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スプラッシュスター第6話『やっぱ最高!イケてるお父さん!!』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

私くらいの年齢になると、友人・同僚どころか、部下の中にも既に「お父さん」となっている人が
珍しくありません。彼らには私も知らない父としての顔がある筈で、
逆に私は子供達の知らない姿を知っているとも言えます。
美翔家と比較して自分の両親を見つめなおす咲を通して
大人と子供、両方に肯定的な気持ちにさせる一編です。
 
パン屋の朝は早いです。日曜の朝のんびりと寝ていた咲が目を醒ました頃、
大介パパと沙織ママは既に開店準備を整えていました。
特に今日の予定も無い咲は、友達はみんな家族でお出かけなのにうちはどこへも行けない
とぼやくみのりを慰めるものの、咲も良くみのりに同じことをこぼしているようです。
同じ寂しさを抱える姉妹同士、咲はみのりをどこかへ連れて行ってあげようとしますが、
これと言った所が思い当たりません。そこに舞と、美翔夫妻がパンパカパンを訊ねて来ました。

日向夫妻と美翔夫妻のやりとりから、既に沙織ママと可南子ママンが顔見知りで
大介パパと弘一郎パパが初対面である事が伺えます。
互いに尊敬し合い、謙遜し合う両家の父親同士。
本日訪れたのは、これから弘一郎パパが仕事で三日月湖へ出かけるため、
舞がぜひ咲を誘いたいと申し出たためでした。
遠慮がちの咲を促すように、改めてお願いする舞。
可南子ママンもそこに現れたみのりに目を留め、
大勢の方が賑やかで楽しめると、みのりも一緒に行く事になりました。
願っても無い出来事にはしゃぎまわるみのりを、皆が暖かく見守ります。

なお、美翔一家のうち和也だけは部活の練習で同行しておらず、
それとなく和也がいるかを尋ねてみた咲は少々残念そうです。
また、舞が熱心に咲を誘った理由はもう一つあり、
チョッピがフラッピを誘って欲しいとねだった為でもありました。
やっと自分の気持ちをわかってくれた、と嬉しそうなフラッピですが、
チョッピはただ湖が故郷の景色に似ているから、という理由に肩を落とし、
みのりが車へ来たので再び隠れる2匹。
おでかけおでかけ~♪とガラスにとんでもない顔を押し付けるのみのり。
日向姉妹はよく顔が崩れますが、それはさておき
店のパンを差し入れ、車を見送った日向夫妻。
本日、ある返事をしなければならないようですが・・・

『お前の力では伝説の戦士を倒す事が出来ないのか?
 それともこの私を怒らせたいがためにわざとやっているのか?』
アクダイカーンの叱責に耐え、ゴーヤーンの嫌味に耐えるカレッチ。
わざとそんな事が出来る程、彼は器用ではないのですが、
失敗が続くカレッチに、遂に最後通告とも取れる言葉が掛けられます。
『もう次は無いぞ・・・!』

地方の市民会館のような会場で、天文学についての講演を終える弘一郎パパ。
みのりも寝ずに聴いていられるほど敷居が低く、噛み砕いた内容だったようです。
そして湖を訪れ、昼食の支度を始める弘一郎パパの姿に、
天文学者で料理までこなし、大介パパと比較して舞が羨ましいと評する咲。
ところが当の弘一郎パパは、むしろ咲のお父さんの方が凄いと思うと評します。
休みの日にどこかへ連れて行くことだけが、良いお父さんとは限らない。
可南子ママンも、咲とみのりはいつでも食べられるから凄さがわからないかもしれない、
と前置きした上でパンパカパンの味は超一流だと太鼓判を押しました。
咲は知りませんでしたが、パンパカパンには日ごろから
有名ホテルやレストランからスカウトが訪れ、その度に断り続けているとの事。
それでも遊びに連れて行ってくれる両親がいい、とまだ幼いみのりはふくれますが、
いつかわかる日が来る、と弘一郎パパは優しく諭します。
食事が出来るまで少々時間があるため、自由行動で湖畔へと駆ける咲と舞。
その2人を、木の上からカレッチが見下ろしていました。今度こそ、と決意を燃やして・・・

湖畔での食事を終え、ボートに乗ろうとせがむみのりに、
弘一郎パパが一緒に乗ろうと申し出ました。
後片付けは適当にやっておく、という可南子ママンの好意に甘え、
後に描かれる可南子ママンの強烈なドジッ娘ぶりを既に知っている身からすると、
 この時いくつの食器が土に還ったのか心配です(笑))
咲と舞もまた湖へと向かい、ボートに乗り込みます。

二人きりのボートの上で、改めて学者一家の美翔夫妻を凄いと評する咲に、
ときどき研究に夢中になって食事の支度を忘れてしまう可南子ママン、
たまに別々の靴下を平気で履いているという弘一郎パパの
2人はかっこいい一面だけではない事を説明する舞。
舞からしてみれば、仕事で留守がちの両親と違い、
いつも身近に両親がいる咲のことを羨ましいと感じていました。

舞は信念を持って店を守り続けている日向夫妻を素敵だと評し、
その言葉でフラッピとチョッピは自分の居場所を守る事の大切さを訴えかけます。
フラッピとチョッピの故郷である、奪われてしまった泉の郷に戻りたい事。
そのためには残る太陽の泉を守りつつ、奪われた6つの泉を取り戻す事。
ここで改めて目的をおさらいし、咲も舞も改めて
出来る限りの事をして、なんとかフラッピたちの力になりたいと決意を新たにします。

