握られているミップルが希望の象徴らしく扱われ、
さりげなく小道具を用いた演出も興味深く視聴しました。

演出といえば、今回登場したホープンが冒頭にも少しだけ姿を見せるのですが
その気配を察したシークンがカメラ目線でハーティエルの気配がした気がしたデス。
と呼びかけるコミカルな描写にインパクトがありました。
まるでブンビーさんの衝撃発言はCMのあとすぐ!のようで、
アドリブではないのに珍しいものでした。
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