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ハートキャッチ第13話『真実が明かされます!キュアムーンライトの正体!!』 [ハートキャッチプリキュア]

私のような酒好きだと、竜舌蘭といえばテキーラの原料だと連想しますが、
数十年に一度しか咲かないというその花言葉は「繊細」。
凛とした態度、控えめながら堂々とした立ち居振る舞いから、
内に秘めた強さを見せる月影ゆりの、儚く繊細な一面を暗示するような花だと思います。
第一話からその存在感と謎に心を奪われた私にとって待ち遠しかった
キュアムーンライト様の事が徐々に明らかになる一編。
相変わらず圧倒的な強さで立ちはだかるダーク様と併せて
今後の展開が非常に気になるエピソードとなりました。
 
悪夢にうなされて目を醒ますゆりは、荒い息を整えて首を振ります。
彼女の見ていた夢とはあの、ムーンライト様が死闘の果てにダーク様に敗れた夢

普通の団地に住む月影家からは、ごく普通の一般家庭としての生活が伝わってきます。
両親に囲まれた小学校の卒業式の写真。中学の制服姿、そして現在のゆりの姿の写真。
台所へと向かうゆりは、既に母の春菜さんが朝食の支度をしていた事に、
土曜は私の当番だと謝りますが、早く目が覚めてしまったという春菜さんは気にしていません。
シャケの切り身、豆腐の味噌汁、海苔、おひたし、納豆と、
これまた普通の朝食の並ぶありふれた食卓。ですが、ここには大切なものが足りません。
『お母さん。もうお父さんの食器出すのやめましょうよ』
ゆりは食卓の上の空の膳を寂しげに見つめ、母に言います。
その父は心の大樹を探しに行くと、言い残して家を出てから早三年。
もう、お父さんは・・・言いかけたゆりを制して、お父さんは大丈夫、お母さんにはわかる、
と先手をとる春菜さんに、ゆりは登場以来初めて笑顔を見せました。
お母さんにはかなわない、と。
そして出勤していく母を見送りますが、扉を閉めた際、その裏でため息を漏らしました。
『強がり言っちゃって・・・』
その言葉は、母に向けられたものなのか、はたまた自身に言い聞かせたものか・・・

砂漠の国。
先日ゆりと相対した時の事に思いを馳せるダーク様に、サバーク博士が声をかけます。
ムーンライト様の事を案じているダーク様に、二人してムーンライト様の最期を見届けた筈だと、
仮に生きているとしても、その場に遺された割れたプリキュアの種が手の内にある限り、
ムーンライト様は二度とプリキュアにはなれないと告げました。
ダーク様には、今いるプリキュア、ブロッサムとマリンを倒す事だけを考えるよう、
そしてムーンライト様には関わらぬよう釘を刺して姿を消すサバーク博士。

良く晴れた土曜日、つぼみはえりかともも姉の来海姉妹にショッピングに誘われています。
急なオフの暇つぶしに誘われたとはいえ、カリスマモデルのもも姉と一緒にショッピングできると
まんざらではないつぼみの反応に、素直でいい子だと感想を漏らすもも姉。
えりかは対抗するように『つぼみは私の親友なんだから!』とつぼみの腕を取り、
つぼみは両手に花状態です。
親友、という言葉を聞いて、もも姉も「私の親友」を誘おうと電話をかけました。

その電話を受けたのはゆりです。
ところが出かけなければならないところがあると断り、フラれちゃったと嘆くもも姉。
結局、3人で楽しもうとなりますが、そんな折つぼみの携帯も鳴りました。
数十年に一度しか咲かない、竜舌蘭の花が咲いたとの薫子さんからの連絡で目の色を変え
えりかともも姉に頭を下げて植物園へ猛ダッシュで駆け去ります。
取り残された来海姉妹、結局2人でショッピングへと行く事になりました。

植物園内で、コッペ様の周りを飛び回っていたシプレとコフレは、人の気配を感じて隠れます。
現れたのはゆり。彼女はまるで救いを求めるかのようにコッペ様に寄り添います。
そこに現れた薫子さんと挨拶を交わし、薫子さんはその後、どう?と訊ねますが、
無言で俯いてしまうゆりを見て話題を変え、頼みたい事があると切り出しました。
孫のつぼみとその親友のえりかが新たなプリキュアとして砂漠の使途と戦っている事。
それはゆりも知るところですが、2人へ適切な助言が出来るのではないかとの提案に
哀しそうに黙って首を横に振ります。
その心境を案じて、薫子さんもそれ以上の事は言いませんでした。
『まだあの時の心の傷が癒えてないのね・・・』