突如暗雲が立ち込めて湖面が荒れ、不穏な空気が立ち込めます。
湖面が壁のようにそそり立ち、みのりと弘一郎パパを乗せたボートと引き離された
咲と舞の前に、妙に雄弁なカレッチが立ちはだかりました。
『また会えたなプリキュア。だが今日で最後かと思うと寂しいよ。
 ドライブもボートもしっかり楽しんだか?最後に素敵な思い出が出来て良かったな・・・』
最後の思い出を今まで見守ってくれた、空気を読んでくれるカレッチ(笑)、
そして藻を怪物化したウザイナーを前に変身して立ち向かう2人。

口から枯葉を吐き、水草の腕を伸ばして攻撃してくるウザイナーに絡め取られるイーグレット。
イーグレットを離しなさいと言うブルームに、それも面白いと応じるカレッチは
案の定イーグレットを思い切り投げ飛ばすよう指示しました。
飛ばされていくイーグレットを受け止めるべく、湖面を叩いてボートを飛ばし、
見事イーグレットの着水点で受け止めるブルーム。
戦いの場は、そのまま湖に浮かぶ小島へと移ります。
『いずれにしても、お前達にもう逃げ場は無い!』
いつになく真に迫るカレッチ自身の猛攻と合わせてウザイナーもけしかけられますが、
上手く互いのコンビネーションであしらうブルームとイーグレットの
ツインストリームスプラッシュによりウザイナーは撃退され、
後が無くなったカレッチもまた撤退して行きました。

みのりと弘一郎パパを介抱し、大事に至らなかった事に
胸を撫で下ろす咲と舞を見守るように、遠き山に陽は落ちて行きます。
家に付くというのに、車の中ですっかり熟睡してしまったみのりを運ぶため、
咲は一人営業終了したパンパカパンへ向かいますが、
そこで初めて、今まで見たことの無い両親の姿を目にする事になりました。
最高の待遇で迎えるというホテルのスカウトを断る大介パパ。
断る理由とは待遇が問題ではなく、大介パパが生まれ育った町を真に愛している事、
その町の人がパンやケーキを美味しいと思ってくれたら、十分満足している事でした。
奥様からも説得して欲しい。そう話を振られた沙織ママも同じ考えで、
スカウトマンも諦めて引き上げていきました。
『やっぱりうちのお父さんもお母さんも、最高のお父さんとお母さんだった!』
その一部始終を見守り、誇らしげに舞に告げて元気に帰宅する咲。
夜にも拘らず、改めてうちのパンとケーキは世界一だと頬張り、
いくらなんでも食べすぎだと心配する両親に対して掛けられる
咲の心からの言葉がパンパカパンに響き渡りました。
『ねえ、お父さん。だーい好き♪ お母さんも、だーい好き♪』


子供達の目線からは両親の偉大さを認識させ、
大人目線からは改めて仕事に対する誇らしさを認識させるような、
肯定的で良いストーリーだと思います。それだけではなく
咲とみのりを見送った後、スカウトに応じるかどうかの会話を交わす日向夫妻の姿や
講演を終えた弘一郎パパを労う可南子ママンなど、
2組の夫婦の姿からは多くを語らずとも意志が通じ合っている、
そんな大人の雰囲気も醸し出され、この後もバイプレーヤーとして活躍する
日向夫妻、美翔夫妻のキャラクターがしっかりと描かれています。

みのりよりもお姉さんの咲は、両親が日祝にどこへも連れて行くことが出来ないと
当然頭では理解しており、自分なりに納得しようとしていましたが、
本心では子供らしく甘えたいという一面を隠し持っていました。
冒頭でみのりに指摘されている通り、いつも姉らしく振舞っている裏で
ふとした瞬間に本音をこぼす一面があるという事で、
表立って弱みを見せない咲の意外な一面を、前回に続けてまたも認識しました

その寂しさは形は違えど、舞の内面にもあることが伺えます。
留守がちの両親と比較して、いつも一緒の咲の両親を羨んでいましたが
互いに無いものねだり。隣の芝生は青く見えるものです。
つい先日のハートキャッチプリキュアでのお父さんのスカウト話を思い起こすと、
留守がちな両親を寂しく思うつぼみのため、いつも一緒にいられる自営業を選んだ花咲夫妻。
つぼみにとっては、「店を運営しているため休日に家族で外出できない」
事よりも、常に両親のそばに居られる方が幸福な事でしたので
各家庭により異なる事情があるのは当然です。

そしてカレッチの描写は、歴代シリーズの敵キャラ同様、
一見パワハラに耐える気の毒なキャラのように見えますが、
前向きな2組の夫妻と対比すると、反面教師のような役割も与えられているように思えます。
アクダイカーンに堂々と反論できる状況ではない事は汲んだ上で、
その苛立ちを立場が低い(としておきます)ゴーヤーンにぶつけ、
カレッチは真っ向からアクダイカーンに対峙できません。
自らの信念を貫いて店を守り通す日向夫妻には、並々ならぬ苦労がある筈です。
好条件でのスカウトを断って意志を貫く日向夫妻と、
言いたいことを言えずに八つ当たりするカレッチ。
対極的な2種の「大人」の姿を見て、子供達は色々考えるのではないでしょうか。
そんなカレッチも次回が退場回。剋目して見届けたいと思います。
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