『何十年に一度ォーーッ!!』
そこに唐突に駆け込んでくるつぼみによって、重い場の空気が一変します。
つぼみは薫子さんと一緒にいるゆりを見て、ゼラニウムの花言葉の時の事を思い出し、
そのおかげでシプレとコフレを救出できた事の礼を言います。
謙遜してその場を辞そうとするゆりでしたが、
竜舌蘭の花を一緒に見ようと誘われて足が止まりました。

一方その頃・・・
ウィンドーショッピング中の来海姉妹は、町の人々の悲鳴に気が付きます。
町で変な奴らが暴れている。
言ってみるとそこには、駅で無法の限りを尽くす(と言っても大した事はしていませんが)
スナッキーたち。その背後で指揮を執るダーク様の姿を認め、えりかは戦慄します。

つぼみとゆりは共に竜舌蘭の花に目を奪われています。
ゆりもはじめて見る花に興味深そうで、その姿に植物がお好きなんですか?と訊ねるつぼみ。
その答えは、なぜか薫子さんから出されました。
小さい頃は毎日植物園に来てくれた、と言う薫子さんを意味深な目で一瞥した後、
少々歯切れ悪く同意するゆり。
そこにつぼみの電話が鳴り響き、えりかからの連絡によって中断されます。
『駅でダーク・・・』
ここまでつぼみが口にしただけでゆりは敏感に反応し、駅へ向かって駆け出しました。
春菜さんは、駅の売店で働いているという事情を知り、つぼみも後を追います。

えりかはもも姉を先に逃がそうとしますが、
もも姉からしてみればなぜ自分が先に?と解りません。
しかし結果的に人波に押されて行ってしまうもも姉と離れ、
駅へ向かったえりかはスナッキー達の向こうに
子供を庇って取り残されている春菜さんの姿を認めました。
えりかが向かうより先に、その横を颯爽と駆けて行くゆり。
スナッキーたちの間隙を掻い潜り、母の元へと駆けつけます。
母を逃がした後に襲い掛かるスナッキーたちを生身であしらうゆりは
その先のダーク様と睨みあいました。無言で対峙するゆりとダーク様。
そこに駆けつけたつぼみと共に、ゆりの強さに見とれるだけだったえりかも変身します。

ゆりを庇うようにダーク様との間に割ってはいるブロッサムとマリン、
「今の」プリキュアですが、スナッキー達を暴れさせたのは2人をおびき寄せるためではないと
ダーク様に文字通り一蹴され、吹き飛ばされます。
邪魔者は消えた、と襲い掛かるダーク様の一撃を、再び生身で受け止め、
ゆりは目前のダーク様に問いかけます。
『どうしていつまでも私にこだわるの?』
『お前は・・・お前は私だからだ。キュアムーンライト!』
ダーク様の言葉によって、ブロッサムとマリンは
ゆりがムーンライト様だと知って驚きます。
膝をつくゆりの目前に立ちはだかり、とどめを刺そうとするダーク様。
『私は一人で十分だ。お前には消えてもらう』
ゆりを助けるべく駆け寄るブロッサムとマリンですが、
いかんせん距離が遠く、間に合わない・・・

その窮地に現れるのは、案の定あの眼鏡の青年。今日は再び書生スタイルで登場です。
ゆりの反応を見ると、彼女も彼の事を知らないようです。
股尾前科!またお前か!と対抗意識を露にして
青年に猛攻を仕掛けるダーク様ですが、その攻撃を軽々とあしらい続けます。
その隙に駆けつけた薫子さんは皆に逃げるよう促し、
青年もまた、花の嵐を巻き起こしてダーク様が怯んだ隙に姿を消しました。
一同を見失ったダーク様。ですが、プリキュアの種の欠片があるかぎり、
逃げても無駄だと余裕を見せます。

皆は薫子さんの植物園へと逃げ延びました。
あの青年について薫子さんに尋ねるブロッサムですが、
知ってか知らずか、敵ではない事は確かとはぐらかす薫子さん。
不意にシプレとコフレはダーク様が追ってくる気配を感じます。
コッペ様の結界があるから安全な場所との事ですが、ゆりには分かっていました。
ゆりが持つペンダント、プリキュアの種の欠片を感じて追ってきている事を・・・
この場所を知られぬよう、その前に食い止めるべく飛び出すブロッサムとマリン。
片翼で飛ぶダーク様の前に立ちはだかります。

しかし力の差は圧倒的で、2人がかりでもまるで歯が立ちません。
追い打ちをかけるように、ダーク様が放つダークタクトからのダークパワーフォルテッシモを
ゆりを守るために後に退かず、2人してフローラルパワーフォルテッシモを放ちます。
拮抗する2つの力ですが、ダーク様の右目が煌くとあの時同様押し返され、
再び変身が解けかかり、つぼみとえりかに戻ってしまいました。
その前に容赦なく立ちはだかり、見下ろすダーク様。
これで詰み、という程の危機的状況は、
ダーク様にかけられたサバーク博士の制止する声によって一変。
キュアムーンライトには関わるな。
やむなくその指示に従い、運の良い奴らだと言い残して飛び去るダーク様を、
つぼみとえりかは悔しげに見送りました。

ダーク様を呼び戻した声は、砂漠の使途のボス、サバーク博士。
そうゆりに教えられ、これ以上まだ敵がいるのかと懸念します。
こちらにもムーンライト様だったゆりがいる。
しかしゆりは、一緒に戦って欲しいという申し出に、首を横に振りました。
母が心配しているから、一緒には戦えない。
その理由で断るゆりですが、おそらく薫子さんには本当の理由が分かっています。
立去るゆりを、そっとしてあげるよう促し、敗れた際の心の傷が癒えていない事。
そしてプリキュアの種を失ったため、ムーンライト様へ変身出来ない事を説明し、
つぼみとえりかは顔を見合わせてため息をつきました。

夕陽の中、寂しげに歩くゆりの背後から、町中を探し回ったという春菜さんの声がかけられます。
心配をかけた事を謝り、共に家路に着く月影母子を見送る2人に、
シプレとコフレは、夢で見た筈だと声をかけました。
心の大樹を守ろうとしていたムーンライト様の想いを受けついたのは、つぼみとえりか。
だからムーンライト様の分まで頑張るデス、と。
俯きつつ歩くゆりの、心に立つ波風に揺さぶられるように
プリキュアの種の欠片が揺れ続けていました。

大方の予想通り、月影ゆり=ムーンライト様が明らかになりますが、
それだけではまだ全ての謎が明らかにならず、今後の展開から目が放せません。
冒頭、月影家の普通の日常のシーンが妙に丁寧に描かれている事で、
そこに父親の姿がいない寂しさが際立ちっています。
ゆりの父親の消息というのも今後一つの謎として扱われると思いますが、
ひょっとしてサバーク博士こそがゆりの父親ではないでしょうか?
心の大樹を探しに行く過程で、何らかの形で絶望し、砂漠化の野望を抱いたとか・・・
ムーンライトに関わるな、と執拗にダーク様に釘を差すあたり、
なにか含みがありそうです。

生身にも拘らず圧倒的な強さを見せるゆりですが、
プリキュアとして立ち上がる事は出来ません。
種が無い、という現実的な理由もさることながら、
敗れた際に受けたのは身体的なダメージよりも心のダメージの方が大きかったのでしょう。
母が心配する、という理由ももっともですが、
そう簡単に立ち直れない心の傷を受けた事が伺えます。
もっともダーク様に敗れた際の描写からして、無傷だったとも思えません。
おそらく瀕死の重傷を負うなどして、春菜さんに大きな心配をかけたのではないでしょうか。
その春菜さんも、娘が戦っていた事を知っているような言動が伺えたので、
父の存在も含めた月影一家にはまだ謎が残りそうです。

ダーク様の「お前は私だからだ」発言も気になります。
以前ダーク様は「プリキュアを倒すために生み出された」と発言していたので、
ムーンライト様の心のごく一部の暗黒面を分離して生みだされたのでしょうか。
前述のサバーク博士=父親という仮定が成り立つとすると、
ダーク様にとっても父親的存在の筈で、父を独り占めにしたい、
という考えもありえるのではないかと思いました。
もっとも、あまり憶測で話を進めると後々後悔しそうなので、この辺で止めておきます。
ところでサバーク博士はダーク様に、ムーンライトには関わるなとは言いましたが、
反面、今のプリキュアを倒せと命じていた筈では・・・?
ブロッサムとマリンへの攻撃を思い留まらせたのは、命令が違う気がしますが、
そこは大人の事情として割り切る事にします(笑)

それにしてもここまで実力差のあるダーク様に対して
ブロッサムとマリンがどう対処していけば良いのか、
これはかなり難しいのではないでしょうか。
毎度毎度眼鏡の青年に助けてもらっては面白くないですし、
再び功夫(笑)をやっても強くなるとも思えないですし、
次にダーク様と対峙する時までに何らかの動きがあると思いました。

一方、重箱の隅を突くようで恐縮ですが、
ムーンライト様とダーク様の戦いを見ていたはずのシプレとコフレが、
なぜゆりの正体に気付かないのか。
ラストのつぼみとえりかにかける言葉の内容との矛盾が感じられるのが少々残念です。

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